
かな文字と平安朝文学の独創性
No.877 歴史教科書読み比べ(18) : かな文字と平安朝文学の独創性 ドナルド・キーンは、平安朝を「世界史上最高の文明」とまで言っていた。■1.世界最古の小説『源氏物語』 渡部昇一氏は『源氏物語』について、次のように書いている。__________ 言うまでもないことだが、『源氏物語』は1001年ごろに書かれた世界最古の小説、しかも女性の手によるものである。 イタリアのボッカチオが書いた『デカメロン』(1348)、フランスのラブレーの『ガルガンチュアとパンタグリュエル』(1532)、スペインのセルバンテス『ドン・キホーテ』(1605)などと比較しても、3百年から6百年早いのである。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 単に最古というだけではない。__________ アメリカの代表的な日本学者であるドナルド・キーン氏は平安朝を「世界史上最高の文明」と言い、当時は20世紀の傑作であるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』と並ぶ世界の二大小説という評価もあった。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄源氏物語繪盡大意抄: 江戸時代の庶民の子供のための源氏物語入門書『源氏物語』だけではない。__________ 清...