2021-09

日本人の世界観

原始人類の自然認識カタカムナ~宇宙を形成する8つの相似象

原始人類の自然認識は、どのようなものだったのか?その手掛かりとして、楢崎皐月氏が研究した日本の上古代人の潜象科学=カタカムナを紹介する。引き続き、『フォッサマグナ沿線の温泉めぐり』「カタカムナ文献」から、カタカムナの自然認識を転載する。 ●第6項 天然は八種類の相似象から成っているカタカムナ人が見抜いた基本的な相似象は、天然には「球」の相似象があるということだった。天然の大きなものは宇宙球から、恒星、惑星がすべて球であるし、ミクロなものでは原子、原子核、電子が球型である。水も丸くなる性質がある。 カタカムナ人は、このもとは天然のすべてのモノの素粒子であるアマ始元量の微分量である「マリ」が球状であることにある、と観じていた。カタカムナ人は、アマ始元量の微分されたものを〈アメ〉といっている。〈アマ〉は始元量全体の名称で、この素量は(アマから出た芽〈メ〉という思念)で〈アメ〉と呼んでいる。また、〈アメ〉の個々の球状のものを〈マリ〉と呼んでいる。 カタカムナ人が、天然の相似象だけでなく、その他さまざまな相似象があるが、カタカムナ人はそれらすべて、アマ始元量の性質の表れたものであると直観していた...
日本の文化

枯山水庭園と簡素化、そして夜の美学

枯れた山水とは何か?山水とは自然の山とそこに流れる川をいうのであるから、水が枯れていたのでは話にならないではないかと思われるであろう。大自然の雄大さを自分の庭に持ち込もうとした試みがその背景にあることは言うまでもないが、大自然を小さな庭にそのまま持ち込むことは、対象が広大すぎて不可能なことである。そこで小さい世界に縮める、すなわち縮小する、ミニチュア化することからはじまる。それはまた省略の歴史そのものでもある。余計なものは省く。簡略化する。水の代わりに白い砂が使われる。盆栽のルーツは中国で、それが平安時代に日本に伝わったとされる。まさに一遍上人の国宝の絵伝の「筑前の国の武士の館」の縁側に見られる盆栽が資料性の高い初現ではないか。それは次第に愛好者を増やしてゆくが、ある意味で「省略、簡略」化の日本の美学の歴史にも沿っており、広大な自然を一幅の絵に描いた雪舟の色を省略した白黒の世界である水墨画にもその傾向は顕著である。 「能」は足利義満の時代に、世阿弥が大成した世界である。能の最もすばらしいところは、その省略性にある。舞台には最小限の小鼓、大鼓、笛、謡いが静かなたたずまいで控え、正面には松...
日本の歴史

リシャールの名詩『日本国に告ぐ』

フランスの詩人、ポール・リシャールの名詩『日本国に告ぐ』を紹介します。 この詩を読むことで、日本の国柄、歴史、価値、そしてその使命、それらに対する彼の期待が強く感じられます。 日本人とはどのような存在なのか、どのように世界に貢献すべきか、期待されるものが何かが見えて来ると思います。 ポール・リシャールは、フランスの詩人、弁護士、キリスト教の牧師でした。彼の生涯は、東西の精神文化の交流と人種差別撤廃の活動に捧げられました。 20世紀初頭、西欧文明に行き詰まりを感じていたリシャールは、西欧文明の欠点を克服するには東洋の精神に学ぶしかないと考えました。そしてすべての事業をなげうって、アジアへの旅に出ました。 大正5年(1916)に日本を訪れた彼は、約4年間の滞在期間に、日本の愛国者たちと交友を結び、彼らに多大な影響を与えました。 大正8年に、第1次世界大戦後のパリ講和条約で日本が人種差別撤廃案を提案しました。日本国内では人種差別撤廃を求める期成大会が行われるなどの動きが高まりました。これに感激したリシャールは、大会の決議文をフランス語に翻訳して、各国の指導者に送るなど、人種差別撤廃の実現に努...