日本

縄文時代

共生と循環の縄文文化

日本人の「心」の基底部には「縄文の心」「世界観」が現代にも連綿と流れているように思います。西欧を中心とした自然収奪型文明と根本的に違う、自然との循環と共生の世界観を基底とする「自然循環型文明」は次代の「世界観」「文明」の鑑となるのではないでしょうか。約5500年前から1500年間栄えた青森県の巨大集落跡、三内丸山遺跡の発掘は、原日本人のイメージに衝撃を与えた。共生と循環の縄文文化■1.三内丸山遺跡の衝撃■ 約5500年前から1500年間、縄文時代前期から中葉にかけて栄えた青森県の巨大集落跡、三内丸山遺跡の発掘は、原日本人のイメージに衝撃を与えた。高さ10m以上、長さ最大32mもの巨大木造建築が整然と並び、近くには人工的に栽培されたクリ林が生い茂る。新潟から日本海を越えて取り寄せたヒスイに穴をあけて、首飾りを作る、等々。 縄文時代といえば、従来は、たとえば次のように描写されていた。 今から2400年前、水田による稲作が北九州に伝わった。中国の稲作が、おもに朝鮮半島南部から、人々の移住とともに伝わったのである。米づくりが始まると、人々は採集や狩りのくらしから、計画的に食料を生産するくらしに...
日本の文化

江戸日本はボランティア教育大国-花のお江戸はボランティアで持つ

江戸時代の教育システム、寺子屋の紹介です。江戸時代は、識字率をはじめ、規範性、道徳性や思いやりの高さに象徴されるように教育水準は世界的にも高く、260年余の長い平和と繁栄の時代の基盤を作っていました。その秘密は、寺子屋という教育システムとこれを支えるボランティアボランティア精神、自分たちの生きる場は自分たちで作る、という志があったからだと思います。江戸日本はボランティア教育大国-花のお江戸はボランティアで持つ■1.戦う西洋、平和の日本■ 戦国時代には世界一の銃砲生産大国だった日本が、江戸時代に入ると、銃を捨て、平和な国造りに向かった様子を、前回の記事で紹介しました。 今回はその続編として、その後に建設された社会がどのようなものだったのかを見てみよう。同時代のヨーロッパでは、内では30年戦争を行い、ドイツでは人口が1/2とか、1/3になるような悲惨な状態であった。また外に対しては、植民地収奪に明け暮れて、 はやい話がスペイン人が現れる前には、中央アメリカの推定人口は7千万人から9千万人はいたとされているが、私がすでに書いたようにスペイン人の侵入のわずか一世紀後には、350万人に激減してい...
日本の文化

平和と環境保全のモデル社会-江戸

江戸時代は当時の西欧諸国と比較し遅れた社会であった、というように教科書には書かれています。しかし、事実は全く異なり、江戸時代の人々は、世界最先端の文化を育み、技術を駆使した社会制度、システムを構築していました。現在「SDGS」を掲げていますが、日本の江戸時代には平和と環境保全のモデル社会がすでに出来上がっていました。江戸時代に戻ることはできませんが、当時の「社会ステム」「知恵」「世界観」には学ぶべきところがたくさんあるように思います。地球史探訪: 平和と環境保全のモデル社会-江戸■1.過酷な近代世界システム■ 21世紀の人類を脅かす二大危機は、核兵器と地球環境危機であろう。これに対し、250年間も平和を維持し、環境保全にも成功した社会が、今、注目を集めている。日本の江戸時代である。 核兵器も地球環境危機も、科学技術をもって諸大陸と自然を征服しようとしたヨーロッパ文明の鬼っ子である。そのヨーロッパ文明による「近代世界システム」がどれほど過酷なものであったか、明治大学の入江隆則教授は次のように描写する。 はやい話がスペイン人が現れる前には、中央アメリカの推定人口は7千万人から9千万人はいた...
日本の歴史

