日本

日本の技術

「小さな世界一企業」一千社

こういう「小さな世界一企業」が多数あることは、我が国の誇りであり、また強みである。中小企業は日本の雇用の88%を占める。全国津々浦々の中小企業が、それぞれの事業分野で「小さな世界一企業」を目指すことが、精神的にも物質的にも豊かな国作りにつながっていくだろう。我が国には世界トップシェア、世界トップ技術を誇る中小企業が千社以上ある。「小さな世界一企業」一千社■1.「小さな世界一企業」千社 経済産業省の内部資料によると、日本には世界シェア・トップの中小企業が100社以上あるという。さらに政府系金融機関が把握している世界トップレベルの技術を持つ企業を含めると、千社を超えるという推計もある。 弊誌では、今まで、瀬戸大橋やスカイツリーなどで使われている「絶対ゆるまないネジ」を開発したハードロック工業(社員50名弱)、100万分の1グラムの歯車を作った樹研工業(70名)、痛くない注射針を開発した岡野工業(6名)を紹介してきた。 近年はエレクトロニクス分野ではソニーやパナソニックなどが一時ほどの存在感を失い、アップルやサムスンなどにお株を奪われたように見えるが、これらの外国企業も部品レベルでは多くの日...
日本の文化

新幹線清掃員のプライド

掃除という誰にでもできそうな簡単な作業の中にも、リスペクトとプライドを見出し、そこから知恵やアイデアを出させる。そこに日本人の深い職業観がある。今や世界がそれを学び始めている。「私はこの会社に入るとき、プライドを捨てました。でも、この会社に入って、新しいプライドを得たんです」新幹線清掃員のプライド■1.「彼らの文化と教育。ブラボー!」 サッカー・ワールドカップで、日本チームは初戦コートジボワール戦で惜しくも逆転負けを喫したが、試合後、日本のサポーターが世界を驚かせた。 応援するチームが負けると、サポーターが怒りをあらわにしてイスを蹴ったり、物を投げたりする事が少なくない中で、日本サポーターたちは自ら持参したビニール袋を広げて、ゴミ拾いを始めたのだった。 アメリカのあるテレビ放送局が自社サイトで、2枚の写真と共に「その作業は徹底されていて、負けたチームのサポーターなのにもかかわらず非常に上品な行動だ」と報じた。この写真がネット上に数多くアップされ、コメント欄に英語やスペイン語などで次のような書き込みがあった。「彼らの文化と教育。ブラボー!」「日本は最高だ!」「彼らはとても礼儀正しい。私た...
日本の文化

生きる力を引き出す授業(下)~ 国語を通じて生徒は「共に生きる力」を伸ばしていく

国語力があるのとないのとでは、他の教科の理解力が大きく違ってきますからねえ。数学でも物理でも、深く踏み込んで、テーマの真髄に近づいていこうとする、前に進もうとする力こそが“学ぶ力の背骨”であり国語力だと思います。社会に出て『自分はこんな人間だ』とか、『ここでこんなことをしたいんだ』と表現する力も国語ですから。国語力は“生きる力”と置き換えてもいい。どんなに時代や環境が変わっても、背骨がしっかりしていれば、やっていけるんです。だから、まず中学に入学したら、何を差し置いても、生徒には国語を好きになってほしかったんです。「国語はすべての教科の基本です。『学ぶ力の背骨』なんです」生きる力を引き出す授業(下)~ 国語を通じて生徒は「共に生きる力」を伸ばしていく■1.「たつみ」とはどの方向ですか? 1冊の薄い文庫本を中学の3年間で読み上げる、という聞いたこともない国語の授業のやり方に、初めは「大丈夫なんやろうか?」と顔を見合わせていた生徒たちも、2週間もするとその心配が杞憂であることに気がついた。「丑(うし)」というたった一文字から、十干十二支という古代中国の話に飛び、それが年号に使われると「甲子...
日本の文化

