現代の中国

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茂木外相の「中国側に適切な対応を求める」対薛剣措置はペテン? まもなく薛剣が任期満了を知っているはず

茂木外相の「中国側に適切な対応を求める」対薛剣措置はペテン? まもなく薛剣が任期満了を知っているはず高市内閣における茂木外相(写真:REX/アフロ)茂木外相は訪問先のカナダで、11月12日午後(日本時間13日午前)、薛剣(せつけん)総領事のXへの投稿に関して「日中関係の大きな方向性に影響が出ないように、適切な対応を中国側がとるように強く求めていく」と言ったが、これはペテン師のようなやり方だ。なぜなら、薛剣が大阪の総領事として赴任したのは2021年6月29日で、今年の11月28日で着任から4年5ヵ月経つことになる。これまで大阪総領事で最も在任期間が長いのは4年4ヵ月。だから薛剣は任期満了で、まもなく帰国するはずだ。二度も外相を務めたことのある茂木外相はそのことを十分知っていて「中国側に対応を求める」などと言って日本国民を欺いている。茂木外相は「中国側に対応を求める」のではなく、「薛剣が日本国内にいるうちに厳罰を科すべき」である。◆中国の駐大阪領事館、総領事の任期図表1に、これまでの中国の駐大阪総領事の任期を大阪総領事館のデータに基づいてまとめてみた。図表1:歴代駐大阪総領事の任期大阪総領...
現代の中国

高市総理に「その汚い首は斬ってやる」と投稿した中国の大阪総領事は国外追放に値するレベル

高市総理に「その汚い首は斬ってやる」と投稿した中国の大阪総領事は国外追放に値するレベル薛剣大阪総領事 大阪領事館ウェブサイトから転載11月10日、産経新聞が<中国の大阪総領事「その汚い首は斬ってやるしかない」 高市首相の台湾有事巡る答弁に投稿>と報道した。続けて毎日新聞も10日、<中国総領事「汚い首斬ってやる」 台湾有事答弁巡り 日本政府は抗議>と報道している。筆者自身も中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事からは常日頃から名指しで罵倒を受けている。それに反応して浅い親中連中が「そうだ!そうだ!」と連鎖反応を見せていることに違和感を覚えていた。外交官として日本にいながら、今般の高市総理に関するX投稿は「常識を逸脱する」というレベルを超えて、国外追放に値するのではないだろうか。まるで暴力団の恫喝のような品性のない発言は、在日外国人のあり方が問題視されている今、日本にいる中国人に対してもマイナスの影響を与えるのみで、中国という国家自身にもまったくプラスにならない。日本人が中国を嫌いになる傾向を増強させるだけだ。日本政府が強く抗議したと木原官房長官も述べているようだが、その抗議内容は明確でないも...
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トランプ、「あんな怯えた人見たことない」中国高官の姿こそが、中国を製造大国にしたことに気付いているか

トランプ、「あんな怯えた人見たことない」中国高官の姿こそが、中国を製造大国にしたことに気付いているか米中首脳会談における中国側代表(写真:ロイター/アフロ)11月5日、トランプ大統領は米中首脳会談を振り返り、習近平と並ぶ中国高官を「あんなに怯えた様子の人間を見たことがない」と評した。その「服従文化」こそが、中国を「製造大国」にのし上げた基盤であり、トランプが関税によってしか抵抗できなくなってしまった根源であることに気が付いているだろうか?中国を世界一の製造大国に成長させたファクターは 中国が共産主義統治体制であること。中国には伝統的に「忍耐と服従」という東洋文化が沁みついていること。アメリカが、成長する中国を制裁などにより潰そうとしてきたこと。そのため中国国民が負けてなるものかというチャレンジ精神に燃えたこと。習近平のハイテク国家戦略「中国製造2025」を着実に実行したこと。などであることを見抜かなければならない。◆中国高官を「あんな怯えた人、見たことない」と評したトランプ11月5日、トランプはホワイトハウスでの行事で、米中首脳会談に関する感想を述べた。かなり長時間にわたって話をしてい...
現代の世界各国

トランプが「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言! これで戦争が避けられる!

