現代の中国

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高市圧勝、中国の反応とトランプの絶賛に潜む危機

高市圧勝、中国の反応とトランプの絶賛に潜む危機圧勝した高市早苗氏(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)高石早苗率いる自民党の圧勝が伝えられるにつれて、中国のSNSであるウェイボーでは日本が右傾化することに対する批判が溢れ始め、9日になるとトレンド入りした。中国外交部は「高市発言」の撤回を再度要求したので、撤回はあり得ないことから、日本叩きは続くことが明確になった。その一方、習近平と密月のはずのトランプが高市圧勝に賛辞を送るという現象が起きている。トランプは勝者が大好きだ。米中蜜月、新たな日米蜜月の中で、日中関係はどうなるのか。(敬称略) ◆中国のネット界で「日本は徹底的に右傾化」がトレンド入り2月8日の夜から中国のネットに溢れ始めた高市圧勝に関するコメントのいくつかをご紹介する。膨大な数の中から選び出すのは代表性に欠けるとは思うが、しかしほとんどが類似している上に、何を言っているのかを知るのは、中国の思考や感覚の現状を把握するのに、いくらかは役に立つのではないかと思われるので、代表的なものを列挙する。コメントの頭には必ず「日本は徹底的に右傾化」が付いているが省略する。リベラルは壊滅した。...
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トランプ「習近平との春節電話会談で蜜月演出」し、高市政権誕生にはエール 日本を対中ディールの材料に?

トランプ「習近平との春節電話会談で蜜月演出」し、高市政権誕生にはエール 日本を対中ディールの材料に?トランプ大統領と習近平国家主席(韓国釜山で)(写真:ロイター/アフロ)2月4日夜、習近平とトランプが電話会談し、「新しい1年」の米中友好関係を強化していこうと仲良く誓い合った。2月4日は立春なので、春節を祝っての電話会談と位置付けることができる。中国では米中のこの電話会談を大々的に報じ、「今後は米中両大国が仲良く世界で活躍していこう」というムードに満ちている。G7のうち日本だけが「台湾有事」をクローズアップして対中強硬姿勢を貫いている現状に加えて、米中のこの蜜月は、日本の孤立化を加速させるのではないかと懸念される中、トランプから高市内閣誕生にエールが送られるというハプニングが起きた。日本叩きの手を緩めていない習近平と中国人民は侮辱を受けたことになるが、ある意味トランプは対中ルールを有利に進めるために高市政権を利用したことにもつながり、習近平の日本叩きは一層激しさを増すだろう。心配されるのは右傾化した日本の対米従属化がもたらす危険性だ。◆中国での大々的な報道は何を意味するのか? 2月4日、...
現代の世界各国

高市首相の「脱中国」戦略はやはり正しかった…中国に媚びて「移民とEV」の泥沼に沈んだドイツの末路

高市首相の「脱中国」戦略はやはり正しかった…中国に媚びて「移民とEV」の泥沼に沈んだドイツの末路ドイツは2023年、名目GDPで日本を抜き世界3位となった。評論家の白川司さんは「実際は、中国に依存した外交と移民政策が足を引っ張り、経済的にも政治的にも不安定な状況に陥っている」という――。「日中関係の悪化」は外交の失敗?日本のマスコミは「高市政権が中国との関係を悪化させ、損失を負っている」と批判的に報道することが多い。そのため、あたかも日本政府が対中外交に失敗していると感じている人が多いだろう。だが、これは日本が対中関係の構築に成功したゆえの出来事だと捉えるべきである。そのことはドイツの対中外交と比較するとよくわかる。これまでドイツは、中国と蜜月関係を築き、中国をうまく利用してきたとみなされてきたが、現在は対中戦略を大きく転換せざるを得なくなっている。さらに、戦後一貫してきた財政均衡路線を修正し、2025年には財政規律をめぐる憲法上の制度改革を行った。積極財政へと舵を切ったドイツは、自由貿易重視の姿勢を改め、ロシアだけでなく中国に対しても、経済安全保障や産業保護に踏み込んでいる。加えて2...
現代の中国

「習近平拘束」は可能か?米国がベネズエラ侵攻で見せた“驚愕の軍事行動力”と中国の“抜かりない対抗策”

