米国

現代のロシア

トランプとプーチンの隠然同盟

トランプとプーチンの隠然同盟2025年3月25日   田中 宇英国のスターマー政権が、米国のNATO離脱に備え、フランスやカナダなど欧州・英国系の30か国以上の参加を得てウクライナに派兵するロシア敵視維持の策を掲げている。だが最近、英国の軍幹部たちは「スターマーのウクライナ派兵は具体策が何もない。各国が出す兵力数も、司令系統も兵站も決まっていない。政治的な演技・幻影にすぎない」と非難している。ウクライナは3年間の戦争で、欧州の派兵を受け入れる国家基盤がすでに破壊されている。欧州が派兵するなら、ウクライナを丸ごと引き受けて占領統治せねばならない。交代要員を含めて10万人の派兵が必要だと、ロシア側が試算している。欧州諸国は、長引くウクライナ支援で財政を使い果たし、対露制裁のはね返りによる経済悪化で税収も減った。派兵など無理だ。(UK Military Officials Call Starmer's Plans for Ukraine 'Political Theatre')英軍幹部たちは「米国やロシアの賛同も得られていない。幻影の派兵案を廃止すべきだ」と言っている。派兵案が幻影だという指...
現代の欧州

西洋文明の危機:西洋全体はもはや存在しない

西洋文明の危機:西洋全体はもはや存在しない欧州大西洋地域の結束は、米国とEUの関係悪化と「ロシアのウクライナ軍事作戦問題に関するかつては結束していた大西洋横断戦線への打撃」に変わった。ロシアでは、西側諸国を欧州大西洋連合、つまり米国と西欧諸国の同盟として理解するのが通例だった。今日、この同盟がもはや存在しないことは明らかだ。双方には多くの相違点があり、まず第一にウクライナ紛争に対する立場だ。トランプ氏は和解を望んでいるが、欧州諸国の大半は戦争継続を望んでいる。さらに、両者を分断する問題は他にも数多くある。ヨーロッパは技術革新においてアメリカに大きく遅れをとっており、ジェンダー問題では両者の立場は正反対であり、相違点のリストはまだまだ続くだろう。NATOはもはや米国にとって拡大の手段としては興味がない西ヨーロッパの首都では、普遍的な嘆きが始まった。何をすべきか、アメリカのリーダーシップなしでどうやって生き残るのか?多くの観測筋は、北米と西欧を結びつける北大西洋同盟の運命を懸念している。トランプ大統領は繰り返しNATOの活動に不満を表明し、欧州のパートナーが自国の安全保障に対する財政的責任...
現代の米国

マスク氏、オバマ政権時代の「狂気の」偽情報作戦を非難

マスク氏、オバマ政権時代の「狂気の」偽情報作戦を非難連邦政府は2016年から「メディア検閲組織」と協力して公共の言説を操作していたとされる。ファイル写真:ワシントンDCの米国国務省本部。©  Kevin Dietsch / Getty Imagesイーロン・マスク氏は、外国の偽情報と戦うという名目で米国民を沈黙させようとしたとされる連邦政府の取り組みを「狂気」と評した。米国務省の一部であるグローバル・エンゲージメント・センター(GEC)は、バラク・オバマ大統領の下で2016年に立ち上げられ、2024年12月に閉鎖されるまで運営されていた。GECは、保守系擁護団体アメリカ・ファースト・リーガル(AFL)が木曜日に発表した調査の対象となっている。報告書は、ワシントンの海外政治プロジェクトへの主な資金提供元である米国国際開発庁(USAID)、英国外務英連邦開発省(FCDO)、そしてポインターやニュースガードを含むさまざまな「メディア検閲組織」とのGECのやり取りを精査した。両組織は偽情報の監視機関を自称しており、ニュースガードは創設者や役員に元CIA職員がいることを誇っている。AFLによると...
現代の米国

