科学論

現代の世界各国

ドコモ、au、ソフバンはなぜスターリンクに走ったのか…イーロン・マスクが書き換える”接続”という新しい権力

ドコモ、au、ソフバンはなぜスターリンクに走ったのか…イーロン・マスクが書き換える"接続"という新しい権力携帯大手KDDI、NTTドコモ、ソフトバンクが、人工衛星を使った新たな通信サービスを相次いで発表している。日本工業大学大学院技術経営研究科の田中道昭教授は「通信各社がこれほど同じ方向を向くことは、競争市場では本来ありえない。スターリンクの登場で通信という産業の前提は崩れ始めており、イーロン・マスクが『接続』という新しい権力の設計図を静かに書き換えつつある」という――。なぜいま、3社は同時に動き始めたのかテレビを何気なく見ていると、ふとした違和感に気づく。料金や速度を競ってきたはずの通信会社が、ほぼ同時に同じ言葉を口にしているからだ。空が見えれば、どこでもつながる。スターリンクである。山でも、海でも、圏外でも。KDDI、NTTドコモ、ソフトバンクという三社が、似たメッセージで動き始めた光景は、本来であれば競争市場では起こりにくい。先行していたKDDIが市場を教育し、2026年春にソフトバンクとドコモが一気に乗り込み、日本で“衛星直結元年”が可視化した。この“揃い方”は偶然ではない。こ...
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毒素という名を着せられたままの「ニコチン」という存在の真実

毒素という名を着せられたままの「ニコチン」という存在の真実ニコチアナ属のニコチアナ・アラタの花。portlandnursery.com最近、『ニコチンの秘密:毒素の世界に隠された治癒力』という英語の書籍の存在を知りまして、ずっと以前から思っていたことや、あるいは学習してきたことなども含めて、少し書きたくなりました。書き方によっては、反社会的なものになってしまうかもしれないですが、そうならないように書こうとは思います。ともかく、これは、喫煙やタバコへの賞賛とは関係のない話であり、喫煙が身体に悪いことは、今さら言うまでもないことです。少し古い論文ですが、2004年の「歴史におけるタバコの医療用途」という論文の冒頭の以下の通りだと思います。2004年の論文よりタバコ(Nicotiana)は、おそらく他のどのハーブよりも多くの死因となっている。現在、世界中で喫煙による死亡者数は年間 300万人を超えており、現在の喫煙傾向が続けば、2030年頃には年間死亡者数は 1,000万人を超えると予測されている。これに経口摂取によるがんによる死亡率を加えると、死亡者数はさらに増加する。タバコは、世界で最も...
日本の技術

「疑似科学」の汚名返上!固体内核反応(常温核融合)が核反応だと判明

「疑似科学」の汚名返上!固体内核反応(常温核融合)が核反応だと判明「固体内核反応(常温核融合)」による中性子とガンマー線を計測クールフュージョン株式会社水素技術応用開発株式会社水素技術応用開発株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役:水野忠彦)は、水野忠彦博士の固体内核反応(常温核融合)研究で画期的な科学的実証に成功し、その成果をヨーロッパ応用物理学会の論文誌(European Journal of Applied Physics)に公表したことを発表いたします。(論文名:「Neutrons produced by heating processed metals」)加工したステンレスを単に加熱することによって、過剰熱が発生することは水野の以前の複数の論文で発表済みです。今回の発表では、更に、この過剰熱反応において中性子線やガンマー線が放射されることの確認に成功しました。つまり、今回の成果は過剰熱放射とともに100%の再現性で中性子線とガンマー線が放射されていることを明らかにしたことです。このことによって固体内核反応(常温核融合)と呼ばれていた現象で発生する過剰熱発生現象が核反応による...
現代の日本

