日本の技術

ソニーでもトヨタでもない…テレビ・新聞が報じない「ものづくり大国・日本」復活の切り札となる「次の主役」

ソニーでもトヨタでもない…テレビ・新聞が報じない「ものづくり大国・日本」復活の切り札となる「次の主役」ソニーグループは1月20日、かつての主力だったテレビ事業を分離すると発表した。日本メーカーはどのような方向に進むのか。日本工業大学大学院技術経営研究科の田中道昭教授は「日本の製造業は大きな危機に直面している。背景にあるのが、『試作』を担ってきたものづくり中小企業の衰退だ」という――。写真=iStock.com/metamorworks※写真はイメージです全ての画像を見る(9枚)ものづくりの「静かな危機」第1章:静かに進む「試作の消失」という構造的危機日本の製造業はいま、外からは見えにくいが、内側から確実に進行している危機に直面している。その正体は、試作を担ってきたものづくり中小企業の衰退である。この問題は、新聞の見出しになりにくい。倒産件数が急増しているわけでもなければ、象徴的な巨大工場が閉鎖されるわけでもない。むしろ、熟練者が一人現場を離れ、受けられる仕事が少しずつ減り、次の世代が入らないまま、工場や作業場が「音もなく縮小していく」ことで進行する。そのため、社会全体として危機が共有さ...
現代の世界各国

オープンAI、大学共通テストの解答で満点を取った しかし順風満帆ではない。想定外の空間から障碍が生まれるのだ(宮崎正弘国際情勢)

オープンAI、大学共通テストの解答で満点を取った しかし順風満帆ではない。想定外の空間から障碍が生まれるのだ(宮崎正弘国際情勢)ひとつの衝撃的ニュースだろう。オープンAIが、日本の大学共通テストの解答作業を行ったところ主要9科目、とくに数学系で満点を取った。得点率は97%に達し、米グーグルやアンソロビックの91%平均を上回った。AIが難関大学入学レベルの知識を備え、幅広い事務作業を担える能力を示した。生成AIの進化は加速されており、いずれ人間社会の活動に深く浸透していくことは間違いない。 オープンAIは先行企業だが、追い上げのアンソロピックがグーグルと並んだことも注目されて良いだろう。アントロピックのクロード旋風は生成AIの立ち上げと比較できる。ソフトウェアエンジニアはアンソロピックのクロードに仕事を任せ,またプログラマーは余った時間を「クロード・ベンダー」に費やし、テクノロジー企業はコード作成AIをワークフローに組み込んでいる。1年かかっていた複雑なプロジェクトがアンソロピックを駆使すれば1週間で完了できた。毎日10時間かけて新しいソフトウェアを開発しプログラムによって、キャリアを通...
現代のロシア

ウクライナでロシアに負けたNATO諸国が混乱状態に陥っている

ウクライナでロシアに負けたNATO諸国が混乱状態に陥っている 1991年12月に「唯一の超大国」になったと言われたアメリカは窮地に陥っている。それ以上に厳しい状況になっているのは、そのアメリカに従属していたNATO諸国であり、その後を日本が追いかけている。 そうした中、ドナルド・トランプ米大統領は自国の特殊部隊を使ってベネズエラの大統領を拉致したものの、体制を転覆させることには失敗し、グリーンランドを欲しがってEU諸国を脅したが、反発を受けている。またイランの体制転覆を目指し、イラン国内で反体制デモを仕掛けたが、イラン政府がスターリンクを遮断したことでデモは沈静化、軍事攻撃は中止したようだ。 トランプ大統領は中国に対して経済戦争を仕掛けたが、レアアースの輸出停止という逆襲にあい、和解した。その後、日本の高市早苗首相も中国に喧嘩を売り、同じように逆襲されたが、和解する気配はない。このまま進めば日本の製造業は壊滅的なダメージを受ける。 日米欧は混乱状態だが、そういう状況をもたらした原因はウクライナにおけるロシアの勝利だろう。ロシアが戦っている相手は表面上、ウクライナなのだが、戦争の原因にな...
現代の世界各国