米大統領にイランを軍事攻撃させようと画策しているネオコンのエイブラムス

米大統領にイランを軍事攻撃させようと画策しているネオコンのエイブラムス アラブ首長国連邦で大統領外交顧問を務めるアンワル・ガルガシュは3月12日にイランのセイエド・アッバス・アラグチ外務大臣と会談、その際にドナルド・トランプ米大統領からの書簡を手渡した。イランに対して新たな核合意に関する協議に参加するよう促す内容で、当初、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官から渡されたと伝えられていたが、ロシア政府はメッセンジャー役を断ったようだ。 ​ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領府報道官はブルームバーグに対し、「アメリカとイランは交渉を通じてすべての問題を解決すべきだとロシアは考え」、ロシア政府は「そのために全力を尽くす用意がある」と述べた​という。そこでトランプ大統領はロシア政府に仲介を頼もうとしたのだろうが、拒否されてしまった。イランの最高指導者であるアリ・ハメネイは書簡を受け取る前、トランプが「約束を守らないとわかっているのに、交渉する意味などあるだろうか」と語っている。 イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は親米派と言われている。昨年5月にエブラヒム・ライシー大統領やホセイン・アミール...
米国の歴史

JFK暗殺に関する文書の機密解除で明らかにされない情報

JFK暗殺に関する文書の機密解除で明らかにされない情報 アメリカの国立公文書館は3月18日、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺記録コレクションに含まれ、これまで機密扱いのため公開されなかった文書のうち約6万3000ページをウェブサイトにアップロードした。今後、さらに文書が公開される予定になっている。ドナルド・トランプ大統領は就任直後にケネディ大統領、ロバート・F・ケネディ上院議員、公民権運動家マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの暗殺に関連する政府文書の機密解除を求める大統領令に署名していた。 しかし、一般的に言って、最高機密に属す事実の決定や命令は口頭だけで行われ、それに準ずる情報は文書化されていても問題化すれば速やかに廃棄されてしまう。今回の機密解除で決定的な情報が明らかになる可能性は小さいが、想定外の場所から重要な文書が出てくることもあるため、公開を嫌がる人も少なくないはずだ。JFK暗殺の場合、CIAはイスラエルの情報機関に関する情報の開示に異議を唱えていたとされている。 1963年11月22日にダラスで暗殺される前、ケネディ大統領は強大な勢力と緊張関係にあった。 例えば、大統領に...
現代のロシア

プーチン大統領とトランプ大統領の電話会談:重要なポイント

プーチン大統領とトランプ大統領の電話会談:重要なポイントロシアと米国の首脳は、ウクライナ紛争の解決と二国間関係の改善の見通しについて協議した。ファイル写真。©  ゲッティイメージズ/アナドル通信社/ロシア大統領報道情報局ロシアのウラジミール・プーチン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領は火曜日、ウクライナ紛争の解決の可能性について協議するため、待望の電話会談を行った。会談は2時間半続き、ホワイトハウスとクレムリンの双方が前向きな内容だったと述べた。会談の要点は以下の通り。停戦の可能性プーチン大統領とトランプ大統領は、トランプ大統領の30日間の停戦案について協議し、ロシア側は停戦実施前に解決すべき複数の問題を示したと、クレムリンの報道機関は電話会談後の声明で述べた。具体的には、プーチン大統領は、停戦の可能性を適切に監視するメカニズムを確立するとともに、ウクライナでの強制的な動員と再軍備を阻止する必要性を示した。「合意内容を繰り返し妨害し、違反してきたキエフ政権の交渉能力の欠如に伴う深刻なリスクも指摘された」とクレムリンの広報部は述べ、プーチン大統領は「クルスク地域の民間人に対してウクラ...
現代の中国

「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅡ 中国の造船力はなぜ成長したのか?海軍力に影響

「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅡ 中国の造船力はなぜ成長したのか?海軍力に影響(写真:ロイター/アフロ)  3月13日のコラム<「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅠ 米国はなぜ負けたのか、関税で中国を倒せるのか>で、「それなら中国の造船業はなぜ成長したのか」に関してはPartⅡあるいはそれ以降に書くつもりだとお約束したので、早速このPartⅡで考察したいと思う。 カギは「造船業と鉄鋼業の戦略的連携」だ。 中国の国家戦略は世界のどの国も実行していない中国国内での連携政策を着々と実行している。トランプ2.0が鉄鋼・アルミニウムに関して世界各国に25%の関税をかけても、世界シェアのトップを占めている中国の製造業の背骨は揺るぎそうにない。 中国の造船力の優位性は、アメリカの海軍力の相対的劣化をもたらし、日本の防衛予算に対するアメリカからの要求にもつながっていくので、本稿に書いた事実を日本人は真正面から受け止めていただきたい。◆「造船業と鉄鋼業の連携」が決定打! アメリカの造船業が衰退した最大の原因は、レーガン政権時代に「政府補助金制度を撤廃したこと」だと...
現代の米国