トランプが「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言! これで戦争が避けられる!ドナルド・トランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)トランプ大統領は10月30日に韓国で習近平国家主席と会談した前後に「米中G2」をTruthに投稿していたが、米東部時間31日には米メディアCBSの60分間に及ぶ取材を受け「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言している。それをホワイトハウスが短縮して報道しているので、ご紹介したい。米中競争の決着はどこかで付くわけで、いずれは中国が米国を凌駕することになり、その時には戦争が起きるかもしれないという危惧がある。その凌駕の瞬間を平和裏に対処し、しかも米国が強い状況で米中が共存できるなどという離れ業をできる人物が出てくるとすれば、人類にとって奇跡的なことだ。トランプの政策にはさまざま問題はあろうが、この姿勢で米中競争に向き合うことができる姿勢を取れるのはドナルド・トランプをおいて他にない。ホワイトハウスはまた、ホワイトハウスだけが持っている米中首脳会談中の内部の光景を米東部時間10月30日16時27分に公開したが、そこには習...
現代の中国

日中首脳会談ようやく実現 寸前までじらせた習近平の思惑

日中首脳会談ようやく実現 寸前までじらせた習近平の思惑中華人民共和国外交部のウェブサイトから転載 日本が、日中首脳会談を韓国で行なうべく「調整している」というニュースを流し始めたのは10月29日からだったと思う。しかし中国は「そのようなことは承知していない」として、無視し続けた。「調整中」ではなく「行われる」という情報が日本のネットに現れたのは10月31日会談当日の14時になってからだ。実際に会談が行われたのは10月31日17時05分からなので、会談の3時間前まで高市総理は不安定な中に置かれたことになる。そのストレスたるや、尋常ではなかっただろう。よく耐えたと思う。これは何を意味しているかというと、10月11日の論考<自公決裂!組織票欲しさに二大宗教団体を利用した自民党のツケ 遂に中国の支配から抜け多党制に移行か>に書いたように、中国が熱心に支持していた公明党が与党連立から抜けたことを中国は喜んでないということを示唆する。事実、連立を解消するか否かの論議の真っ最中だった10月6日に、公明党の斉藤代表は国会内で中国の 呉江浩駐日大使と面会している。おそらく自公連立から離脱しないように斉藤...
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米中首脳会談 予測通り障壁は「50%ルール変更」だった!

米中首脳会談 予測通り障壁は「50%ルール変更」だった!0月30日、韓国で会談するトランプ大統領と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ) 10月27日の論考<トランプはなぜ対中100%関税を延期したのか? その謎解きに迫る>で、筆者は中国がレアアースの輸出制限を宣告した理由は「50%ルール変更」で、トランプが対中100%関税を宣告したのはその結果だと書いた。「50%ルール変更」とは9月29日にアメリカ商務省・産業安全保障局(BIS=Bureau of Industry and Security)が発表した<上場事業体の関連会社を対象に事業体リストを拡大>のことで、具体的には【これまでアメリカは中国の軍事最終利用者に対するエンティティリストを発表し指定していたが、それでは抜け穴があるので、「エンティティリストに含まれる企業が、50%以上の株を持っている他の企業」に対しても、同じ扱いをするというルール変更を行う】ということである。こんな大変な業務を中国の企業に強制するのは「約束が違う!」と中国は激怒し、「それならアメリカが最も困るレアアースの輸出制限をしてやる!」として始まったものだ。し...
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中国、軍幹部大量逮捕の背後に横たわる真相を暴く

中国、軍幹部大量逮捕の背後に横たわる真相を暴く習近平中共中央総書記・中央軍事委員会主席(写真:ロイター/アフロ)10月17日午後、中国の国防部報道官は9人の軍幹部に関しての処分を発表した。それによれば、中央軍事委員会・規律検査監督委員会は、9名の軍幹部に関して党籍剥奪および軍事検察で審査・起訴することを決定したとのこと。そのうち8名は中共中央委員会委員なので、10月20日から23日まで北京で開催された「四中全会」(中国共産党中央委員会第四次全体会議)で中央軍事委員会における処置と党籍を剥奪したことに関して審議し、可決した(新華網)。これで最終決定となる。2024年11月から始まった一連の逮捕劇に関して、巷では「習近平失脚説」が「嬉しそうに」ささやかれていたが、筆者は以下の論考で徹底して斬ってきた。7月14日<習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartI>7月17日<習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartⅡ>7月24日<習近平失脚説 噂とフェイクと報道 PartⅢ―胡春華の巻>などで、「習近平失脚説」の虚偽性を徹底して証明したはずだ。ところが、10月21日...
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中国、レアアース「武器化」で自滅へ。日本が南鳥島開発で資源覇権を握る日=勝又壽良

