米国

現代の世界各国

習近平の思惑_その1 「対高市エール投稿」により対中ディールで失点し、習近平に譲歩するトランプ

習近平の思惑_その1 「対高市エール投稿」により対中ディールで失点し、習近平に譲歩するトランプ習近平国家主席(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)2月10日の論考<高市圧勝、中国の反応とトランプの絶賛に潜む危機>の末尾に書いたように、習近平はトランプが「高市圧勝」への祝賀メッセージを2月9日にTruthに投稿したあと、反応を見せていない。むしろ沈黙を続けることによって、トランプに無言の圧力を掛けているように見える。トランプは、習近平が今もっとも敵対している高市早苗に、選挙中にエールを送り、かつ圧勝後には絶賛の祝辞を送ったのだから、習近平とのディールに関しては大きな失点を稼いでいることは十分に理解しているはずだ。事実、トランプはその後、さまざまな形で「習近平の神経を逆なでしたことへの回復」を試み、譲歩をし始めた。習近平が待っていたのは、この「譲歩の姿勢」だ。トランプがどこまで譲歩するのか?習近平がそれによって手にしたトランプに対する「新たなカード」をどのように切るのか?この暗黙のせめぎ合いが、今後の世界の方向性を決めていく。本論考では「習近平の思惑_その1」、「習近平の思惑_その2」・・・...
現代の世界各国

世界の貿易構造を変えるトランプ

世界の貿易構造を変えるトランプ2026年2月24日   田中 宇トランプ米大統領は、世界から米国への輸出品に対して各種のいちゃもんをつけて制裁的な高関税を課してきた。米国は、英国からの独立が「ボストン茶会事件」(英国による輸入茶への高関税に反対する運動)に始まったことに象徴されるように、これまで「自由貿易」が国是だった。戦後、覇権国になってからは、世界から米国への輸入品の関税撤廃に努力し続け、旺盛な輸入と消費によって世界経済(日独韓中ASEANなど)を富ませた。米国は、世界のために消費する代わりに覇権国であり続けた。自由貿易からの逸脱は、米政界のタブーだった。だがトランプは、史上初めて堂々とタブーを犯し、自由貿易を破壊する高関税策を大っぴらにやっている。トランプは、昨年初めに米大統領に返り咲いたころから、関税が好きだとか、辞書に載っている言葉の中で一番好きなのは「関税」だと何度も言っている。今回も、ひとつのやり方が最高裁に禁じられると、すぐに別の方法を使って高関税策を維持し、しかも反抗的に税率を引き上げている。ふてぶてしい。トランプは世界体制をぶち壊す。エリートたちが激怒驚愕震撼絶望し...
現代のロシア

トランプに切り捨てられるという不安妄想。欧州各国が「プーチンと直接話さなくてはならない」と言い出した理由

トランプに切り捨てられるという不安妄想。欧州各国が「プーチンと直接話さなくてはならない」と言い出した理由ロシアを孤立させることにより、国際秩序を守ろうとしてきたはずの欧州。しかしここに来て、各国首脳の間に「プーチン大統領と直接話さなくてはならない」という声が広がり始めています。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の「無敵の交渉・コミュニケーション術」』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、この突然の「方向転換」の背景を解説。さらにウクライナと欧州が直面しかねない「最悪のシナリオ」を提示しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:ロシアの復権?!‐ロシアの支持を取り付けようとする国際社会のジレンマ透けて見える各国の本音。ロシアの支持を取り付けようとする国際社会のジレンマ「プーチン大統領と直接話さなくてはならない」先週、ミュンヘンで開催されたミュンヘン安全保障会議(Munich Security Conference)において、かなりの頻度で欧州のリーダーたちが口にした内容です。またその“認識”は、非欧州のリーダーたちにも共通しており、...
現代の世界各国