「代理戦争」――アメリカの自白

「代理戦争」――アメリカの自白 米国のマルコ・ルビオ国務長官がFOXニュースのインタビューで、ウクライナ紛争について「トランプ大統領はこれを長期にわたる膠着状態の紛争とみている。率直に言ってこれは核保有大国、つまりウクライナを支援する米国とロシアの代理戦争であり、終結させる必要がある」と発言し、それに対してロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官も「代理戦争」と呼称したことについて、「(ルビオ氏の発言に)同意する。それが現状だ。わが国の大統領と外相が繰り返し表明してきた見解と完全に一致する」と述べたことがAFP(時事)などによって報じられた。 かねてより、この戦争はNATO(アメリカを中心にした西側諸国)の東方拡大とロシアとの矛盾を根底にした「代理戦争」にほかならないという指摘が識者によってなされてきたが、両大国が今回あけすけに認めているように「代理戦争」だったということで当事者の認識も一致しており、アメリカ側もロシア側も停戦に向けて歩みを進めるということのようである。これに対してNATOのなかでもフランスやドイツ、イギリスといった国々が反発し、欧州各国と米国との溝について取り沙汰さ...
現代の中国

「中国から撤退しろ」という声が叫ばれる今、その振り子が“いつか逆に向く”と思うワケ

「中国から撤退しろ」という声が叫ばれる今、その振り子が“いつか逆に向く”と思うワケ反中国の風が吹く今、メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、あえて中国ビジネスについて考える好機だと述べています。トランプ大統領の対中ディールはどのような未来をもたらすのか、中国との新たなビジネスモデルについて準備を今から進めることが重要だとし、今やっておくべきことを紹介しています。今だからこそ、中国ビジネスについて考える今日のテーマは、中国ビジネスです。現在は反中国の風が吹いています。しかし、振り子はいつかは逆方向に動くのです。反中国に振り切った今だからこそ、次の中国ビジネスを考える好機だと思います。1.反中国のトレンドが示す現実近年、中国を取り巻く国際的な環境は急速に変化しています。中国不動産バブルの崩壊や日本企業の撤退、さらには米国による中国孤立化政策などが相まって、リアルでもネット上でも反中国の動きが加速しています。このような状況は、単なる一時的な現象ではなく、世界的な潮流として定着しつつあります。こうした動きの背景には、単なる政治...
現代の中国

「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅠ 米国はなぜ負けたのか、関税で中国を倒せるのか

「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅠ 米国はなぜ負けたのか、関税で中国を倒せるのか中国 香港コンテナターミナル(写真:ロイター/アフロ) 3月5日、トランプ大統領は施政方針演説でアメリカの造船業を復活させると強調したが、中国は現在、アメリカの500倍の造船生産力を持っている。アメリカの造船業はなぜそこまで衰退したのだろうか?また関税措置や制裁などによって、そのギャップを埋めることができるのだろうか?◆施政方針演説での造船に関するトランプ大統領の抱負 ホワイトハウスの発表によれば、<3月5日のトランプ大統領の施政方針演説>には、造船業強化に対するトランプの抱負が載っている。そこには概ね以下のようなことが書いてある。 ●防衛産業基盤を強化するため、商業用造船や軍用造船を含む米国の造船業も復活させる。 ●その目的のため、私は今夜、ホワイトハウスに造船局を新設し、この産業を本来あるべき場所である米国に呼び戻すための特別税制優遇措置を設けることを発表する。 ●かつてはわれわれ(アメリカ)は、多くの船を造っていた。今ではそれほど多くは造っていないが、すぐに非常に速いスピードで造る...
現代の日本

