2025-05-02

現代の日本

トランプ圧力のおかげで脱米国経済依存が加速。日本が新・国際秩序の柱となる可能性=斎藤満

トランプ圧力のおかげで脱米国経済依存が加速。日本が新・国際秩序の柱となる可能性=斎藤満トランプ政権が永続することはないにせよ、今後も最大で4年弱トランプのアメリカ第一主義と付き合うことになります。経済がこれに飲み込まれないよう、脱米国経済化を進める必要があります。トランプ関税が米国の鎖国化、経済の衰退を招くとすれば、日本としては米国経済に多くを依存しない経済を作る必要があります。その場合、国内需要を拡大する道と、米国以外の国々との間で貿易の自由化を進める2つの道があります。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)トランプ戦略を利用した内需拡大策24日にワシントンで行われた日米財務相会談では、トップ・アジェンダが円安修正、ついで消費税となりました。トランプ政権の優先順位がここにあり、日本は円高シフトのための日銀利上げ、消費税の引き下げが最重要な交渉カードになります。これに農産物市場の開放、自動車の規制緩和などが続きます。これまで日本経済を支えてきた輸出が、最大のマーケットである米国向けで制約が強まるならば、そして円安が円高に転換するならば、日本経済の構造自体を輸出依存型から内需主導型に変え...
現代の米国

なぜトランプ支持は激減しない?強制送還、経済不安、中国禁輸でも「動じない層」の正体=高島康司

なぜトランプ支持は激減しない?強制送還、経済不安、中国禁輸でも「動じない層」の正体=高島康司米国内で広がっているパニックを紹介する。しかし、それにもかかわらず米国内でトランプの支持率は思ったほど下がっていない。その理由を福音派のメンタリティーから探る。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)米国に広がる不安とパニックトランプ政権下のアメリカでは、大きな混乱とパニックが広まっている。トランプが大統領に就任してから、とにかく毎日のように大きな出来事が起こっており、それにアメリカ国民は翻弄されている。いくつか際だった動きを紹介しよう。日本ではまったく報道されていないものが多い。強制送還のパニック4月12日、ホワイトハウスはアメリカ合衆国の新しい連邦規則を発表した。30日を越えて米国内に滞在する予定のある外国出身者は、事前に連邦政府への登録を義務づけた。ちなみに観光ビザでアメリカに入国した場合、滞在期間は最大で6カ月である。90日以内であれば、ビザの申請は必要はない。新しい連邦規定は、既存の観光ビザの規定よりもはるかに厳しい。第二次世界大戦時の「外国人登録法」をモデルにし...
現代の米国

米貿易赤字は貿易相手国のせいだろうか? 米ドル基軸と製造業空洞化

米貿易赤字は貿易相手国のせいだろうか? 米ドル基軸と製造業空洞化色々な種類の米ドル紙幣(写真:beauty_box/イメージマート)トランプ大統領は黒字の対米貿易国すべてが米国に貿易赤字をもたらしたとして4月2日に相互関税を課すと発表した。報復関税を宣言した国・地域には厳罰が待っているとしたにもかかわらず、中国が報復関税をかけてきたため、今ではあたかも米中関税合戦の様相を呈しているが、トランプ関税は同盟国をも含めたすべての対米貿易黒字国を相手にしているので、決して中国にターゲットを絞ったものではない。しかし、米国の貿易赤字は、そもそも貿易相手国のせいだろうか?相手が悪いのだろうか?2018年10月9日、すなわちトランプ1.0時代だった時に、FRB(Federal Reserve Board,連邦準備制度理事会)の構成銀行の一つであるセントルイス連邦準備銀行はすでに<米国の貿易赤字の根源を理解する>の中で、「現在の国際通貨システム(米ドル基軸)は、米国における永続的な貿易赤字の根本的な原因である」と断言している。また今年4月12日に、ポルトガルのブルーノ・マサンイス(哲学者、政治家)は、...
科学論

ついにここまで絞られた!「ナゾの物質」ダークマターの正体とは…?「最有力候補」を科学的検証とともに一挙解説!

ついにここまで絞られた!「ナゾの物質」ダークマターの正体とは...?「最有力候補」を科学的検証とともに一挙解説!どうやってダークマターを見つけるのか先の記事で、理論的に予言されるダークマターの有力候補について、ちょっとだけご紹介しました。本記事では、それぞれについて詳しく説明してみたいと思います。最も有力な候補と目されているのは、WIMPと呼ばれる未発見の素粒子です。「弱い相互作用をする重い粒子」という意味の英語の頭文字を取って、そうした性質をもつ粒子の総称として名付けられました。重さは、陽子の100倍(約100GeV)程度以上です。他の粒子との相互作用が弱すぎて散乱の頻度が低くて見つけられない粒子なのです。英語の単語wimp自体が弱虫という意味なので、名は体を表していますね。具体的な粒子としては、まだ仮説である超対称性理論に現れる光子、もしくは、Z粒子かヒッグス粒子の相棒の総称であるニュートラリーノが、WIMPの候補として注目されています。photo by iStockニュートラリーノの見つけ方は単純です。キセノン原子などの重い原子核を数トンも用意して、ニュートラリーノがぶつかってく...