生きる力を引き出す授業(上) ~ 伝説の国語教師・橋本武

すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなります。そういうことを私は教えようとは思っていません。なんでもいい、少しでも興味をもったことから気持ちを起こしていって、どんどん自分で掘り下げて欲しい。私の授業では、君たちがそのヒントをみつけてくれればいい。そうやって自分で見つけたことは、君たちの一生の財産になります。そのことは、いつかわかりますから、、、「一緒に『銀の匙』を読んだ生徒がねえ、還暦過ぎても、みんな前を向いて歩いている。それが何よりも嬉しい。」生きる力を引き出す授業(上) ~ 伝説の国語教師・橋本武■1.「平常の力さえ出せれば、東大なんてへっちゃらだ」「伝説の国語教師」と呼ばれている人がいる。神戸の灘校で50年間も国語を教え、各界で活躍する多くの教え子たちが「橋本先生の国語授業があったからこそ、ここまで出来た」と感謝する。橋本先生がどのような授業をしたのかを見ていく前に、授業の成果を見てみよう。 灘中・灘高では一つの学年を各教科一人の先生が、卒業まで6年間担当する。昭和43(1968)年、橋本先生が独自の国語教育を始めて3回り目に担当した約200人の卒業生のうち、112人が現役で東大...
日本人の世界観

伊勢の神宮が示す理想の生き方

そこは神々と自然と人が支え合う、物心豊かな共同体。伊勢の神宮が示す理想の生き方■1.伊勢神宮の「自給自足経済」 伊勢の神宮に参拝すると、参道を囲むうっそうとした巨木に太古の自然を感じます。しかし、実はこれは伊勢神宮の森のごくごく一部だそうです。参拝者が訪れるのは約7ヘクタールの宮域ですが、森全体はその800倍近く、総面積5500ヘクタール、東京ドーム1200個分、世田谷区とほぼ同じ面積の深い森が広がっているのです。 この深い森と、その中を流れる五十鈴川、そして五十鈴川が伊勢湾に流れ込む二見浦、それらのごく一部に農林水産業のすべての要素があり、伊勢神宮の「自給自足経済」が実現されています。 伊勢神宮で長らく神事に携わり、神宮徴古館・農業館・せんぐう館の館長を歴任された吉川竜実氏は、その様子をこう説明されています。__________ 稲作用の田が神宮神田(しんでん)、野菜や果樹が育つ畑が神宮御園(みその)。ここで収穫された農産物は、毎日二回おこなわれる日別朝夕大御饌祭(ひごと・あさゆう・おおみけさい)をはじめとする日々の神事の際の神饌(しんせん、神さまの食事)となります。・・・栄養分たっ...
日本の技術

日本の橋梁技術は世界一! 海外への貢献

日本の橋梁技術の海外貢献前稿で紹介しましたように、日本の橋梁技術は世界トップです。そして、橋梁を建設する技術だけではなく、その地域の実情や期待に合わせて対応する、【三方よし】の精神に基づいたビジネス、業務を行い、貢献しています。このような日本の素晴らしい技術と精神を世界の国々が放っておくはずがなく世界中の様々な国が日本に橋の建設を要請しています。以下に、このような実例を紹介します。バングラディシュ・・・カチプール・メグナ・グムティの3橋近年、経済発展が著しいアジアの発展途上国は、インフラ建設が急務な課題となっています。バングラディシュもそんな国の 一つです。かつてバングラディシュでは1970年か1990年代にかけて日本の大林組が首都ダッカと第二の都市チッタゴンを結ぶカチプール・メグナ・グムティの3つの橋を建設したという歴史があります。この3つの橋はバングラディシュの人口の3割とGDPの5割を運ぶ極めて重要なインフラです。しかし、この3橋は1970年代から1990年代にかけて建設されたもので、老朽化の恐れがあることとバングラディシュが大きく経済発展を遂げたことにより橋の容量が足りなくなり...
日本の技術

日本の橋梁技術は世界一! 日本国内の橋梁

日本の橋梁技術日本には河川や湖沼が多いことから数々の橋が作られており、また、地震や台風、河川の氾濫など自然災害の多い国なので、これらの災害にも耐えられる橋を建設することが求められてきました。近代以前は、「木橋」と呼ばれる、主要部材に木材を用いた橋が一般的でしたが、高度成長期以降は交通量が増加し、コンクリートや鋼材を材料とする橋に置き換えられ、そのほとんどが姿を消しています。しかし、1987年の建築基準法改正以降は、従来の無垢材に加えて集成材の利用が可能となり、矢ケ崎大橋のような支間長50mを越える橋も建設されています。これらは従前の伝統的木橋と区別して「近代木橋」と呼ばれることもあります。20世紀初頭は日本の橋梁技術は、欧米に比べて半世紀は遅れていると言われていました。しかし、明治維新以降、軽量で強度の高い橋梁を建設することができる技術が海外からもたらされ日本の持つ独自の技術力が加わることによってその技術は、急激に発展を遂げました。そして、今や日本の橋梁技術力は世界一と賞賛され、世界各国から必要とされています。日本国内の橋梁建設世界のトップクラスの長大橋がならぶ本四連絡橋明石海峡大橋南...
日本人の世界観