中国、レアアース「武器化」で自滅へ。日本が南鳥島開発で資源覇権を握る日=勝又壽良中国が発表した「自国産レアアースを0.1%でも含む製品は中国の管轄下にある」との声明は、世界経済に衝撃を与えた。だが、その“資源支配”戦略は、意図とは真逆の結果を招くだろう。日本は南鳥島で世界最高品位のレアアース泥を確保し、2026年の試掘、2028年の商業生産に向けて着々と準備を進めている。AIとロボットによる低コスト・高効率の採掘・精製が可能となれば、中国の独占構造は一挙に崩壊する。米豪の共同開発に技術支援する日本が、レアアース新時代の主導権を握る日は近い。中国の「資源武器化」は、自国の孤立と経済失速を加速させる“自滅戦略”に終わる可能性が高い。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)【関連】夢に終わる韓国「半導体超強大国」戦略。日本から盗めなかったシステム半導体に“世界シェア3%”の壁=勝又壽良プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大...
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トランプはなぜ対中100%関税を延期したのか? その謎解きに迫る

トランプはなぜ対中100%関税を延期したのか? その謎解きに迫るトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)アメリカのベッセント財務長官は10月26日、マレーシアで中国の何立峰副総理(経済政策担当)らと行った米中閣僚会議の後「中国製品に対する100%の追加関税は回避され、中国のレアアース輸出規制が1年延期されることになる」と述べた。その背景には何があったのだろうか?アメリカが譲歩したのか、それとも中国が譲歩したのか?そのヒントは実は、10月23日の論考<高市総理に「日米首脳会談」までに認識してほしい、トランプ大統領の対中姿勢(対習近平愛?)>に書いた事実にある。その論考では、「10月10日にトランプ大統領がTruthで11月1日から対中関税を100%に引き上げると書きながら、12日にはすぐさまその考えを引っ込めてしまった」と書いた。トランプは、なぜすぐに引っ込めたのか?26日の米中閣僚会議後の発表を受けて、中国のネットには「勝利だ―!」、「遂に中国が勝ったのだ―!」という声が満ちている。何が起きているのか、その謎解きに迫りたい。それによりトランプ政権がより明確に見えてくると期待する。◆中国...
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高市総理に「日米首脳会談」までに認識してほしい、トランプ大統領の対中姿勢(対習近平愛?)

高市総理に「日米首脳会談」までに認識してほしい、トランプ大統領の対中姿勢(対習近平愛?)News Mobileが報道したダボス会議のスクリーンショットに筆者が和訳を加筆まもなくトランプ大統領が訪日して高市総理と会談する。高市総理は<高市内閣総理大臣記者会見>で、米国の対中姿勢を、主として「自由で開かれたインド太平洋戦略」と位置付けているようだが、トランプ大統領の「対・習近平姿勢」は、バイデン政権の対中包囲網姿勢とは全く異なる。そもそもトランプ大統領は習近平国家主席が「個人的に」好きだ。台湾問題に関しても極めて習近平寄りで、「習近平が好まないことはしたくない」というのがトランプ大統領のスタンスである。それに反して高市総裁が誕生した直後に任命された自民党新執行部の一人である古屋圭司氏は、超党派の国会議員で作る「日華議員懇談会」の会長として10月9日に台湾を訪問している。トランプ大統領とはベクトルが異なる。どちらが良いのか悪いのかの問題ではなく、こういった現実をしっかり認識しておかないと、日米首脳会談で感覚がずれる可能性があるので、注意を喚起したいと思う。◆高市総理の発言からうかがえる対中強...
現代の中国