【寄稿】算数・数学を通しての見方を大切にしよう 桜美林大学名誉教授・芳沢光雄

【寄稿】算数・数学を通しての見方を大切にしよう 桜美林大学名誉教授・芳沢光雄 2024年8月28日付(ネットでは9月8日付)の「長周新聞」1面トップに、筆者は「教育は国家百年の大計―数字・数学を用いた考え方を大切にしよう」という記事を掲載していただいた。その冒頭では次のことを述べた。 11月のアメリカ大統領選挙に無所属で立候補を表明していたケネディ氏が8月23日、選挙活動を中止し、共和党のトランプ前大統領を支持すると表明した。ケネディ氏は民主・共和両党から一部の支持層を取り込むと見られていただけに、選挙戦への影響が注目されている。それに関しては、ネット上でも多くの方々によるコメントが出ている。それらをいろいろ読んでみると、各執筆者がどちらを応援したいか、という立場で述べられているものが相当多いように感じる。筆者は、民主党のハリス候補、共和党のトランプ候補のどちらを支持するという考えはなく、また暗号資産(仮想通貨)にも興味がない。しかし暗号資産という数字で表されたものが、ケネディ氏の声明を受けて24時間で約5%も上昇したことを見ると、その声明はトランプ氏に有利に作用するものではないかと考...
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ビル・ゲイツが気候変動の絶対視をやめるに到った「3つの重い真実」…脱炭素一辺倒の世界潮流に大逆転は起きるのか

ビル・ゲイツが気候変動の絶対視をやめるに到った「3つの重い真実」…脱炭素一辺倒の世界潮流に大逆転は起きるのかビル・ゲイツの転換マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などを通じて、貧困の解消、疾病の撲滅、気候変動の抑制などに取り組んできたことが知られている。彼は気候変動の抑制は最重要課題だとの立場から、これまで脱二酸化炭素の旗振り役をやってきたが、先頃従来の路線を大きく転換する論文を発表して、話題になった。その論文は「気候に関する3つの重い真実」というものだ。この記事の全ての写真を見る(全1枚)ゲイツ氏が語る重い真実の1つ目は、「気候変動は重大な問題であるが、文明の終わりにはならない」というものだ。気候変動については、気温が上昇することで将来の人類がこの地上で暮らせなくなるから、もはや待ったなしだというような、やたら危機を煽る主張が広くなされてきたが、ゲイツ氏はそんな酷いことにはならないぞと、言い出したのだ。それどころかゲイツ氏は、「生活改善という視点で見れば、より多くのエネルギーを使うのはいいことだ」「より多くのエネルギー消費は繁栄の鍵となる」とま...
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南海トラフ地震予知の「玉音放送」

南海トラフ地震予知の「玉音放送」以前の自信に満ち満ちた南海トラフ80%を、自信喪失(敵前逃亡)任務放棄の超無責任(ほぼ何の意味もない)20%~90%の超ユルユル確率に密かに変更する南海トラフ地震の発生確率、60〜90%と20〜50%を併記 政府調査委災害・気象2025年9月26日 17:00 日本経済新聞日本名物「絆社会」挙国一致の大本営発表の無残マスコミ各社で記事の中身は同じだが、「見出し」では日経新聞が一番優れていて素晴らしい出来上がりである。麻生太郎ではないが多くの人々は新聞の見出ししか読まないし、読んでもタイトルに引っ張られて読み間違う。日経以外は大きい方の60~90%の数字だけをタイトル表記。政府調査委のが行った驚きの劣化「玉音放送」を曖昧に誤魔化していた。死者が最大のケースで29万8000人にのぼり、その被害が「超広域」におよぶとされる南海トラフ巨大地震。政府の地震調査委員会はこれまで、30年以内の発生確率が「80%程度」だとして、注意を呼びかけてきました。南海トラフ地震の発生確率の改定について説明する地震調査委員会の平田直委員長80年前「耐えがたきを耐え、忍び難きを忍び」...
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予測不可能な気候激変に耐える食糧供給は?

JOG(1440) 予測不可能な気候激変に耐える食糧供給は?わずか数十年で東京が札幌くらいに寒くなる。そんな急激な気候激変を人類は、いかに生き延びてきたのか?■1.温暖化の後での急激な寒冷化の可能性も伊勢: 花子ちゃん、この夏はずいぶん暑かったね。花子: はい、本当に暑かったです。ニュースでも毎日のように記録的な暑さを報じていました。国内の歴代の最高気温ランキングの上位5位までが今年8月の記録で占められている、って聞きました。やっぱり地球温暖化の影響なんでしょうか?伊勢: それがね、よく言われるように、近代文明が発する温室効果ガスで異常な高温になる、という単純な話ではないんだ。過去80万年を見ても、地球は周期的に寒冷化と温暖化を繰り返している。現代と同等あるいはそれより暖かい時代は、全体の中の1割ほどしかない。残りの9割はすべて「氷期」なんだ。花子: ということは、今は珍しく暖かい時代だということですか?伊勢: その通り。氷期と氷期に挟まれた「間氷期」、温暖な時代は、極めて正確に10万年毎に訪れるんだ。しかし、今までの温暖期が数千年しか続かなかったのに比べて、現在の温暖期はもう1万年以...
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電子は、一体どのようなものなのか…アメリカの物理学者によって解き明かされた「電子の正体」