木々は語り合い、助け合っている

栄養と光を分かち合い、互いに助け合っている木々の「和」の世界。しかし、それを荒廃させている現代日本。木々は語り合い、助け合っている■1.木々は栄養分を分かち合っている。「木々は根を通じて栄養分を交換したり、害虫の襲来を警告して、互いに助け合っている」-最近の科学で明らかになってきた植物の生態です。これらを知ると、植物の見方が変わります。 ドイツの森林管理官ペーター・ヴォールレーベンによる『樹木たちの知られざる生活』は、こんな驚くべき光景から始まっています。数百年に切り倒されたブナの切り株の樹皮の一部を剥がすと、その下に葉緑素の層が現れて、木がまだ「生きて」いるというのです。__________だが、私が見つけた切り株は孤立していなかった。近くにある樹木から根を通じて手助けを得ていたのだ。木の根と根が直接つながったり、根の先が菌糸に包まれ、その菌糸が栄養の交換を手伝ったりすることがある。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 切り株だけでなく、日当たりのよい場所に生えている木が隣の日当たりの悪い場所に生えている木に栄養を補給することも行われています。こうした助け合いは、異なる種類の間の木々にも見られます。...
日本人の世界観

地球を救う自然観

日本古来からの自然観をベースとし、自然との共生を実現する新しい科学技術を世界に積極的に提案し、提供していくことが、日本のこれからの世界史的使命であるかもしれない。地球を救う自然観■1.日本は世界第2位の森林大国■ 1980年からの10年間、世界で毎年韓国の面積に匹敵する森林が失われてきた。このままのペースが続くと、あと100年後には、地球上には樹木が一本もなくなってしまう計算だという。 森林保護に関しては、我が国は世界でもトップクラスの優等生である。その緑被率(森林が国土に占める割合)は67%と、フィンランドの69%に続いて世界第2位。我が国の人口密度が1平方kmあたり332人と、フィンランドの16.7人の約20倍である事を考えれば、少ない面積をいかに森林の為に残しているか、よく理解できる。 ちなみに、お隣の中国は人口密度129人と、我が国の2/5の水準にも関わらず、緑被率はわずか14%。緑のダムと言われる森林が少ないため、水不足と洪水に悩まされている。一人あたりの水資源は世界平均の1/3以下であり、また91年の洪水では2623人が死亡、533万ヘクタールの耕地が水没している。  国土...
日本の文化

季節の変化と二十四節気

今日、2023年9月23日は、秋分の日です。 朝夕は涼しくなり、季節の変化を感じる候になりました。 四季のある日本の自然の趣に感謝しながら、「季節の変化」と「二十四節気」について考えてみます。季節はなぜ変化するのか? 昼と夜の変化がなければ1日という概念が必要ないように、季節に変化がなければ1年という概念は必要ないでしょう。 では、なぜ季節は変化するのでしょうか?距離の変化?太陽に近づくと夏、遠ざかると冬、ではありません。極端な楕円軌道の天体なら、距離の変化で季節が起こることもありますが、地球の軌道はほぼ円形で、距離はそれほど大きく変化しません。むしろ、太陽から最も遠く離れるのは7月上旬ごろ(北半球では夏) です。極端な楕円軌道が原因なら、北半球と南半球は同じ季節になることでしょう。地球の公転と自転地球の公転運動と自転運動地球は1年かけて、太陽の周りを回っています (公転)。地球自身も1日1回、回転しています (自転)。自転軸の向きは、地球の公転面 (黄道面) に対して垂直ではなく、約23.4°傾いています。この状態で地球が太陽の周りを公転すると、以下の状況が順に繰り返されます。北極側...
現代の日本