トランプの平和評議会はイスラエル覇権機関

トランプの平和評議会はイスラエル覇権機関2026年1月23日   田中 宇トランプ米大統領が1月16日、ガザ戦争の停戦策の第2段階として「平和評議会」の創設を発表した。評議会の構想は昨年9月からあった。35か国が参加し、1月22日にダボス会議の席上で正式に発足した。トランプ自身が評議会の初代会長(総裁)になり、中東その他の諸国の国家元首たちを評議会員にして、ガザだけでなく世界各地の紛争を解決していくことが評議会の目的だと設立要綱に書いてある。会長のトランプは評議会決定への拒否権、参加国の除名権など、絶大な権限を持っている。事務局はトランプの側近群だ。トランプを「世界皇帝」にするための機関にも見える。(Full text: Charter of Trump's Board of Peace)(Board of Peace - Wikipedia)トランプは世界の59か国に平和評議会への参加を求める招待状を出した。米国のほか、サウジアラビア、UAE、エジプト、ヨルダン、トルコ、カタール、モロッコ、パキスタン、インドネシア、ベトナム、モンゴル、カザフスタン、ウズベキスタン、ベラルーシ、アゼル...
現代の日本

高市潰しの日本国債危機

高市潰しの日本国債危機2026年1月22日   田中 宇日本の長期国債の金利が史上最高にまで上昇し、日本は金融危機になっている。この危機(金利急騰・国債暴落)は、経済的に見ると、日銀が米国(FRB)に頼まれてドル覇権(債券金融システム)の延命策として2023年まで続けた日本国債の買い支え(QE、異次元緩和策)をやめた後のしっぺ返し・巻き戻しとして、いずれ起きる可能性が高かった。(日銀は、安倍晋三が派遣した黒田東彦が、総裁だった2013年から2023年までQEを続け、長期金利の超低水準を維持した。今はそこから離脱する過程であり、よっぽどうまくやれば急騰させずに済んだかもしれないが、困難だった)(The Japanese Bond Market Is Imploding)(出口なきQEで金融破綻に向かう日米)今回の危機の意味はそれだけでない。発生のタイミングから政治謀略として推察すると、今回の事態は、QE終了後のありうべき危機を、高市政権が解散総選挙に打って出た直後の選挙前のタイミングを狙って誘発することで、日本の金融崩壊を高市のせいにして政権を潰す「高市潰し策」として起こされた。今回の金...
現代の世界各国

「次はキューバを獲る!」トランプの飽くなき野望の果て

「次はキューバを獲る!」トランプの飽くなき野望の果て「ドンロー・ドクトリン」の狙い昨年12月4日夜、米国政府は「国家安全保障戦略」(NSS)を発表した。米国によるベネズエラのマドゥロ大統領夫妻の「誘拐劇」は、この戦略路線上にある。同戦略はもっとも優先順位の高い地域として、「西半球」(Western Hemisphere)を明示している。これは、米国の外交政策上の核心的利益の確保と深く結びついている。①西半球が米国への大規模な移民を防止・抑制できる程度の安定性と適切な統治を維持することを確保したい、②麻薬テロリスト、カルテル、その他の国際犯罪組織に対して各国政府が我々と協力する半球を望む、③敵対的な外国の侵入や重要資産の支配から自由であり、重要なサプライチェーンを支える半球を望む、④戦略的に重要な拠点への継続的なアクセスを確保したい――という四つがその目標(利益)だ。そのうえで、戦略には「言い換えれば、我々はモンロー主義に対する「トランプ補則」(Trump Corollary)を主張し、実行に移す」とある。この記事の全ての写真を見る(全4枚)この戦略をわかりやすく言えば、①米国に近い隣国...
現代の世界各国

イランは転覆されるのか?