100年前の日本人は世界最強の体力を誇る民族だった!昔の日本人は尋常じゃなかった…

100年前の日本人は世界最強の体力を誇る民族だった!昔の日本人は尋常じゃなかった…100年前の日本人は世界最強の体力を誇る民族だった!昔の日本人は尋常じゃなかった…100年前の日本人は世界最強の体力を誇る民族だった明治期までの日本人が今と比べればとてつもない体力を持っていたということは、当時日本を訪れた外国人の残した多くの文献に記されている。その一つにドイツ帝国の医師・ベルツの手による「ベルツの日記」です。ベルツの日記ベルツ(本名:エルヴィン・フォン・ベルツ)はライプツィヒ大学で内科を修めた後、27の歳に明治政府によって招聘され、以後29年間日本に滞在する。幕末から明治にかけて日本が「殖産興業」を目的に先進技術や学問・制度を輸入するために雇用した、いわゆる「お雇い外国人」の一人だった。東京医学校(後の東京大学医学部)において医学や栄養学を教授し、滞在中日本人女性(花子)を妻に娶っている。そのベルツがある日東京から110km離れた日光に旅行をした。当時のこととて道中馬を6回乗り替え、14時間かけやっと辿り着いたという。しかし二度目に行った際は人力車を使ったのだが、なんと前回よりたった30...
日本人の世界観

日本人の生き方、祈り方

私たち日本人は「祈りの民族」であり、「天命追求型」の生き方を大切にしてきた。「祈り」「志」「ご縁」「ご恩」「お陰様」「天命」などの言葉を懐かしく思え、心が惹かれるのであれば、それはあなた自身の心に潜む日本人の遺伝子が反応しているのである。日本人は「祈り」と「天命追求型」の民族。日本人の生き方、祈り方■1.神社は「願う」場所ではなく「祈る」場所 お正月に神社に初詣に行った人も多いと思うが、何をお祈りしただろうか。筆者は昔から神社で個人的なお願いをするのは、よくないのではないかと考えていた。たとえばたまにしか合わない相手が、あなたに会うたびに「あれをしてください」「これを頼みます」とお願いするばかりだったら、神様だって「いい加減にしてくれよ」と思うだろう。 それよりは会うたびに「お陰様で元気でやってます」などと感謝されたら、「これからもいろいろ面倒をみてやろう」と思うはずだ。だから神社とはお願いをする場所ではなくて、感謝をする場所ではないか、と考えていた。 身体のどこかに多少の不調があっても、まずまず元気で毎日を過ごしていけること。名声や富とは縁遠くとも、張り合いをもって日々の仕事や家事、...
日本の文化

我々の先人が歩んでいた人作りの道 ~『世界が称賛する 日本の教育』

少なくとも乳幼児から青年に至るまでの日本の教育に関しては、現代の我々が謙虚に学ぶべきたくさんの事実が、先人たちの事績にはある。世界が左巻きの空想から解放されつつある現況というのは、大変、喜ばしいのですが、間違った空想がなくなったからと言って、正しい方向に歩んでいけるとは限りません。どのような教育を目指すべきか、という方向を、しっかりした事実認識をベースに考える必要があります。我々の先人は、人作りの本当の道を知っていた。その事実を辿って、空想的な左巻き思想に基づく戦後教育から脱し、真の人作りの道に立ち返ろう。我々の先人が歩んでいた人作りの道 ~『世界が称賛する 日本の教育』発売■1.『世界が称賛する 日本の教育』アマゾン「日本論」1位 本講座書籍化第4弾『世界が称賛する 日本の教育』が8月2日に発売開始となり、お陰様でいきなりアマゾン「日本論」1位、総合でも41位につけました。皆様のご声援に厚く御礼申し上げます。伊勢雅臣『世界が称賛する 日本の教育』、育鵬社、H29 本号では、その「まえがき」と目次、「あとがき」の一部を掲載して、どのような内容なのか、ご紹介します。■2.まえがき 「手塩...
日本の文化

