2024-05-02

日本の文化

「ある」日本語と「する」英語

英語、広くはヨーロッパ諸言語では「する」表現が中心であり、その行為者が主語となる、というきわめて能動的・主体的な性格は、ヨーロッパ人が、科学技術をもって自然を征服し、世界中を植民地にしていった歴史と重なって見える。  一方、日本語の方は「ある」表現を中心として、なるべく行為者を表に出さず、常に人智・人為を超えた世界を強く意識している点は、自然の中の「生きとし生けるもの」の一員として生きてきたわが祖先のつつましやかな人生観を連想させる。 No.514 「ある」日本語と「する」英語  なぜ日本人は「私はあなたを愛します」と 言わないのか? ■1.「来週月曜日から日本語の講師をしてくれないか」■  9月初めの金曜日、電話が鳴った。カナダ東部の古都ケベッ クのラヴェル大学で言語学を学ぶ金谷武洋氏の人生を、大きく 変えることになる電話だった。大学の教務課からだった。「至 急会いたい」という。  すぐに自転車で駆けつけると、「来週月曜日から日本語の講師をしてくれないか」という。予定していた講師と連絡がとれなくなり、すでに24人の受講者も決まっているので、代理で教えて貰えないか、というのである。「ど...