イランは転覆されるのか?2026年1月15日   田中 宇以前から反政府運動が断続的に続いてきた中東のイランで、年末から反政府運動が急に強まり、今の政体(イスラム共和国)が作られた1978年イスラム革命以来の激しさになっている。イラン当局は当初、今回の反政府運動に対してわりと寛容だったが、運動家たちが政府などの庁舎に押し入ろうとしたり、公共施設を放火したりするので、当局はこれを政治活動でなくテロ活動とみなして運動弾圧を強め、2週間で2千人が死んだと言われている。イラン国内は年末以来インターネットの接続が遮断され、国内の状況がほとんど世界に漏れてこない。世界に流れている情報は不確実なものだ。イランを政権転覆したいイスラエルと(傀儡の)米トランプ(合わせてリクード系)は、反政府運動を扇動鼓舞しており、流すイラン情報も歪曲している。いろいろ不確実だが、今回の反政府運動がイスラム革命以来の激しさであることは間違いなさそうだ。(Trump urges Iranians to ‘take over institutions’)(Iran ‘prepared for war’)反政府運動や民主化要求...
現代の世界各国

偽悪戦略で世界秩序を創造的に破壊するトランプ

偽悪戦略で世界秩序を創造的に破壊するトランプ2026年1月17日   田中 宇年初来、トランプ米大統領が思い切り「世界の悪者」になっている。既存の「リベラル世界秩序(英国系の米単独覇権体制)」にわざと逆らってぶち壊す「偽悪戦略」をやっている。世界最強の覇権国の大統領の「悪事」の連発を、誰も止められない。(Ron Paul: Making Imperialism Great Again?)トランプの「悪さ」を真に受けて本気で怒っている人々は、彼の策略の深さに気づいていない。既存の英国系覇権は、支配維持のため、マスコミなど権威体制を使って人々を洗脳して歪曲した善悪観を信じ込ませてきた。為政者が再選を目指して「善人」であろうとする限り、英国系に従属するしかない。世界を体制転換するには「悪人」になって、軽信的な人類から憎まれるしかない。有権者から憎まれて選挙で落とされるリスクを抱える。だが、トランプはもともと「悪人」を演出している。「悪事」を重ねても国内で人気が落ちにくく、偽悪戦略にうってつけだ。(ベネズエラ支配 成功への道)英国系は戦後ずっと、世界の善悪観の歪曲を続けて覇権に固執し、世界経済...
日本の歴史

アイヌよし、和人よし、日本よし ~ 北前船商人たちの三方よし経営

JOG(1455) アイヌよし、和人よし、日本よし ~ 北前船商人たちの三方よし経営北前船商人たちはアイヌに食糧や生活必需品を提供し、内地では蝦夷地産物で衣食住革命を起こし、ロシア南進への防波堤となった。■1.「アイヌよし、和人よし、日本よし」を実現した北前船商人たち伊勢: 花子ちゃん、歴史の授業で江戸時代の北前船については、もう習ったかな?花子: ええ、大阪から瀬戸内海を経由して日本海に出て、北海道まで行っていた輸送船ですね。各地で特産品を仕入れて北海道で売り、帰りには北海道の海産物などを仕入れて、また内地で売りさばいていた船だと習いました。伊勢: そう、最近出た中村恵子先生の『北方防衛と開拓の魁(さきがけ)─ 蝦夷地を舞台に暮らし革命を起こし領土を守った商人』では、その北前船が、いかにアイヌと内地の経済的発展に貢献し、しかも北海道をロシアの南進から守るのに役だったか、ということが、詳細な史実で描かれている。 蝦夷地との交易を始めたのは近江商人たちで、彼らがまさに「アイヌよし、和人よし、日本よし」の三方よしを実現したんだ。 中村先生の前作『江戸幕府の北方防衛 ─いかにして武士は「日本...
現代の日本

中国につけいるスキをも与える公明・立憲の新党「中道改革連合」に潜む想像以上の危険性とは

中国につけいるスキをも与える公明・立憲の新党「中道改革連合」に潜む想像以上の危険性とは「中革派」と「中核派」、通底するもの公明党と立憲民主党が新党として「中道改革連合」を立ち上げる方針を確定させた。この「中道改革連合」については、過激派である「中核派」を意識して、「中革派」とか「中革連合」という悪意ある呼ばれ方をされることがネットでは起こっているが、これは単なる言葉遊びにとどまらない。この「中道改革連合」には実際に「中核派」と似たところもあるからだ。例えば「中核派」の機関紙「前進」の1月1日号には、「日帝・高市の『存立危機事態』発言は、日帝の中国侵略戦争突入の決定的引き金を引いた」との記述がある。高市総理の「存立危機事態」発言をきっかけとして、高市政権へのダメージを意図した中国側の理不尽な日本攻撃が相次いで引き起こされたが、これは明らかに中国に問題があると見るべきだろう。だが、「中核派」はそうは考えておらず、逆に日本が中国に侵略戦争を仕掛けているとして、日本こそが悪だとの考えを示している。そしてこの「中核派」と似たような姿勢を、「中革派」である公明党と立憲民主党も共有してきた。この記事...
日本の文化

旧正月(春節)とは?2026年はいつから?いつまで?

