現代の米国

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米国トランプ大統領による高関税政策の導入は、短期的には、米国民から反発されるかもしれないが、長期的には、米国民から評価されるだろう!

米国トランプ大統領による高関税政策の導入は、短期的には、米国民から反発されるかもしれないが、長期的には、米国民から評価されるだろう!新ベンチャー革命2025年4月19日 No.3525タイトル:米国トランプ大統領による高関税政策の導入は、短期的には、米国民から反発されるかもしれないが、長期的には、米国民から評価されるだろう!1.米国トランプ政権の最大の課題は、やはり、増え続ける米国政府の債務残高を可能な限り減らすことだ! 直近のユーチューブでは、米国トランプ政権の関税政策関連の投稿が増えていますが、この政策を批判する投稿の方が多い傾向があります。 筆者は、この分野の専門家ではないので、ネットで、いろいろ、情報を捜していたら、ちょっと、注目すべき、ネット記事を見つけました。 それは、“世界経済のネタ帳”というサイトです。 このサイトに、米国の政府債務残高の推移と題する記事があります(注1)。 これによれば、米国政府の債務は、2000年代に入って、右肩上がりで、増え続けていることがわかります。 この統計を観ると、トランプ氏が、米国政府の債務を減らしたいのは、よくわかります。 その結果、トラ...
現代の世界各国

米国の中東覇権を継承するイスラエル

米国の中東覇権を継承するイスラエル2025年4月20日   田中 宇イスラエルが、シリアのヨルダン国境沿いの帯状の地域を間接支配して、自国からイラク北部のクルド人地域までつなぐ「ダビデ回廊」を作る構想を進めている。イスラエルが米国から中東の覇権を継承し、クルド人をテコ入れしてイランやイラク(シーア派)やトルコに対抗させる策だ。(David’s Corridor: Israel's shadow project to redraw the Levant)イスラエルは旧約聖書で「(チグリス・ユーフラテス川からナイル川までの)2つの川にはさまれた地域」を神様からさずかったことになっている(イスラエル国旗の上下にある水色の帯は2つの川を示す)。クルド地域はチグリス・ユーフラテス流域だ。イスラエルは、すでにナイル流域のエジプトを傀儡化しており、ナイル上流のスーダンの内戦にも介入している。イスラエルは、2つの川にはさまれた地域を支配しつつある。(イスラエルの拡大)イスラエルは昨年末、シリア内戦に負けてトルコ国境沿いで蟄居していたアルカイダ系の反政府勢力HTS(レバント解放機構)をテコ入れ・傀儡化し...
現代の中国

ピューリサーチ「米国民の対中感情改善」 中国のネットでは「トランプ遊び」

ピューリサーチ「米国民の対中感情改善」 中国のネットでは「トランプ遊び」中国のネットに溢れるミーム:ミシンを踏むトランプ大統領とスマホのネジを留めるバンス副大統領4月17日、アメリカのピューリサーチが米国民の民意調査の結果を発表した。対中感情が2024年よりも改善し、関税の引き上げに関しては、米国民の半数以上が「良くない」と回答している。中国共産党の機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」は大喜び。しかし中国には言論統制があるので、民意調査を行うことは基本的にできない。したがって中国の庶民がアメリカをどう思っているかという調査はない。そこで、中国のネットで流行っている「トランプがミシンを踏む姿」などのミーム遊びを覗いてみることにした。◆ピューリサーチの結果アメリカのピューリサーチ(Pew Research Center)は、今年3月24日から30日にわたって、アメリカの成人3605人を対象に対中感情やトランプ大統領の関税政策などに関して民意調査を行った。その結果を4月17日に発表している。まだ4月2日の「解放の日」に宣言された「相互関税」が始まる前の段階だ。発表されたデータによるグラフは...
現代の米国

「ウクライナの守り神」米国大使がついにクビになった!

