現代の日本

実は財源だらけなのに…元財務官僚が「バカも休み休みに」とあきれる「減税を絶対に許さない財務省のロジック」

実は財源だらけなのに…元財務官僚が「バカも休み休みに」とあきれる「減税を絶対に許さない財務省のロジック」減税はできない、の一点張りの政府や財務省。だが、元大蔵(財務)官僚で経済学者の髙橋洋一さんは「実は日本の財政は財源だらけだ。また、財務省はかつて『消費税を増税しても景気が悪くならない』と言ったのに、今回は『所得税を減税しても景気がよくなるわけではない』と矛盾している」という――。(第2回) ※本稿は、髙橋洋一『財務省 バカの「壁」』(祥伝社)の一部を再編集したものです。■減税と増税と景気をめぐるトンデモ理論 「年収103万円の壁」の引き上げをめぐり、内閣府は減税による税収減を景気拡大ではカバーできないという試算を出した。その根拠となっている「短期経済モデル」で理論武装しているのは、予想にたがわず、やはり財務省である。 2024年12月、自民、公明、国民民主の3党の税制調査会長らによる協議の場で提示されたその試算は、内閣府の短期日本経済マクロ計量モデルを使って行なわれた。 所得税を名目国内総生産(GDP)1%相当額に当たる6.1兆円分減税した場合、1年目は税収が6.0兆円減少する一方、...
現代の世界各国

国際社会の“ウクライナ離れ”で一身に浴びる注目。イスラエルが開始した「存続のための大きな賭け」 

国際社会の“ウクライナ離れ”で一身に浴びる注目。イスラエルが開始した「存続のための大きな賭け」 6月13日、イランの核関連施設への先制攻撃を行ったと発表したイスラエル。関係各国の努力でかろうじて保たれていた世界のバランスはこれから先、どのように変化してゆくのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、中東やウクライナ戦争の今後をさまざまな情報を総合し推測。さらに国際安全保障を巡る各国の思惑を考察・解説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:多極化する世界で取り残される古き欧州と第2次世界大戦の遺産イスラエル‐政治利用される現代紛争とMulti-polarsの国際情勢が作り出す“新しく古い世界”綻びが制御不能の亀裂に悪化し割け切る。政治利用される現代紛争とMulti-polarsの国際情勢が作り出す“新しく古い世界”「もし今、中東エリアにいるのであれば、すぐに退避の準備を始めた方がいい」と数カ国から助言されました。幸運なことに私はその時、東京にいましたが、...
現代の世界各国

中東安定のためにイスラエルがイランを空爆

中東安定のためにイスラエルがイランを空爆2025年6月13日   田中 宇6月13日、イスラエルがイランを空爆し始めた。原子力と軍事の施設のほか、イランの軍幹部や原子力・軍事の専門家の居宅などを空爆したようだ。イスラエルは、これから空爆を何日も続けると言っている。軍事関係の人材や施設を爆殺・破壊する空爆を繰り返し、イランの軍事力を削ぐ作戦だろう。イランは核兵器開発しておらず、米欧イスラエルに濡れ衣をかけられているだけだ。イランの核施設は医療用アイソトープ製造など民生用だ。だから核施設でなく原子力施設。イスラエルの空爆の主な標的はイランの軍事資産であり、原子力施設への空爆は象徴だけの濡れ衣劇の一環だ。(歪曲続くイラン核問題)イスラエルは昨年11-12月に、レバノンをピンポイント空爆し続け、強い力を持っていたイラン傘下のシーア派民兵団ヒズボラの幹部の大半を殺し、兵器庫の多くを破壊した。ヒズボラは壊滅し、レバノンは反イスラエルから中立(親米)な国に転換した。今回のイスラエルのイラン攻撃は、あのヒズボラ攻撃と同じ趣旨と思われる。(イランと和解するトランプ)イスラエルは、昨年ヒズボラを壊滅させた...
日本の歴史