「習近平拘束」は可能か?米国がベネズエラ侵攻で見せた“驚愕の軍事行動力”と中国の“抜かりない対抗策”年明け早々に世界を震撼させた、トランプ大統領によるベネズエラへの軍事侵攻。その背景を巡っては、各国各方面でさまざまな見方が交錯しています。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、米軍の電撃的な作戦遂行により浮かび上がった軍事技術と、恐るべき情報収集能力について解説。さらにトランプ氏が意識する中国軍の実像と、米中軍事バランスの現在地について考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:米軍のベネズエラ攻撃の裏で垣間見られた軍事技術と規律をめぐる米中の駆け引きトランプ「ベネズエラ攻撃」に世界が驚愕。中国はアメリカとどう対峙するのか年が明けて間もなく、米特殊部隊がベネズエラを強襲した。同国のニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拘束し、連れ去るための軍事作戦だった。世界に衝撃を与えたニュースだった。直後からトランプ政権の目的は「中国やロシアに対する警告」だとか、逆に「中国に台湾進攻の口実を与えてしまう」といった懸念...
現代の中国

疑心暗鬼に陥った習近平の「人民解放軍制服組トップ」張又侠の粛清がもたらす中国の最終局面

疑心暗鬼に陥った習近平の「人民解放軍制服組トップ」張又侠の粛清がもたらす中国の最終局面7人のうちの5人が中国共産党中央軍事委員会副主席で、中国人民解放軍の制服組トップの張又侠と、中国共産党中央軍事委員会委員で中国人民解放軍連合参謀部参謀長の劉振立を、中国国防部は厳重な規律違反の疑いがあるため立件して取り調べを開始したと発表した。中国共産党中央軍事委員会は、中国の人民解放軍の最高意思決定機関で、2022年の第20回中国共産党大会で新たなメンバーが選出された。主席(トップ)が習近平、2人いる副主席が張又侠と何衛東、それ以外の委員が李尚福、劉振立、苗華、張昇民の4名で、合計7名である。何衛東、李尚福、苗華の3人はすでに失脚していたのだが、今回新たに張又侠と劉振立が失脚したので、中央軍事委員会の構成員は習近平と張昇民の2名だけになった。この記事の全ての写真を見る(全4枚)ちなみに張昇民は中央軍事委員会規律検査委員会書記(トップ)で、軍の不正行為を摘発する責任者であるから、こうした数々の失脚に関わってきたのは、間違いない。その一方で、張昇民は張又俠の腹心だと見られてきたがゆえに、この逮捕劇を受け...
現代の中国

日米が東アジアの軍事的な緊張と高める中、中国で中央軍事委員会副主席が失脚

日米が東アジアの軍事的な緊張と高める中、中国で中央軍事委員会副主席が失脚 中国の国防省によると、中央軍事委員会(CMC)の副主席で、中国共産党政治局員でもある張又俠に対する調査を開始したという。軍の内部で張は習近平国家主席より多くの人脈を持つと言われ、アメリカの支配層との結びつきも強い。中国政府は軍への影響力を強め、国内の結束を強めようとしているのかもしれない。 1月24日に発表された声明では、「重大な規律違反および法律違反」の疑いがあるとされていたが、詳細は明らかにされていない。昇進させる代償として賄賂を受け取っていた容疑がかけられていると言われているが、​アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙は1月25日、張又俠が中国の核兵器開発計画に関する情報をアメリカへ漏らした疑いがあると報じている​。 こうした情報が正しいのかどうかは不明だが、ウクライナでロシアに敗北したアメリカはベネズエラ大統領を拉致したのに続き、イランを攻撃する姿勢を見せ、東アジアでは日本を使って軍事的な緊張を高めている。 本ブログでは繰り返し書いてきたように、日本の軍事力増強は1992年2月にアメリカ国防総省で作...
現代の中国