「ウクライナの守り神」米国大使がついにクビになった!ブリジット・ブリンク駐ウクライナ米国大使(下の写真)がその職を退くと、国務省報道官が4月10日に発表した、とロイター電が伝えている。彼女は、2022年5月に上院によって大使に承認された直後からキーウに赴任していた。大統領がジョー・バイデンからドナルド・トランプに代わり、ウクライナ戦争の停戦・和平が模索されるなかで、親民主党で、タカ派の彼女がその地位を維持するのは困難であったようだ。2024年2月9日、キーウで記者会見するブリジット・ブリンク駐ウクライナ米国大使。 Serhiy Morgunov/Global Images Ukraine via Getty Images(出所)辞職の直接の引き金になった事件辞任の直接的な引き金となったのは、4月4日夜、ロシアのミサイルがウクライナ中部の都市クルィヴィーイ・リーフを攻撃し、20人近くが死亡、68人が負傷した事件(下の写真)について、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が米国大使館のこの事件への対応を名指しで批判したことだった。ゼレンスキーは、つぎのようにXに投稿したのである。「残念ながら、...
現代の米国

米大統領はCOVID-19の病原体は人工的に作られた可能性があるとする文書を掲載

米大統領はCOVID-19の病原体は人工的に作られた可能性があるとする文書を掲載 ​アメリカの大統領官邸(ホワイト・ハウス)のサイトにCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)の発生源に関する文書が掲載され、話題になっている​。それによると、COVID-19は自然に発生したという主張はNIAID(国立アレルギー感染症研究所)の長官を務めていたアンソニー・ファウチが宣伝していたもので、中国の武漢にある武漢病毒研究所(WIV)から漏れ出た可能性を指摘している。 NIAIDは2014年からコロナウイルスの研究費として、ピーター・ダザックが率いるエコヘルス連合へ数百万ドルを提供、その一部はWIVの研究員へ提供されていたと伝えられている。ダザックはウクライナ人の父親を持つ人物で、WIVの研究者とも親しくしていたとされている。 ​エコヘルス連合はWHO(世界保健機関)へアドバイスする立場にある団体で、NIAIDの上部機関であるNIHからWIVの石正麗へ研究費として370万ドルが提供されていたとも伝えられていた。​ニューヨーク・タイムズ紙によると、石正麗は中国共産党の党員ではない。また中国...
現代の米国

トランプ大統領、CBSの放送免許剥奪を要求

トランプ大統領、CBSの放送免許剥奪を要求偏向した報道を押し付けたとして、放送局は「免許を剥奪されるべき」だと米国大統領は主張した。ファイル写真:ドナルド・トランプ米大統領。© Kevin Dietsch / Getty Imagesドナルド・トランプ米大統領は、CBSニュースの放送免許を取り消すべきだと述べた。大統領は、CBSニュースがウクライナ紛争や米国によるグリーンランド獲得の動きに関する報道において、政治的に偏った誤情報を拡散していると非難している。トランプ大統領は月曜日のトゥルース・ソーシャルへの投稿で、この放送局がウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領とのインタビューと、グリーンランド購入という米大統領の物議を醸す考えを再検討する部分を放送したことに対し、同局を激しく非難した。ゼレンスキー氏とのインタビューで、同局はトランプ大統領がロシアとの和平交渉からキエフを排除しようとし、「ウクライナが戦争を始めたと虚偽の発言をして歴史を書き換え、ゼレンスキー氏を『選挙のない独裁者』と呼んだ」と示唆した。2月にトランプ大統領が「独裁者」と発言したのは、ゼレンスキー大統領の任期が昨...
現代の米国

トランプとアメリカは、売春メディアと腐敗した司法制度を生き残ることができるか?

トランプとアメリカは、売春メディアと腐敗した司法制度を生き残ることができるか?ポール・クレイグ・ロバーツAP通信は、他の反トランプ派の売女マスコミと同様に、トランプ氏を貶めるためにあらゆるニュースを虚偽報道している。AP通信の売女マスコミであるバーナード・コンドン氏とスタン・チョー氏によると、トランプ氏は米国の「安全資産」としての評判を失墜させているという。彼らの証拠は、「『安全資産』としての米国債の異常な売りが、米国への信頼が薄れつつあるという恐怖を煽っている」ことだ。APのメッセージは明確だ。トランプはアメリカに対する世界の信頼を破壊しており、アメリカ人はローンを借りることができなくなるだろう。債券売りの要因は、株式市場が数千ポイント下落し、買いの機会を狙う人々が債券を売却して株式を購入したことです。この取引で、これまでに3,000ポイントの利益を得ています。米国債のいわゆる「異常な売り」は、債券から株式への買い替えという好機を狙った人々の決断に他なりません。私はトランプ氏に責任を負わせるべきだと考えています。それはアメリカ国民の責任です。もしトランプ政権がアメリカ人の子供を持つ父...
現代の中国