江戸の庶民の思いやり ~ 磯田道史『無私の日本人』から

江戸時代、とくにその後期は、庶民の輝いた時代である。江戸期の庶民は、親切、やさしさ、ということでは、この地球上のあらゆる文明が経験したことがないほどの美しさをみせた。倫理道徳において、一般人が、これほどまでに、端然としていた時代も珍しい。無私の志が江戸時代の庶民の間に深く根付いていた。江戸の庶民の思いやり ~ 磯田道史『無私の日本人』から■1.心洗われる登場人物たちの無私の志「江戸時代のわが国には、こんなにたくさんの無私の人々がいたのか」と、『殿、利息でござる!』という映画を飛行機の中で見て思った。題名からコメディタッチの時代劇かと思って見始めたら、とんでもない。 明和3(1766)年の仙台藩領内の宿場町・吉岡宿は藩から「伝馬役」、すなわち宿場間の物資の運搬作業を課されて困窮し、夜逃げが相次ぐ状況だった。吉岡宿は藩の直轄領ではなかったために、他の宿場のように「伝馬役」の助成金が支給されていなかったからだ。 この窮状から宿場を救おうと、吉岡宿の有力者たちは金を出し合ってなんとか大金を作り、それを藩に貸した利息で伝馬役に使おうという奇想天外な企てを始める。登場人物たちの宿場を救おうという無...
日本の文化

日本の伝統的教育が利他のパワーを引き出す

日本人は経済的には豊かなのに、幸福を実感している人の割合が先進国中でも異様に低いのはこのためだろう。まずは国柄という根っこを回復し、利他心によるエネルギーと幸福感を吸い上げられるようにしなければならない。 総合学習やアクティブ・ラーニングというような手法次元でなく、生きる姿勢を正す処から始めるのが、教育改革の正道だろう。教育勅語が引き出した利他のパワーが、明治日本の躍進を実現した。日本の伝統的教育が利他のパワーを引き出す■1.「日本人の活躍がますますクローズアップされている」 5月19日、「教育を良くする神奈川県民の会」にて『世界が称賛する 日本の教育』と題して、講演をさせていただいた。同会の会員のみならず、弊誌の読者にも参加いただいて、お陰様で100名を超す盛会となった。内容は同名の拙著に基づくものであったが、二、三、新しい要素を盛り込んだので、その部分を本編にて紹介させていただく。 まず、現代の国際社会で日本人が活躍してる事例から話を始めた。パリでの日本料理店の繁盛ぶりは、1059号「和食が救う高齢化社会」で書いたが、実は本場パリのフレンチ・レストランでも、日本人シェフたちが際だっ...
日本の技術

日本と世界を護る太平洋レアアース泥

日本の国土面積は378,000㎢で世界61位ですが、日本の「排他的経済水域」は、4,479,000㎢にも及び、これは、国土面積の約12倍であり、世界第8位の広さになります。別記事でも紹介しましたが、この「排他的経済水域」にはたくさんの資源があります。この水域にある、石油、天然ガス、メタンハイトレード、レアースなどを本格的に開発し、資源として供給できれば、日本は資源大国になることは間違いありません。今回は、太平洋レアアース泥に関する記事の紹介で、資源開発と共にその活用方法にも日本的経営「三方よし」による活用方法の提案です。「ハイテク産業のビタミン」を脅迫カードに使う中国から、日本と世界を護る道が見つかった。日本と世界を護る太平洋レアアース泥■1.「ハイテク産業のビタミン」数百年分 東京から南東約1,900kmにある南鳥島周辺の海底下にあるレアアースが、世界の消費量の数百年分に相当する資源量であることが明らかになった。 レアアースは15種類の稀少な元素で、LED電球の蛍光体、医療用レーザーの発振材料、デジカメの光学ガラス材料、燃料電池の水素吸着体、電気自動車用モーターの磁石など、ほとんどの...
現代の日本

20世紀で最も成功した万博を実現した日本人の気概

2025年の大阪万博について、現在様々な問題が浮かび上がっています。1970年の大阪万博とは時代が違う、人々の意識が全く変わっていると言うことが開催の是非を含む問題の根本原因ではないでしょうか。1970年頃の人々は、より豊かで便利な社会や生活を望み、これがほぼ実現できて、更なる未来の姿を万博に求めていたように思います。戦後の廃墟から便利で豊かな社会を実現してきた自信とこれをさらに高度化できるという自信が当時の日本人にはあったと思います・・・当時私は小学校の高学年でしたが、今日より明日はより便利で豊かになる、と言う実感が有ったことを覚えています。現在は物質的な豊かさや便利さではなく、心や意識の充実、充足・・・本質的な幸福を求める時代になり、私達のテーマ、課題はここにあります。日本人がもっている、自信や気概、情熱や志はいまこそ、ここに焦点を当てる時代になったと思います。「大阪万博にあれほどの熱量を送り込んだのは『高度成長』などではなく、当時の日本人の気概であり情熱であり志だ」20世紀で最も成功した万博を実現した日本人の気概■1.「20世紀で最も成功した万博」 日本が大阪誘致を目指す2025...
日本の歴史