個人の人気で裏金議員を復活させ党内派閥を作る解散か? しかし高市政権である限り習近平の日本叩きは続く

個人の人気で裏金議員を復活させ党内派閥を作る解散か? しかし高市政権である限り習近平の日本叩きは続く1月19日、衆議院解散表明をする高市総理大臣(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)1月19日に発表された衆議院解散に関する高市氏の演説と記者会見は、「さあ、私への支持率に勝てる党首がいますか?」ということを他党に思い知らせる解散であるという印象を受けた。その支持率を利用して旧統一教会との「政治と金」問題を抱える裏金議員を復活させ、党内基盤の弱い立場を補うために「高市派」を作り、「高市個人の党内基盤を強化するための解散」であると言える。その証拠の一つに、1月21日の共同通信報道の<自民、裏金議員37人を擁立>を挙げることができる。なぜ今なのかは、安倍元総理を殺害した山上被告の裁判が本格化し(1月21日に無期懲役判決)、通常国会で旧統一教会系裏金問題に関して野党から激しい攻撃を受ける可能性があったからだろう。自民党に裏金国会議員が増えれば数で押し切ることができる。高市氏に救ってもらい復活できた裏金議員は、その恩義に報いて徹底して高市氏を援護していくにちがいない。しかし日本という国の視点から見る...
現代の中国

中国の中央軍事委員会要人失脚は何を物語るのか?

中国の中央軍事委員会要人失脚は何を物語るのか?中央軍事委員会主席 習近平(写真:ロイター/アフロ)1月24日15時、中国の中央軍事委員会副主席(張又侠)と委員(劉振立)が「重大な規律違反」の疑いで調査を受けていると国防部が発表した。当日23時になると新華網が「反腐敗の成果」だと詳述している。すなわち二人は腐敗問題で調査受けているということになる。日本では今なお、習近平の反腐敗運動は権力闘争であるという間違った分析をしたがる人たちがおり、軍関係になると「粛清」という言葉を使う人さえいて、日本人の中国分析を誤導し続けている。それは日本国民を「井の中の蛙」に追いやり重大な損失を与えるのみなので、真相を解明したい。◆現時点で中央軍事委員会メンバーは2人だけ昨年10月26日の論考<中国、軍幹部大量逮捕の背後に横たわる真相を暴く>で詳述したように、昨年10月の軍幹部の大量逮捕の背景には、習近平が長年にわたり信頼してきた「苗華」という人物の深い腐敗問題が絡んでいた。これを見抜けなかった習近平は、見抜く力がなかった歴然たる事実と、「腐敗の闇の深さ」に打ちのめされたことだろう。そのため腐敗撲滅のための組...
現代の中国

中国、レアアース輸出規制で大誤算。日本が技術力でレアアース供給国に躍り出る=勝又壽良

中国、レアアース輸出規制で大誤算。日本が技術力でレアアース供給国に躍り出る=勝又壽良中国が再び日本に対してレアアース輸出規制を発動した。しかし、この一手は日本を屈服させるどころか、逆に中国自身の戦略的優位を揺るがしかねない展開を招いている。G7を軸とした「レアアース同盟」の形成、日本が主導する化学的精錬技術の国際的浮上、そして南鳥島レアアース開発の本格化――。中国が切った同じカードは、もはや脅しではなく、世界の資源秩序を塗り替える引き金となりつつある。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)【関連】夢に終わる韓国「半導体超強大国」戦略。日本から盗めなかったシステム半導体に“世界シェア3%”の壁=勝又壽良プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。中国は「レアアース輸出規制」で日本を脅すが…中国が再び、日本へレアアース(希土類)輸出規制を発動してきた。前回(2010年)に続いて今回が...
現代のロシア

トランプのベネズエラ軍事作戦が「石油のためではない」決定的理由…真の狙いは中国への強力な牽制だった

トランプのベネズエラ軍事作戦が「石油のためではない」決定的理由…真の狙いは中国への強力な牽制だった公平さに欠ける日本のオールドメディアトランプによるベネズエラへの軍事作戦の狙いについて、オールドメディアの報道では、「アメリカへの麻薬の流入を防ぐというのは建前にすぎない、本音は金儲けのために石油利権を奪いに行ったのだ」という見方が示されていることが多い。だが、この見方はかなり歪んだ見方だと言わざるをえない。この記事の全ての写真を見る(全5枚)そもそもベネズエラで社会主義のチャベス政権が生まれた後に、それまでベネズエラに資本投下していたアメリカ資本をベネズエラは接収して国有化した。当時ベネズエラに資本投下していたアメリカ資本は、現在のエクソン・モービルとコノコ・フィリップスだ。だからトランプ政権はエクソン・モービルとコノコ・フィリップスを呼び、ベネズエラ政府に接収された設備や資産について補償を受けたいのであれば速やかにベネズエラで事業を再開するように伝えた。これは過去に奪われたものを取り戻すという話でしかない。社会主義政権によって資産が奪われた歴史があることを正確に伝えないで、それを取り戻...
現代のロシア

