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習近平はどう出るのか? イラン再攻撃をするトランプの背後でうごめいていた米軍の秘密戦略

習近平はどう出るのか? イラン再攻撃をするトランプの背後でうごめいていた米軍の秘密戦略トランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)トランプ大統領が再び激しいイラン攻撃を始めている。ことのきっかけはイランが7月6日にホルムズ海峡のオマーン側を通る船舶を攻撃したことにあると日本のメディアはほぼ一斉に報道している。その分野の専門家までが「イランが先に停戦合意に関する覚書(以下、「覚書」)」を破ったからだという趣旨の解説をしているのを見て驚いた。いや、違うだろう。米軍が先に、イランが問題視していたオマーン側航路を通るよう他国船舶を「秘密裏に誘導したこと」から始まったはずだ。イラン側航路を通れと主張していたイランは、米軍による秘密裏の誘導に「覚書違反だ!」と怒り、オマーン側を通っていた船舶を攻撃したというのが実際の順番ではないのか。しかし日本はその「前段階」を直視したがらない。日本と違い、中国の報道では、明確に「米軍の秘密裏の行動」が何度も公開され、それこそがトランプによるイラン再攻撃の原因だと位置付けている。そのファクトはウォール・ストリート・ジャーナルが7月9日に<トランプ大統領がイランとの停戦...
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GDPでは測れない中国の新産業(ハイテク製造業)生産力

GDPでは測れない中国の新産業(ハイテク製造業)生産力「GDP」と書かれたニュースの見出し(写真:イメージマート)7月15日、中国の4月から6月のGDP成長率が発表された。4.3%成長という低い値だ。日本ではこれを「中国経済の衰退」として扱っているが、中国の新産業(ハイテク製造業)はGDPでは測れない。習近平は2015年にハイテク国家戦略「中国製造2025」を発表した時に、同時に「新常態(GDPの量から質への転換)」を宣言したが、その「転換」は何を意味し、いかなるパラメータによって測定すれば良いのかを考察する。◆GDPの「量から質への転換」とは何か?2012年の第18回党大会で習近平が中共中央総書記になり習近平時代が始まるまでは、中国は「世界の工場」と呼ばれたように農民工を中心とした「組み立て工場国家」の性格から脱していなかった。しかしGDPの成長だけは著しかった。ローテク産業(組み立て工場)と江沢民政権が残した負の遺産である不動産業への投資に頼っていたからだ(不動産業が江沢民時代の負の遺産であることは、たとえば2021年9月22日のコラム<中国恒大・債務危機の着地点――背景には優良小...
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米建国250周年記念祝賀ショー 米国の花火も日本のドローンもほぼ中国製

米建国250周年記念祝賀ショー 米国の花火も日本のドローンもほぼ中国製お台場で開催された米建国250周年祝賀ドローンショー(駐日米大使館のYouTubeからの画面キャプチャー)米国時間7月4日夜、ワシントンでは華やかな花火が夜空を覆い、これに先立つ日本時間7月3日夜には、日本のお台場ではドローンが高市総理とトランプ大統領の姿を夜空に描き出したが、花火もドローンもほぼ中国製であることは注目に値する。特に日本では高市政権になってからは「反中でなければ人でない」と言わんばかりの情緒が煽られながら、高市早苗の姿を描くドローンが中国製であるというのは、なんとも滑稽で皮肉ではないか。◆米建国250周年を華やかに彩る花火、ほとんどは中国製7月3日、フォーブズ・ジャパンは<米建国250周年を華やかに彩る花火、ほとんどは中国製>は、米時間7月4日に開催される建国250周年祝賀大会に関して「花火」を中心に解説している。非常に興味深いので、その中のいくつかを抜粋して以下に列挙する。花火関係者の業界団体である全米花火協会(APA)のジュリー・L・ヘックマン事務局長の推計によれば、記念日を祝う人々による個人消費...
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ルビオ米国務長官 習近平が提唱した「米中の建設的な戦略的安定関係」をトランプが提唱したと表明