日本の国柄、日本の経営

株主資本主義的経営は、必然的にグローバル化、ボーダーレス化、貧富の差の拡大を推し進め、各国文化の衰退、社会の荒廃を招く。現代世界の各国民国家は、株主資本主義的経営から攻撃されているのである。 逆に「三方良し」を目指す経営は、各国の歴史、文化、社会を尊重し、国民国家を護る。その最も進化した形である「日本的経営」は、「日本の国柄」から生み育てられたもので、「日本の国柄」を護る手段でもある。「日本の経営」が「日本の国柄」を護り、幸福な国民国家を築く。日本の国柄、日本の経営■1.『五箇条の御誓文』と日本的経営 上記にご紹介したように来週16日に、横浜で『日本の国柄 日本の経営』と題した講演をさせていただくが、本号ではその一部をご紹介する。ご好評をいただいている『世界が称賛する 日本の経営』のあとがきで次のように書いたが、この点を敷延したい。__________ 本書でとりあげた日本的経営の「三方良し」の理想とは、実はわが国建国の理想を事業面で語ったものだと言えます。日本的経営はわが国の建国以来の伝統に根ざしているのです。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄『五箇条の御誓文』は慶応4(1868)年、明治政府発足...
日本の文化

古典教育が国家を発展させるという逆説

日本は江戸時代から現在に至るまで、市井の多くの人々が様々な形で、次世代の人材育成に志してきた「教育大国」である。教育行政がこれだけふらついても、国家の大本が維持できているのも、このお陰だろう。明治日本という近代国家を造り上げたのは、江戸時代の素読中心の学習をてきた者たちである。伝統的な教育の最たるものである素読を中心とした学習によって育てられた者たちが、なぜ世界史上まれにみるほどの急速な近代化をなしとげることができたのか。この逆説をよく考えてみる必要がある。維新と近代国家建設、奇跡の復興と高度成長を成し遂げた問題解決能力は古典教育がもたらした。古典教育が国家を発展させるという逆説■1.「プランプランのドードー巡り」「文科省はゆとり教育、総合学習の反省もないまま、また新しい事を始めようとしている」というのが、文科省の「学習指導要領改訂の方向性について」の説明ビデオを見た感想である。 その説明パネルでは、「他者と協働しながら、価値の創造に挑み、未来を切り拓いていく力が必要」などと、立派な理念が抽象的な言葉で語られているが、そこに決定的に欠けているのが現状の事実分析である。今の教育で何が出来...
日本の文化

『世界が称賛する 日本の経営』

「社徳」という言葉があります。「人徳」が個人の持つ徳を表すように、「社徳」とは会社の持つ徳を意味します。 会社の徳を云々するということ自体が、会社が一つの共同体であって、徳のある会社も、ない会社もある、という考え方を表しています。そして、日本的経営で追求すべき徳が「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の【三方よし】なのです。会社に社徳があれば、国家にも徳があります。個人から家庭や企業、地域や国家までが【徳】を倫理として持つ、日本と日本人は今や世界の可能性ではないでしょうか?「日本的経営」こそ、グローバル経済で、かつての日本の活力を取り戻す道。『世界が称賛する 日本の経営』■1.まえがき・・・「日本的経営」を見失いつつある日本企業 筆者は欧州で四年、アメリカで三年、日本企業の現地法人社長として企業経営を経験していますが、最近、日本から聞こえてくるのは、ブラック企業で過労死したとか、派遣社員やパート・アルバイトばかりが広がって、低賃金と不安定な生活のために、多くの青年たちが結婚すらできない、というような暗いニュースばかりです。 かつての日本企業が人を大切にして事業を成長させようとした姿勢...
日本の文化

