現代の米国

現代の世界各国

トランプはゼレンスキーを見限った。首脳会談が鮮明に決裂

トランプはゼレンスキーを見限った。首脳会談が鮮明に決裂~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「宮崎正弘の国際情勢解題」      令和七年(2025年)3月1日(土曜日)         通巻第8675号 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ トランプはゼレンスキーを見限った。首脳会談が鮮明に決裂   合意文書に署名せず、記者会見はキャンセル************************************* 最初から喧嘩腰で始まったトランプ大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領との首脳会談は緊張した雰囲気につつまれた。バンス副大統領も加わって激論となり、罵倒の応酬、交渉は決裂した。  予測された鉱山開発合意文書には署名せず、予定された記者会見もキャンセル、トランプは「彼は停戦の用意が無い。彼は無礼である。アメリカの支援への感謝の気持ちがないことが分かった」とし、ホワイトハウスを去るゼレンスキーを見送らなかった。 最初から激突は予測されていた。トランプが用意した鉱山開発の利権シェアなどといっても、これはトラン...
現代の欧州

米国とEU:一律25%の関税を課す・ルビオ氏、カラス氏との会談を土壇場でキャンセル・米国はもはやNATOに補助金を出せない・マクロン大統領のホワイトハウス訪問は失敗

米国、EUに一律25%の関税を課すとトランプ大統領このブロックは貿易不均衡を通じてアメリカを弱体化させるために作られたと米国大統領は主張している。ドナルド・トランプ米大統領©Getty Images /Andrew Harnik / スタッフドナルド・トランプ米大統領は、EUはアメリカを弱体化させるために作られたと主張し、EUからのすべての輸入品に25%の関税を課すという新たな警告を発した。トランプ大統領は水曜日、ホワイトハウスで大統領就任2期目の最初の閣議中にこの発言をした。米国とEU間の貿易紛争は、トランプ大統領が貿易不均衡に対処するため幅広い輸入関税を導入する計画を発表して以来、激化している。「正直に言えば、欧州連合は米国を困らせるために結成された。それが目的だ」とトランプ氏は会合で語った。「そして彼らはそれをうまくやってきた。だが今は私が大統領だ」同氏は、政権が「非常に近い将来」にEUからの輸入品に関税を課す計画であることを改めて強調した。「一般的に言えば25%で、自動車やその他のすべてのものに適用される」とトランプ大統領は述べ、EUは「カナダとは異なるケースだ...彼らは本当...
現代のロシア

習近平・プーチン・トランプの相互関係 トランプはウクライナ問題解決後、対中攻撃を考えているのか?

習近平・プーチン・トランプの相互関係 トランプはウクライナ問題解決後、対中攻撃を考えているのか?アメリカ、中国、ロシアの国旗(写真:イメージマート) 2月24日、プーチン大統領が習近平国家主席に電話をし、中露の緊密さは永遠に変わらないことを誓い合った。トランプ大統領がどんなに対露接近をしても、トランプ政権が終われば、また民主党のNED(全米民主主義基金)を駆使した「民主を掲げながら親米的でない国家や政府を倒す方針」に戻ることが考えられるからだ。したがって中露の緊密度が変わることはない。 一方のトランプは「習近平が大好きだ」と公言している。大統領就任式にも習近平を招待したほどだ。実現はしなかったが大統領選挙中に主張した「対中一律60%関税」は無期延期に近い措置を連邦政府に指示した。 加えてトランプは「ウクライナ問題の解決には中国の協力が必要だ」とさえ言っている。 このような中、「トランプがプーチンに急接近しているのは、ウクライナ問題を解決した後、対中攻撃に集中するためだ」という言説がまかり通っているが、それは正しいのだろうか? ハーバード大学教授の見解も引用しながら考察する。◆ウクライナ...
現代の米国

