2024-10-13

現代の世界各国

中身のない掛け声に終わっている「核兵器廃絶」の訴え

中身のない掛け声に終わっている「核兵器廃絶」の訴え  核兵器廃絶の訴えに反対する人は少ないだろうが、現在、核戦争勃発の可能性はかつてなく高まっている。1962年10月のキューバ危機よりも危険な状態だという人もいる。それにもかかわらず、大多数の人は気にしていないようだ。「核兵器廃絶」は中身のない掛け声にすぎないと言われても仕方がないだろう。  2013年5月から16年5月までSACEUR(NATO軍作戦司令部の司令官)を務めたアメリカ空軍のフィリップ・ブリードラブ退役大将は2022年4月7日付け記事の中で、ウクライナにロシアが軍事介入した直後に​「私たちは核兵器と第3次世界大戦をあまりにも心配したため、完全に抑止されてしまった」​と語っている。核兵器と第3次世界大戦を気にせず、ロシアを攻撃しろということだろう。2022年4月9日、イギリスのボリス・ジョンソン首相はキエフへ乗り込み、ロシアとの停戦交渉を止めるように命令している。  アメリカには核兵器を脅しの道具に使った歴史がある。例えば、ドワイト・アイゼンハワーは1953年に大統領となった直後、泥沼化した朝鮮戦争から抜け出そうと考え、中国...
現代の米国

国務省高官としてウクライナ乗っ取りを画策したヌランドがCIA資金を扱うNEDへ

国務省高官としてウクライナ乗っ取りを画策したヌランドがCIA資金を扱うNEDへ  対ロシア戦争の一環としてウクライナを乗っ取る工作を指揮してきたネオコンのひとり、​ビクトリア・ヌーランドがNED(全国民主主義基金)の理事会メンバーに就任すると発表された​。彼女は国務次官に任命する前の2018年から21年にかけてもNEDの理事を務めている。  NEDはCIAが工作資金を流す仕組みのひとつで、1983年11月に創設されている。第2次世界大戦後、世界では大戦後の混乱を利用して植民地が次々と独立、欧米の巨大企業が利権を失い始めた。その利権を守るためにCIAはファシストや犯罪組織などと手を組み、利権を維持拡大するために配下の軍人を使ったクーデターを実行していく。  しかし、1970年代になると、そうしたクーデターに対する批判がアメリカ議会でも強まり、やり方を変える必要性が生じた。そこでロナルド・レーガン政権のCIA長官、ウィリアム・ケーシーは1983年に民主化や人権を看板に掲げて民間を装った組織の創設を考える。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mi...
現代のロシア

「ロシアの勝利はヨーロッパを解放するだろう」-フランスのトップ歴史家 エマニュエル・トッド

「ロシアの勝利はヨーロッパを解放するだろう」-フランスのトップ歴史家 エマニュエル・トッド フランスの人類学者エマニュエル・トッド氏は火曜日にイタリアの報道機関コリエレ・ディ・ボローニャ紙のインタビューで、ウクライナの敗北はヨーロッパ全体の勝利を意味すると主張した。 トッド氏は、モスクワを明確に支持しているわけではないと強調しているが、同氏によれば、もしロシアがウクライナ紛争で敗北すれば、「ヨーロッパ諸国のアメリカへの服従が1世紀にわたって続くことになる」という。 この著名な知識人は、ヨーロッパは事実上、西側諸国の代表権を米国に委譲し、それ以来ずっとその代償を払ってきたと主張している。インタビューの中で彼は、ウクライナ紛争が続いているため、現時点ではこの事実を変えることはできないと主張しているが、その結果が「ヨーロッパの運命を決める」だろうと示唆している。 「もし私が信じているように、米国が敗北すれば、NATOは崩壊し、ヨーロッパは自由になるだろう」とトッド氏は同メディアに語り、ロシアがドニエプル川沿いに拠点を築いた後、西ヨーロッパを軍事的に攻撃せざるを得なくなる可能性は低いと指摘した...