「子は国の宝」の経済学

親が幼少期のしつけをきちんと行い、基本的なモラルを身につけさせるということは、勤勉性という非認知能力(知能指数などで計測される認知能力と異なり、忍耐力、社会性、やる気など直接計測できない能力)を培うための重要なプロセスなのです。学力テストでは計測することができない非認知能力が、人生の成功において極めて重要です。また、誠実さ、忍耐強さ、社交性、好奇心の強さ―これらの非認知能力は、「人から学び、獲得するものである」ことも。最新の教育経済学が、わが国の伝統的な子育ての智慧を科学的に裏付けつつある。「子は国の宝」の経済学■1.「しつけを受けた人は年収が高い」「幼児の頃にきちんとしつけられると、大人になってから社会的にも成功し、年収が高くなる」という興味深い調査結果がある。__________ 神戸大学の西村教授らは、「しつけ」という違った角度から研究を行いました。4つの基本的なモラル(=ウソをついてはいけない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強をする)をしつけの一環として親から教わった人は、それらをまったく教わらなかった人と比較すると、年収が86万円高いということを明らかにしています。 ̄ ̄ ̄...
現代の日本

グローバリズムというプロパガンダ

古いですが「グローバリズム」の本質を突いた内容の記事です。世界情勢が大きく動いている現在、共産主義にしろ、グローバリズムにしろ、他国の国益を隠した美しいプロパガンダに踊らされるのは、もういいかげん卒業して、国家とは何か、民族とは何か、歴史や文化とは何か、を真剣に考えるべき時期であると思います。「自由貿易の拡大や移民の流入に背を向け」と日経はトランプの登場を危ぶむが、、、グローバリズムというプロパガンダ■1.「米国民は過激な異端児に核兵器のボタンを預け」 デトロイトへの出張で定宿にしているホテルがある。どこにでもあるアメリカ全国チェーンのビジネスホテルだが、たまたまここは日本人ビジネスマンを呼び込もうと、朝食に御飯やインスタント味噌汁、ふりかけ、漬物などを出してくれる。そしてアメリカで印刷されている日経新聞も置いてある。 ちょうど大統領選の結果が出た日だったので、日経がどんな論評をしているのか、読んでみた。しかし最初に目に飛び込んできた記事には驚かされた。「社会分断、危うい大衆迎合(トランプ・ショック)」と題したその記事はこう書き始める。__________「革命」と呼んでもいいだろう。...
日本の歴史

歴史教科書読み比べ ヨーロッパとの出会い

歴史教科書は、事実を記述していません。江戸時代の鎖国政策とは何だったのか?キリシタン禁制が日本の植民地化と宗教戦争を防いだという事実を紹介す記事です。キリスト教宣教師を尖兵として世界を植民地化しようとする西洋諸国に、日本はいかに対峙したか。歴史教科書読み比べ ヨーロッパとの出会い■1.「ポルトガルとスペインの世界分割」 16世紀にイスラム文化の影響によって天文学や地理学が発達し、羅針盤や帆船の技術が進むと、大西洋に面したスペインとポルトガルが競って海外に乗り出した。その様子を育鵬社版の中学歴史教科書は次のように記述する。__________ポルトガルとスペインの世界分割 ポルトガルとスペインは,軍隊や商人,宣教師をアジアの諸地域と南北アメリカ大陸に送り,キリスト教を広めるとともに武力で多く国々や地域を征服しました。両国はローマ教皇の仲立ちで勢力範囲を定め(2),それぞれの地域の支配力を強めていきました。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 同じ頁の世界地図上には「植民地分界線」が引かれ、ブラジルより東、アフリカ、インド、東南アジアを含めて朝鮮まではポルトガル領、残りの日本から太平洋、北米大陸、ブラジル...
日本の文化

歴史教科書読み比べ(番外編) 「世界的にも傑出した名作群」を生み出した鎌倉時代

日本人自身が日本の美術は「特殊」であり、外国人が感動するほどの「普遍性」はないという、一種の「文化的自虐史観」に囚われているようだ。日本美術の傑作を鑑賞することで、我々の先祖が持っていた美を感ずる心を継承することができる。歴史教科書読み比べ(番外編) 「世界的にも傑出した名作群」を生み出した鎌倉時代■1.「日本の美の形」 育鵬社の中学歴史教科書で目を引くのは、冒頭に「日本の美の形」と題して、縄文時代の火焔型土器から現代の太陽の塔まで、6頁にわたって各時代の代表的な美術作品を数点づつ、カラーで紹介している点である。 こういうビジュアルな企画で、中学生が日本の美術に親しめるようにしようというのは、「著作関係者」の中に美術史の大家・田中英道・東北大学名誉教授が入っているからだろう。 田中氏は西洋美術史家として海外でも注目され、著書『レオナルド・ダ・ヴィンチ 芸術と生涯』はイタリア語版、浩瀚な『日本美術全史 世界から見た名作の系譜』は英語版も出され、国際美術史学会の副会長まで務められた。本誌でも著書『国民の芸術』を紹介している。 こういう大家が中学生向けに日本美術史を分かりやすく示すというのは...
日本の文化

