「植民地支配者は痴呆化、野獣化する」 詩人エメ・セゼールの『植民地主義論』が問う西洋文明化の偽善
「植民地支配者は痴呆化、野獣化する」 詩人エメ・セゼールの『植民地主義論』が問う西洋文明化の偽善 フランス植民地下で蜂起したマダガスカルの住民(1947年) 欧州植民地主義の残虐 フランス政府は3日、アフリカのマダガスカル政府との協議で、植民地支配当時にマダガスカルから持ち去った王の頭蓋骨を返還する方向で作業を進めることを明らかにした。マダガスカル政府もこの日、フランスで可決された遺骨返還法がアフリカ諸国に人骨を返還するための手続きの第一歩となったと表明している。 マダガスカルの王の頭蓋骨は、1897年にフランスの植民地軍によって斬首されたメナベ地方のサカラバ族の王トゥエラのものだとされる。フランスは当時、マダガスカルで植民地化に対する先住民の反乱を「平定作戦」によって虐殺で抑え込んださい、二人の首長とトゥエラ王の首を戦利品として切り落として奪い去った。その頭蓋骨は今も、パリ自然史博物館に保管されている。 マダガスカルは幾多の武装蜂起を経て1960年に独立を達成したが、フランスで今なお正当化される植民地主義の抑圧のもとにある。斬首された王らの頭蓋骨の返還は、2020年にマダガスカ...