米軍武器の部品は中国製品! トランプ急遽その部品の関税免除

米軍武器の部品は中国製品! トランプ急遽その部品の関税免除米ペンタゴン・メモリアル(写真:イメージマート)日本時間4月12日(アメリカ時間4月11日夜半)、米税関・国境警備局(CBP)は、連邦政府が「スマホ、パソコン、チップおよび一部電子製品」を「相互関税」から免除することに合意したと発表した。スマホはアップルの工場が中国にあるからであり、パソコンも中国から輸入しており、アメリカ国民の不満が力説トランプ政権に向かうことを避けたためだが、「一部電子製品」の中に、米軍武器を製造する際の「中国製品」が入っていることを見逃してはならない。いやむしろ、米軍の武器のほとんどは、「中国製品」によって製造されているのだ。本稿は、この事実に注目して考察する。◆米税関・国境警備局が急遽、一部の相互関税除外を発表米税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection=CBT)は、EDT(アメリカ東部夏時間)4月11日午後10時36分に、<特定の品目の相互関税除外>を速報で発表した。そこには長々と弁明が書かれ、かつ対象商品に関しては番号(たとえば「8473.30、8486、8...
現代の世界各国

イランと和解するトランプ

イランと和解するトランプ2025年4月12日   田中 宇トランプ米大統領が、イランと核問題で協定を結んで和解する方向に動いている。4月12日に、イランと親しい中東の国オマーンで、トランプの特使であるスティーブ・ウィトコフと、イランのアラグチ外相が交渉を開始した。ウィトコフはネタニヤフと親しいユダヤ人の不動産王(トランプの同業者)で、トランプとイスラエルのパイプ役だ。つまり、今回の米イラン交渉にはイスラエルも深く関与している。米イランの和解は、イスラエルとイランの和解、中東の安定につながる。(Russia Praises US-Iran Nuclear Talks Scheduled For Oman)ウィトコフは、イランとの交渉を担当する一方で、ロシアとの米露対話も担当している。オマーンでの米イラン交渉の前に、イスタンブールで米露対話が行われ、ウィトコフが米代表だった。トランプは、イランが核施設を止め、ミサイル開発も制限する代わりに、ロシアがイランに医療用アイソトープを供給し、露中がイランの石油ガスパイプラインの建設などイランの繁栄に必要なインフラも整備するという非米側がイランを支え...
現代の世界各国

金融が破綻しそう

金融が破綻しそう2025年4月11日   田中 宇4月2日にトランプ米大統領が世界に対する高関税策を発表して以来、米日など世界の株価が激しく上下・乱高下している。中国は徹底抗戦する構えで、米中間は報復関税のかけ合いに入っているが、他の多くの諸国はトランプと交渉したがっている。4月10日にトランプが、交渉のために中国以外の世界に対して交換税策を延期すると、株価は問題解決を期待して大きく反騰した。(‘A Deal Is Going To Be Made With Everyone’: Trump Speaks After Dropping Most Tariffs For 90 Days)しかし、債券の動きは株と違う。高関税策の発表後、暴落した株式市場から逃避してきた資金で米国債が高騰(金利低下)し、基準である10年米国債の金利は4%を割る異様な低さになった。だがその後、株価が続落したのに金利は下がらず、逆に、じりじりと反騰(債券が下落)している。これは世界の投資家が、ドルや米国債の安定度に不安を持ち、米国債を敬遠し始めている兆候だ。米国債の約半分は米国以外の海外勢力が保有している。トラン...
現代の中国