【ベネズエラ・マドゥロ拘束】歴代アメリカ大統領伝統の「主権無視の軍事行動」で中露イランが大衝撃を受けた理由

【ベネズエラ・マドゥロ拘束】歴代アメリカ大統領伝統の「主権無視の軍事行動」で中露イランが大衝撃を受けた理由麻薬、不法移民の根拠となった左派マフィア政権トランプ米大統領は、反米左派政権が率いるベネズエラに対して、1月3日の未明についに大規模な攻撃を実施した。米軍はマドゥロ大統領夫妻を拘束し、強襲揚陸艦「イオージマ」に乗せ、その後、飛行機に移し、既にニューヨークに送致された。ボンディ米司法長官は、マドゥロ大統領夫妻がニューヨーク市の連邦裁判所で、麻薬テロの共謀、コカイン輸入の共謀などの罪で起訴されたことを明らかにした。この記事の全ての写真を見る(全6枚)トランプ政権はなぜベネズエラ攻撃を行なったのか。それには様々な理由がある。今、アメリカは深刻な麻薬中毒に悩まされている。中国からメキシコを経由して流れてくるフェンタニルも大問題だが、コロンビア、ベネズエラなどから流れてくるコカインも大問題になっている。ベネズエラを本拠地とする犯罪組織の「トレン・デ・アラグア」や「太陽のカルテル」は、こうした麻薬の密輸にも深く関わってきた。そればかりではない。こうした組織は不法移民ビジネスや人身売買なども広く...
現代の世界各国

日本が警戒する「台湾有事」との決定的なズレ。中国の「軍事演習」が突きつけた厳しい現実と米国の「冷徹な計算」

日本が警戒する「台湾有事」との決定的なズレ。中国の「軍事演習」が突きつけた厳しい現実と米国の「冷徹な計算」2025年末に中国軍が台湾を取り囲む形で実施し、日本でも大きく報道された「正義使命‐2025」なる軍事演習。大規模に展開された当演習は、どのような意図を示しているのでしょうか。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、さまざまな要素を手がかりに中国が発したメッセージを分析。その上で、「今日のウクライナは明日の台湾」という言葉すら現実に追いついていない可能性を指摘しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:2025年末の中国軍事演習が発したメッセージとは2025年末の中国軍事演習が発したメッセージとはアメリカの権威ある外交誌『Foreign Policy』(FP)が2017年以降毎年出してきた年始企画、「トップ・グローバル・リスク」が今年も発表された。タイトルは「混沌の時代へようこそ」である。アジアの視点から見る「リスク」とはまた一味違った項目が列挙されていることも多く、興味深いランキングだ。ちなみに...
現代の世界各国

トランプのベネズエラ攻撃で習近平が困るのか? 中国エネルギー源全体のベネズエラ石油依存度は0.53%

トランプのベネズエラ攻撃で習近平が困るのか? 中国エネルギー源全体のベネズエラ石油依存度は0.53%トランプ大統領と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)トランプのベネズエラ攻撃の目的の一つが、「ベネズエラから中国を締め出し中国への石油提供を断つためだ」という憶測が日本のネット・コメントで飛び交っている。その根拠になっているのが、「中国は石油輸入の多くをベネズエラに依存している」という「誤報」だ。こんな「誤報」は客観的なデータを調べれば一瞬で真偽が判明する。しかし、「トランプのベネズエラ攻撃は習近平を懲らしめるためだ」と言えば日本人が喜んで飛びつくので、その結果、「ほらね、やっぱり米中対立が根底にはあるんだ」と納得して、世界の動向を見誤る結果を招く。そこで、実際に中国はエネルギー源として、どれくらいベネズエラ石油に依存しているのかをデータに基づいてチェックしてみた。その結果、別の問題点も浮かび上がってきたので考察を試みる。◆中国のエネルギー源構成と輸入依存度オクスフォード大学とも協力関係にあるイギリスの非営利団体Global Change Data LabのプロジェクトであるOur ...
現代の世界各国