イーロン・マスク頑張れ! 米国の「汚い役所」の実態を暴露する

イーロン・マスク頑張れ! 米国の「汚い役所」の実態を暴露するDOGE率いるイーロン・マスクが大暴れ米国の外交戦略を長く支えてきたのは、「リベラルデモクラシー」(自由民主主義)であり、その海外輸出こそ、米国による世界全体の統治に役立つと考えられてきた。いわば、世界の覇権を握るための道具として、リベラルデモクラシーを世界中に広めようとしてきたのである。しかし、ドナルド・トランプ大統領はこうした考えが世界を不安定にし、米国の安全保障に必ずしもプラスにならないとして、これまでの外交戦略を変更しようとしている。たとえば、トランプ政権が海外援助の根幹を担ってきた米国際開発庁(USAID)を潰そうとしているのはその一環だ(拙稿「トランプが暴露した「リベラルデモクラシー」という名のウクライナ支援の無駄使い」を参照)。もう一つ、まさにリベラルデモクラシー拡大のために重大な役割を果たしてきた全米民主主義基金(NED)もまた、トランプ政権の標的になっているという話を今回は取り上げる。「政府効率化省」(DOGE)を主導するイーロン・マスクは、2月3日、「誠実な人ならだれでもNEDを辞任すべきだ。あの悪の組織は...
現代の米国

中南米を良くするトランプ

中南米を良くするトランプ2025年2月26日   田中 宇米国のトランプ政権が、南隣のメキシコで麻薬(フェンタニルなど)を製造して米国に密輸出している国際麻薬組織(カルテル)を潰すため、CIAや米軍特殊部隊をメキシコに送り込んでいる。トランプは就任日に発した大統領令で、中南米から米国に麻薬を密輸出してくるメキシコやエルサルバドル、ベネズエラなどの8つのカルテルをテロ組織に指定した。これらのカルテルは、米国にとって外国の組織なので、米当局が取り締まり・撲滅するのが法的に難しかった。テロ指定したことで法的に、大統領令で米軍を中南米に派遣してカルテルを攻撃できるようになった。(CIA Reportedly Flying MQ-9 Spy Drones Over Mexico As Cartel Fight Nears)カルテルは、資金力や軍事力、政治力が強く、メキシコなど中南米諸国の政府はカルテルに太刀打ちできず、逆に政府や政界、経済をカルテルに牛耳られる傾向だった。従来は、たとえ米政府がカルテル撲滅を望んでも、カルテル傀儡の中南米諸国政府が取り締まりや軍事行動に抵抗して話を潰した。今回も、...
現代の欧州

米露の首脳から相手にされなくなったEUのリーダーは必死に存在感を演出

米露の首脳から相手にされなくなったEUのリーダーは必死に存在感を演出 ウクライナを舞台にした戦闘に対するドナルド・トランプ米大統領の姿勢が劇的に変化、ジョー・バイデン政権に従属していたヨーロッパ諸国のリーダーは動揺しているようだ。ヨーロッパ諸国の首脳は自分たちだけで会議を開き、意味のあることをしているように演じているが、トランプ大統領やロシアのウラジミル・プーチン大統領から相手にされていない。思考力も決定権もないからだ。 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は2月24日にトランプ大統領と会談するためにホワイトハウスを訪問したのだが、到着時に出迎えたのはホワイトハウスのスタッフだけ。裏でどのようなやり取りがあったのかは不明だが、マクロンは到着をやり直し、その2度目はトランプが出迎えた。マクロンとしてはアメリカとフランスの友好関係を演出したかったのだろうが、この出来事は両国の関係がそれほど友好的でないことを世界に知らせることになった。 自分たちがアメリカの支配層と結びついていると思わせることで地位と収入を手にしてきた人々にとって、アメリカ政府から相手にされなくなることは恐怖以外の何もので...
現代の世界各国