勝者は誰に?トランプ関税激変「中国以外は90日間一時停止」 それでもトランプ「習近平が好きだ」

勝者は誰に?トランプ関税激変「中国以外は90日間一時停止」 それでもトランプ「習近平が好きだ」大統領令に署名するトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)4月9日、トランプ政権の対中追加関税50%が発表されるとすぐ、中国はピッタリ同額の対米報復関税50%を同日夜発表した。しかし世界の株価暴落と米国債が売られるのを見てか、トランプ大統領は13時間後に前言を翻した。「報復関税をしなかった国に対する関税適用を90日間一時停止する」と言い始めたのだ。その数時間前まで「90日間一時停止はフェイクだ」と断言しておきながら、「基本関税10%以外は90日間一時停止」と宣言。「しかし報復措置をしてきた中国に対しては関税を125%に引き上げる」と、これも前言を翻した。それでいながら、そのすぐ後にトランプは「私は習近平が好きだ、尊敬している」と表明し、かつ「習近平は世界で最も賢い人物の一人」だとまで絶賛している。まるで勝算がないことを悟ったトランプが習近平に「話し合いに乗ってくれよ」と懇願しているかのようだ。中国は対米一国に集中していればいいが、アメリカは全世界から信用を失い、輸出入控えを受けるので、勝算に自...
現代の米国

トランプ金融波乱のゆくえ

トランプ金融波乱のゆくえトランプ台風が吹き荒れて世界の金融市場に波乱が生じている。原因はトランプ大統領が指揮する関税政策。米国との貿易収支で黒字を出している国からの輸入に高率関税をかけるというもの。トランプ大統領は、貿易赤字はけしからんという判断を有しているように見える。貿易収支(経常収支)が赤字の国は収支尻の赤字部分を海外からの資金流入で帳尻を合わせる。海外からお金を借りてたくさんお金を使っているということ。貿易収支(経常収支)が黒字の国はモノをたくさん売って資金を稼ぐが、余ったお金を海外に融通することになる。生活水準が何によって決定されるかと言えば消費水準によって決まる。貿易収支(経常収支)が赤字の国は所得以上の派手な暮らし(消費水準)を謳歌して、足りない資金を海外からの資金流入で賄っている。貿易収支(経常収支)が黒字の国は国内でお金が余り、余ったお金を海外に融通しているが、生活水準(=消費水準)は稼いだお金よりも少ないつつましい暮らしになる。アリとキリギリスのような関係だが、海外からの資金流入が途絶えなければ、米国は身の丈以上の派手な暮らしができているわけで悪い話ではない「アリと...
現代の米国

「わざと株価を暴落させている」トランプの“陰謀”――狙いは国内の格差解消か、政府債務の削減か、割れる分析

「わざと株価を暴落させている」トランプの“陰謀”――狙いは国内の格差解消か、政府債務の削減か、割れる分析トランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)「トランプはチェスをしているが、他はチェッカーをしている」[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領は4月4日、自らが設立したソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に「トランプはチェスをしているが、他はみなチェッカーをしている」というX(旧ツイッター)への投稿をシェアした。同様の投稿がSNS上に溢れる。 トランプ氏が共有したのは「アメリカンパパベア」(アカウント名)による「トランプ氏は意図的に米株式市場を暴落させている」と題した動画だ。その中で、「トランプ氏は今月、株式市場を20%も暴落させているが、それはわざとやっている」と唱えている。「トランプ氏が仕掛けた秘密のゲームであなたも大金持ちになれるかもしれない。なぜトランプ氏はこのようなことをしているか。米国債市場に資金を誘導し、5月に米連邦準備理事会(FRB)が金利を引き下げざるを得ない状況を作り出そうとしている」(アメリカンパパベア)「金利が下がればFRBは数兆ドルの負債を非常に安価に借...
現代の米国