豊臣秀吉 ~ 日本人の持った良いところを一人に集めた人

No.1425 豊臣秀吉 ~ 日本人の持った良いところを一人に集めた人秀吉は「一君万民」のもと、日本人はみな兄弟であり、互いに助け合うべきという理想を追求した。■1.司馬遼太郎の秀吉像:キリスト教の「愛」で「天下取り」?伊勢: 花子ちゃん、この前、豊臣秀吉について、とっても面白い小説を読んだよ。花子: 豊臣秀吉? 先生も時には通俗的な本も読まれるんですね。伊勢: 今まで、秀吉に関する本は何冊か読んだけど、ここに登場する秀吉は、今まで描かれた秀吉とは全然、違うんだ。この本の帯には「日本人の持ったあらゆる偉いところ、良いところを、一人に集めた人」とある通り、素晴らしい人柄をもった秀吉が活き活きと描かれている。読み始めたら、面白くなって止まらなくなり、上下2巻、合計500ページ以上あるのを、二日で読み終えた。 著者の加藤武雄という人は、私も知らなかったけど、戦前、戦中、戦後を通じて、小説を90冊以上も書いた大作家だね。花子: 秀吉をどんなふうに描いているのですか?伊勢: 戦後の、たとえば、司馬遼太郎などと比べてみると、全く違う事がよく分かる。司馬遼太郎は『新史 太閤記』で、秀吉をこんなふうに...
現代の日本

減税と企業献金禁止潰した国民

減税と企業献金禁止潰した国民東京都議選は6月13日に告示され、6月22日に投開票日を迎える。参院選は7月3日公示、20日投開票になることが確実な情勢。野党が石破内閣不信任案を提出すれば石破内閣が衆議院を解散する可能性がある。いま総選挙を実施されたら敗北することを予測して立憲民主党が内閣不信任案を提出しない可能性を示唆している。もはや、立憲民主党に存在意義はない。ふぬけの野党第一党だ。昨年10月27日の衆院総選挙で自公が大敗した。自公獲得議席は215。衆院過半数の233を大きく下回った。裏金議員4名と自民系無所属議員2名が自民会派に加わったが自公会派の議席数は221。過半数確保に程遠い。少数与党は弱い。内閣不信任案がいつでも可決される状況に置かれる。このまま25年7月参院選で自公が大敗すれば政権維持が不能になる。絶体絶命の危機に直面した。この状況下で自公政権は三つの難題に直面。消費税減税論沸騰、企業献金全面禁止要請、そして日米関税率交渉だ。ところが、この三つの難題を潜り抜けようとしている。通常国会で消費税減税論は完全に封印された。参院選が近づくが、中核野党が消費税減税の訴えを強めていない...
現代の日本

増産の手だてを早急に打て

増産の手だてを早急に打て コメの小売価格を抑制するとして農林水産大臣の小泉進次郎が政府の備蓄米をせっせと市場に放出したことで、残りの備蓄米はおよそ10万㌧にまで目減りした。政府の米蔵はすっからかんである。もともと国内需要に対してそれ自体が少ない2カ月分にも満たない90万~100万㌧を抱えているとされていた政府備蓄米だが、江藤前農相のもとで30万㌧、引き継いだ小泉進次郎のもとで50万㌧の計80万㌧をはき出し、残りはわずか10万㌧。何か事あれば、放出する備蓄米はゼロにもなりかねない危険な領域といえる。備えが心許ないのだ。 古米、古古米、古古古米からついには古古古古米と、ニュースではアナウンサーたちが朝からニワトリかと思うほど「ココ」「ココ」いっている。そのように毎年の政府買い取りによって積み上げてきた備蓄米であり、残り10万㌧まで減ったからといって今年産米でいっきに80万㌧を追加できるほど国内の生産力に余力などない。店頭からコメが消え、なおかつ1年前の2倍という価格に世間が騒然とするなかで慌てて80万㌧を放出したものの、供給量の確保すなわち農家の生産拡大のためには昨年から何一つ手が打たれて...
現代の日本

食管法廃止がコメ不足の原因 市場原理に委ねて離農急増 生産者を守り、消費者の負担を減らす政策を

食管法廃止がコメ不足の原因 市場原理に委ねて離農急増 生産者を守り、消費者の負担を減らす政策を田植えをするコメ農家(山口県) 昨年夏からの「令和のコメ騒動」はいまだに収束のきざしは見えない。スーパーの棚からコメが消え、米価は2倍以上に高騰したまま高止まり状態だ。政府は昨年も「新米の時期が来ればコメはある。米価は下がる」とくり返してきたが、いっこうに下がる気配はなく、今年の端境期にスーパーの棚にコメはあるのかと国民の不安は募っている。コメは日本人の主食であり、先進国で主食用の食物が2倍も高騰するといった異常事態が続く国はほかにない。また、大地震などの自然災害や極端なコメの凶作もないなかでのコメ騒動だ。折しも今年は1995年の食糧管理法(食管法)廃止から30年を迎える。コメの生産、流通が市場原理に任されてきた30年間のあいだにどのような変化があったのか。そのなかで起こった令和のコメ騒動の根本的な要因はどこにあるのかを見てみた。 昨年夏にコメがスーパーの棚から消えたさいには政府は「新米の集荷時期がくればコメは出回る。価格は元に戻る」と説明し、また「卸業者がかかえこんでいる」などともいって特段...
現代のロシア

