2025-08-29

現代の世界各国

「トランプ関税」と習近平「漁夫の利」 その1:接近する中印

「トランプ関税」と習近平「漁夫の利」 その1:接近する中印インドのモディ首相と中国の習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)トランプ大統領は非常事態宣言をすることによって米議会を通さずにSNSと大統領令に基づいてのみ対米貿易相手国に高関税を宣言してきた。7月31日の大統領令では「中国以外の対米貿易国に対する関税」を公表。8月7日から実施されている。中国だけが優遇されて関税賦課猶予期間を11月10日まで延期されているのは、たとえば4月13日の論考<米軍武器の部品は中国製品! トランプ急遽その部品の関税免除>や4月16日の論考<中国最強カードを切る! 「米軍武器製造用」レアアース凍結から見えるトランプ関税の神髄>に書いたように、米軍の武器が中国製部品や中国産のレアアースなしでは製造できないという事実があるからだろう。習近平の機嫌を損ねるわけにはいかない。その習近平は「トランプ関税」が全世界の対米貿易相手国を対象としているために、「漁夫の利」を得ている。本シリーズでは「漁夫の利」を得ている対象を大きくいくつかに分けて、詳細に考察していきたい。「その1」はまずインドを対象とする。◆50%高関税...
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なぜ中国とインドは“急接近”したのか?「トランプ関税」と「米国の印露貿易への牽制」が背中を押した皮肉

なぜ中国とインドは“急接近”したのか?「トランプ関税」と「米国の印露貿易への牽制」が背中を押した皮肉世界の主要メディアでも大きく報じられた、習近平国家主席のチベット自治区訪問。中国中央政府と同自治区との間には「微妙な関係」が存在することは周知の事実ですが、習主席がこの地を訪れた背景にはどのような事情があるのでしょうか。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では著者の富坂聰さんが、その裏側に中印関係の改善があると指摘。さらに両国の接近を後押しした要因を読み解いています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:国家主席のチベット訪問を可能にした中国とインドの接近中国とインドが急接近。習近平のチベット訪問を可能にした遠因8月21日、習近平国家主席が西蔵(チベット)自治区の拉薩(ラサ)市を訪れた。西蔵自治区成立60周年に合わせ、ポタラ宮広場での60周年祝賀大会に出席するためだ。同行した王滬寧中共中央政治局常務委員(全国政協主席、中央代表団団長)は演説のなかで、「西蔵は全国と共に貧困脱却の難関攻略戦に勝利し、小康社会を全面的に完成させ、経済・社会発展...