中身のない掛け声に終わっている「核兵器廃絶」の訴え
中身のない掛け声に終わっている「核兵器廃絶」の訴え 核兵器廃絶の訴えに反対する人は少ないだろうが、現在、核戦争勃発の可能性はかつてなく高まっている。1962年10月のキューバ危機よりも危険な状態だという人もいる。それにもかかわらず、大多数の人は気にしていないようだ。「核兵器廃絶」は中身のない掛け声にすぎないと言われても仕方がないだろう。 2013年5月から16年5月までSACEUR(NATO軍作戦司令部の司令官)を務めたアメリカ空軍のフィリップ・ブリードラブ退役大将は2022年4月7日付け記事の中で、ウクライナにロシアが軍事介入した直後に「私たちは核兵器と第3次世界大戦をあまりにも心配したため、完全に抑止されてしまった」と語っている。核兵器と第3次世界大戦を気にせず、ロシアを攻撃しろということだろう。2022年4月9日、イギリスのボリス・ジョンソン首相はキエフへ乗り込み、ロシアとの停戦交渉を止めるように命令している。 アメリカには核兵器を脅しの道具に使った歴史がある。例えば、ドワイト・アイゼンハワーは1953年に大統領となった直後、泥沼化した朝鮮戦争から抜け出そうと考え、中国...