ウクライナによるロシア機攻撃は「西側」の情報作戦 – ジェフリー・サックス

ウクライナによるロシア機攻撃は「西側」の情報作戦 - ジェフリー・サックスキエフの「スパイダーズ・ウェブ作戦」はCIAとMI6が共同で計画したと公共政策アナリストが主張している。ファイル写真:ジェフリー・サックス。©  Horacio Villalobos / Corbis via Getty Imagesアメリカの公共政策アナリスト、ジェフリー・サックス氏は、今月初めにウクライナがロシアの軍用飛行場をドローンで攻撃したのは、CIAとMI6が画策した「西側の諜報活動」だと主張した。サックス氏は、水曜日に公開された米国人ジャーナリスト、タッカー・カールソン氏とのインタビューで、西側諸国の情報機関が米国の「ディープステート」の命令に従って、ウクライナ紛争の解決を目指す和平努力を秘密裏に妨害していると非難した。6月1日、ウクライナの無人機は、北部のムルマンスクからシベリアのイルクーツクまで5つの地域にわたる協調攻撃で、複数のロシア空軍基地を攻撃した。ウクライナの指導者ウラジーミル・ゼレンスキーは後にこれを「蜘蛛の巣作戦」と呼んだ。キエフは、長距離爆撃機を含む約40機のロシア軍機が損傷または破...
現代の米国

「2202」 アメリカの超一流法律事務所たちがトランプの報復に降伏した(第2回・全3回) 2025年6月11日

「2202」 アメリカの超一流法律事務所たちがトランプの報復に降伏した(第2回・全3回) 2025年6月11日副島隆彦です。今日は2025年6月11日です。アメリカの巨大法律事務所についての2回目です。謝罪金、Concealment Feeというんだけど、法律上の慰謝料のことだ。慰謝料にはもう一つ、Compensationいうのもあるんだけど、離婚裁判のときに大体、夫が妻に払うのは Reconciliation Feeで、Concealment Feeはそれと似ている。これを、ポール・ワイス(会長はブラッド・カープ)がトランプ側の弁護団に払った。トランプ弁護団だって法律事務所で、トランプ側の弁護士たちもいるということだ。その名前は記事の中に書いていない。アメリカの巨大法律事務所もっと言うと、スキャデン・アープス・スレート・マー・アンド・フロムというところも、このあと3月28日にトランプに屈服した。記事を丁寧に読んだら分かる。これと『日経新聞』の表にあるパーキンス・クイというのは一体化している。ニューヨークでスキャデン・アープスといえば、私も知っていた有名な法律事務所で、弁護士が500人...
現代の米国

トランプ氏、マスク氏を許せると発言

米国大統領はテスラのCEOと公然と対立し、個人的な侮辱にまで発展した。ファイル写真 © ゲッティイメージズ/ ケビン・ディーチュ/スタッフドナルド・トランプ米大統領は、政権の主要政策の一つをめぐってテスラ社の最高経営責任者(CEO)が公の場で激しく非難した事件の後、マスク氏を許せると述べた。かつて親密な同盟関係にあった両氏の対立は、先週、トランプ氏が「ビッグ・ビューティフル」と呼ぶ増税・歳出法案をめぐって醜い様相を呈した。最近、政府効率化局(DOGE)の局長を辞任したマスク氏は、この法案が連邦予算の無駄を削減するという自身の努力を損なうものだとして、繰り返し批判していた。マスク氏はトランプ大統領を「恩知らず」と非難し、弾劾を求める声を支持し、ドラゴン宇宙船の運航停止によって米国の宇宙計画を妨害すると警告した。これに対しトランプ大統領は、マスク氏が「正気を失った」と反論し、この口論は「EV義務化」の終了が原因だと非難した。EV義務化とは、テスラに有利に働いた連邦政府の優遇措置を指す。マスク氏はこれに対し、トランプ大統領と小児性愛者で有罪判決を受けた故ジェフリー・エプスタイン氏を結びつける...
現代の日本