ベネズエラを攻撃したトランプ 習近平より先にトランプに会おうとした高市総理は梯子を外された

ベネズエラを攻撃したトランプ 習近平より先にトランプに会おうとした高市総理は梯子を外された米がベネズエラ攻撃・大統領拘束 トランプ大統領が会見(写真:ロイター/アフロ)高市総理は自らの国会答弁(いわゆる「高市発言」)が招いた日中関係悪化による中国軍の台湾包囲軍事演習を、トランプ大統領にも一緒になって非難させようと、何とかトランプ大統領が訪中して習近平国家主席に会う前にトランプに会おうと必死だった。しかし、昨年12月30日の論考<中国軍台湾包囲演習のターゲットは「高市発言」>に書いたように、そうでなくともトランプは中国軍の台湾包囲軍事演習に関して「懸念しない」と発表している。ましてや、1月3日、トランプはベネズエラを軍事攻撃しただけでなく、ベネズエラのマドゥロ大統領夫妻を拘束してアメリカに連行した。おまけに狙いは石油利権だと、日本時間1月4日未明に自ら話している。ここまでの暴挙は見たことがない。そんなトランプにとっては、習近平の台湾包囲軍事演習など問題にもならないにちがいない。高市総理は1月2日夜、トランプと電話会談し、「トランプから訪米のお誘いがありました」と満面の笑顔で発表していたが...
現代の中国

中国がMAGAを肯定!

中国がMAGAを肯定!韓国で会談したトランプ大統領と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)12月28日、中国共産党の機関紙「人民日報」は、「中国の発展」と「MAGA(アメリカを再び偉大にする)」は共存すると発表した。これは11月5日のコラム<トランプが「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言! これで戦争が避けられる!>と対をなすものであり、かつ12月26日のコラム<トランプが習近平と「台湾平和統一」で合意?>とも符合する。世界が米中を中心に「台湾有事が起きない方向」に動いているときに、わが国日本の高市政権だけは「台湾有事は存立危機事態を招く」として一人「勇ましく突き進み」、「戦争の残虐性を知らない日本の若者たち」の心を躍らせている。アメリカに梯子を外されるかもしれない日本は、どこに向かうのか?◆人民日報がMAGAを肯定!12月28日、人民日報は「鐘声」という社論コーナーの「大国外交2025年レビュー」で<小異を残して大同を求め、双方の相違を解決する>という見出しで「中国の発展とMAGAは矛盾しない」という旨の報道をした。そこでは主として、以下のような論を展開し...
現代の中国

中国軍台湾包囲演習のターゲットは「高市発言」

中国軍台湾包囲演習のターゲットは「高市発言」台湾周辺で中国軍が軍事演習(写真:ロイター/アフロ)12月29日から始まった中国人民解放軍東部戦区による台湾包囲軍事演習の主たる目的は「高市発言」への抗議だということがコードネームからわかる。キーワードは「正義」。その謎を解読する。◆これまでに行われてきた台湾包囲軍事演習のコードネーム台湾を包囲する形で行なわれる第一回目の大規模軍事演習は、2022年8月2日から始まった。誘発原因はペロシ元米下院議長の訪台だ。それ以降は、図表1に示したように、毎年2回の割合で行なわれている。それも翌年の2023年までは具体的な漢字表現のコードネームだったが、2024年からは「2024A」、「2024B」のように、記号化したコードネームへと変わり、春と秋に行われる形に移行していった。図表の2024年と2025年の赤文字の個所に注目していただくと、本来ならば今般の12月29日~30日まで行われる台湾包囲軍事演習のコードネームは「海峡雷霆—2025B」となるはずだ。ところが突然、「正義使命―2025」に変化した。図表:台湾包囲軍事演習の頻度とコードネーム公開されてい...
現代の中国

トランプが習近平と「台湾平和統一」で合意?

トランプが習近平と「台湾平和統一」で合意?トランプ大統領と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)12月19日、シンガポールの「聯合早報」が台湾の元国防部副部長が「トランプと習近平は台湾平和統一に関して合意する」と述べたと報じた。その実態を考察する。◆台湾の元国防部副部長「トランプと習近平は両岸平和統一で合意する」12月19日、台北では「中国戦略学会、国立政治大学国際問題学院・両岸政治経済研究センター、中国民族統一協会、中華民国忠誠同志協会」などの共催で「2026年 世界情勢フォーラム」が開催された。「聯合早報」はその日のフォーラムで、台湾の林中斌・元国防部副部長(民進党の陳水扁政権時代)が<トランプと習近平は両岸平和統一に関して合意する>と指摘したと報道した。林中斌は李登輝政権下で大陸評議会副議長を務めたこともある。それだけに林中斌の発言は注目を浴びた。言うまでもなく「両岸」というのは「台湾海峡」を指す。大陸と台湾が平等であることを示すために、「台湾」という単語を入れないという工夫した表現だ。日本人にとっては「台湾平和統一」と表現した方が分かりやすいので、本稿では「台湾平和統一」で統...
中国の歴史