ルビオ米国務長官 習近平が提唱した「米中の建設的な戦略的安定関係」をトランプが提唱したと表明トランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)7月2日、米政府のトミー・ピゴット報道官は、ルビオ国務長官と中国の王毅外相が6月30日に行なった電話会談に関して、「トランプが提唱した建設的な戦略安定関係構築の重要性を協議した」と発表した。5月14日の北京における米中首脳会談において習近平が提唱した「米中の建設的な戦略的安定関係」提案を、なんと、トランプが提唱したと表明したのだ。これは5月17日の論考<米中首脳会談 台湾問題で譲歩引き出せず 習近平「米中の建設的な戦略的安定関係」でトランプを逆縛り>の分析が正しかったことを証明してくれると言っていいだろう。すなわち、習近平が提唱した「米中の建設的な戦略的安定関係」は、まさにトランプが唱える「G2構想の裏返し」であったことになる。◆ルビオが「建設的な戦略的安定関係」はトランプが提唱したと位置づけ冒頭に書いた米側の発表は米政府の国務省ウエブサイトに掲載されている。タイトルは「ルビオ国務長官と中共中央外事工作委員会主任兼外相の王毅氏との電話会談 – 米国務省」だ...
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三菱自動車もホンダも中国を捨てて本当によかった…”勝ちすぎたドイツ車メーカー”が辿った悲劇的な結末

三菱自動車もホンダも中国を捨てて本当によかった…"勝ちすぎたドイツ車メーカー"が辿った悲劇的な結末中国の景気が低迷を続ける中、撤退したり事業を縮小したりする日本企業が相次いで報じられている。戦略コンサルタントの伊藤隆太さんは「三菱自動車もホンダも、資本と技術を中国に縛られる前に手を打った。一方、中国市場で勝ちすぎたドイツ企業は、巨大な投資が足かせとなり、動けなくなっている」という――。写真=iStock.com/Scharfsinn86※写真はイメージです全ての画像を見る(5枚)ドイツ車は中国に賭け、日本車は逃げた2020年、中国政府が不動産の過熱を抑えようと規制を強めた結果、大手デベロッパーが次々と経営破綻に追い込まれた。バブル崩壊から約5年、住宅価格はいまも下がり続けている。住宅価格の下落やデベロッパーの債務問題は、建設業だけの不況にとどまらず、地方財政、家計消費、若年層雇用、外資企業の投資判断にまで影を落としている。中国国家統計局の集計によれば、5月の小売売上高は前年同月比0.6%減と、2022年12月以来初めて減少した。1~5月の不動産投資も16.2%減と落ち込みが続く。中国へ...
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日本の言論も対象になる習近平の「民族団結法」はなぜ生まれたのか? トランプのG2構想への影響は?

日本の言論も対象になる習近平の「民族団結法」はなぜ生まれたのか? トランプのG2構想への影響は?習近平国家主席(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)今年7月1日から中国で「民族団結進歩促進法」(略称:民族団結法)が施行される。その第六十三条には域外適用として「中華人民共和国の領域外の組織または個人が、国家の統一と進歩を損なう行為、または中華人民共和国に対する民族分離主義を生み出す行為を行った場合、法律に従って法的責任を問われる」と書いてある。したがって、台湾の民進党(台湾独立派)を支援する高市政権には影響が及ぶだろう。そこで、なぜ民族団結法が誕生したのか、またトランプが提唱する米中G2構想に影響するのかに関して考察を試みたい。◆直接のきっかけは2008年北京オリンピック時のチベット騒乱ご記憶の方も多いと思われるが、2008年、北京オリンピックが開催されようとしていた年の3月10日に、チベットのラサで始まった独立運動が世界各地に拡散し、世界中が抗議活動に燃えた時があった。その結果、世界主要国が北京オリンピック・ボイコットを宣言しようという動きにまで及ぶ事態を招いたため、ときの国家主席・胡錦...
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習近平を「賢く強く偉大な指導者」と絶賛しインド太平洋軍からインドを削除したトランプのG2構想の本気度