トランプ復帰が促すアメリカ世界統治の終焉――自壊する「西洋」と私たちはどう向き合うか③ 東京外国語大学名誉教授・西谷修

トランプ復帰が促すアメリカ世界統治の終焉――自壊する「西洋」と私たちはどう向き合うか③ 東京外国語大学名誉教授・西谷修イスラエルによる15カ月におよぶ爆撃で生活の場を追われていた数十万人のパレスチナ人たちが一時停戦と同時にガザ地区北部へ続々と帰還している(1月27日)Ⅸ. ビック・テックと野放図な「自由」の要求 今、トランプの復帰で勢いづいているイーロン・マスクをはじめとする「ビッグ・テック」の首領たちに触れておきたい。 彼らは、情報革命とインターネット開放後、情報空間をはじめあらゆる「財」のデジタル・バーチャル化で、人間世界に新たなフロンティア、言いかえれば新たな市場の沃野を作り出し、その開拓によって天文学的利益を独占的に手にしてきた。 情報分野においては、それが真実かどうかよりも流通力(より人々の感情的衝動を誘う)がものをいう「ポスト・トゥルース(真実)」状況を一般化させることによって利益を膨らませ、さらにその新技術と資金力によって、他のあらゆる分野(金融、バイオ、マネージメント、宇宙開発)までも私的所有し、莫大な利益を上げている。 現在、世界各国で盛んにデジタル化が推進されている...
現代の世界各国

南アジア諸国の「政権交代」におけるUSAIDの役割が明らかに

南アジア諸国の「政権交代」におけるUSAIDの役割が明らかにドナルド・トランプ氏が最近言及したインドの選挙に割り当てられた2100万ドルは、実際にはバングラデシュ向けだったと新たな報告書が主張している。2024年8月5日、ダッカにあるシェイク・ハシナ元首相が辞任して国外に逃亡した後、反政府デモ参加者がハシナ元首相の宮殿を襲撃した。©  KM Asad/LightRocket via Getty Imagesインディアン・エクスプレス紙が金曜日に発表した調査報道によると、イーロン・マスク氏の政府効率化局(DOGE)によって最近取り消された「インドの投票率向上」のために割り当てられた2100万ドルのアメリカ納税者のお金は、実際にはバングラデシュに割り当てられたという。同メディアは、資金記録にアクセスし、この資金配分は2022年にUSAIDによって行われ、2024年1月のバングラデシュ選挙前に学生の「政治・市民参加」のためにすでに1,340万ドルが支出されていることを知ったと主張した。バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は、学生主導の大規模な抗議活動で数百人が死亡した後、8月に辞任を余儀なく...
現代のロシア

史上最大のディール! ウクライナ停戦「米露交渉」案は習近平の「トランプへのビッグプレゼント」か?

史上最大のディール! ウクライナ停戦「米露交渉」案は習近平の「トランプへのビッグプレゼント」か?北京を訪問した時のトランプ大統領と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ) ウクライナ戦争の停戦交渉がウクライナ抜きで行なわれていることにゼレンスキー大統領が激怒し、習近平国家主席に助けを求めた話を2月20日のコラム<「習近平に助けを求める」ゼレンスキー ウクライナを外した米露会談を受け>で書いた。 しかし、もし「ウクライナ抜きの米露のみによる交渉」を「こっそり」トランプに提案していたのが習近平だったとすると、どうなるだろうか? 世界の認識はガラリと変わってくる。 その奇想天外な「仮定」が、実は本当だったことが、2月12日のウォール・ストリート・ジャーナルに載っており、それを引用する形で2月13日にロイターが報道していた。 中国はもちろん「沈黙」したままだ。 それにしても、習近平はなぜこのようなことをしたのだろうか? それはトランプが選挙中から「中国からのすべての輸入品に、一律60%の完全を賦課する」と宣言していたからではないだろうか? まるでそのご褒美のように、トランプ2.0が始まると、関...
現代の米国