エプスタイン文書がぶち壊してしまった「スキャンダルまみれのリベラル派」の偽善

エプスタイン文書がぶち壊してしまった「スキャンダルまみれのリベラル派」の偽善揺らぐ「ウクライナ戦争」ロシアによるウクライナへの全面侵攻開始から、2月24日で丸4年が経過する。2022年2月24日にはじまった戦争を、同年3月24日付の主要7カ国(G7)首脳による声明では、「ウクライナの独立および主権に対する、ロシアの不当な、いわれのない、不法な侵略およびプーチン大統領の選択により始められた戦争」と位置づけている。だが、ドナルド・トランプ大統領が昨年1月に登場したことで、ウクライナ戦争に対する見方が揺らいでいる。その証拠に、昨年6月にカナダで開催されたG7(主要先進国)首脳会議では、ウクライナ支援に関する共同声明が見送られたほどだ。この記事の全ての写真を見る(全9枚)大雑把に言うと、トランプはこれまでリベラル派が主導してきた国際秩序に対する見方を一変させて、リアリストとしてまったく別の「力による平和」という観点から、ウクライナ戦争を停止・和平へと導こうとしている。こんなトランプに対して、リベラル派はトランプを厳しく批判しているが、いま、リベラル派の「偽善」(hypocrisy)が暴かれつつ...
現代の世界各国

触れたらテレビやYouTubeからも追放。米エプスタイン事件が暴く「権力・金・沈黙」の恐るべき構造

触れたらテレビやYouTubeからも追放。米エプスタイン事件が暴く「権力・金・沈黙」の恐るべき構造テレビで触れれば追い出され、YouTubeで語ればBANされる──それが「エプスタイン事件」です。アメリカの富豪投資家が築いた未成年少女の性的人身売買ネットワークには、政界・財界・王侯貴族の名前が連なっていました。なぜ彼は長年守られてきたのでしょうか。2026年1月、ついに数百万ページに及ぶ「エプスタイン文書」が公開されました。今回のメルマガ『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』では、著者で施術家の吉田正幸さんが、権力・金・沈黙が生み出す巨大な闇の構造に迫ります。巨大な闇。ジェフリー・エプスタイン事件この問題に触れるとテレビからは追い出され、YouTubeはBANされてきた。それが「エプスタイン事件」。今回はその闇に迫ってみたいと思う。これはさすがにブログでは書けない。人は、あまりにも巨大な闇を前にすると、どこかで思考を止めてしまう。「まさかそんなことがあるはずがない」「自分には関係ない」「遠い世界の話だ」と、無意識に距離を取ることで、心の平常心を守ろうとするからである。だが、もしこ...
現代の米国

米国を巣くう不法移民問題の深層…ICEは行き過ぎだが不法移民の「伏魔殿」もヤバイ

米国を巣くう不法移民問題の深層…ICEは行き過ぎだが不法移民の「伏魔殿」もヤバイ日本のマスメディアは、米国の移民税関捜査局(ICE)職員による行き過ぎた取締りで、地元住民2人が犠牲となった事件を大きく取り上げて、ドナルド・トランプ政権による「悪政」が国内に混乱を巻き起こしていると報道している。だが、2月3日付の「ニューヨークタイムズ」(NYT)は、「新たな世論調査によると、共和党員の大多数は依然としてトランプ大統領の積極的な移民取り締まりを支持している」と報じている。おそらく、この認識の差は、米国における「不法移民」の取り扱いについての日本の報道の「貧困さ」にあるように思われる。はっきり言えば、無許可滞在中の移民に「優しすぎる」州があり、それが今回の取締りの原点にあることを日本人の多くは知らないのだ。1400万人もいる不法移民まず、確認しておきたいことがある。ここで話題にしている不法移民は通常、「illegal immigrants」のことだが、ほかにもいろいろな表現がある。「無許可移民」(unauthorized immigrants)という用語は、多くの学術研究者や政策アナリストの...
現代の米国

帝国主義への逆戻りか、計算された戦略か?米トランプ「力による外交」の複雑な構図を読み解く

帝国主義への逆戻りか、計算された戦略か?米トランプ「力による外交」の複雑な構図を読み解く各国首脳や数々の国際機関から「予測不能で危険な存在」とみなされているトランプ大統領。ベネズエラ侵攻やグリーンランド取得意図を公言するなど、戦後秩序を破壊するかのような彼の言動は、国際社会に混乱を巻き起こしているのも事実です。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の「無敵の交渉・コミュニケーション術」』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、トランプ大統領の「思いつき」のようにも受け取れる言動の背景を考察。その「複雑な構図」を解説するとともに、アメリカの「本当の狙い」を読み解いています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:強者が支配する世界への回帰と揶揄されるトランプ外交の“本当の”狙い気まぐれとは程遠い綿密に計算された動き。トランプ外交の本当の狙い「トランプ外交は“ルールのない世界への回帰”と言わざるを得ない。法の支配に基づく戦後の秩序は完膚なきまで踏みにじられ、国際法よりも強者の原理が優先される、まさに帝国主義の再興と言わざるを得ない」(”It’s a...
現代の中国