習近平を「賢く強く偉大な指導者」と絶賛しインド太平洋軍からインドを削除したトランプのG2構想の本気度トランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)トランプ大統領は6月19日、米メディアのアクシオスの取材を受け、習近平国家主席を「頭がよく、強く、しかも見た目がいい偉大な指導者である」と褒めちぎった。注意しなければならないのは、北京で米中首脳会談を終えた翌月の6月16日には、「米インド太平洋軍」から「インド」を削除し、元の「米太平洋軍」に名称を復活させていることだ。これは対中包囲網的戦略を破棄して、「トランプ・習近平」で構築する「G2構想」に対するトランプの本気度を示すものと解釈することができる。「自由で開かれたインド太平洋」戦略を喧伝する高市総理は、ここでも梯子を大きく外されたことになる。日本の立ち位置はどうなるのか?◆6月19日、習近平を再び褒めちぎったトランプ6月19日、トランプはアクシオスのテレビ番組「アクシオス・ショー」に出演しインタビューに応じた。アクシオスは動画を公開すると同時に、その文字起こしも公開してくれているので、非常に助かる。アクシオス側の質問は、「あなたにとって偉大なリー...
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習近平がわざわざ北朝鮮に足を運んだ理由は「米朝首脳会談」という“特効薬”実現のためだ

習近平がわざわざ北朝鮮に足を運んだ理由は「米朝首脳会談」という“特効薬”実現のためだ東アジア情勢を左右する重要な舞台である朝鮮半島。近年は比較的落ち着きを見せてきたようにも窺われますが、水面下では新たな緊張の芽が生まれつつあるようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、習近平国家主席がわざわざ北朝鮮を訪問した背景を分析。さらに中国が北朝鮮との関係を重視する理由と、朝鮮半島を巡り高まりつつある各国の思惑について考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:習近平の訪朝で強調された朝鮮半島に広がる不穏な空気中国の狙いはどこにあるのか。習近平の訪朝で強調された朝鮮半島に広がる不穏な空気「これでもか」という大歓待だった。6月8日から9日にかけて中国・習近平国家主席が北朝鮮を訪問した。そのときの北朝鮮の歓迎ぶりの話だ。5月にはアメリカのドナルド・トランプ大統領が訪中し、直後にロシアのウラジミール・プーチン大統領が北京を訪れた。そのとき中国は子どもから大人までを動員して派手に出迎えた。その歓待ぶりに目が慣...
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反中フィリピンはいつまで続くか? デンマーク世論調査「中国を最大脅威としたのは世界で日本のみ」

反中フィリピンはいつまで続くか? デンマーク世論調査「中国を最大脅威としたのは世界で日本のみ」フィリピン大統領が国賓来日(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)(2026年6月1日21:00更新:もともとのタイトルの文字数が規定をオーバーしたため「デンマーク」と書いてしまいましたが、それが少なからぬ誤解を生んでいるようですので「デンマーク」を削除し、「欧州」にしました。お詫びします。本稿を読んでくださる方々に誤解を招かないよう、この欧州の世論調査機関に関して、まず冒頭で説明することをお許しください。この世論調査機関の名称は「アライアンス・オブ・デモクラシーズ(Alliance of Democracies = AoD)」で、創設者はNATO元理事長です。デンマークに拠点を置いていますが、調査自体はNIRA Dataというドイツの世論調査会社に委託しています。2018年からは有名なDemocracy Perception Index(民主認識指標)を出しており、民主主義国家では非常に信用されている世界的な調査機関です。AoDは毎年コペンハーゲン民主主義サミット(Copenhagen Demo...
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習近平の北朝鮮訪問へ

習近平の北朝鮮訪問へ2025年5月30日   田中 宇北朝鮮の平壌で、習近平の訪問を受け入れるための準備が進んでいるようだ。平壌市中心部の金日成広場では5月25-26日ごろから、国賓訪問時の歓迎式典で使う閲兵台などの設営が始まっている。ロシアのプーチン大統領や、ベラルーシ(露の弟分)のルカシェンコ大統領の訪問時にも金日成広場に閲兵台などが設営されたが、今回の設営の規模はルカシェンコ用のものより大きく、プーチン級だという。習近平の歓迎用な感じだ。2024年のプーチン訪朝時には、訪中の8日前から設営が始まった(ルカシェンコの時は3日前)。同様の日程なら、習近平の訪朝は6月2日ごろになる。(North Korea appears to be prepping for leader summit amid reports of Xi visit)平壌空港では、外国要人の訪朝時の式典で使う空間を作るため、ふだん駐機している高麗航空の旅客機を事前にどかす作業をやっている。プーチン訪朝時は9-10日前に14機を移動した。今回は5月28-29日に移動が行われた。こちらからの概算だと、習近平の訪朝は6月...
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“トランプの焦り”が首脳会談に与えた影響。中国の主張にアメリカが耳を傾けざるを得なかった理由