日米安保に不満のトランプが知らない、日本側の“見えないコスト”。私たちは本当に「守られるだけ」なのか?=斎藤満

日米安保に不満のトランプが知らない、日本側の“見えないコスト”。私たちは本当に「守られるだけ」なのか?=斎藤満米国のトランプ大統領は6日、日米安保条約について「片務性」を指摘。その前の4日には、国防総省ナンバー3のコルビー氏が、日本に防衛費をGDPの3%に引き上げるよう求める発言をしています。関税問題に続いて今度は日米安保への不満を述べ、日本に相応の負担を求める意向を示しました。トランプ大統領はさらに「日本は米軍に守ってもらう間に、経済的発展を実現し、ついには米国に巨大な貿易黒字を出すようになっている」として、貿易不均衡の背景に、この日米安保の片務性を結び付けようとしている節も見られます。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)【関連】「貯蓄から投資へ」の残酷さ。政府は国民を切り捨てる意図で投資を奨めている=鈴木傾城※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2025年3月11日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行...
現代の日本

トランプの「日米安保は不公平だ」に日本が慌てる「情けない理由」わが国の保守もリベラルも、本当そういうとこだぞ

トランプの「日米安保は不公平だ」に日本が慌てる「情けない理由」わが国の保守もリベラルも、本当そういうとこだぞトランプ米大統領が日米安保の「不公平」を叫びはじめた。防衛面で在日米軍に強く依存するわが国はどう対応すべきか?短期的には「静観」が最善手とみるのは米国在住作家の冷泉彰彦氏。ただし中長期的に、トランプの気まぐれに狼狽する情けない状況から日本が脱するためには、国内の「保守」「リベラル」「ノンポリ」勢力それぞれが抱える矛盾の解消が欠かせないとしている。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より)※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:日米安保と国是の本質を考えるトランプの「日本は米国を防衛する義務がない」にどう対応すべきか?ある程度は予想されていたこととはいえ、トランプ大統領が「日米安保は不公平」ということを言い出した、その衝撃は小さくはありません。「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守らない」「いかなる状況下でも日本は米国を守る必要がない」と指摘した上で日米安保は「興味深いディール(取引)」だ、つまりアメリカ不利、日本有利の不公...
現代のロシア

ウクライナの敗北が決定的な中、米政府は露政府を交渉の席につけて利権確保へーウクライナ軍の敗北が明確になる中、米政府が提案した時間稼ぎを露政府が拒否

ウクライナの敗北が決定的な中、米政府は露政府を交渉の席につけて利権確保へ ロシア軍は3月上旬にクルスクのスジャにある工業地帯の北部へ入り込み、ウクライナ軍の背後を制圧して補給路を断つことに成功した。退却できなくなったウクライナ軍はパニック状態だという。 スジャへの侵入は地下に埋設された直径1.4メートルのパイプラインが利用されたと伝えられている。パイプのひとつから天然ガスを排出、酸素を注入した上で特殊部隊がパイプラインから近くの森へ入り、約800名の兵士が続いたという。 ウクライナでの戦闘を話し合いで停止させると言いながら動き回っていたドナルド・トランプ米大統領や、トランプの任期が切れる4年後までロシアとの戦闘を維持しようと目論んでいるというEUのリーダたちもこの展開には驚いたようだ。 そうした中、ウォロディミル・ゼレンスキーはドナルド・トランプ政権が提案したロシアとの「即時暫定30日間停戦」に同意し、アメリカがウクライナの重要な資源にアクセスできるようにする協定に「できるだけ早く」署名する用意があると表明したと伝えられているが、ロシア政府はすでに公表している条件が達成されないかぎり、...
現代の米国

