2025-05-16

現代の世界各国

115%の関税引き下げ トランプ最大の誤算は「中国の報復関税」か 日本は?

115%の関税引き下げ トランプ最大の誤算は「中国の報復関税」か 日本は?スイスで米中貿易協議 追加関税の一時引き下げで合意 米側記者会見(写真:ロイター/アフロ)5月12日、米中関税交渉の結果、互いに90日間115%もの関税引き下げを行うという劇的な発表があった。5月7日にトランプ大統領は対中関税145%を引き下げるかと聞かれ「ノー!」と断言し、その2日後の5月9日には「80%まで引き下げるのが適当かもしれない。ベッセント次第だが」と投稿したばかりだ。喧嘩を吹っ掛けた方から引き下げるとは言えないので、ベッセント財務長官のせいにして、その実、トランプは切羽詰まった状況に追い込まれていたものと考えられる。なぜなら5月9日には145%関税を受けた中国貨物船が米国の港に着いており、まさに米国の店に並ぶ商品が全面的に値上げする直前だったからでもある。また、4月23日に米メディアのCBSはウォルマートなどのCEOがトランプ大統領に関税のせいで間もなくスーパーの棚が空になると警告していたと報じている。そうなれば反トランプ運動が爆発するのは目前だった。米国から中国製品を追い出すことなど、できるはずも...
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米国に日米地位協定改定を拒む法学的根拠はない 東京外国語大学名誉教授・伊勢崎賢治

米国に日米地位協定改定を拒む法学的根拠はない 東京外国語大学名誉教授・伊勢崎賢治 先日、NHK『日曜討論』に、れいわ新選組を代表して出演した。トランプ関税――アメリカとのディール(取引)をどうするのか――が議題だったが、自民党からは小野寺五典元防衛大臣が出席されていた。 僕は、トランプ関税の謳い文句である「レシプロカル(互恵性、法的対等性)」を逆手にとり、「日米地位協定をレシプロカルに変える」ことを提案した。アメリカと法的に対等になること、つまり、アメリカの同盟国で唯一日本だけにある「アメリカの完全自由」がなくなるということだ。これをチラつかせながら関税交渉を有利に運ぶのはどうか? と。 第1次トランプ政権時に米紙『ブルームバーグ』が報じたものだが、沖縄の普天間飛行場の返還問題について問われたトランプは「Land Grabbing:土地の収奪」とのべ、「100億㌦の価値がある」といって日本側に補償を要求した。このときトランプは初めて「レシプロカル」について言及した。このメンタリティーは現在も変わっていないだろう。「日米安保をレシプロカルに変える」とトランプに言うチャンスにすべきなのだ。...
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「日米地位協定の改定を超党派で」 “互恵性”を謳うトランプに迫れ 安全保障専門家らが円卓会議を開催 主権放棄が招く戦場化

「日米地位協定の改定を超党派で」 “互恵性”を謳うトランプに迫れ 安全保障専門家らが円卓会議を開催 主権放棄が招く戦場化円卓会議を呼びかけた、(右から)柳澤協二、加藤朗、伊勢崎賢治の各氏(4月24日、衆議院議員会館) 石破首相が就任時に日米地位協定の改定に言及したタイミングを捉えて、「日米地位協定改定を超党派で」と題する円卓会議が4月24日、国会内で開かれた。安全保障や平和構築の専門家らでつくる「自衛隊を活かす21世紀の憲法と防衛を考える会」が主催し、呼びかけ人の柳澤協二(国際地政学研究所理事長、元内閣官房副長官補)、伊勢崎賢治(東京外国語大学名誉教授・元国連PKO武装解除部長)、加藤朗(元桜美林大学教授、元防衛研究所所員)の各氏が問題提起をおこなった。また、沖縄県知事公室から「他国地位協定調査」の報告【前号既報】を受け、国会議員も含めて日米地位協定の現状と米国に対して改定を提起するための課題について論議を深めた。80年続く占領状態に終止符を柳澤協二氏 はじめに主催者を代表して柳澤協二氏が超党派による円卓会議開催の意図を説明した。 日米地位協定をめぐっては、2018年、米軍基地等が所在...
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占領期から変わらぬ主権なき日米地位協定の改定を 沖縄県「他国地位協定調査」報告にみる 駐留軍に「国内法適用なし」の異常

占領期から変わらぬ主権なき日米地位協定の改定を 沖縄県「他国地位協定調査」報告にみる 駐留軍に「国内法適用なし」の異常住宅地に隣接し、広大な面積を持つ米空軍嘉手納飛行場・弾薬庫(沖縄県) 日本に駐留する米軍関係者による公務中の事故・事件は日本側に捜査権や刑事裁判権がない、米軍基地経由の出入国は出入国審査の対象外、米軍は日本の民間空港を自由に使用可能、米軍機の飛行は日本の航空法の適用除外――これら数々の不条理を規定する日米地位協定は、1960年の日米安全保障条約改定に基づき在日米軍の地位を保障するために結ばれて以来、65年間一度も改定されていない。昨年、石破首相が就任会見で「地位協定の改定」に言及したことを踏まえ、「日米地位協定の改定を超党派で」と題する円卓会議が4月24日、国会内で開かれた。主催は「自衛隊を活かす21世紀の憲法と防衛を考える会」(呼びかけ人/伊勢崎賢治、柳澤協二、加藤朗)。与野党の国会議員に呼びかけ、地位協定改定を米国側に提起するための日本側の合意点を探った。会議では論議の土台として、沖縄県知事公室基地対策課・又吉信統括監が、沖縄県が独自に実施した「他国地位協定調査」の...