トランプ「習近平との春節電話会談で蜜月演出」し、高市政権誕生にはエール 日本を対中ディールの材料に?

トランプ「習近平との春節電話会談で蜜月演出」し、高市政権誕生にはエール 日本を対中ディールの材料に?トランプ大統領と習近平国家主席(韓国釜山で)(写真:ロイター/アフロ)2月4日夜、習近平とトランプが電話会談し、「新しい1年」の米中友好関係を強化していこうと仲良く誓い合った。2月4日は立春なので、春節を祝っての電話会談と位置付けることができる。中国では米中のこの電話会談を大々的に報じ、「今後は米中両大国が仲良く世界で活躍していこう」というムードに満ちている。G7のうち日本だけが「台湾有事」をクローズアップして対中強硬姿勢を貫いている現状に加えて、米中のこの蜜月は、日本の孤立化を加速させるのではないかと懸念される中、トランプから高市内閣誕生にエールが送られるというハプニングが起きた。日本叩きの手を緩めていない習近平と中国人民は侮辱を受けたことになるが、ある意味トランプは対中ルールを有利に進めるために高市政権を利用したことにもつながり、習近平の日本叩きは一層激しさを増すだろう。心配されるのは右傾化した日本の対米従属化がもたらす危険性だ。◆中国での大々的な報道は何を意味するのか? 2月4日、...
現代の米国

精神状態が「危険」とまで言われるドナルド・トランプ。個人の異変か、アメリカの制度疲労か

精神状態が「危険」とまで言われるドナルド・トランプ。個人の異変か、アメリカの制度疲労か米国大統領の言動をめぐり、これまで「型破り」「過激」といった言葉で片づけられてきた現象が、いま新たな局面を迎えています。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、世界最大の軍事力を握る国家の最高指導者の精神状態が疑問視されるという事態を見ながら冷戦後の国際秩序に適応できなかった超大国が抱える、より深刻な退行の兆候について考えています。「危険」と言われるほどにまで進んだトランプの精神状態/その背景には米国そのものの急速な退化米国の政治情報サイト「ポリティコ」が1月28日報じたところによると、スロバキアのフィツォ首相が22日にブリュッセルで複数の欧州首脳と会合した際、その数日前に米国で面会したトランプ米大統領の精神状態に深刻な懸念を抱いたと語った。日本のいくつかの新聞も引用・補足して記事にしているが、ポリティコの元の記事全文は次のとおり。▼スロバキアの首相が先週開かれたEU首脳との会談の席上、ドナルド・トランプと面会して米国大統領の精神状態についてショックを受けたと...
現代の世界各国

「トランプさえ退場すれば世界が正常に戻る」は幻想。国際社会に混乱を招いた犯人は誰なのか?

「トランプさえ退場すれば世界が正常に戻る」は幻想。国際社会に混乱を招いた犯人は誰なのか?かつてないほどに混乱し、分裂が深まる国際社会。その責をトランプ大統領一人に負わせる論調が大勢を占めていますが、果たしてそれは真実なのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の「無敵の交渉・コミュニケーション術」』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、世界を「漂流状態」へと導いた要因を分析。その上で、さらなる大混乱に日本がどう備えるべきかを考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:迷走する国際情勢 分裂の深まりと国際社会が抱く淡い期待「すべてをトランプの所業」とする姑息。分裂深まる国際社会が抱く淡い期待「トランプ大統領が政界から去れば、きっと国際情勢はまた“正常な状態”に戻るだろう」いろいろな機会に耳にする希望的観測ですが、果たしてどうでしょうか?「一方的に要求を突き付け、相手が抵抗したり、相手の対応が気に入らなければ関税措置に訴えて脅す」「平和の使者を標榜していたかと思うと、突如、圧倒的な軍事力を盾に強引な行動に出る」「トランプ大統...
現代の世界各国

