2024-06-09

現代の欧州

ヨーロッパは最終的に米国とBRICSのどちらかを選ばなければならないだろう

ユーラシア諸国は、ロシアがウクライナで目的を達成することをほとんど恐れる必要はない。SCO 内で新たに出現した相互安全保障空間は、大国関係の戦略的安定性、地域安全保障システム (ロシアが湾岸で提案しているようなシステム)、テロのリスクなど、いずれの点でも、大陸 (当面は西ヨーロッパを除く) をはるかに安定させるだろう。BRICS グループ内の新しい金融協定は、メンバー間のドルを使わない取引をより安全にするだろう。ユーラシア全域に広がる新しい物流は、世界最大で最も多様性に富んだ大陸内でのより良い接続性を提供することができる。最終的には、西ヨーロッパ諸国 (あるいは、お好みで極西ユーラシア) は、アメリカの力が縮小し続ける中でアメリカの勢力圏に留まるか、東に向かい、隣にある広大で活気に満ちた新しい世界に向かうかの選択を迫られるだろう。ドミトリー・トレーニン:ヨーロッパは最終的に米国とBRICSのどちらかを選ばなければならないだろう外部勢力がユーラシアを支配していた時代は終わりに近づいている。大陸の「極西」の国々はすぐに目を覚ます必要があるだろう。ファイル写真:(左から)リシ・スナック英首相...
現代の米国

真実を教えよう! 米国がウクライナ追加支援を決めた「3つの隠蔽された目的」

ジョー・バイデン再選につながる国内雇用のため、ウクライナ戦争支援にカネを出すというのは、「カネで票を買い、ウクライナで命を奪うということ」を意味していることになる。本当は、バイデン大統領は大きな過ちを犯している。それは、2022年2月24日にはじまったロシアによるウクライナへの全面侵攻を停止し、和平合意を締結させる絶好のチャンスを逸したとことだ。「ロシアの弱体化」という目的のために、ウクライナ戦争の継続を望んだのである。しかし、それだけではない。米国がウクライナ支援を継続し、戦争を長引かせている背後には、今後の戦争に備えて最新兵器を開発するための実験を行うという狙いがあるのだ。日本のマスメディアは報道しないが、ウクライナ戦争は自律型兵器の実験場となっている。米国は2017年から人工知能(AI)を戦争に持ち込むプロジェクト、「プロジェクト・メイヴン」(Project Maven)に着手している。真実を教えよう! 米国がウクライナ追加支援を決めた「3つの隠蔽された目的」2024年4月20日、米下院は総額953億ドルの大規模な支援策を可決した。そのなかには、ウクライナへの608億ドル、イスラ...
現代の米国

誰も書かないから私が書いた~帝国主義アメリカの野望

不可思議なのは、こんなアメリカが自由や民主主義を尊重すると称して、リベラルデモクラシーを世界中に普及させようとしてきた一方で、その帝国主義的な側面について批判的に解説する書物が極端に少ないことである。とくに、日本では、アメリカ批判が忌避されている。つまり、アメリカの事実上の「属国」と化した日本では、「宗主国」たるアメリカ政府を批判できないムードが漂っているように思われてならない。アメリカ政府を怒らせると、さまざまな制裁が現実に執行されて大変な目に遭いかねないという雰囲気が横溢(おういつ)しているのだ。誰も書かないから私が書いた~帝国主義アメリカの野望帝国主義、アメリカ2024年5月14日付の「ワシントン・ポスト」の記事のなかに、「いまや中国のメディアやコメンテーターは、アメリカを 「美国」ではなく「美帝」と揶揄している」という、興味深い記述があった。「美国」の発音は、「メイグォ」(Meiguo)だが、「美帝」は「メイディー」(Meidi)と発音する。もはやアメリカは「美しい国」でも何でもなく、「アメリカ帝国主義」(美帝國主義)の国として批判の的となっているのだ、少なくとも中国では。帝国...
現代の世界各国

6月9日、オイルダラーの終焉が告げられる

2024年6月、サウジアラビアは、1974年6月6日に調印され、2024年6月9日に期限を迎える50年間のオイルダラー協定の終了を意味する、すべての米ドル建て石油販売の停止を発表する見込みです。この協定を更新しないという決定は、サウジアラビアが最近BRICSに招待され、脱ドル化に向けた動きを見せていることに起因しています。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、サウジアラビア政府が石油取引で米ドルを受け入れないことを通告しました。つまり、2024年6月9日以降、サウジアラビアは、中国人民元や インド・ルピーなど、どの通貨でも自国の石油を売ることができるようになるのです。6月9日、オイルダラーの終焉が告げられる画像:ドル紙幣、フリーエピック50年の時を経て、ひとつの時代の終わりが近づいています。米国とサウジアラビアの間のオイルダラー協定は6月8日に終了し、延長されることはありません。莫大な金を購入しているBRICS諸国は、ここ数年で必要な準備を整えてきたのでしょう。1974年6月8日、アメリカ合衆国とサウジアラビア王国は、金本位制の終焉後も米ドルが世界的に主導的な役割を果たし...