電子は、一体どのようなものなのか…アメリカの物理学者によって解き明かされた「電子の正体」「電子」といったら、何を思い浮かべますか? スマートフォンやパソコン、電子メールや電子書籍…。確かにこれらは電子を利用していますが、ほんの一例。じつは、ほぼすべての現象は電子が引き起こしている、といっても過言ではないほど、電子は身の回りに満ちているんです! そんな電子の不思議なふるまいや、多岐にわたるはたらきをとりあげた、『電子を知れば科学がわかる』(江馬一弘著、講談社ブルーバックス)から、読みどころを抜粋してお届けします!電子の電荷の大きさを明らかにしたミリカンの実験さて、以前の記事で示した通り、トムソンの実験で分かったのは電子の比電荷(電荷÷質量)です。つまり、この段階では、電子の質量、および電荷は正確には分かっていません。当然、次に知りたいのは、これらの値です。そこでアメリカの物理学者ロバート・ミリカン(1868~1953)と、当時その学生であったアメリカの物理学者ハーベイ・フレッチャー(1884~1981)は、電子の電荷を精密に測定する実験を行いました。なお、同種の実験はトムソンをはじめ、複...
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黒潮大蛇行の終息、見通しは? 海洋研究開発機構の美山主任研究員に聞く 気象災害や猛暑改善に期待も

黒潮大蛇行の終息、見通しは? 海洋研究開発機構の美山主任研究員に聞く 気象災害や猛暑改善に期待も 2017年8月に始まり、本格的に観測開始した1965年以降で最も長く続いた黒潮大蛇行が終息の兆しを見せている。漁業や気象環境に長期に影響を及ぼした「スーパー黒潮大蛇行」は、静岡県内ではサクラエビやシラスの不漁、台風15号による浸水、熱海土石流に関係したとの指摘もある。ただ、黒潮の威力はいまだ弱く、いつ大蛇行が復活してもおかしくない状況。海洋物理学が専門の美山透海洋研究開発機構(JAMSTEC)主任研究員(55)に見通しを聞いた。▶▶6日8日時点の黒潮の様子 ―黒潮の最新の動向は。 「静岡沖で北緯32度より南まで蛇行していた黒潮は、紀州半島沖の冷水塊を挟み、いったん2~3月にプチンと切れた。こうしたことは大蛇行中に何度もあったが、その後再び4月末に同じ箇所で途切れ、そのままの状態が続いている。ただ、大蛇行が解消するときは冷水塊を北東に押し出すように黒潮の勢いが増すのが常だが、今はまだ黒潮の勢いは弱く、大蛇行がまたすぐに復活する可能性はあると考える。気象庁の基準では、大蛇行が3カ月間観測されな...
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過去最長・7年継続の「黒潮大蛇行」が終息か? 漁業や気象への影響は

2025-05-22 05:00 ウェザーニュース気象庁は5月9日、紀伊半島から東海沖の黒潮大蛇行が5月8日現在みられなくなり、この状態が持続して大蛇行が終息する兆しがあると発表しました。今回の黒潮大蛇行は2017年8月から過去最長7年9か月続いたもので、カツオやシラスなどの漁業や船舶の運航、気象など、私たちの生活への影響も見逃せません。「黒潮親潮ウォッチ」で黒潮流路の変化とその予測について情報発信を行っている、海洋研究開発機構・アプリケーションラボの美山透主任研究員に、発生のメカニズムや影響など詳しく教えていただきます。過去最長で続いた黒潮大蛇行黒潮が大蛇行するとは、どういう現象でしょうか。黒潮とは、東シナ海から日本列島の南岸に沿って北上する暖流です。透明度が高いため、沖を流れる海流が黒っぽい色にみえることから黒潮と呼ばれています。「黒潮は、強い流れは幅100km深さ1000mにも及ぶ、世界最強の海流の1つです。流速は速いところで毎秒2.5m以上に達しますが、これは自由形競泳世界記録保持者でも逆らっては泳げない速さです。運ぶ水の量は、季節や場所によっても変化しますが、約毎秒2000〜...
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ホンマでっか池田教授が「人為的温暖化」に物申す。世間を混乱させる“陰謀論”のカラクリとは?