日本の資源確保戦略【自国資源開発】・・・実は資源大国?石灰石・ヨード・都市鉱山・尖閣諸島沖の原油や天然ガス・サハリン1サハリン2

日本は資源の無い国である、と言うのは事実ですが、その確保や調達はどのようにしているのか?今後どうなっていくのか?本当に資源は無いのか?・・・について探求したいと思います。第3回目は【自国資源開発】についてです。実は資源大国!? 世界トップ10にランクインする日本産出の地下資源世界有数の埋蔵量を誇る地下資源石灰石:100%自給の代表格国内需要を100%自給できる数少ない地下資源の代表格で、2020年の産出量は約1億3000万t(石灰石鉱業協会)。ほぼ全量が国内で消費され輸入に回されるのはごくわずか。半分がセメントの原料、約2割がコンクリート用骨材(砕石や砂利)として利用される。また、1割強は製鉄所で使用され、鉄鉱石から抽出されたドロドロに溶けた鉄(銑鉄)の中に投入し不純物(スラグ)を除去、いわば“あく抜き”材として使われる。このほかにも強い中和作用を応用し、火力発電所の排煙の中の亜硫酸ガスを無害化する脱硫装置で使用されたり、食品添加物として用いられたりする。石灰石の主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)で、古代に繫栄したサンゴ礁が堆積、その後長い年月を経て地殻変動などで地表面に出現した“生...
現代の日本

日本の資源確保戦略【天然ガス】・・・液化天然ガスLNGの長期契約、日本企業主体の液化天然ガス開発

日本は資源の無い国である、と言うのは事実ですが、その確保や調達はどのようにしているのか?今後どうなっていくのか?本当に資源は無いのか?・・・について探求したいと思います。第2回目は【天然ガス】についてです。日本は世界一エネルギー資源の確保に成功しているアメリカのウォールストリートジャーナル(wsj)が以下のような内容を報じています。「ロシアによるウクライナ侵攻の影響で特にヨーロッパ諸国は天然ガスの供給不足に陥っている。ロシアは天然ガスの輸出額及び埋蔵量が世界最大規模を誇る国である。2022年の天然ガス輸出額は約330億ドルで2位のカタール約205億ドルや3位のアメリカ約187億ドルを大きく上回る額となっており、ダントツで1位である。ロシアの天然ガスの主要輸出先となるのがヨーロッパで約7割を輸出している。EUがから見ても天然ガス輸入元の最大取引国はロシアとなっており輸入割合の約5割がロシアからであり、2位のノルウェーからの輸入割合が19.9%であることからもEUの天然ガス資におけるロシアへの依存度の高さがわかる。結果として、ヨーロッパ諸国はウクライナ侵攻によってかなり損害が出ている。この...
現代の日本

日本の資源確保戦略【原油】・・・油田権益の確保と長期契約、日本の技術供与

日本は資源の無い国である、と言うのは事実ですが、その確保や調達はどのようにしているのか?今後どうなっていくのか?本当に資源は無いのか?・・・について探求したいと思います。第1回目は【原油】についてです。UAE(アラブ首長国連邦)との関係油田権益の確保と長期契約日本ではあまり知られていませんが、UAE(アラブ首長国連邦)は日本と友好な関係にあり、日本への長期的、安定的な石油供給を実現している関係にあり、日本が権益を確保している油田があります。2021年の原油輸入量の統計では、トップはサウジアラビアの39.7%、2位がアラブ首長国連邦の34.7%です。他の中東諸国からの輸入を含めると中東依存度は約91.9%になります。UAE(アラブ首長国連邦)はアラビア半島にあり、イランやサウジアラビアとも国境を接している国です。OPECに所属し、サウジアラビアとの関係も強く、世界の石油供給に大きな影響力を持っています。UAEにはアブダビ油田というのがあり、日本が出資して開発することで一定の権益を買っています。1969年から50年以上もの期間、今に至るまでずっと権益を得ている。一般的には、権益の契約期間は...
日本の文化

