2024-10-26

世界各国の歴史

「植民地支配者は痴呆化、野獣化する」 詩人エメ・セゼールの『植民地主義論』が問う西洋文明化の偽善

「植民地支配者は痴呆化、野獣化する」 詩人エメ・セゼールの『植民地主義論』が問う西洋文明化の偽善 フランス植民地下で蜂起したマダガスカルの住民(1947年) 欧州植民地主義の残虐  フランス政府は3日、アフリカのマダガスカル政府との協議で、植民地支配当時にマダガスカルから持ち去った王の頭蓋骨を返還する方向で作業を進めることを明らかにした。マダガスカル政府もこの日、フランスで可決された遺骨返還法がアフリカ諸国に人骨を返還するための手続きの第一歩となったと表明している。  マダガスカルの王の頭蓋骨は、1897年にフランスの植民地軍によって斬首されたメナベ地方のサカラバ族の王トゥエラのものだとされる。フランスは当時、マダガスカルで植民地化に対する先住民の反乱を「平定作戦」によって虐殺で抑え込んださい、二人の首長とトゥエラ王の首を戦利品として切り落として奪い去った。その頭蓋骨は今も、パリ自然史博物館に保管されている。  マダガスカルは幾多の武装蜂起を経て1960年に独立を達成したが、フランスで今なお正当化される植民地主義の抑圧のもとにある。斬首された王らの頭蓋骨の返還は、2020年にマダガスカ...
現代の日本

福井女子中学生殺害事件再審決定

福井女子中学生殺害事件再審決定 袴田事件で殺人の罪に問われ死刑が確定した袴田巌氏は47年7ヵ月の期間にわたり確定死刑囚等として勾留された。 その袴田氏に再審無罪が言い渡され、無罪が確定した。 裁判所は捜査当局の証拠の捏造を認定した。 有罪認定の決め手とされた味噌製造工場の味噌タンクから発見されたとされる5着の衣類が捜査当局による捏造と認定された。 一審判決で証拠採用された1通の自白調書も捏造と認定された。 5点の衣類の共布とされた証拠物も捏造と認定された。 警察は証拠を捏造して無実の袴田氏を殺人犯人に仕立て上げたと裁判所は認定した。 10月23日には、38年前に福井市で女子中学生が殺害された事件で殺人の罪で服役した前川彰司氏について、名古屋高等裁判所金沢支部が再審(裁判のやり直し)を認める決定を示した。 この事件では13年前にも再審を認める決定が出された。 しかし、検察の異議申し立てを受けて再審開始が取り消された。 前川氏の名誉回復に向けて検察の対応が焦点になる。 再審開始を認めた名古屋高等裁判所金沢支部は、有罪の証拠とされた目撃証言について、新たに検察から開示された証拠などを踏まえ ...
現代のロシア

多極的な世界秩序、新興経済国の主導的役割、西側諸国の債務:プーチン大統領のBRICS演説から得られる重要なポイント

多極的な世界秩序、新興経済国の主導的役割、西側諸国の債務:プーチン大統領のBRICS演説から得られる重要なポイント ロシア大統領のカザンでの演説は、グループの金融統合と新たな発展の見通しに焦点を当てていた。 カザンで開催された第16回BRICS首脳会議中のBRICS首脳拡大会議に出席するロシアのウラジミール・プーチン大統領。©スプートニク/スタニスラフ・クラシルニコフ ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は水曜日、カザンで開かれたBRICS首脳会議の首脳会議で演説した。演説では、同経済グループの役割と展望の拡大に焦点を当て、西側諸国の制裁と保護主義政策が世界経済に及ぼすリスクについて警告した。プーチン大統領はまた、穀物取引所や新たな投資プラットフォームの設立など、BRICSの枠組み内でのロシアの取り組みを発表した。 大統領の演説の要点は次のとおりです。 多極的世界秩序の形成ロシア大統領は拡大形式のBRICS会議で、世界貿易と世界経済全体が大きな変化を経験していると語った。ビジネス活動の中心は徐々に発展途上市場へと移行していると同氏は付け加えた。「多極モデルが形成されつつあり、主にグロー...