「懐かしい未来」を開く里山資本主義

懐古趣味ではなく、現実の「懐かしい未来」が日本には実在します。美しい自然と豊かな伝統に恵まれた我が国には、すぐ手の届くところに、「懐かしい未来」が待っている。意識や価値観を変えるだけで実現しそうです。里山の資源を有効活用すると「懐かしい未来」が見えてくる。「懐かしい未来」を開く里山資本主義■1.裏山の木の枝でご飯を炊く楽しさ 広島県の北部、中国山地の庄原(しょうばら)市に住む和田芳治(よしはる)さん(70歳)は毎朝の御飯を小さな「エコストーブ」で炊いている。 ガソリンスタンドからタダで貰ってきた石油缶に、ホームセンターで数千円ほどで買ってきた管を煙突がわりに付けて、手作りしたものだ。裏山から集めた木の枝を数本くべて炊くと、御飯はピカピカ光って旨い。 訪ねてきた客に食べさせたら、「しもうた」と思わず、漏らした。「つい先日、7万円やら8万円出して、電気釜を買ったのに、あれとは全然違う、こっちの方が旨い」と悔しがっていた。__________ 毎回できが違うかもしれないと思って気を遣うこと、いろんな木をくべることも含め、不便だといわれるかもしれません。でも、それが楽しいんですね。結果、おいし...
日本の文化

国土が育てた日本人

日本人は数千年のムラ社会の経験で、世界でも断トツのチームワークを得意としている。東日本大震災で世界に感銘を与えた互いへの思いやりは、このチームワークが発揮されたものである。日本のように、細かな平野が分散的・孤立的に存在しているのであれば、強大な権力は必要なかったし、また生まれもしなかった。これは日本人の強健への拒否や忌避という性癖にもつながっているし、逆にいえば中国人は強権好きということなのかもしれない。日本列島が育てた世界断トツのチームワーク。しかしグローバル社会ではムラ意識からくる不適合も。国土が育てた日本人■1.チームワークの得意な日本人 アメリカに住む友人のAさんが一時帰国して、面白い話を聞かしてくれた。最近、日本人とアメリカ人合同のゴルフ大会に参加して日本人のチームワークの凄さを改めて感じた、というのだ。 大会は「ベスト・ボール」というルールで、4人でそれぞれボールを打ち、その4つからベスト・ポジションを選んで、そこからまた4人がそれぞれ打つ。こうして各ホールで4人のうちのベスト・スコアだけをつけて、最良のスコアの組が優勝するという団体戦である。 Aさんの組はたまたま日本人4...
日本の文化

日本女性の矜持 ~『女子の武士道』から

「おなごは大地のようなもの」その国民の元気、気風のいかんは、またおのおのその母の感化によるものとすれば、母としての婦人は、実に国家の元気、気風を自分の双肩に担って立つものと申さねばなるまいと思います。「おなごは大黒柱を支える大地」日本女性の矜持 ~『女子の武士道』から■1.「おなごは大地のようなもの」「おなごは大地のようなもの」。明治22(1889)年生まれのセツは父親からそう聞かされて育った。幕末の会津戦争の際、セツの父親はまだ幼児で、そのまた父と二人の兄は北上してくる新政府軍を迎え撃つために出立した。__________その際の、母じゃの見事なことよ。どっしり構えて笑顔さえ浮かべておった。そんなことがあってから、わしはおなごというのは大地のようなものだと思うようになった。大黒柱というが、しっかりした良い大地であらねば立っていられるわけがあるまい。一家の大黒柱を受けとめて、その大黒柱を堂々たらしめんのは、おなごにかかっておる。それをよう憶えておくのであるぞ。大地とならんために学び、おのれを鍛錬するのだ。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ そう父から聞いたセツは、喜びを抱いた。__________ ...