イーロン・マスク氏「ロイターは嘘をついている」

イーロン・マスク氏「ロイターは嘘をついている」この億万長者は、ウクライナをスターリンクから遮断し、希土類取引に圧力をかける計画があるという同局の報道を否定した。ファイル写真。ウクライナ軍第59旅団が使用するスターリンクシステム。©  ゲッティイメージズ/ピエール・クロムテスラとスペースXのCEO、イーロン・マスク氏は、天然資源をめぐる交渉で優位に立つためにウクライナのスターリンクのインターネット接続を遮断すると脅す計画に関するロイターの報道を否定し、「嘘をついている」と非難した。同通信社は土曜日、計画に詳しい米国当局者3人の話としてこの件について報じた。ロイター通信によると、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の特使キース・ケロッグ氏が今週キエフで会談した際、ウクライナが米国との希土類協定に署名しなければ、マスク氏のスターリンク衛星サービスを「即時停止する」と脅されたという。マスク氏は同日遅くに自身のソーシャルメディアプラットフォーム「X」で、そのような計画の存在を否定し、ロイターが「嘘をついている」と非難した。「これは誤りだ。ロイターは嘘をついている。彼らはA...
現代の欧州

CIA系組織から資金を受け取っていたBBCはすでに言論の自由を放棄していた

CIA系組織から資金を受け取っていたBBCはすでに言論の自由を放棄していた ​イギリスの有力メディア、BBC(英国放送協会)は2月4日、「USAIDの資金援助に関する声明」を発表した​。その中で同協会の「国際開発慈善団体」だというBBCメディア・アクションが2023年から24年にかけて収入の約8%をUSAID(米国国際開発庁)から得ていたことが明らかにされた。この「慈善団体」は、政治的に不安定な地域で現地のメディアと連携して影響力を拡大させるキャンペーンを展開している。 USAIDはCIAの工作資金を流す仕組みのひとつ。「独立系メディア」と同様、BBCも情報機関の資金を受け取っていたことになるが、ドナルド・トランプ米大統領が対外援助のほぼ全面的な凍結を命令したことから、西側で好まれている「独立系メディア」と同じように、BBCの「慈善団体」も影響を受けた。 そのBBCは2019年6月、世界の報道機関やソーシャル・メディアの幹部を集めて「信頼できるニュースサミット」を開催、9月には「信頼できるニュース憲章」を発表し、「TNI(信頼できるニュース戦略)」を組織した。「偽情報が定着する前に迅速...
現代のロシア

米露の高官はリヤドでウクライナだけでなく、軍事、外交、経済など広範な協議

米露の高官はリヤドでウクライナだけでなく、軍事、外交、経済など広範な協議 ​2月17日付けフィナンシャル・タイムズ紙にドイツの武器メーカー、ラインメタルのアルミン・パペルガーCEOのインタビュー記事が掲載された​。その中で同CEOはEUの兵器庫が空になっていると語っている。アメリカを中心とするNATO諸国はウクライナに対して資金や兵器を供与、その結果だ。こうした状況にあることは以前から知られていたが、西側の有力メディアもその事実を伝えるようになった。空になった兵器庫を埋めるための需要で収益が上がるというわけだ。 リヤドで2月18日に行われた会談で、さまざまな問題に対処するための専門グループを結成することで米露両国は合意した。ひとつは戦略的安全保障と軍備管理に関するグループ、第2に地球規模の安全保障構造を見直すグループ、第3に2国間の外交的な相互影響に関するグループ、第4にエネルギーや制裁に関するグループ、第5にウクライナにおける戦闘の決着をつけるためのグループ、第6にはパレスチナや北極圏を含む国際問題に関するグループだ。 ウクライナの停戦について話し合うためにアメリカとロシアがリヤドで...
現代のロシア

ロ=悪・ウ=善図式は完全な誤り

ロ=悪・ウ=善図式は完全な誤りトランプ大統領がウクライナ停戦実現に向けてロシアとの協議を加速させていることに対して一部メディアがトランプ批判を展開している。一部メディアとは欧米主要メディアのこと。実は、偏向しているのは、この欧米主要メディアである。欧米主要メディアはグローバル巨大資本の支配下にある。グローバル巨大資本が2022年2月24日のウクライナ戦乱拡大時点から一貫して偏向した情報を流布し続けてきた。端的に表現すれば〈ロシア=悪・ウクライナ=善〉という図式での主張流布である。私はウクライナ戦乱拡大の時点から、この主張が適正でないことを述べてきた。戦乱発生直後に上梓した『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)において、基本的見解を示した。この時点の基本判断は現在も変わらない。その後、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社)にも基本的な論点を記述した。紛争解決に武力行使を用いた点でロシアが批判される側面はある。しかし、ウクライナに一切の責任がないなかでロシアが領土的野心で軍事侵攻したとの見立ては間違っている。ロシアの行動を〈小悪〉と表現するなら、米国とウクライナの行動は〈大悪〉と表現できる問題...
現代の米国