中国建国記念日「国慶節」祝賀と、毛沢東没後に時間を逆行して強調される「抗日戦争勝利記念式典」の比較

中国建国記念日「国慶節」祝賀と、毛沢東没後に時間を逆行して強調される「抗日戦争勝利記念式典」の比較1949年10月1日を建国記念日と指定した中国の「国慶節」(写真:ロイター/アフロ)今年もまた中国の「国慶節大型連休」がやってきた。日本では「国慶節」と聞くと「日本への観光客数」を連鎖反応的に思い浮かべるようだが、この日は中国の建国記念日だ。1949年10月1日に、毛沢東が天安門楼閣で「中華人民共和国(現在の中国)の誕生」を宣言した日を以て「建国記念日」とし、「国慶節」と称している。毛沢東時代は国慶節だけを祝賀し、抗日戦争勝利日など祝ったこともないのに、1995年に江沢民が「抗日戦争・反ファシスト戦争勝利記念日」を全国規模で始めてからは、国家全体として、突如「抗日戦争勝利」が前面に出るようになった。本稿では、1945年の抗日戦争勝利が、時間と逆行して強調されていく様を、国慶節と比較して考察する。◆中国建国以来の国慶節祝賀式典と抗日戦争勝利式典の推移いま習近平政権が何をやっているのかを視覚化するために、図表1に共産中国建国以降の国慶節祝賀式典と抗日戦争勝利式典の一覧表をまとめてみた。図表1:...
中国の歴史

映画「731」は日本のバイオハザードや韓国のイカゲームのパクリ ビジネス化する反日映画が犠牲者を愚弄

映画「731」は日本のバイオハザードや韓国のイカゲームのパクリ ビジネス化する反日映画が犠牲者を愚弄中国映画「731」のポスター 中国で9月18日に公開された旧日本軍の731部隊を題材にした映画「731」が、中国のネットで激しい批判に遭っている。それもそのはず。監督の趙林山氏は本来、731部隊とは全く無関係なアクション・スリラーものである『生化啓示録』を制作しようとしていたようだ。『生化啓示録』はカプコン社の「バイオハザード:リベレーションズ」に類似の物だが、もちろんカプコン社のゲームとは違う別の作品だ。ところが制作スタッフが「731記念館」を参観したところ、「731と関係づけると儲かるんじゃないか」という話が持ち上がり、強引に731部隊にこじつけた映画を制作したのだという。そもそもあの悲惨な731収容所の中に「花魁道中(おいらん・どうちゅう)」が現れたり、死刑の時には白装束の武士が現れ三味線までを奏でたりという、ふざけたコメディ構成は、731部隊による真の犠牲者を愚弄するようなものだ。反日がビジネス化した中国社会を創ったのは誰か?歪曲した歴史は、日中戦争の犠牲者への冒涜へとつながって...
現代の世界各国

「トランプ関税」と習近平「漁夫の利」その3 南米編:勢いづくチャンカイ港と激怒し中国に向かうブラジル

「トランプ関税」と習近平「漁夫の利」その3 南米編:勢いづくチャンカイ港と激怒し中国に向かうブラジル白地図に筆者が加筆して作成今年9月17日、ペルーのチャンカイ港に史上最大の中国のRORO(Roll-on/Roll-off)船(遼河口号)が到着し、1700台の自動車を降ろした。「これは南米海上貿易の戦略的ハブとしての役割を果たすことになるだろう」とコンテナ・ニュースは伝えている。ブラジルの日刊紙「フォリャ・デ・サンパウロ」は、ブラジルと中国が今年7月7日に、「チャンカイ港とブラジルのイリェウス港を結ぶ約4,500キロメートルの鉄道建設の可能性調査を進めることを目的とする協定の覚書」に署名したと中文版「ドイツの声」が報じた。「この新路線は、世界最大級の物流プロジェクトの一つになるだろう」としている。まるで南米諸国が次から次へと中国に吸い込まれていくような勢いで中国へと向かっているが、それらは全て「トランプ関税」のお陰だと言っても過言ではない。ブラジルのルラ大統領が、トランプ関税とトランプ大統領のBRICS関税警告を受けて「世界は皇帝を望まず」と叫んだことは、世界の多くの人々に爽快感を与え...
現代の世界各国