世界は「脱米国」へと踏み出したのか?カナダとイギリス両首相の“訪中”が映し出す「米覇権時代の終焉」

世界は「脱米国」へと踏み出したのか?カナダとイギリス両首相の“訪中”が映し出す「米覇権時代の終焉」トランプ大統領の「専横的」な言動に業を煮やしたかのように、相次いで中国を訪問し始めた欧州やカナダの首脳。この動きは、単なる経済重視の外交転換と見ていいのでしょうか。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、カナダのカーニー首相、イギリスのスターマー首相の訪中を軸に、トランプ政権下で進む国際社会の力学の変化を分析。その上で、「中国シフト」とも受け取れる動きの実像と、分断が深まる世界秩序の行方を考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:カナダのカーニーに続きイギリスのスターマー首相も訪中 世界は「中国シフト」に向かうのか世界は「中国シフト」に向かうのか。国際社会に広がる「脱米」の潮流「私自身の道徳観。私自身の心。私を止めることができるのはそれだけだ」トランプ大統領が米紙『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューに答えて放った言葉に世界が戦慄した。どこまで本気で言っているのかわからないが、世界はもはや真意を見...
現代の世界各国

買収、脅迫、殺人で世界が動いていることを知らしめたエプスタイン

買収、脅迫、殺人で世界が動いていることを知らしめたエプスタイン【エプスタイン・ファイル】 ドナルド・トランプ米大統領は1月3日、アメリカ陸軍の特殊部隊デルタ・フォースを使ってベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を誘拐、その後にイランを攻撃するとしてUSSエイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群を中東へ派遣したが、トランプの思惑通りに進むとは思えない。 イランはアメリカやイスラエルからの攻撃を想定、ドローンやミサイルの準備を進めてきた。その性能や数を考えると、イランがアメリカの艦隊に対して数百発のミサイルとドローンを発射すれば、アメリカ側は数日間で戦闘不能になってしまう。 トランプ大統領はイランに対する攻撃を「限定的」なものに止め、形式的な譲歩を得て撤退するつもりだとも言われているが、イラン側はどのような攻撃でも全面的な反撃に出ると宣言している。そうなれば中東にあるアメリカの軍事基地や大使館、そしてイスラエルが攻撃の目標になる可能性が高い。 カリブ海でも中東でも軍事的な緊張が高まっているわけだが、そうした中、エプスタイン・ファイルの公開がひと段落した。このファイルには数百万ページに...
現代の世界各国

エプスタイン資料の非公開部分に西側世界を支配する仕組みが隠されている 

エプスタイン資料の非公開部分に西側世界を支配する仕組みが隠されている ​アメリカの司法省はジェフリー・エプスタインに関する資料を公開した​が、​その中からドナルド・トランプ大統領に関係した数百万件のファイルを削除したと伝えられている​。削除された資料には、トランプ大統領が未成年者を含む複数の女性と性的な関係を持ったとする当事者やその関係者の証言が含まれていたという。削除された文書のひとつはトランプが人身売買に関与していたとも主張しているとされている。 トッド・ブランシュ司法副長官によると、司法省が保有するエプスタインに関する文書は約600万ページあるが、約300万ページは非公開。公開されない資料の中には児童の性的な虐待を描写したものがあり、「死、身体的虐待、負傷」を描写した文書や画像が含まれるとしている。つまり、そうした犯罪的なことが行われていたわけだが、捜査が開始されたという話は聞かない。非公開の理由は重大な犯罪を隠蔽するためだと言われても仕方がないだろう。 1991年12月にソ連が消滅した後、アメリカの軍事と外交を支配しているネオコンはユーゴスラビアを軍事侵攻するが、その際、麻薬業...
現代の世界各国