ホンマでっか池田教授が「人為的温暖化」に物申す。世間を混乱させる“陰謀論”のカラクリとは?近年やたらと目にする陰謀論。特に人為的な二酸化炭素の排出により地球温暖化を引き起こしているのではないかとする「人為的地球温暖化」の主張などは長年の間拡散されています。なぜ、このような陰謀論を信じてしまう人がいるのでしょうか? メルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』の著者で生物学者、CX系「ホンマでっか!?TV」でおなじみの池田教授は今回、オカルトから科学、そして陰謀論に結び付いてきたのはなぜかという疑問について語っています。オカルト、科学、陰謀論オカルト、科学、陰謀論と続けば、何やら怪しい三題噺みたいだが、この三つ、結構繋がりがあるのだ。私はかつて『科学とオカルト』(PHP新書)と題する本を書いたことがある。1999年の初版だから、26年前のことだ。まだこの頃は陰謀論という語は一般的ではなかったので、この本には、オカルトと科学とカルトの関係しか書かれていない。本稿では、オカルトに端を発した科学が近年になって陰謀論に結び付いてきたのはなぜかという話をしてみたい。『科学とオカルト』にはこの二つの違いについ...
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このまま膨張し続けたら、宇宙はどうなってしまうのか…「最悪のシナリオ」と「人類に残された希望」

このまま膨張し続けたら、宇宙はどうなってしまうのか…「最悪のシナリオ」と「人類に残された希望」宇宙全体の70%を占めるダークエネルギー前の記事で述べたように、ダークエネルギーもしくは宇宙定数が現在の宇宙に占める割合は、観測から約70%です。このダークエネルギーの多さが、インフレーションと同様に、現在の宇宙で、宇宙の加速膨張を引き起こしています。Ia型と呼ばれる超新星爆発からの光を観測すると、宇宙の大きさが1/3から1/2の昔と比べて、現在の宇宙年齢に近づけば近づくほど、加速膨張がどんどん激しくなってきていることがわかってきました。Ia型とは、恒星の終末期の1つの姿である白色矮星にガスが降り積もって臨界質量を超えることで爆発するタイプの超新星爆発です。1998年に同時に発表された宇宙の加速膨張を示す観測データの業績により、アメリカのソール・パールムッター博士たちと、オーストラリアのブライアン・シュミット博士とアメリカのアダム・リース博士たちの2つのグループに2011年、ノーベル物理学賞が与えられました。photo by iStockダークエネルギーは、現在では宇宙全体のエネルギーの70%...
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ついにここまで絞られた!「ナゾの物質」ダークマターの正体とは…?「最有力候補」を科学的検証とともに一挙解説!

ついにここまで絞られた!「ナゾの物質」ダークマターの正体とは...?「最有力候補」を科学的検証とともに一挙解説!どうやってダークマターを見つけるのか先の記事で、理論的に予言されるダークマターの有力候補について、ちょっとだけご紹介しました。本記事では、それぞれについて詳しく説明してみたいと思います。最も有力な候補と目されているのは、WIMPと呼ばれる未発見の素粒子です。「弱い相互作用をする重い粒子」という意味の英語の頭文字を取って、そうした性質をもつ粒子の総称として名付けられました。重さは、陽子の100倍(約100GeV)程度以上です。他の粒子との相互作用が弱すぎて散乱の頻度が低くて見つけられない粒子なのです。英語の単語wimp自体が弱虫という意味なので、名は体を表していますね。具体的な粒子としては、まだ仮説である超対称性理論に現れる光子、もしくは、Z粒子かヒッグス粒子の相棒の総称であるニュートラリーノが、WIMPの候補として注目されています。photo by iStockニュートラリーノの見つけ方は単純です。キセノン原子などの重い原子核を数トンも用意して、ニュートラリーノがぶつかってく...
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宇宙の運命を握る「ナゾの物質」ダークマター…最新研究から浮かび上がった「意外な正体」