大和心で日本女性が輝いた ~「全世界に感銘を与える作品」を生み出した平安時代

大和心で日本女性が輝いた ~「全世界に感銘を与える作品」を生み出した平安時代 なぜ、世界最古の長編小説『源氏物語』が、日本女性によって書かれたのか?■1.女性議員の比率を上げたら、、、 この3月頃、あれだけテレビや新聞を騒がせた立憲民主党の小西弘之議員の高市早苗・経済安全保障担当相に対する「放送法解釈変更疑惑」の問題は、どこに行ったのでしょう。誰が書いたのかも分からない、本人にも回覧されていない「行政文書」で追求するという筋の悪いシナリオで攻撃する小西議員と、ぶれない答弁をする高市大臣の力量の差は傍目にも歴然としていました。 現在の国会議員の女性比率は衆議院が約10%、参議院が23%で、世界の193カ国中166位と低い水準にあるそうです。そこで政府は2030年までに国会議員の女性比率を35%にするという目標を掲げているので、それが実現して、高市大臣のような女性議員が増えて、小西議員のような男性議員が減ったら、国会議員のレベルも大幅に向上するでしょう。 しかし、そううまくいくとも限りません。たとえば、逆に蓮舫、辻元清美、福島瑞穂各氏のような女性議員ばかり増えたら、民主党政権の悪夢再来とな...
日本の文化

「三方よし」が経済発展を導く

「三方よし」が経済発展を導く「三方よし」で各地に進出した近江商人が、江戸時代の全国経済を築いた。■1.大飢饉の中での普請 江戸後期の天保の大飢饉(1833 -1839] )の最中、琵琶湖東岸、現在の彦根市に隣接する豊郷(とよさと)町で住宅の改築と寺院仏堂の修理工事を始めた商人がいました。今で言えば、コロナ禍で企業倒産と失業者も増える中で、家を改築するようなものです。 起工を知った彦根藩は飢饉に苦しむ人々を無視した傍若無人の振舞いとして、役人を派遣して咎めようとしました。しかし、役人が現地に行ってみると、工事の従事者には賃金を与え、家族にまで雑炊を振る舞っていたのです。 飢饉で人々が困っている時に、単に施しをするのではなく、仕事を作ってその対価として工賃を支払うというやり方には、相手の立場への思いやりが籠もっていました。工事をしたのは、地元の近江商人・7代目藤野四郎兵衛。派遣された役人は四郎兵衛の義挙を嘆賞し、地元民もこの一時を「藤野の飢饉普請」と呼んで、後世まで語り伝えました。■2.「サクラやカエデ?」 こうした義挙は、近江商人の歴史には事欠きません。現在の東近江市に寛政元(1789)...
日本の文化

白露

2023年の白露は、9月8日から9月22日です。白露は二十四節気のひとつ。二十四節気は季節の移り変わりを知るためのもので、約15日間ごとに24に分けられています。白露は毎年9月7日頃~9月22日頃にあたりますが、日付が固定されているわけではありません。二十四節気は1年を太陽の動きに合わせて24等分して決められるので、1日程度前後することがあるからです。なお、白露といっても、白露(二十四節気の第15)から秋分(二十四節気の第16)までの期間をさす場合と、「今日は白露です」のように白露に入る日をさす場合があります。少しずつ秋めいてくる時期。空気中の水蒸気が冷えて露となり、白く見えてくる。朝晩の温度差が大きくなって露を結ぶ様子を「白露(はくろ)」という。現代の暦で9月8日ごろを指す。残暑の中にも秋の気配を感じる。9月は和風月名で、「長月(ながつき)」と呼ぶ。夏至が過ぎて、9月になると急に夜が長く感じられることから「夜長月」となり、変化して「長月」と呼ぶようになった。重陽の節句(9月9日)五節句の一つで「菊の節句」とも言われ、長寿を祈る日。中国の陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)では奇数は「陽...
現代の日本

「和の国」を築く「三方良し」経営

「和の国」を築く「三方良し」経営「明るい希望を持つ青年の比率が先進国中最低」という事態から脱する道。■1.「自分の将来に明るい希望を持っていますか」 内閣府による平成30年度の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」によれば、「自分の将来について明るい希望を持っていますか」という設問に「希望がある」18%、「どちらかといえば希望がある」42.6%で、先進7か国中では最低の数値でした。 これまで短期業績指向、派遣社員・パート・アルバイト化、生産拠点の海外移転といった「株主良し」経営こそ最先端の経営ともてはやされてきましたが、その結果が経済の長期停滞であり、貧富の差の拡大であり、若者の希望喪失なのです。 経済協力開発機構(OECD)が発表した日本の労働者の時間当たりの賃金は1997年に比ベマイナス8・2%、物価上昇分を差し引いた実質賃金もマイナス10%と、先進国の中で唯一減少しています。20年以上も貧しくなる一方では、将来に希望が持てないのも当然でしょう。 平均的な収入でもこんな状態ですから、低収入の人々はもっと悲惨です。厚生省の調査によると現在の日本で約600万人の男性が年収200万円...
現代の日本