トランプ大焦り。習近平が軍事パレードで見せつけた圧倒的な軍装備とアジアやグローバルサウスの国々との強固な結束

トランプ大焦り。習近平が軍事パレードで見せつけた圧倒的な軍装備とアジアやグローバルサウスの国々との強固な結束世界中のメディアが一斉に報じた、中国共産党主催の「抗日戦争勝利80周年」記念軍事パレード。中国人民解放軍の軍備の凄まじさを見せつけるには十分すぎるほどの式典となりましたが、習近平政権が国際社会に「それ以上」の政治的インパクトを与えることにも成功したという見方もあるようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では著者の富坂聰さんが、このパレードの「2つの効果」を解説。その上で、アメリカに対する中国政府の思惑を推察しています。。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:9・3軍事パレードはトランプ政権の対中政策に変化をもたらすのかトランプの対中政策に変化をもたらすか。習近平「戦勝80周年」軍事パレードの衝撃9月3日、中国が「中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利80周年記念行事」(以下、「戦勝80周年」)に合わせて行った軍事パレードは、世界に大きなインパクトを与えた。披露された最新兵器に各国の軍事専門家たちが興奮気味に解説を加...
現代のロシア

「中朝関係ギクシャク論」 日本メディアは韓国・尹元大統領クーデターのための「情報戦」に踊らされていた

「中朝関係ギクシャク論」 日本メディアは韓国・尹元大統領クーデターのための「情報戦」に踊らされていた9月3日「抗日戦争勝利80周年記念」軍事パレードに向かう習近平国家主席とプーチン大統領と金正恩総書記。天安門楼閣以外でも仲良し3人組(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(以後、金正恩)は北京で挙行された「抗日戦争80周年記念」軍事パレードに参加した後、習近平国家主席(以後、習近平)との親密な会談と会食を終えて4日夜に帰国した。金正恩の訪中を、日本の多くのメディアは「ギクシャクした中朝関係を回復させるため」という趣旨の接頭語を付けて解説しているが、中朝関係は「ギクシャク」していたのだろうか?本稿では「中朝露韓日」5ヵ国の出来事を一覧表にして考察したが、そこから浮かび上がってきたのは、日本は韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)元大統領が2024年12月3日に「非常戒厳令」(実際上のクーデター)を起こすための「情報戦」に完全に踊らされていたという事実だ。その見分けがつかず、尹錫悦がクーデターを成功させるために捏造した「情報戦」に日本が乗っかるようでは、今後も北東アジア...
現代の中国

中国共産党が「抗日戦争勝利80年」パレードで世界にバラまく大ウソ。戦後に建国した「中華人民共和国」が日本に“戦勝”の噴飯

中国共産党が「抗日戦争勝利80年」パレードで世界にバラまく大ウソ。戦後に建国した「中華人民共和国」が日本に“戦勝”の噴飯9月3日に天安門広場で開催された「抗日戦争勝利80年」記念パレード。習近平国家主席、プーチン大統領、金正恩総書記が楼上で「揃い踏み」する様子を世界中のメディアが大々的に報じましたが、この式典に中国政府は台湾にも参加の要請を行っていたことをご存知でしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、そもそもこの「抗日戦争勝利80年」を中国共産党が祝うこと自体に無理がある根拠と、台湾政府に参加を呼びかけざるを得ない裏事情を解説。さらに身内からの反対を押し切ってまで参加した鳩山由紀夫元首相の「言い分」を紹介しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【中国】嘘だらけの「抗日戦争勝利80年」勝ってもないのに大威張り。嘘だらけの中国「抗日戦争勝利80年」●台湾総統「侵略は必然的に失敗する」、中国軍事パレード控え中国で3日に行われた「抗日戦争勝利80年」記念パレードが話題となっています。中国は、ロシアや...
現代のロシア

SCOでインドがロシアや中国との緊密な関係を示し、英語帝国主義からの離脱も

SCOでインドがロシアや中国との緊密な関係を示し、英語帝国主義からの離脱も ​欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長を乗せた航空機のGPSが8月31日にブルガリアの空港へ着陸する際に使えなくなり、存在しないはずの紙の地図を利用して着陸したとフィナンシャル・タイムズが仰々しく伝えた​。 ロシアはミサイルやドローンによる攻撃に対処するためにGPSを妨害しているが、そうした場合、その周辺を走行している自動車に搭載されたGPSも機能しなくなる。ところがブルガリアでのケースでは、そうしたことが起こっていないようだ。他の航空機に影響が出たとする話も聞かない。 この怪しげな話をイギリスの有力紙が伝えた時、中国の天津ではSCO(上海協力機構)の首脳会議が開催され、24カ国と9国際組織の首脳が参加しているが、特に注目されたのはロシア、中国、インドの結束。ロシアのウラジミル・プーチン大統領とインドのナレンドラ・モディ首相は同じリムジンに乗って移動するなど親密さをアピール、二国間会談でロシアの通訳は英語でなくヒンディー語を使ったことも話題になった。脱ドルに続き、「英語帝国主義」への挑戦だ。 中国...
現代のロシア

