
国際関係論の諸理論からトランプ政権の外交政策を予想する論稿を紹介する:トランプ政権の動きによってアメリカは世界の警察官を辞め、各国は協調し出す
国際関係論の諸理論からトランプ政権の外交政策を予想する論稿を紹介する:トランプ政権の動きによってアメリカは世界の警察官を辞め、各国は協調し出す 今回は、国際関係論の泰斗、ハーヴァード大学教授のスティーヴン・M・ウォルトによる、国際関係論の理論を使っての第2次ドナルド・トランプ政権の分析を行っている論稿をご紹介する。ウォルトによると、2つの理論で説明できるということで、1つの理論は「力の均衡・脅威理論(balance-of-power/threat theory)」、もう1つは「(the theory of collective goods)」だ。脅威の均衡理論の論理は単純明快で、中央権力のない世界では、ある国家が強くなりすぎると、その国家が利用可能な権力をどのように使うか不透明なため、全ての国家が懸念を持つ傾向がある。弱小国は強国を牽制し、攻撃される場合には団結して抵抗しようとする。特に、近隣に悪意を持つ強国が存在する場合、バランスをとる必要性は強まる。この理論は、アメリカが第二次世界大戦以来、世界最強の経済・軍事大国であったにもかかわらず、ほとんどの国がアメリカとバランスを取るよりも...