宇宙の運命を握る「ナゾの物質」ダークマター…最新研究から浮かび上がった「意外な正体」宇宙の運命を握るもの本記事では、宇宙には見える物質のエネルギーより、ダークマター(暗黒物質)がその5倍近く多く存在し、その強力な重力により物質を引き寄せて、これまで多くの銀河がつくられてきたことを解説します。ダークマターが、銀河同士すらも引き寄せて、より大きな天体である銀河団や超銀河団をつくるなど、これまでに観測されている宇宙の大規模構造をつくってきたのです。その一方、引力ではなく斥力をもつダークエネルギー(暗黒エネルギー)の量が徐々に増えてきて、ダークマターの3倍近くほどのエネルギーをもつに至り、現在の宇宙を加速膨張させ続けていることを紹介します。つまり、ダークエネルギーこそが、将来の宇宙の運命を握る、極めて重要な役割を担っているのです。物質という言葉が意味するものは、さまざまな背景により、その定義が異なってきます。しかし、これまでの章で述べられてきたように、素粒子物理学では物質とは、主にクォークでつくられた陽子や中性子のような核子を指します。もしくは、その材料であるクォークやレプトンなどの素粒子を指...
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じつは「ビッグバンによって宇宙ができた説」は問題だらけ…残されたナゾと通説に挑む新理論を一挙紹介!

じつは「ビッグバンによって宇宙ができた説」は問題だらけ…残されたナゾと通説に挑む新理論を一挙紹介!ビッグバン宇宙モデルの問題点ビッグバン宇宙モデルですが、ある決定的な問題があることがわかってきました。本記事ではそのお話をしたいと思います。遠くを見ることは、過去の宇宙を見ることに相当します。例えば、うみへび座銀河団までの距離は約1億6000万光年です。地球で1億6000万年前といえば、ジュラ紀の中期から後期にさしかかるという恐竜が全盛の時代です。その時期にうみへび座銀河団を出た光が、現在、地球で観測されているのです。逆に、うみへび座銀河団に住んでいる宇宙人たちは、ジュラ紀の地球から出た光を、現在観測しているのです。彼らは、現在の地球には恐竜がいると判断してしまうのでしょうが、やむを得ません。photo by iStock火の玉のなごりの電波は、宇宙誕生から約38万年後に発せられました。その時期に火の玉宇宙が透明になり、光が散乱されずに直進できるようになったのです。現在は、138億年かけて飛んできた138億年前の約0.3eVのエネルギーの光を見ることができます。どの方向を見ても約10万分の...
科学論

「宇宙は膨張している」となぜ言えるのか…数々の批判をくぐり抜け、定説となった「あまりにも型破りな理論」

「宇宙は膨張している」となぜ言えるのか…数々の批判をくぐり抜け、定説となった「あまりにも型破りな理論」ビッグバンの火の玉の膨張われわれが住んでいる場所は特別であるとする、古代ギリシャ、プトレマイオスの「天動説」。それが、1543年に発表されたコペルニクスの「地動説」により否定され、われわれの地球は、太陽の周りを回る、ごくありふれた惑星であることが指摘されました。地動説がキリスト教会から警戒され、イタリアのガリレオ・ガリレイ博士が裁判にかけられながら「それでも地球は回っている」と言ったというエピソードは、あまりにも有名です。ニュートン博士が万有引力の法則を発表するずっと前、1609年から1619年にかけて発表された「ケプラーの三大法則」でも、地球の軌道は円ではなく楕円であることが、詳細な観測により、すでにわかっていたというのですから驚きです。photo by iStock1687年にニュートン博士の宇宙モデルが提唱されます。ニュートン博士が発見した有名な万有引力の法則は、リンゴの運動だけではなく、宇宙のあらゆる天体の運動にも適用され得る点で、宇宙中で使うことのできる普遍的な物理法則です。...
科学論

実際のところ、宇宙はどれくらい大きいのか…銀河10万個分を超える「途方もない数字」

実際のところ、宇宙はどれくらい大きいのか…銀河10万個分を超える「途方もない数字」無限に広がる大宇宙、と言うけれど…無限に広がる大宇宙。皆さんも、これまで数え切れないほど、夜空を見上げてこられたのではないでしょうか。筆者も、かつて過ごした東京のような都会であれ、兵庫県南部のベッドタウンの加古川であれ、イギリス湖水地方に近い田園地帯に囲まれたランカスターであれ、数え切れないほど夜空を見上げてきました。それぞれ多い、少ない、の違いはありますが、いつどこであっても夜空には星々が凜としてきらめいています。人生のそれぞれの状況に応じて、時には目が覚めるような明るさにハッとさせられた経験をおもちの方もいらっしゃるでしょう。photo by iStock私たちは、目まぐるしく変わる日常を生きています。しかし、いつ見上げても、夜空の星々は、まったくその姿を変えないかのように宇宙に浮かんでいます。皆さんも、この一見、不変であるような宇宙が、いったいいつから存在し、そしてどこまで遠く続いているのか? その果てしない大きさと悠久の時の流れに、思いを巡らせたことがあるのではないでしょうか。実は、夜空の星座の配...
科学論