小水力発電 ~「和の国」のエネルギー

小水力発電 ~「和の国」のエネルギー小水力発電こそ、日本列島の自然と調和したエネルギー。■1.ダムを増やさずに水力発電量を2,3倍にできる「ダムを増やすことなく、水力発電量を二倍、三倍に増やすことが可能」「純国産でまったく温室効果ガスを発生しない電力が、毎年、金額に直して二兆円から三兆円分も増加する」と指摘するのは、建設省(現・国土交通省)で長らくダム・河川事業を担当してきた竹村公太郎氏。その経歴だけでなく、提案の内容も素人にも判りやすいだけに説得力がある。 氏が提案する、水力発電量を2、3倍にする方策は次の3つである。1) 現在のダム湖の水位は半分ほどに抑えられている。これをフルに貯めれば、発電能力が上がる。2) 現在のダムの嵩上げをする。100mのダムを10m嵩上げすると、発電能力はほぼ倍増する。3) 砂防ダムなど、発電に利用されていない非常に多くのダムがある。これに小電力発電の施設を設置する。 以下、項目毎に見ていこう。■2.60年前に決められていた水位の制限 水力発電ではダム湖の水が多いほど、発電量が増える。水位が上がることで落下する水の勢いが増し、電力は大きくなる。また水量が...
日本の文化

正倉院 ~ 世界最古の国際美術館

正倉院 ~ 世界最古の国際美術館「全アジアのもっとも美しい時代の姿が、正倉院に保存されている」。この奇跡はどのように実現されたのか?■1.テヘランで見つけた正倉院所蔵品とそっくりの水差し「これを初めて見たときには思わずハッとした」と早稲田大学でシルクロード史を研究されていた長澤和俊・名誉教授は言う。昭和41(1966)年春にテヘラン考古博物館を訪れた時のことである。そこで見つけたガラス製の水さしは、正倉院所蔵のものとそっくりだった。__________鳥の嘴(クチバシ)をかたどった口、流れるような曲線を示す胴体や把手(トッテ)、とくに注ぎやすいように親指をかける突起など、驚くほど似ている。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ただし、正倉院のものは大切に保存されてきただけに透明な美しさに溢れているが、こちらの方は出土品のようで、表面が銀化したり、汚れたりしている。__________ 少なくともこれを見た瞬間には、あの正倉院の水さしはおそらくぺルシアからはるばる伝来したものと直感したのである。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄■2.「世界最古の国際美術館」 この水差しは、正倉院宝物の二つの特徴をよく表している。第一...
日本の文化

和食が救う高齢化社会

和食が救う高齢化社会和食がもたらす、自然と調和した食べ方、生き方が、高齢化社会を救う。■1.和食を堪能するフランス人 先日、所用あってパリに数週間滞在したが、この地での日本食の人気は凄まじい。ある観光サイトで見ると、パリにある約1万5千軒のレストランのうち、「和食」のカテゴリーに入っているのが760軒ほど。パリのレストランの20軒に1軒は和食だと考えると、その人気ぶりが窺える。 世界のどこでも日本食は大人気だが、パリでの特徴は、一定レベル以上の店では、中国人や韓国人のやっている「エセ日本食レストラン」などはなく、日本人のシェフたちが腕を振るって、本物の日本料理を出しているという点である。そしてどうもフランス人客には、その味が分かるようなのだ。 ある店で、小さな高野豆腐が出てきて、これは西洋人には受けないだろうと思っていたら、一緒に食事をしていたフランス人が感に堪えないような表情をして、「うむ、これはおいしい」などと唸る。そんな玄人好みの日本料理を、周囲のフランス人客たちも味わっている。 食文化は民族毎に違うと言われるが、フランス人が本物の日本料理を味わっている様子を見ると、本当においし...