旧正月(春節)とは?2026年はいつから?いつまで?旧正月(春節)とは?その意味と、2026年はいつからいつまでが旧正月(春節)なのか?この時期の呼び方ついて、あわせて紹介します。旧正月(春節)とは?旧正月とは、旧暦(太陰太陽暦)のお正月のことを言います。日本では旧正月と言いますが、中国では春節と言います。どちらも同じ意味。日本は明治時代から新暦(太陽暦・グレゴリオ暦)に変更したため、現在の暦になっています。(沖縄・奄美地方の一部の地域だけ旧正月をお祝いしています。沖縄では旧正月をソーグヮチと言います)今でも旧暦(中国歴)を採用している中国、台湾、シンガポール、韓国、ベトナム、マレーシアなどの東アジアや東南アジアなどでは、その時期は祝日になります。旧正月(春節)は国の祝日となるので、人口がお多い中国(中華人民共和国)が日本に旅行に訪れ、爆買するニュースを毎年見られるようになりました。旧正月(春節)の呼び方旧正月と春節は同じ意味です。国や言語によって呼び方が異なります。国旧正月の呼び方日本旧正月日本(沖縄・奄美地方の一部)ソーグヮチ中国春節台湾春節韓国ソルラル(ソラル)北朝鮮ソルラル(ソ...
現代の日本

ネオコンが始めた世界征服プロジェクトは破綻しているが、高市政権は従う

ネオコンが始めた世界征服プロジェクトは破綻しているが、高市政権は従う 日本の企業は中国とのビジネスで維持、さらにロシアの安価な天然ガスを手に入れることで状況を好転させようとしているのだが、こうした政策はアメリカ政府にとって好ましくない。1992年2月、ネオコンは潜在的なライバルを潰し、アメリカが世界を支配するというプロジェクトを作成したが、それに反するのだ。日本が中国やロシアに接近することをアメリカは許さない。 そうした流れの中、総理大臣に選ばれた高市早苗は就任早々、中国との関係を断絶させる動きに出た。11月7日に衆院予算委員会で「台湾有事」について問われ、「戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」と発言した。歴代の日本政府と同じように高市首相も「ひとつの中国」を受け入れているので、中国で内戦が始まった場合、日本は中国に対して宣戦布告するということになる。 高市首相は11月11日、衆院予算委員会で「核を保有しない、製造しない、持ち込まない」という非核3原則を堅持するかどうかという質問に対して明言を避けた。本ブログでは繰り返し書いてき...
日本の文化

大寒とは?2026年はいつからいつまで?寒の水、寒仕込みについて – 二十四節気

大寒とは?2026年はいつからいつまで?寒の水、寒仕込みについて - 二十四節気二十四節気「小寒」があれば、当然「大寒」もあります。字のごとく、寒いイメージですね。では大寒は本当はどういう意味なのでしょうか?また、2026年はいつからいつまでを指すのでしょうか?この時期の水を使った「寒の水」「寒仕込み」、時効の挨拶「大寒の候」、七十二候についても詳しくご紹介します。大寒とは?大寒はとは名前の通り最も寒い時期のことですが、季節的に三寒四温が訪れ始めます。三寒四温とは、三日寒い日が続くと、四日温かい日があるという意味。その為、ずっと寒かった小寒よりは、温かい日が訪れたりすることがあります。「小寒の氷、大寒に解く」という言葉があります。これは最も寒さ厳しい大寒が、小寒よりも温かいことを意味し「物事が必ずしも順序通りににはいかない」という意味で使われます。2026年大寒はいつからいつまで?2026年大寒はいつから?2026年1月20日(火)から2026年大寒はいつまで?2026年2月3日(火)まで(立春の前日まで)太陽黄経300度二十四節気「大寒」は「小寒」から数えて約15日後に訪れます。20...
現代の世界各国