高関税策で米覇権を壊す

高関税策で米覇権を壊す2025年4月7日   田中 宇トランプ米大統領が、世界各国に対して各種の高関税策をかけ始めている。その目的は「米経済覇権体制=グローバリズムの解体・破壊」、別の言い方をすると「世界経済の多極化」だ。米覇権が低下すると、世界は自然と多極化する(すでにしている)。だから、米覇権の破壊と多極化は同じものだ。1980年代の米英金融自由化(経済の債券化。ビッグバン。プラザ合意)以来、世界は、米国(米英欧)が金融、その他の世界は製造業、という役割分担があり、米金融の利益率が世界の製造業より高い状態が維持され、この要素が米(英)覇権の中心になっていた。(US tariffs hit Europe, China harder than expected, recession risks rise: Barclays)この米金融覇権体制は、米国が世界から商品を旺盛に輸入する替わりに、世界は対米輸出で儲けた資金を米金融界に預託(投資)し、米国が資金面で世界を席巻する仕組みだった。覇権放棄屋(隠れ多極主義者)のトランプは今回、世界から米国への輸入品に高関税をかけ、米金融覇権体制を潰し...
現代の欧州

ウクライナでの勝利を前提にした西側の脚本が崩壊、西側の支配システムも崩壊

ウクライナでの勝利を前提にした西側の脚本が崩壊、西側の支配システムも崩壊 2月23日に実施されたドイツの連邦議会選挙で第1党になったCDU/CSU(キリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟)の支持率が組閣前に低下、最新の世論調査によると、その支持率は第2党のAfD(ドイツのための選択肢)と同じ24%だ。組閣前に新政府は国民から見放され始めている。 選挙でCDU/CSUは32%を獲得、第2党のAfD(ドイツのための選択肢)は21%だった。現首相のオラフ・ショルツが率いるSPD(社会民主党)は20%で第3党だが、CDU/CSUを率いるフリードリヒ・メルツは選挙公約を投げ捨て、ロシアとの戦争を続けるために多額の負債を国民に追わせることを決め、SPDや第4党の同盟90/緑の党に接近している。 メルツはアンゲラ・メルケルのライバルと言われた政治家だったが、2004年にはメイヤー・ブラウン法律事務所の上級顧問に就任した弁護士でもある。2009年には政界から身を引き、大企業の重役を務めているのだが、そうした会社のひとつがブラックロック。2016年から20年にかけて監査役を務めている。 1970年代から...
現代の米国

トランプ政権が関税を課すのは金利を下げ、国内産業を復活させるためだとの見方

トランプ政権が関税を課すのは金利を下げ、国内産業を復活させるためだとの見方 ドナルド・トランプ政権は各国に高率の関税を課そうとしている。貿易赤字に応じて税率を決めているようで、世界経済に対する悪影響を懸念する声があがり、報復するという発言もある。 こうした懸念は当然だろうが、ヨーロッパはバラク・オバマ政権がウクライナで仕掛けたクーデターによって大きなダメージを受けている。2014年2月のクーデターによってキエフは事実上のネオ・ナチ体制。その体制をコントロールしているのはイギリスやアメリカのネオコンだ。 クーデターの前、ヨーロッパとロシアは経済的な結びつきを強めていた。最も重要な商品はロシア産の天然ガス。アメリカや中東で生産されるエネルギー資源より安く、ヨーロッパ経済を支えていたのだが、クーデター後、ベラルーシとポーランドを経由してドイツへつながるヤマル-ヨーロッパ・パイプライン、ウクライナを経由するソユーズ・パイプラインはアメリカによって寸断されてしまった。 それに対し、ロシアとドイツはウクライナを迂回するパイプラインのプロジェクトを建設していた。そのひとつが「ノード・ストリーム1(N...
現代の米国

トランプ関税で米国内も大混乱…始まった深刻な不況と「ふさわしくない市民」の排除=高島康司

トランプ関税で米国内も大混乱…始まった深刻な不況と「ふさわしくない市民」の排除=高島康司トランプ政権の高関税の発動に各国は脅えている。しかしながら、高関税適用で懸念される米国内の余波も大きい。新たな不況は始まる可能性が高い。これらのリアルな状況を詳しく伝える。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)【関連】今ここが人工知能「人間超え」の出発点。米国覇権の失墜、金融危機、大量辞職…2025年には劇変した世界が待っている=高島康司※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2025年4月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。高関税の導入で米国内で起こっていること日本時間の4月3日、午前5時にトランプ大統領は相互関税が適用される国々が発表になった。すでにトランプ政権は、カナダとメキシコに25%、中国に20%の関税の適用、ならびにアルミ、鉄鋼、自動車、自動車部品にはすべての国に一律25%の適用を発表している。今回、新たに発表になった高関税は、すべての国々に一律10%の関税を適用した...
現代の世界各国

トランプ「報復関税を表明した中国に50%の追加関税」 習近平はどう出るのか?