真空に埋まっている「何か」の正体がわかれば…宇宙の起源に結びつく「素粒子に残されたナゾ」

真空に埋まっている「何か」の正体がわかれば…宇宙の起源に結びつく「素粒子に残されたナゾ」右巻き粒子と左巻き粒子1個の素粒子に注目したとき、右と左はどう定義すればよいでしょう。静止した1つの点には右も左もありません。しかし、現実の素粒子は、「スピン」という重要な性質をもちます。スピンとは、素粒子がもつ、あたかもスピン(自転)しているかのような性質のことです。量子論の一般的な制限によって自転の速さには最小単位があって、多くの素粒子はその最小の大きさのスピンをもって自転しており、決して止まることはありません。では、その回転は、どっち向きなのでしょう。1個の素粒子にとって北極と南極はどっちか、という問題です。もちろん、何もない空間には北も南もありません(磁場があれば別ですが、今は磁場のない空間を考えることにします)。方向のない空間に置かれた素粒子ですが、ここに1つ基準となる方角があります。その素粒子自身が走る方向です。その方向に沿って自転の向きを区別することができるでしょう。進行方向に向かって時計回りに回転する素粒子は右巻き、反時計回りは左巻き、という具合です(「図:素粒子のスピンの向き」)。...
科学論

真空では「考えられないこと」が当たり前のように起きている…量子色力学から見た「トリッキーすぎる世界」

真空では「考えられないこと」が当たり前のように起きている…量子色力学から見た「トリッキーすぎる世界」何もない真空で起こっていることクォークに働く強い力。その基礎理論は「量子色力学」と呼ばれています。量子色力学は、電磁気力の理論と非常に似たものですが、電荷に相当する「色荷」が3種類(3色)あるところが、大きく異なります。そのために電磁気力を伝える光子に相当するグルーオンはそれ自身が色荷をもち、強い力を伝える役割を担うだけでなく、クォークと同じように、それ自身が力の源にもなるのです。すると、どうなるでしょう。クォークには強い力が働きます。力を伝達するグルーオンにもやはり強い力が働き、その力を伝達する別のグルーオンにも……、という具合に力が雪だるま式に増えていきます。つまり、遠くで働く力は、やがて無限に強くなります。これこそが、強い力が「強い」理由で、クォークが単独で存在できない理由でもあります。ただし、「無限に」強い力というのはあり得ません。そこでは何かおかしなことが起こっているはずです。雪だるま式に力が強くなる量子色力学では、通常では考えられないことが起こります。強くなった力の影響を受け...
科学論

いまさら聞けない、「クォーク」とはいったい何なのか…「厄介な素粒子」と呼ばれる理由

いまさら聞けない、「クォーク」とはいったい何なのか…「厄介な素粒子」と呼ばれる理由陽子・中性子の質量はどこに?前の記事で、原子の中の質量は原子核に集中していると紹介しましたが、これがわかったのはラザフォード博士の実験によってでした。原子の中に粒子ビームを撃ち込み、それがどう跳ね返ってくるかを見る実験でした。その結果、多くの粒子は素通りする一方で、ごく少数の粒子は大きく跳ね返されることがわかったのです。つまり、原子の中には何かもっと小さいものがあって、それが粒子を跳ね返しているに違いないのです。photo by iStock陽子・中性子の中に質量がどう分布しているのかについても、同じようにして調べることができます。陽子に粒子ビームを撃ち込んで、跳ね返ってくる様子を見るわけです。その結果は?中心に何かあるのか。あるいは全体に何かが分布しているのか。それとも……?この実験の結果は驚くべきものでした。陽子の中には、やはり何か小さなものがあることがわかりました。ただし、その電荷は陽子の電荷の3分の1や3分の2といった変な値でした。しかも、この小さなものは、粒子ビームをぶつけるたびに、そのエネルギ...