トランプG2構想「西半球はトランプ、東半球は習近平」に高市政権は耐えられるか? NSSから読み解く

トランプG2構想「西半球はトランプ、東半球は習近平」に高市政権は耐えられるか? NSSから読み解くトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)ベネゼエラ攻撃は2025年12月5日に発表されたアメリカの国家安全保障戦略(National Security Strategy)(以下NSS)に沿って行われたものだ。NSSではモンロー主義(1820年代)のドナルド・トランプ版である「ドンロー主義」が貫かれている。そこから浮かび上がる「G2構想」は恐るべき現実を日本に突き付けている。その現実に、高市総理的な対中姿勢を軸とした高市政権は持ちこたえられるのだろうか?◆トランプG2構想の基礎にあるのはトランプの「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」発言昨年10月30日に韓国におけるAPEC首脳会談開催中に行なわれた米中首脳会談でトランプ大統領はすでに「米中が世界を二分して統治するG2構想」を表明していた。昨年11月5日の論考<トランプが「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言!>で示したように、トランプは米中首脳会談が始まる1時間ほど前に、自らのSNSであるTrut...
現代の中国

中国、レアアース輸出規制で大誤算。日本が技術力でレアアース供給国に躍り出る=勝又壽良

中国、レアアース輸出規制で大誤算。日本が技術力でレアアース供給国に躍り出る=勝又壽良中国が再び日本に対してレアアース輸出規制を発動した。しかし、この一手は日本を屈服させるどころか、逆に中国自身の戦略的優位を揺るがしかねない展開を招いている。G7を軸とした「レアアース同盟」の形成、日本が主導する化学的精錬技術の国際的浮上、そして南鳥島レアアース開発の本格化――。中国が切った同じカードは、もはや脅しではなく、世界の資源秩序を塗り替える引き金となりつつある。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)【関連】夢に終わる韓国「半導体超強大国」戦略。日本から盗めなかったシステム半導体に“世界シェア3%”の壁=勝又壽良プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。中国は「レアアース輸出規制」で日本を脅すが…中国が再び、日本へレアアース(希土類)輸出規制を発動してきた。前回(2010年)に続いて今回が...
現代の米国

トランプが決してロシア寄りでもないのに、ヨーロッパを小馬鹿にし、世界を振り回し続ける理由

トランプが決してロシア寄りでもないのに、ヨーロッパを小馬鹿にし、世界を振り回し続ける理由本当に西側の価値観を壊すだけなのか日本経済新聞に「『西側』でなくなる米国」との評論記事がアップされた。この記事の結論は、トランプ大統領が率いるアメリカはもはや西側の一員ではないというものだ。日本経済新聞は、トランプ大統領が法の支配や多様性の尊重といった戦後秩序の中核だった価値観を軽んじているとの認識を示している。記事はその証拠として、以下のような例を挙げる。NATOの仮想敵はロシアであったはずなのに、トランプ政権はその敵国ロシアと手を結ぶことを優先し、ロシア寄りの立場でウクライナに停戦を迫ることを続けている。昨年12月に発表したアメリカの国家安全保障戦略では、ロシアや中国への批判を和らげた一方で、欧州については移民流入などで「文明の消滅」に向かうと厳しく断じた。トランプ政権はデンマーク領であるグリーンランドの獲得を狙い、場合によっては軍事力の行使も否定しないという態度にさえ出ている。報道の自由、学問の自由を「制限」する姿勢も見せている。中央銀行の独立性を脅かすような言動を繰り返し、議会に諮らずにベネ...
現代の世界各国

米の意向に従って中露に対する軍事力を増強する高市政権の政策を隠す財政の議論

米の意向に従って中露に対する軍事力を増強する高市政権の政策を隠す財政の議論 日本の政策は富を一部の人びとに集中させることを是とする「新自由主義」に基づいて決められてきた。このシステムが存在している以上、貨幣供給量を変えても意味はなく、「緊縮財政」と「積極財政」を対立させる議論は新自由主義を継続させるための三文芝居にすぎない。 日本政府はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動を利用して多額の資金を医療分野へ流し込んだが、それで景気が良くなったわけではない。軍事力の行使に積極的な高市早苗首相は軍事分野へ資金を投入したいのだろうが、それはアメリカ政府の意向でもある。そうしたことに国民が気づかないうちに高市政権は選挙を実施したいかもしれない。 1990年代から日本の景気は低迷しているが、これを失政のせいにするのは正しくないだろう。1991年12月にソ連が消滅した直後、アメリカの外交や軍事をコントロールしていたネオコンは自国が唯一の超大国になったと認識、他国に気兼ねすることなく、好き勝手に行動できる時代になったと考えた。 そして1992年2月、アメリカの国防総省はDPG(国防計...
現代の米国

