
国際プロパガンダの研究
JOG(229) 国際プロパガンダの研究文書偽造から、外国人記者の活用まで、プロパガンダ先進国・中国に学ぶ先端手法。■1.エドガー・スノー■ 世界を征服するには、まず中国を征服しなければならぬ≪田中手記≫ 1941(昭和16)年、大東亜戦争開戦の年の春にアメリカのランダム社から出版されたエドガー・スノー(冒頭画像)による「アジアの戦争(The Battle for Asia)」の第一編第一章の冒頭に引用されたセリフだ。「アジアの戦争」とは日本の「世界征服計画」の第一ステップだと言うのである。 エドガー・スノーは1936年、中国共産党の支配する大陸奥地に潜入して、毛沢東とのインタビューに成功し、翌年出版した「中国の赤い星」は英米でベストセラーとなった。「私は、着くとすぐに毛(沢東)と会った。その姿はやせたリンカーンのように見えた」という見事な一節で、中国の共産主義者は、ロシアの革命家のような「血に飢えた権力主義者」ではなく、「良心的な民主主義者」であると印象づけた。 その中国を侵略する日本人を「アジアの戦争」では次のように描写する。 神道の教えを基にする武士道を信ずるサムライたちは、百年...