トランプ「報復関税を表明した中国に50%の追加関税」 習近平はどう出るのか?トランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)4月6日の論考<トランプ関税は「中国を再び偉大に(Make China Great Again)」 英紙エコノミスト>で、トランプ大統領が4月2日に発表した対中相互関税34%に対して、中国が報復関税34%表明したと書いた。さらにホワイトハウスの大統領令には、別途、「報復関税をした国・地域には、さらに相互関税を増額させる」という趣旨の文言がある。中国はそれを承知で報復関税を宣言したのだろうが、トランプは4月7日、自身のSNSで「中国が8日までに34%の報復関税を撤回しなければ、9日から50%の追加関税を課す」と書いている。4月2日の「相互関税」発表までは、対米貿易をしている全ての国・地域が対象だったが、中国の報復関税により事態は一気に米中貿易戦に引き上げられた感を呈している。◆50%の追加関税は、すなわち対中関税合計104%を意味するのか?トランプが7日に自分のソーシャル・メディアTruth Socialにある英文を読むと「もし中国が2025年4月8日までに34%の報復関税...
現代の中国

トランプ関税は「中国を再び偉大に(Make China Great Again)」 英紙エコノミスト

トランプ関税は「中国を再び偉大に(Make China Great Again)」 英紙エコノミストトランプ2.0の関税政策(写真:ロイター/アフロ)4月3日、イギリスの週刊新聞「エコノミスト」は<How America could end up making China great again(アメリカはどのようにして中国を再び偉大な国にしてしまうのか)>という見出しの記事を報道した。BBCも4月4日、<トランプ関税は懲罰か「贈り物」か 4つの国と欧州はどう見ているのか>という解説記事の中で、【中国首脳にとって関税は「贈り物」】と書いている。ことほど左様に、トランプ関税は結果的にMake America Great AgainではなくMake China Great Again現象をもたらす可能性があるとみなしているということになる。つまり、トランプ大統領の全世界に対する相互関税は「圧倒的に中国に有利だ」ということになるわけだ。中国は結果的に54%もの高関税をかけられたのに、なぜなのだろうか?◆トランプ関税に対する中国の対抗措置トランプ大統領は現地時間4月2日、ホワイトハウスの大統領...
現代の世界各国

「荒唐無稽」「乱暴すぎる」トランプ関税が世界中から総スカン!それでも強行する「トランプのある危機感と狙い」

「荒唐無稽」「乱暴すぎる」トランプ関税が世界中から総スカン!それでも強行する「トランプのある危機感と狙い」トランプの「寛大」な相互関税、ついに発動4月2日に発表されると以前から公表されていたアメリカの「相互関税」が、ついに発表された。トランプの言い分は以下のようなものだ。――貿易相手国がアメリカに対して不公正な貿易を行っているから、アメリカは貿易赤字で苦しんでいるのだ。アメリカに対する不公正な貿易とは、アメリカ製品に対する関税に加えて、アメリカ製品の輸入を不当に排除する国内の様々な規制などの非関税障壁(関税以外の手段で輸入を阻害するもの)があることで生じている。非関税障壁が関税で換算した場合に、どのくらいの関税率に相当するのかを計算し、それに今の関税率を加えたものが、実質的な関税率だ。外国がアメリカにこうした「関税」を課している以上、この実質的な関税率にアメリカは対抗する必要がある。外国が課している「関税」に対抗するものだから、これを「相互関税」と呼ぶことにする――。ここで言う「非関税障壁」とは、輸出をしやすくするための為替操作、輸出を促進するための政府の補助金、過剰に生産して不当に安...