日本の文化人間教育としての国語教育 ~『“とっちゃん”先生の国語教室』から
No.1093 人間教育としての国語教育 ~『“とっちゃん”先生の国語教室』から「人生を考えはじめている青年と共に考える。ということは、実に当然、国語教師のしなくてはならない事柄である」■1.「ひたすら国語教師たるの道を求めつづけられた」“とっちゃん”先生、こと、桑原暁一先生はある都立高校の国語教師を20年間勤めた人物である。この本の前書きには、こう紹介されている。__________ 桑原さんは、一高文科を経て、東大文学部国文学科といういわば世にいうエリートコースを進んだ学究であったが、生涯を通じて栄達などには目もくれず、ひたすら国語教師たるの道を求めつづけられた。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 桑原先生は昭和48(1973)年3月に退職された後、わずか2ヶ月後には逝去される。まるで国語教師を辞めたら、もうこの世には用がない、とでも言うようだ。ところが、その数年後、ある美しい機縁から、その遺稿が見つかり、出版されたのである。 桑原先生の無二の親友だった教育学博士・元佐賀大学教授の副島羊吉郎先氏が、桑原先生からの来信を見直していると、昭和三十年二月二十九日の手紙に「『人間教育としての国語教育』を...
