
トランプ大統領の外交政策が無秩序ではなく計算されたものである理由
ドミトリー・トレーニン:トランプ大統領の外交政策が無秩序ではなく計算されたものである理由アメリカの新たな現実主義はロシアとの平和と中国への注力を意味するドミトリー・トレーニン氏 (高等経済学院研究教授、世界経済・国際関係研究所主任研究員)。ロシア国際問題評議会(RIAC)メンバーでもある。ドナルド・トランプ米大統領は2025年4月25日、ワシントンD.C.でホワイトハウスを出発する際に記者会見を行った。 © Getty Images / Getty Imagesドナルド・トランプ氏の第二期大統領就任から100日間、彼を革命家と評する論評が相次いだ。確かに、彼の行動のスピード、圧力、そして決意は目を見張るものがある。しかし、この見方は表面的なものだ。トランプ氏はアメリカ国家や社会の基盤を解体しようとしているわけではない。むしろ、リベラルエリートが遥か昔にユートピア的な国際主義へと転向させた、グローバリズム以前の共和国の復活を目指しているのだ。この意味で、トランプ氏は革命家ではなく、反革命家、つまりリベラル時代の行き過ぎを覆そうと決意したイデオロギー修正主義者なのだ。国内では、トランプ大...