露プーチンと北の金正恩は参加、印モディは不参加。中国「抗日戦争勝利80年」軍事パレードの裏で蠢く“単純ではない”国際政治と習近平が発するメッセージ

露プーチンと北の金正恩は参加、印モディは不参加。中国「抗日戦争勝利80年」軍事パレードの裏で蠢く“単純ではない”国際政治と習近平が発するメッセージ9月3日に「抗日戦争勝利80年」を記念し北京で大々的に行われる軍事パレード。プーチン大統領や金正恩総書記も列席するとあって全世界の注目が集まっていますが、中国とロ朝それぞれの思惑は必ずしも一致しているとは言い難いようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では著者の富坂聰さんが、このパレードのそもそもの意味合いと欧米主要国が出席を見送った背景を解説。さらにその裏で蠢く「国際政治と中国のメッセージ」の分析を試みています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:9月3日の中国軍事パレードに戦々恐々とする世界世界が戦々恐々。9月3日「中国軍事パレード」の裏側もう40年も前のことだ。私が初めて目にした中国の軍事パレードは、中華人民共和国の建国35周年を祝う記念行事でのことだった。日本との関係を積極的に進めようとした胡耀邦時代のことで、日本人の学生は特等席でパレードを眺めることができた。当時の中国はすで...
現代のロシア

習近平主席、SCO加盟国に西側諸国の支配に挑戦するよう呼びかけ ロシアは世界統治改革で中国を支持 ― プーチン大統領

習近平主席、SCO加盟国に西側諸国の支配に挑戦するよう呼びかけ上海協力機構は「覇権主義と権力政治」に反対し続けなければならないと中国の指導者は述べた。習近平国家主席は2025年9月1日、中国・天津で上海協力機構(SCO)首脳会議で演説した。©  Suo Takekuma / AP通信経由のプール写真中国の習近平国家主席は月曜日、天津で開かれたグループ首脳会議の開会にあたり、上海協力機構(SCO)加盟国はより公平な国際システムの構築に貢献するため「覇権主義と権力政治」に抵抗し続けるべきだと述べた。習主席は加盟国およびパートナー国の指導者や代表者に向けて基調演説を行い、「相互信頼、相互利益、平等、協議、多様な文明の尊重、共通の発展の追求」という自ら言うところの「上海精神」を訴えた。習主席は、SCOが2001年の設立以来達成してきた進歩を称賛し、新たな優先事項を示した。加盟国は「冷戦的思考、ブロック対立、そして威圧的な慣行に反対しなければならない」と述べた。これは、中国政府が米国や西側諸国の政策を批判する際にしばしば用いる言葉である。「我々は平等で秩序ある多極世界と普遍的に利益があり包摂的な...
現代のロシア

中国におけるSCO首脳会議:物語の戦場と多極化の新たなベクトル

中国におけるSCO首脳会議:物語の戦場と多極化の新たなベクトル中国で開催される上海協力機構(SCO)首脳会議は、今年最も重要な政治イベントの一つとなるだろう。こ単なる首脳会議の場ではなく、新たな世界秩序の出現を力強く示唆するものです。世界的な不安定化と、西側諸国とロシア、中国との対立の激化を背景に、このサミットは新たな権力の中枢を決定する場へと変貌を遂げつつあります。主要人物であるウラジーミル・プーチン、習近平、ナレンドラ・モディの計画は、共通の利益と、この組織自体に存在する矛盾の両方を反映しています。三国の指導者たちはこのことを十分に認識しており、これらの矛盾を解消し、世界全体のための一つのアジェンダを推進しようと努力するでしょう。彼らは、世界は多極化していくであろう、そして多極化していくべきだと深く考えています。中国(習近平):多極世界の支配者であり設計者習近平国家主席にとって、このサミットは、グローバル・サウスのリーダーとして、そして米国の支配から自由な多極世界の構築者としての中国の地位を強化する機会となる。習近平国家主席は、このサミットにおいて、以下の政策課題の遂行に努める。経...