“トランプの焦り”が首脳会談に与えた影響。中国の主張にアメリカが耳を傾けざるを得なかった理由米中関係の新たな局面を印象づけたと言っても過言ではない、北京での首脳会談。さらにジャーナリストの富坂聰さんは、両国の立ち位置にも変化が見え始めたとしていますが、そう判断する根拠はどこにあるのでしょうか。富坂さんは自身のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』で今回、会談後に浮かび上がった米中双方の思惑や関係性の変質ぶりを分析。その上で、中国が提唱する「建設的戦略安定関係」の意味と、協調へと向かう両国の現実的な選択について解説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:やはり予想通りだった米中首脳会談で、アメリカが中国の「協調」に乗った理由消えたアメリカの「上から目線」。中国の「協調提案」に米国が乗った理由北京の人民大会堂前で習近平国家主席と握手を交わしたドナルド・トランプ大統領が、普段の様子と何か違って見えたのは私だけだろうか。笑顔を浮かべ、訪中を喜んでいるように振舞っているものの、どこか心ここにあらずとの印象を残したからだ。イランとの問題もあり、忙...
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米中首脳会談 台湾問題で譲歩引き出せず 習近平「米中の建設的な戦略的安定関係」でトランプを逆縛り

米中首脳会談 台湾問題で譲歩引き出せず 習近平「米中の建設的な戦略的安定関係」でトランプを逆縛り米中首脳会談 歓迎式典(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)5月14日に北京で開催された米中首脳会談で、習近平国家主席は念願の「台湾問題」に関する譲歩をトランプ大統領から引き出せなかった。その代わりに「米中の建設的な戦略的安定関係」を提唱してトランプに逆縛りをかけている。事実トランプは5月15日、FOXニュースのインタビューで、台湾に関して「正式な独立宣言をしないよう警告」し、「(米軍が)戦争のために9,500マイルも旅をすること(台湾に援軍に行くこと)を望んでいない」旨の回答をしている。それなら「米中の建設的な戦略的安定関係」とは何か?その威力と、この言葉がもたらす今後の世界新秩序との関係を考察する。◆習近平が台湾問題に関してトランプに厳しい言葉首脳会談の中で、習近平は台湾に関して非常に厳しい、以下の警告を発している。――台湾問題は米中関係において最も重要な問題である。適切に処理されれば、二国間関係は全体的な安定を維持できる。しかし、処理を誤れば、両国は対立し、場合によっては衝突に至り、米中...
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米中会談・トランプは習近平に敗北していなかった…アメリカが画策する「狂気の対中逆転戦略」

米中会談・トランプは習近平に敗北していなかった…アメリカが画策する「狂気の対中逆転戦略」台湾への「6つの保証」を破ったのか今回の米中首脳会談については、トランプ大統領率いるアメリカ側は十分な成果を出すことができず、習近平の中国に負けたとの見方が、オールドメディアでは一般的だ。そしてそこには確かに一定の根拠もある。この記事の全ての写真を見る(全6枚)イランがホルムズ海峡を封鎖していることには反対で、自由な通行を認めるべきだという点で米中は意見が一致したといっても、中国はイランに対して何らかの働きかけの義務を負ったわけではない。トランプ大統領はそうした働きかけを中国に求めることすらしなかったと認めている。ホルムズ海峡問題でのこのアメリカの対応は、中国に対して甘いと見る人は多いだろう。今から50年ほど前にアメリカが中華人民共和国政府との国交を確立した際に、台湾の安全保障に目配せする必要から、アメリカは「台湾関係法」を作ったが、同法が規定する「6つの保証」のうちの1つを、トランプ大統領は今回破ったとの声も出ている。「6つの保証」の中には、アメリカから台湾に対する武器売却に関して、中国側と事前協...
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トランプ訪中で「日中関係」はどう変わってしまうのか?世界各国の「米国への信頼低下」と「中国の地位上昇」という現実

