2025-05-03

現代の米国

トランプ大統領の外交政策が無秩序ではなく計算されたものである理由

ドミトリー・トレーニン:トランプ大統領の外交政策が無秩序ではなく計算されたものである理由アメリカの新たな現実主義はロシアとの平和と中国への注力を意味するドミトリー・トレーニン氏 (高等経済学院研究教授、世界経済・国際関係研究所主任研究員)。ロシア国際問題評議会(RIAC)メンバーでもある。ドナルド・トランプ米大統領は2025年4月25日、ワシントンD.C.でホワイトハウスを出発する際に記者会見を行った。 ©  Getty Images / Getty Imagesドナルド・トランプ氏の第二期大統領就任から100日間、彼を革命家と評する論評が相次いだ。確かに、彼の行動のスピード、圧力、そして決意は目を見張るものがある。しかし、この見方は表面的なものだ。トランプ氏はアメリカ国家や社会の基盤を解体しようとしているわけではない。むしろ、リベラルエリートが遥か昔にユートピア的な国際主義へと転向させた、グローバリズム以前の共和国の復活を目指しているのだ。この意味で、トランプ氏は革命家ではなく、反革命家、つまりリベラル時代の行き過ぎを覆そうと決意したイデオロギー修正主義者なのだ。国内では、トランプ大...
科学論

このまま膨張し続けたら、宇宙はどうなってしまうのか…「最悪のシナリオ」と「人類に残された希望」

このまま膨張し続けたら、宇宙はどうなってしまうのか…「最悪のシナリオ」と「人類に残された希望」宇宙全体の70%を占めるダークエネルギー前の記事で述べたように、ダークエネルギーもしくは宇宙定数が現在の宇宙に占める割合は、観測から約70%です。このダークエネルギーの多さが、インフレーションと同様に、現在の宇宙で、宇宙の加速膨張を引き起こしています。Ia型と呼ばれる超新星爆発からの光を観測すると、宇宙の大きさが1/3から1/2の昔と比べて、現在の宇宙年齢に近づけば近づくほど、加速膨張がどんどん激しくなってきていることがわかってきました。Ia型とは、恒星の終末期の1つの姿である白色矮星にガスが降り積もって臨界質量を超えることで爆発するタイプの超新星爆発です。1998年に同時に発表された宇宙の加速膨張を示す観測データの業績により、アメリカのソール・パールムッター博士たちと、オーストラリアのブライアン・シュミット博士とアメリカのアダム・リース博士たちの2つのグループに2011年、ノーベル物理学賞が与えられました。photo by iStockダークエネルギーは、現在では宇宙全体のエネルギーの70%...