空母で恫喝してもイランは屈服せず、「友好国」は米国から離反しはじめた

空母で恫喝してもイランは屈服せず、「友好国」は米国から離反しはじめた AFCENT(アメリカ中央空軍司令部)は1月25日、数日にわたる即応演習を実施するとに発表した。USSエイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群が中東地域へ到着するタイミングに合わせての演習だ。この艦隊で脅せばイランは屈服するとドナルド・トランプ米大統領は信じているのだろうか? アメリカ政府の恫喝にイランが屈するようには見えない。イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は1月27日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と電話会談した際に「アメリカの脅迫と心理作戦はこの地域の安全保障を混乱させることを目的としており、不安定化をもたらすだけだ」と述べたという。 ​イランにとって隣国は友好国だが、もし彼らの領土、空、あるいは海がイランに対して利用されるならば敵対国とみなされるとIRGC(イラン革命防衛隊)海軍のモハメド・アクバルザーデ副司令官は語ったが、SPA(国営サウジ通信社)によると、ムハンマド皇太子は電話会談でペゼシュキアン大統領に対し、アメリカ軍がテヘランを攻撃するために自国の領空や領土を利用すること...
現代の世界各国

「平和評議会」設立でトランプの「最終的野望」が分かった!

「平和評議会」設立でトランプの「最終的野望」が分かった!1月22日、少なくとも35カ国がスイスのダボスにおいて「平和評議会憲章」(Board of Peace Charter)に合意した(下の写真を参照)。中央に座るドナルド・トランプ米大統領の満面の笑みからわかるように、平和評議会はトランプ主導で設立されたものであり、今後、国連に代替する組織に変貌する可能性を秘めている。そこで、今回はこの評議会について深堀りし、その深謀遠慮について考えたい。ドナルド・トランプが平和評議会のメンバーに囲まれて、組織の憲章調印式に出席している様子2026年1月22日 Gian Ehrenzeller / EPA / Scanpix / LETA(出所)この記事の全ての写真を見る(全7枚)平和評議会設立までの物語国連安全保障理事会は昨年11月17日、米国が支持する「ガザ紛争終結のための包括的計画」を承認した。同計画に基づく平和委員会の設置を歓迎するとともに、同委員会およびこれと連携する加盟国に対し、ガザに暫定的な国際安定化部隊(ISF)を設置することを承認した。この決議第2803号に付属文書として添付された...
現代の中国

「習近平拘束」は可能か?米国がベネズエラ侵攻で見せた“驚愕の軍事行動力”と中国の“抜かりない対抗策”

「習近平拘束」は可能か?米国がベネズエラ侵攻で見せた“驚愕の軍事行動力”と中国の“抜かりない対抗策”年明け早々に世界を震撼させた、トランプ大統領によるベネズエラへの軍事侵攻。その背景を巡っては、各国各方面でさまざまな見方が交錯しています。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』ではジャーナリストの富坂聰さんが、米軍の電撃的な作戦遂行により浮かび上がった軍事技術と、恐るべき情報収集能力について解説。さらにトランプ氏が意識する中国軍の実像と、米中軍事バランスの現在地について考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:米軍のベネズエラ攻撃の裏で垣間見られた軍事技術と規律をめぐる米中の駆け引きトランプ「ベネズエラ攻撃」に世界が驚愕。中国はアメリカとどう対峙するのか年が明けて間もなく、米特殊部隊がベネズエラを強襲した。同国のニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拘束し、連れ去るための軍事作戦だった。世界に衝撃を与えたニュースだった。直後からトランプ政権の目的は「中国やロシアに対する警告」だとか、逆に「中国に台湾進攻の口実を与えてしまう」といった懸念...
現代の世界各国

トランプのベネズエラ制圧がとどめに~経済ボロボロのキューバでとうとう権力層の内輪もめ、崩壊のカウントダウン始まる

トランプのベネズエラ制圧がとどめに~経済ボロボロのキューバでとうとう権力層の内輪もめ、崩壊のカウントダウン始まるソ連去りし後ベネズエラに対する米軍の軍事作戦の成功によって、キューバは甚大な影響を受けることが予想されている。そもそもキューバ経済はすでに崩壊状態にあり、ベネズエラからのエネルギーの輸血を失うことで、この窮状がさらに激しくなると見ればいい。この記事の全ての写真を見る(全3枚)キューバの主要産業として、歴史的に非常に重要な役割を果たしてきたのが砂糖産業だ。かつては世界最大の生産量を誇ったキューバで、今なお砂糖の栽培面積は、公式には124万4500ヘクタールあることになっている。これは四国のざっと2/3にも相当する膨大な面積だ。だが実際には、もはや砂糖はろくすっぽ生産されていないのが実情である。キューバは最低限の国内需要を満たすだけの砂糖も生産できなくなり、キューバ国内で生産する量よりも多くの砂糖を輸入しなければならないくらいにまで、実際の生産規模は落ち込んでいる。ソ連邦崩壊直前の1989年には、年間800万トンの生産量を誇っていたのに、2025年の段階では、恐らく15万トンくら...
現代の世界各国