裏切られたトランプ革命はMAGA派の内紛を引き起こすだろう

裏切られたトランプ革命はMAGA派の内紛を引き起こすだろう 古村治彦です。 「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」「MAGA」「アメリカ・ファースト(America First)」というスローガンと共にドナルド・トランプは大統領にまで駆け上がった。一敗地に塗れても再び、捲土重来で大統領に返り咲いた。それは、アメリカの有権者たちの意思がそこにあったからだ。「アメリカはもう世界の警察官を辞めて国内優先に戻ろう」「他国に攻め入るのや止めよう」という、生活に疲れたアメリカの有権者たちの叫びがトランプ大統領を生み出したのだ。これは、ポピュリズム(既存の政治やエリートたちに対する異議申し立て)の勝利であった。そして、トランプ革命は実現するはずだった。しかし、現在、トランプ革命は進んでいない。既存のエリートたちに対する最大の攻撃材料であるエプスタイン文書は日本の戦後の教科書の如く黒塗りとなった。国内の物価高は依然として続いている。2025年4月に高関税政策を打ち出したが、その後はかなり後退している。こうした国内政策の不調をごまかすために外国の問題に首を突っ込むと...
現代の日本

なぜ実力のある海外ブランドほど、日本で“つまずいて”しまうのか?

なぜ実力のある海外ブランドほど、日本で“つまずいて”しまうのか?海外で高い評価を受け、実績も十分に積み上げてきたファッションブランドが、日本では定着せずに撤退していく──。この現象は偶然ではなく、日本のファッション市場が持つ独特の構造と深く関係しています。メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは今回の記事で、なぜ、海外ブランドが日本でつまずくのか?という背景を整理しながら、その本質的な原因を浮き彫りにしています。なぜ優れた海外ファッションブランドは、日本で失敗するのか海外では高い評価を受け、確かな実績を持つファッションブランドが、日本市場では静かに姿を消していく。これは珍しい現象ではない。むしろ、日本のファッション業界に身を置く者であれば、数多くの「惜しい失敗例」を思い浮かべることができるだろう。重要なのは、これらのブランドが「弱かった」わけではないという点である。デザイン、価格帯、サステナビリティ、ブランドストーリー。そのいずれもが、欧米や他のアジア市場では十分に通用していた。それにもかかわらず、日本では評価されない。そ...
現代の日本

内閣支持率風向きに重大変化

内閣支持率風向きに重大変化通常国会召集日を1月23日に決定した時点では通常国会冒頭での衆院解散の可能性は排除されていたと見られる。この日程で衆院解散・総選挙を挙行すれば26年度予算の年度内成立が不可能になるからだ。内閣支持率が高い間に解散・総選挙を打つとしても、予算を成立させてから、あるいは、各種立法措置を終了した通常国会会期末での決断でよいはずだった。このシナリオで動いていたと考えられる。このなかで、1月9日午後11時に、突然、通常国会冒頭での解散検討が報じられた。報じたのは読売新聞。高市首相サイドからの情報リークと見られると記述した。ジャーナリストの森功氏らが明らかにした取材結果等を踏まえると、情報発信源は今井尚哉内閣官房参与ならびに高市首相本人であると推察される。官邸には今井氏と同じ経産省官僚の佐伯耕三氏もおり、木原稔官房長官、今井-佐伯ラインが主導して冒頭解散戦術が打ち立てられているようだ。1月9日記事は「決断」ではなく「検討」。確定ではなく、高市首相サイドが観測気球を上げたものと言える。だが、解散風は吹き出せば止めるのは困難になる。首相サイドが解散を示唆して取り下げれば逆に窮...
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