トランプ訪中で「日中関係」はどう変わってしまうのか?世界各国の「米国への信頼低下」と「中国の地位上昇」という現実国際法を軽視するかのようなトランプ大統領の強硬姿勢により、世界各国で揺らぎ始めた米国への信頼。その一方で、中国を巡る国際社会の評価にはこれまでとは異なる変化が現れているのが現状のようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、ASEAN諸国やアメリカ国内で進む「対中観」の変化を分析。さらに中国の地位が相対的に高まりつつある背景と、米中関係の変化が日本に与える影響について考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:イラン戦争の中で行われる米中首脳会談で、中国の立場は強化されるのか関税を振りかざし応じなければ制裁。トランプの“独り相撲”で世界の信頼を失う米国と相対的に高まる中国の地位ドナルド・トランプ大統領が中国訪問を果たせば、もはや「日米」の利害は一括りにすることは難しくなるかもしれない。昨年10月末の米中首脳会談から、それに続いてトランプ政権が出した「国家安全保障戦略」(NSS)の中で...
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米政府「イラン戦争はすでに終結」と表明 習近平が背後で動いた4月上旬の一時停戦を根拠に

米政府「イラン戦争はすでに終結」と表明 習近平が背後で動いた4月上旬の一時停戦を根拠に米・イランが2週間の停戦を発表 首都テヘランの様子(写真:ロイター/アフロ)ヘグセス米国防長官は4月30日の議会証言で、「4月8日に発効した米イラン間の停戦合意により、トランプ大統領がイランに対する軍事行動を起こすための60日間の法的期限が停止または終了した」と述べた。したがって「トランプ政権はイランに対する軍事行動について議会の承認を得る必要がなくなった」ということが言いたいわけだ。中国はこの事を大きく扱っているが、それはヘグセスが「4月8日に発効した米イラン間の停戦合意により」という言葉を用いたからだろう。なぜなら4月9日の論考<トランプ「中国がイランを停戦交渉の場に引き込んだ」 習近平の思惑は?>に書いたように、4月8日に発効したとされる「2週間停戦」案の背後には習近平国家主席がいたからだ。◆いち早く報道した中国の中央テレビ局CCTVヘグセス発言と、4月8日に発効した「2週間停戦」合意に関する第一報が筆者のスマホに飛び込んできたのは、CCTVのニュースだった。そこには<米国防長官が「イランへの軍...
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イラン・中国外相会談 習近平の存在によりトランプがイランとの合意に傾く

イラン・中国外相会談 習近平の存在によりトランプがイランとの合意に傾く習近平国家主席(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)5月6日、訪中したイランのアラグチ外相と中国の王毅外相が北京で会談し、二人は習近平国家主席が提唱した「四つの主張」で合意した。イラン攻撃問題に関しては表面化した動きを見せなかった習近平の存在が、ここに来て一気に浮き彫りになり、まもなく訪中して習近平との首脳会談を控えているトランプ大統領が、遂にイランとの合意に傾くという現象を招いているようだ。米メディアのアクシオスが伝えた。◆アラグチ外相と王毅外相との会談が「習近平の四つの主張」を軸に展開5月6日の中国の中央テレビ局CCTVは、アラグチ・王毅外相の会談を動画入りで報道した。そこで何度も出てきたのは「習近平の四つの主張」というフレーズである。「四つの主張」とは、習近平が4月14日にUAE(アラブ首長国連邦)の首長国の一つであるアブダビ首長国のハリド皇太子と北京で会談した際に提唱した「イラン攻撃」に関する主張だ。 第一:平和共存の原則を守ること。 中東と湾岸諸国は相互依存しており、移動できない隣国だ。 第二:国家主権の原則...
現代の世界各国

習近平の対米パンダ外交から見えてくるイラン情勢

習近平の対米パンダ外交から見えてくるイラン情勢スミソニアン動物園でパンダを愛するアメリカ人参観者(写真:ロイター/アフロ)習近平国家主席がやっと動いた。習近平は、友好国イランを米イスラエルに攻撃されて、トランプ大統領を北京に迎えることが困難になっていた。しかし今パンダ2頭をアメリカに貸与することになったということは、トランプを北京に迎えても大丈夫な状況が見通せたということではないのか?それはすなわち、イラン情勢が好転することを習近平がつかんでいるということを意味する可能性が高い。 ◆表立って動かなかった習近平が対米パンダ外交にイラン攻撃が始まったその日から、習近平は王毅(外交部長兼中共中央政治局委員)に全ての中東関係国と接触させ、ひたすら即時停戦を呼び掛けさせてきた。何と言ってもトランプ訪中が約束されていた中で突然、中国の友好国イランが攻撃されたのである。本来なら友好国イランを守りたいところだが、昨年まで続いてきたトランプとの「蜜月」を壊すことはできない。だから習近平は全ての関係国に即時停戦を求めるよう王毅を動かししたが、トランプを表立って批判することはしていない。その板挟みから、4月...
日本の技術