日本の原発再稼働は核兵器開発の再開である可能性がある

日本の原発再稼働は核兵器開発の再開である可能性がある 日本では原子力発電所を推進しようとする動きが強まっている。東京高裁(木納敏和裁判長)は13兆3210億円の支払いを命じた東京地裁の判決を取り消し、東電旧経営陣の責任を認めなかったが、これもそうした流れの中での出来事なのだろう。 日本の核開発は1943年にふたつのグループによって始められたと言われている。ひとつは理化学研究所の仁科芳雄を中心とした陸軍の二号研究、もうひとつは海軍が京都帝大と検討していたF研究だ。仁科を中心とするグループは福島県石川郡でのウラン採掘を決定、海軍は上海の闇市場で130キログラムの二酸化ウランを手に入れたという。 それに対し、ドイツは1945年の初め、日本へ1200ポンド(約540キログラム)の二酸化ウランを潜水艦(U234)で運ぼうとしたが、アメリカの軍艦に拿捕されてしまう。日本の士官が乗り込んでいたこともあり、日本へ向かう予定だと考えられている。 拿捕後、この潜水艦に乗り込んでいた日本人士官は自殺、そのウラン化合物はオーク・リッジへ運ばれたという。アドルフ・ヒトラーが最も信頼していた側近だというマルチン・...
現代の米国

トランプ政権がイランとの戦争を決断したとする情報が世界を駆け巡っている

トランプ政権がイランとの戦争を決断したとする情報が世界を駆け巡っている アメリカの国務省は不要不急の政府職員にイラクからの退避を命令、またバーレーン、クウェート、アラブ首長国連邦の基地から軍人の家族は自主退去するように勧告した。また国防総省は中東各地の基地から軍人の家族が退避することを認め、カタールのアル・ウデイド米空軍基地では人員の避難が始まったと報じられている。 イスラエルはアメリカ当局に対し、イランで軍事作戦を開始する準備が整っていると伝えたと報道されているが、ドナルド・トランプ米大統領はイラン攻撃を決定したとも伝えられている。現在、イラン政府は最高レベルの軍事態勢にあり、同国軍のモハンマド・バゲリ参謀総長は予定外の軍事演習を命じたと報じられている。 ウクライナではイギリス、フランス、ドイツの各国政府がアメリカをロシアとの戦争へ引き摺り込もうとしているが、トランプ大統領は今のところ拒否している。ところがイスラエルの要求には応じそうな雲行きだ。 イランの最高指導者であるアリ・ハメネイ師は4月4日の時点でトランプ大統領に対し、イスラム共和国(イラン)と対峙する際に脅しでは何も得られな...
現代の日本

出生数減少より深刻な死亡数激増

出生数減少より深刻な死亡数激増2014年の人口動態調査年次統計数値が公表された。2024年の人口動態は次のとおり。出生数   686,061人死亡数 1,605,298人人口減   919,237人統計開始後、初めて出生数が70万人を下回った。1年間に92万人もの人口が減った。日本の人口が前年比で初めて減少したのは2005年のこと。20年が経過して人口92万人減の状況に至った。日本には47の都道府県がある。そのうち10県の人口は100万人以下。92万人の減少とは1年間に一つの県の人口が消滅する程度の意味を持つ。1年で100万人人口が減少する状況が生じるのも時間の問題かもしれない。出生数減少だけが大きく報道されるがより重大な問題がある。死亡数激増だ。人口高齢化に連動して死亡数が増加する傾向を示してきたが、2020年は死亡数が前年比減少した。8338人減少した。この年にコロナパンデミックが発生。コロナパンデミックの2020年は死亡数が前年比減少したのである。ところが、2021年から死亡数が激増した。2021年の死亡数は前年比6.7万人増加。東日本大震災があった2011年の5.6万人増加を上...
現代の日本