情報機関による脅しに関係したエプスタイン文書をどこまで公開できるか

情報機関による脅しに関係したエプスタイン文書をどこまで公開できるか ​パメラ・ジョ・ボンディ米司法長官は2月27日、ジェフリー・エプスタインに関連する約200ページの文書を公開した​が、その内容はすでに公開されているものだった。批判にさらされた長官は公開されなかった数千ページの文書を28日までに提出することをFBI長官のカシュ・パテルに指示、同時にFBIニューヨーク支局長のジェームズ・デネヒーは辞任に追い込まれた。 エプスタインは250人以上の未成年女性に対する性犯罪で2019年7月6日に逮捕されたのだが、翌月の10日にニューヨーク市のメトロポリタン矯正センターで死亡している。女性は世界の有力者へ提供され、部屋での行為は秘密裏に撮影されていたのだが、彼はイスラエル軍の情報機関アマンのために働いていたことから、そうした映像はイスラエルの情報機関が脅しのために利用したと見られている。 2008年6月にもエプスタインは同様の容疑で起訴され、懲役18カ月の判決を受けているが、このときは刑務所に収監されていない。検察の姿勢が異様に甘いと批判されたが、その時に地方検事として事件を担当したのは201...
現代の米国

1947年から1989年の間に64件の米国の秘密政権転覆作戦

1947年から1989年の間に64件の米国の秘密政権転覆作戦~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「宮崎正弘の国際情勢解題」      令和七年(2025年)3月9日(日曜日)弐         通巻第8687号~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~テスラは燃えているか  販売店に火炎瓶、極左集団がテスラ車破壊*********************************** オレゴン州の被害が一番ひどい。停車中のテスラを片っ端からたたき壊している暴漢のシーンが放映された。すでに全米で十数件のテスラ破壊事件が発生している。 地区によってはテスラ販売店が火炎瓶の襲撃を受けた。ばさばさと連邦職員の解雇をすすめるイーロン・マスクへ不満が爆発している。 マスクは、この暴力活動の背後にアクトブルー(ACTBLUE)という左派の政治資金結社があり、胴元の一人はジョージ・ソロスだと批判している。 日本大使館に生卵を投げて、日本料亭や日本企業に放火し、走行中の日本車を破壊した、あの中国の反日破壊活動と、アメリカの民度が同レベルだっ...
現代の中国

中国は、平凡なネオコングローバリストの米国大統領よりも「ビジネスマンのトランプ」を好むかもしれない

中国は、平凡なネオコングローバリストの米国大統領よりも「ビジネスマンのトランプ」を好むかもしれないワシントンの中国大使館は、それが「関税戦争、貿易戦争、あるいは他のいかなる種類の戦争」であろうと、中国は米国との衝突に備えていると発表した。しかし、緊張にもかかわらず、トランプ政権のビジネス志向の政治アプローチは、特にイデオロギー化された代替案と比較すると、中国にとって依然として好ましいかもしれない。その理由は次の通り。「トランプ氏のような実業家から政治家に転身した人物と、職業政治家の間には大きな違いがある」と、北京大学国際協力理解研究所所長の王東博士はスプートニクに語り、ドナルド・トランプ氏が政権に復帰した今、米中関係の将来についてコメントした。「職業政治家は、特定の目標を達成するためにはどんな犠牲を払っても構わないと思っていることが多い」と王氏は述べ、ジョージ・W・ブッシュ氏の台湾に対する断固たる姿勢を、米国の伝統的な新保守主義、イデオロギー化された考え方の一例として思い起こした。「しかしビジネスマンにとって、それは非常識だ。なぜなら、常に目標を達成するためのコストを考え、可能な限り低...
現代のロシア

トランプとプーチンで中東を良くする

トランプとプーチンで中東を良くする2025年3月10日   田中 宇米露の関係改善はどんどん進んでいる。だが、トランプとプーチンの米露首脳会談は、まだ行われていない。サウジアラビアの首都リヤドでの開催が予定され、露払い的な米露高官協議がリヤドで繰り返され、米露は十分に親しくなったはずだが、首脳会談の日程は決まっていない。当初は2月中の開催が言われていたが、もう3月上旬が終わる。これは、何を意味するか。私は以前から、米露首脳会談はウクライナよりも中東の問題解決に連動しているのでないかと勘ぐってきた。エジプトがガザ市民の入国を止めている限り、米露首脳会談が延期されるという話なのか??。(米露和解と多極化の急進)ウクライナ戦争に関してはトランプもプーチンも、戦争が(戦死者を減らして)低強度で長引き、米国が主導役を放棄して西欧(英国系。英仏独EU)に押しつけ、米覇権を牛耳ってきた英国系が自滅していくのを、こっそり望んでいる。建前と裏腹に、トランプとプーチンが英国系を潰していくのが、これからのウクライナ戦争だ。建前的に、米露首脳会談はウクライナ戦争の終結と連動している。しかし本音的には、米露首脳...
現代の欧州

