2024-10-06

現代の世界各国

イランの失敗

イランの失敗2024年10月4日   田中 宇この記事は「ヒズボラやイランの負け」の続きです。一昨日の記事で、イランはイスラエルと本格戦争する気がないので、中東の戦争は拡大していかないという趣旨を書いたが、私はその後、見方を変えている。イランの姿勢についての自分の分析は間違っていないと思う。4月にイランとイスラエルが報復攻撃を繰り返した際も、双方が敵対を縮小していき大戦争にならなかったので、その演技が今回も繰り返されるなら大戦争にならない。だが今回、イスラエルはおそらく4月の演技を繰り返さない。イランは本格戦争する気がないが、イスラエルその気がある。イランが軟化するほど、イスラエルは硬化する。だから、中東の戦争は拡大していく可能性がある。(Biden Is Pushing Israel Towards Larger War)イスラエルは多分、今後数日間に、10月1日のイランからイスラエルへの攻撃よりも大きな攻撃を、イランに対して行う。イランは、4月と同じ縮小していく演技が繰り返されるものだと思ってイスラエルを攻撃したが、イスラエルは逆に、事態を本格的な大戦争に近づけるような攻撃の激化を...
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中東の供給不安で原油価格が急騰

中東の供給不安で原油価格が急騰地域紛争が激化する中、エネルギー市場は供給途絶に備えている© ゲッティイメージズ / モルテザ・ニコウバズル/NurPhotoイスラエルのレバノン侵攻とイランのイスラエルへのミサイル攻撃によりエネルギー市場の不安定化が起こり、金曜日には世界の原油価格が上昇した。ブレント原油先物は金曜日、10時43分(GMT)時点で1.8%上昇し、1バレル79ドルと、8月30日以来の高値となった。ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油は1.3%上昇し、75ドルで取引された。市場は、紛争により中東からの原油供給が途絶えるのではないかという懸念に反応している。今週初めのテヘランのミサイル攻撃を受けてイスラエルがイランの石油施設を攻撃すると警告したことを受けて、木曜日には原油価格が5%急騰した。ゴールドマン・サックスのアナリスト、ダーン・ストルイベン氏はCNBCに対し、イランの原油生産量が打撃により少なくとも1日当たり100万バレル減少した場合、原油価格は1バレル当たり20ドル上昇する可能性があると語った。スウェーデンの銀行グループSEBの主任商品アナリスト、ビャ...
現代のロシア

現時点で世界では、下されるのを待っている重要な決定が1つだけある

ウクライナにはミサイルを発射する能力も衛星照準システムもないことを理解してください。ロシアへのミサイル攻撃はもはや「代理戦争」とは言えません。プーチン大統領自身がこれを明確にしています。プーチン大統領は、ロシアにミサイルが発射されたということは、米国とNATOがロシアと戦争状態にあることを意味し、ロシアは核兵器で応戦する権利を留保していると述べました。ネオコンの狙いは、プーチン大統領とロシアを不安定化させることだ。ネオコンは不安定化を利用して、ロシア連邦を構成するさまざまな民族を分裂させるよう促すだろう。ワシントンの目標は、ロシア連邦をその構成要素に分裂させ、ロシアの代わりに多くの国を存在させることだ。問題はただ一つ、決断はただ一つ。ワシントンはプーチンを信じるか否かだ。もしワシントンがプーチンを信じるなら、ワシントンはロシアにミサイルを発射しないだろう。もしワシントンがプーチンを信じないなら、プーチンが退陣しない限り、第三次世界大戦が起こりそうだ。先送りされたことで決断が遅れたのではないかと私は考えている。中東はロシアに対するもう一つの攻撃経路である。ロシア、中国、イランの間に相互防...