国民民主党評価の化けの皮

国民民主党評価の化けの皮国民民主党が元衆議院議員の山尾志桜里氏に対する参議院議員通常選挙での立候補公認内定を取り消した。山尾氏は出馬に向けて6月10日に会見を開催した。この会見内容に批判が噴出したことを受けて国民民主党は公認内定を取り消した。山尾氏はこの措置を受けて国民民主党に離党届を提出した。国民民主党人気はメディアが創作した人為的構築物だと思われる。自公が自壊し、政治刷新の可能性が高まっている。これに対して日本政治を支配してきた既得権勢力は既得権を維持するために懸命だ。そのために注力されているのが隠れ与党勢力の伸長。第二自公、チームBである。その中核が維新と国民。立憲民主は〈革新勢力〉として発足して躍進したが、転向させられた。2021年衆院総選挙の際に枝野幸男氏が明確な路線転換を表明。共闘の対象は連合と国民民主だと明言した。共産、れいわ、社民を共闘対象から除外した。完全な右旋回である。したがって、現状では維新、国民、立民の三勢力が〈第二自公〉=〈チームB〉=〈隠れ自公〉=〈ゆ党三兄弟〉を形成している。昨年10月の総選挙で自公は過半数を大きく割り込んだ。政権交代を実現することが可能だ...
科学論

黒潮大蛇行の終息、見通しは? 海洋研究開発機構の美山主任研究員に聞く 気象災害や猛暑改善に期待も

黒潮大蛇行の終息、見通しは? 海洋研究開発機構の美山主任研究員に聞く 気象災害や猛暑改善に期待も 2017年8月に始まり、本格的に観測開始した1965年以降で最も長く続いた黒潮大蛇行が終息の兆しを見せている。漁業や気象環境に長期に影響を及ぼした「スーパー黒潮大蛇行」は、静岡県内ではサクラエビやシラスの不漁、台風15号による浸水、熱海土石流に関係したとの指摘もある。ただ、黒潮の威力はいまだ弱く、いつ大蛇行が復活してもおかしくない状況。海洋物理学が専門の美山透海洋研究開発機構(JAMSTEC)主任研究員(55)に見通しを聞いた。▶▶6日8日時点の黒潮の様子 ―黒潮の最新の動向は。 「静岡沖で北緯32度より南まで蛇行していた黒潮は、紀州半島沖の冷水塊を挟み、いったん2~3月にプチンと切れた。こうしたことは大蛇行中に何度もあったが、その後再び4月末に同じ箇所で途切れ、そのままの状態が続いている。ただ、大蛇行が解消するときは冷水塊を北東に押し出すように黒潮の勢いが増すのが常だが、今はまだ黒潮の勢いは弱く、大蛇行がまたすぐに復活する可能性はあると考える。気象庁の基準では、大蛇行が3カ月間観測されな...
現代の米国

米国、ウクライナへの支援を削減へ―国防長官

米国、ウクライナへの支援を削減へ―国防長官ピート・ヘグゼスは、紛争の平和的終結はワシントンの利益になると発言した。ピート・ヘグゼス国防長官、ワシントンD.C.の米国議会議事堂にて。2025年6月10日。 ©  Getty Images / Chip Somodevillaピート・ヘグゼス国防長官は、ドナルド・トランプ米政権がウクライナ紛争の平和的解決を模索する中、ホワイトハウスはウクライナへの軍事予算を削減すると述べた。国防総省長官は火曜日、下院歳出委員会でこの声明を発表した。ヘグゼス氏は、ウクライナに対する今後の軍事援助資金について問われると、「これは予算の削減だ」と述べた。「現政権はこの紛争について非常に異なる見解を持っている」と彼は付け加えた。トランプ大統領はウクライナ紛争の終結に向けた交渉に尽力し、ロシアとの外交関係を再構築した。1月の就任以来、モスクワとキエフは、ウクライナがイスタンブールでの最初の交渉から一方的に離脱した2022年以来初めて、直接交渉を再開した。続きを読む:バイデンのウクライナ支出は「狂気」-ヴァンスヘグゼス氏は「世界中で利害が対立する中、交渉による平和的解...
現代の米国

イーロンマスクを激怒させた意味

イーロンマスクを激怒させた意味2025年6月9日   田中 宇米国の大富豪イーロン・マスクは、米トランプ政権で、政府の浪費を減らすDOGE(政府効率化省)を新設・担当していた(5月末に任期満了)。だが、トランプと連邦議会は、財政改革の法案(BBB)に、DOGEが勧告した浪費削減策の一部しか盛り込まず、実質的に財政赤字を増やそうとしている。マスクはBBBに猛反対し、BBBを自賛するトランプとの対立が激化している。マスクは、共和党を辞めて中道派の新政党(アメリカ党)を立ち上げると言い出している。(Trump defends Big Beautiful Bill amid Musk attacks: ‘I didn’t create this mess, I’m just here to FIX it’)トランプは、以前の米政権が増やした浪費を減らすと宣言して大統領に返り咲き、公約に沿ってマスクにDOGEを新設させ、貧困国救済のふりをした政権転覆機関であるUSAIDを潰しにかかるなど、大騒動で赤字削減を進めてきたが、結局のところ、それは演技だった。赤字総額は今後も増える。議会両院の多数派を握...
現代の日本