米欧同盟を機能停止したトランプ

米欧同盟を機能停止したトランプ2025年3月9日   田中 宇トランプ米大統領が、2月末のウクライナのゼレンスキー大統領との喧嘩を口実に、米欧同盟(NATO)を破壊している。これはトランプの隠れ多極主義の発露だ。2月28日に米大統領府(ホワイトハウス)を訪問したゼレンスキーが、(はめられて)トランプやバンス副大統領と喧嘩してしまって追い出された後、トランプは、好戦的で和平を嫌うゼレンスキーにもう協力しないと言って、米国からウクライナへの支援の多くを停止した。(Poland confirms US has suspended military aid to Ukraine)(Kiev could run out of Patriot missiles in few weeks)米軍がポーランドからウクライナに搬入していた兵器類の流れも3月4日から止まった。だが、最重要な点はそこでない。最重要な打ち切りは、ウクライナ軍がミサイルや無人機、精密誘導弾などでロシア側を攻撃する際の標的設定で必ず使う軍事用GPS(衛星測位システム)の情報提供(諜報共有)の停止だった。トランプは、米軍の最高司令官と...
現代のロシア

ウクライナをめぐる露国と米国の協議は合意が近いとする推測が流れている

ウクライナをめぐる露国と米国の協議は合意が近いとする推測が流れている バラク・オバマ政権のネイコンがウクライナで始めたロシアとの戦争をドナルド・トランプ大統領は本気で終結させようとしているようだ。そのためにウラジミル・プーチン政権と協議、合意が近いと推測する人がいる。 アメリカ政府とロシア政府の協議は2月18日にサウジアラビアのリヤドで始まったと見られている。その際、さまざまな問題に対処するための専門グループを編成することで米露両国は合意したという。ひとつは戦略的安全保障と軍備管理に関するグループ、第2に地球規模の安全保障構造を見直すグループ、第3に両国相互の外交に関するグループ、第4にエネルギーや制裁に関するグループ、第5にウクライナにおける戦闘の決着をつけるためのグループ、第6にはパレスチナや北極圏を含む国際問題に関するグループだ。 ​ウクライナに関する問題については話し合いが進んでいると推測する人がいる​。2月24日にエマニュエル・マクロン仏大統領がホワイト・ハウスを訪問、27日にキール・スターマー英首相もホワイト・ハウスを訪れている。そしてウォロディミル・ゼレンスキーが28日に...
現代のロシア

2007年に公表された核攻撃でロシアを脅すという英国のシナリオが崩壊した

2007年に公表された核攻撃でロシアを脅すという英国のシナリオが崩壊した ドナルド・トランプ政権も言っているように、ウクライナで戦っているのはロシアとアメリカである。アメリカがネオ・ナチを使ったクーデターでキエフを制圧した。そのネオ・ナチ体制が崩れようとしているのだが、それをヨーロッパのエリートは恐れている。 クーデターを実行したのはバラク・オバマ政権。2013年11月から14年2月にかけてのことである。2010年の選挙で勝利したビクトル・ヤヌコビッチを排除し、ロシアに軍事的な圧力をかけると同時にヨーロッパとロシアを分断することが目的だった。クーデターで実権を握った体制はネオ・ナチだ。 ネオ・ナチを操っているのはMI6やCIAだが、ウクライナの軍や治安機関の約7割はネオ・ナチ体制を嫌って離脱したと言われている。ヤヌコビッチを支持していた東部や南部の住民はクーデターを拒否、オデッサでは住民がネオ・ナチの一団に虐殺されて制圧されたが、クリミアの住民は素早くロシアに保護を求め、東部ドンバスの住民は反クーデター軍を組織して抵抗を始めた。 クーデターから間もない段階では反クーデター軍が優勢で、西...