中国「レアアース帝国」は崩壊へ。2029年、日本の化学的精錬法が世界を制す=勝又壽良

中国「レアアース帝国」は崩壊へ。2029年、日本の化学的精錬法が世界を制す=勝又壽良レアアース覇権を握る中国が揺らぎ始めている。世界生産の9割という圧倒的シェアを背景に築いてきた「資源帝国」は、日本の化学的精錬技術と米国主導の新たな供給網構築によって、根底から覆されようとしているのだ。フィリピンを起点に動き出した新秩序は、単なる産業構造の変化ではない。技術・制度・環境基準を軸とした「国際標準」の主導権争いであり、中国のレアアース外交を無力化し、日本が主役へと浮上する歴史的転換点である。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)【関連】中国、レアアース輸出規制で大誤算。日本が技術力でレアアース供給国に躍り出る=勝又壽良プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。揺らぐ中国のレアアース覇権中国は、余りにも浅慮であった。レアアース(希土類)の世界生産の9割を抑えていることで、この状況が永遠...
現代のロシア

プーチンが日本のために建設した石油パイプライン港を見捨ててしまった日本 今は中国が独り占め

プーチンが日本のために建設した石油パイプライン港を見捨ててしまった日本 今は中国が独り占め安倍元総理とプーチン大統領(2019年)(写真:ロイター/アフロ)4月2日、共同通信が<【独自】政府、戦時下のロシア訪問団計画 大手商社に要請、5月念頭>とスクープしたが、しかし木原官房長官は翌日、<ロシアへ経済訪問団派遣を計画との報道、「事実ではない」>と直ちに否定した。いずれにせよ、米イスラエルのイラン攻撃がもたらした世界石油危機の波は日本にも大きく押し寄せており、当然のことながら眼前の石油の宝庫であるウラジオストク近郊のコズミノ港を見捨てた日本の選択の是非が問われる。本稿では日本向けパイプラインの建設過程と中国との競争がもたらした現在の日本の実態を、中国との比較という視点から考察し、高市内閣の取るべき姿勢を問う。◆日本向け石油パイプライン港はいかにして建設されたのか?コズミノ港は正確に言えばナホトカにあり、日本が敗戦した後に中国大陸にいた日本軍捕虜が大量に収容されたラーゲリの黒歴史を思い起こさせる。そのとき長春にいた4歳の筆者には「ナホトカ」という音が、略奪に来たソ連兵の姿と重なり、恐怖と共...
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米・世論調査:米同盟国は「トランプよりも習近平が頼りになり、中国が世界の覇者になる」と思っている

米・世論調査:米同盟国は「トランプよりも習近平が頼りになり、中国が世界の覇者になる」と思っているトランプ大統領と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)米メディアのポリティコ(POLITICO)はイギリスの世論調査会社パブリック・ファースト(Public First)に依頼して、今年2月6日から9日にかけて米国とそのトップ同盟国(米国、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ)を対象として世論調査を行なった。その結果を3月15日に発表したのだが、結果が凄い。米国の「キー同盟国」は「トランプよりも習近平が頼りになり、中国の技術の方がアメリカより優れていると思っており、さらに10年後の世界の覇者は中国であると思っている」という結果を出している。3月30日の論考<中国はイラン攻撃を非難し停戦を求め、日本はイラン攻撃を非難せずG7にホルムズ封鎖非難声明を出させる>の文末でお約束したので、考察を試みる。◆ポリティコの世論調査と調査対象国3月15日にポリティコは<米国のトップ同盟国は中国に傾き始めている トランプのせいだ>という見出しで、世論調査の結果を発表した。「米国のトップ同盟国」を、ポリティコの原...