中国にとって「台湾はまだ国共内戦」の延長線上

中国にとって「台湾はまだ国共内戦」の延長線上国共内戦がまだ終わっていない金門島最前線(2011年)(写真:ロイター/アフロ)歴史的事実から見て、日本敗戦後の中国(中華民国)において戦われた国共内戦(解放戦争、革命戦争)はまだ終わっておらず、休戦協定ももちろんない。そのことを証明するために、毛沢東は1958年、「金門島」を占領できたのに、わざと途中で手を退き、「国共内戦、未だやまず」の標識として世界に示すという、長期的戦略に出ていた(中国では「中国人民解放軍が占領すること」を「解放」と言うので、このあとは「解放」という言葉を使う)。なぜそのような手段に出たかというと、1953年に休戦協定を締結した朝鮮戦争により、アメリカが1958年に「二つの中国」を台湾に宣言させようとしたからだ。しかし「アメリカの支配下に置かれたくない蒋介石」は「二つの中国」宣言を忌避(きひ)した。この時点で毛沢東と蒋介石という国共両軍の両巨頭の心情が一致していた。中国にとって台湾は国共内戦でまだ解放されていない区域であり、完全に「中国の内政問題」だと認識している。その意味で台湾有事に関する高市発言(国会答弁)は、結果...
現代の中国

高市首相の「台湾有事は存立危機」発言ではない。中国で「日本の不動産爆買い熱」が冷めきった理由

高市首相の「台湾有事は存立危機」発言ではない。中国で「日本の不動産爆買い熱」が冷めきった理由コロナ禍を境に中国で語られるようになった「潤日」なる隠語。中国人富裕層が自国から逃れる先として日本を選ぶこの現象を、我々日本人は好意的に受け止めていましたが、果たしてその解釈は妥当なものだったのでしょうか。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、「潤日」の真実とその流れに生じている変化を丹念に検証。さらに中国富裕層の対日意識が転換しつつある背景を、制度や社会の変化を紹介しつつ解説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:中国富裕層の日本脱出「潤日」は本当にサステナブルな流れなのかなぜ中国富裕層は日本を選ばなくなったのか。「潤日」の真実と行方コロナ禍が明けるか否か─。世界がその見極めに逡巡していたころ、「潤日」という隠語がにわかに中国から聞こえてくるようになった。字面から想像しにくいが、「潤」は逃げ出す。「日」は日本を指している。日本への脱出だ。日本に拠点を求めると一口に言っても、そんなことができるのは、資産に...
中国の歴史

日本を「小日本」呼ばわりし、「仮想敵国」に据えて…天安門事件以降加速した中国の「歪んだ愛国教育」

日本を「小日本」呼ばわりし、「仮想敵国」に据えて…天安門事件以降加速した中国の「歪んだ愛国教育」高市首相の発言に対し、異常なまでに噛みついてきた中国。ここまで強硬な態度を取る背景にある、中国共産党が作り上げてきた「物語」について、自身が内モンゴル出身で、その実態に接してきた静岡大学教授・楊海英氏が解説する。(本記事は『中国共産党 歴史を書き換える技術』(ワニブックス刊)より抜粋・編集したものです)『中国共産党 歴史を書き換える技術』(ワニブックス刊)「フィクション」を初等教育から刷り込まれる中国において、過去の歴史の意味づけがどのようにコントロールされてきたかを示す一例であるが、その構造は現代においてもなお持続している。その典型とも言えるのが、1989年6月に発生した天安門事件と、今に至るまでの事件の取り扱いである。この出来事は、中国現代史における決定的な転換点となった。民主化を求めて天安門広場に集結した学生たちに対し、中国政府は武力による苛烈な弾圧を加え、その対応は国際社会から厳しい非難を浴びることとなった。中国共産党は公式に死者数を319人と発表したが、実際の犠牲者数がそれをはるか...