欧州に広がる「アメリカは敵対国」という本音。グリーンランドを巡るトランプの強硬姿勢が露わにした「西側」の深刻な分裂

欧州に広がる「アメリカは敵対国」という本音。グリーンランドを巡るトランプの強硬姿勢が露わにした「西側」の深刻な分裂トランプ大統領の「グリーンランド領有への意欲」を巡り、非難の応酬状態となっているアメリカと欧州。国際社会を揺るがすこの亀裂は、今後さらに深刻化してしまうのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の「無敵の交渉・コミュニケーション術」』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、欧米分裂の背景にある地政学的思惑と関係各国が抱いている「本心」を解説。さらに「アメリカ抜きの国際秩序」という選択肢が現実味を帯び始めた世界の行方について考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:アメリカ抜きの国際秩序?!‐欧米の分裂が生み出す西洋の終焉と新国際協調主義鮮明になりつつある欧米分裂の気配。「アメリカ抜きの国際秩序」を考え始めた欧州「欧州は『文明の消滅』に直面しており、将来的には米国の信頼できる同盟国としての地位を失う可能性がある」「長期的には、遅くとも数十年以内に、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部で非欧州系(の住民)が多...
現代の世界各国

トランプの7月建国250周年「グリーンランド奪取計画」をスッパ抜く!

トランプの7月建国250周年「グリーンランド奪取計画」をスッパ抜く!来たる2月1日から、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、イギリス、オランダ、フィンランドから米国に輸入されるすべての商品に10%の関税が課される。1月17日、ドナルド・トランプ大統領は自らのSNS(TruthSocial)で、この方針を示した。さらに、6月1日から関税が25%に引き上げられると警告した。この関税は、グリーンランドの買収に関する合意が成立するまで適用される。なお、現在、欧州連合(EU)加盟国からの商品には15%、英国からの商品には10%の関税がかけられている。EU27カ国は単一の貿易・関税圏であるため、一部の国に関税を課すことは、すべての国が新たな貿易税に直面するかもしれない。とくに、この8カ国がやり玉にあがったのは、「目的不明のままグリーンランドへ向かっている」ためとした。しかし、これはごく少人数の派遣にすぎない。たとえば、ドイツは北極圏における海上監視と戦略的軍事協力に焦点を当てた多国籍ミッションの一環として、グリーンランドに連邦軍兵士13名を派遣した(1月15日付の情報を参照)。...
現代の世界各国

トランプの平和評議会はイスラエル覇権機関

トランプの平和評議会はイスラエル覇権機関2026年1月23日   田中 宇トランプ米大統領が1月16日、ガザ戦争の停戦策の第2段階として「平和評議会」の創設を発表した。評議会の構想は昨年9月からあった。35か国が参加し、1月22日にダボス会議の席上で正式に発足した。トランプ自身が評議会の初代会長(総裁)になり、中東その他の諸国の国家元首たちを評議会員にして、ガザだけでなく世界各地の紛争を解決していくことが評議会の目的だと設立要綱に書いてある。会長のトランプは評議会決定への拒否権、参加国の除名権など、絶大な権限を持っている。事務局はトランプの側近群だ。トランプを「世界皇帝」にするための機関にも見える。(Full text: Charter of Trump's Board of Peace)(Board of Peace - Wikipedia)トランプは世界の59か国に平和評議会への参加を求める招待状を出した。米国のほか、サウジアラビア、UAE、エジプト、ヨルダン、トルコ、カタール、モロッコ、パキスタン、インドネシア、ベトナム、モンゴル、カザフスタン、ウズベキスタン、ベラルーシ、アゼル...