過去最長・7年継続の「黒潮大蛇行」が終息か? 漁業や気象への影響は

2025-05-22 05:00 ウェザーニュース気象庁は5月9日、紀伊半島から東海沖の黒潮大蛇行が5月8日現在みられなくなり、この状態が持続して大蛇行が終息する兆しがあると発表しました。今回の黒潮大蛇行は2017年8月から過去最長7年9か月続いたもので、カツオやシラスなどの漁業や船舶の運航、気象など、私たちの生活への影響も見逃せません。「黒潮親潮ウォッチ」で黒潮流路の変化とその予測について情報発信を行っている、海洋研究開発機構・アプリケーションラボの美山透主任研究員に、発生のメカニズムや影響など詳しく教えていただきます。過去最長で続いた黒潮大蛇行黒潮が大蛇行するとは、どういう現象でしょうか。黒潮とは、東シナ海から日本列島の南岸に沿って北上する暖流です。透明度が高いため、沖を流れる海流が黒っぽい色にみえることから黒潮と呼ばれています。「黒潮は、強い流れは幅100km深さ1000mにも及ぶ、世界最強の海流の1つです。流速は速いところで毎秒2.5m以上に達しますが、これは自由形競泳世界記録保持者でも逆らっては泳げない速さです。運ぶ水の量は、季節や場所によっても変化しますが、約毎秒2000〜...
現代の日本

刑務所出所者の「親になったるで」 ~ 職親プロジェクトの挑戦

No.1424 刑務所出所者の「親になったるで」 ~ 職親プロジェクトの挑戦刑務所や少年院の出所者を雇用して、社会復帰を助ける。704社が950名を雇っているが、その道のりは険しい。■1.「最初は本当に心が折れました」伊勢: 花子ちゃん、「千房」というお好み焼きのチェーン店は知ってるよね。花子: もちろんです。母が大好きで、よく連れて行ってもらいます。とっても美味しいお好み焼きが食べられます。伊勢: その「千房」の中井政嗣(まさつぐ)社長が、「職親プロジェクト」の代表をされてるんだ。花子: 「しょくしん」? どういうプロジェクトですか?伊勢: そのホームページでは「官民連携で出所者が再び罪を犯さぬよう『職の親』となり自立更生を推進する活動です」と説明している。今年4月時点で、704社もの企業が参加して、刑務所や少年院の出所者950名を雇って、社会復帰の手助けをしている、とのことだ。日本財団が後押ししているんだけど、いかにも日本財団らしい、世のため人のための心配りが感じられる発想だね。 昨年の犯罪白書によると、刑法犯で検挙されたのは令和5年で18万3千人。うち8万6千人、47%が再犯だっ...
現代の世界各国

トランプへ報告せずにシベリア奇襲。プーチンを激怒させたゼレンスキーが自ら摘んだウクライナ戦争「停戦の芽」

トランプへ報告せずにシベリア奇襲。プーチンを激怒させたゼレンスキーが自ら摘んだウクライナ戦争「停戦の芽」ウクライナ戦争をはじめ、国際社会がどれだけ非難の声を上げようとも終わりを見ない各地の紛争。その根本原因はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、すべての国際紛争の背後にアメリカ、ロシア、中国が必ず存在する事実と、それらの国に共通する行動原理を解説。さらに彼ら新旧超大国の思惑に左右される「世界の今後」を考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:新旧超大国の意向が左右する国際安全保障の行方-デリケートな安定か終わりなき大戦か?終わりなき大戦のトリガーが引かれるのか。新旧超大国の意向が左右する国際安全保障の行方新旧超大国とは“だれ”を指すのか?それは米・ロ・中の3か国です。欧州各国も、日本も、グローバルサウスを纏めるインドやブラジル、南アも、国際情勢を左右しうる力を十分に持つ存在ではありますが、現状の混乱の国際社会・国際情勢の行方を左右して...