「ディープステート」批判者がFBI長官に就任

「ディープステート」批判者がFBI長官に就任ドナルド・トランプの盟友カシュ・パテルは、同庁への「信頼を再構築する」と約束した。2025年1月30日、ワシントンDCの米国上院での承認公聴会に臨むカシュ・パテル氏。©  Anna Moneymaker / Getty Images米上院は、ドナルド・トランプ大統領の熱烈な支持者であるカシュ・パテル氏を次期FBI長官に任命することを51対49で承認した。共和党のスーザン・コリンズ氏とリサ・マーカウスキー氏は民主党とともに同氏の立候補に反対した。「長官としての私の使命は明確だ。良い警官を警官らしくすること、そしてFBIへの信頼を再構築することだ」とパテル氏は木曜日の投票後にXに書いた。「FBIの献身的な職員やパートナーたちと協力し、アメリカ国民が誇りに思えるFBIを再建します」と彼は付け加えた。「そして、アメリカ人に危害を加えようとする人々へ、これを警告とみなしなさい。我々は地球のあらゆる場所であなたたちを追い詰めます。」トランプ大統領はパテル氏を「キャリアを通じて腐敗を暴き、正義を擁護し、アメリカ国民を守ってきた『アメリカ第一主義』の闘士」と...
現代の欧州

米英の支配層がヨーロッパを支配するために創設したNATOやEUをトランプが攻撃

米英の支配層がヨーロッパを支配するために創設したNATOやEUをトランプが攻撃 アメリカのドナルド・トランプ大統領はNATOやEU、第2次世界大戦の後にアメリカとイギリスの支配層によって作られた組織に対して厳しい姿勢で臨んでいる。この大戦においてヨーロッパ戦線でドイツと戦ったのはソ連とコミュニストを主体とするレジスタンスであり、ヨーロッパ諸国の政府は屈服し、イギリスは傍観していた。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、ドイツ軍は1941年6月22日、西部戦線に約90万人を残し、300万人以上の戦力でソ連に向かって進撃を開始した。ドイツ軍の首脳は西部方面を防衛するために東へ向かう部隊に匹敵する数の将兵を配備するべきだと主張したのだが、アドルフ・ヒトラーに退けられたという。軍の首脳が知らない何かをヒトラーは知っていたのだろう。(David M. Glantz, The Soviet-German War 1941-1945,” Strom Thurmond Institute of Government and Public Affairs, Clemson University, Octo...
現代の欧州

トランプ復帰が促すアメリカ世界統治の終焉――自壊する「西洋」と私たちはどう向き合うか② 東京外国語大学名誉教授・西谷修

トランプ復帰が促すアメリカ世界統治の終焉――自壊する「西洋」と私たちはどう向き合うか② 東京外国語大学名誉教授・西谷修アメリカ製造業の衰退を物語るラストベルト。ミシガン州デトロイトのパッカード自動車工場跡軍産複合体と産業構造転換――疲弊するアメリカ社会 一方、構造的にみると、第二次世界大戦の頃からアメリカは世界の兵器工場になり、あらゆる重工業の中心となった。 冷戦下には、世界のあちこちで代理戦争をやるだけでなく、西側の兵器廠になって、軍需産業が圧倒的な経済セクターになる。すると経済が戦争で支えられるようになる。戦前のニューディール政策の延長のような形であり、これは「公共事業としての戦争」だ。 この傾向について、アイゼンハワーは大統領退任時に「このままだと、国は民主的意志によって国策を決めるのではなく、こういう巨大な力(軍産複合体)によって国策が決められるようになる」と警告を発した。しかし、冷戦下ではその傾向は変えにくかった。 それが変わるのは、冷戦が終わった時だ。これでやっと膨れ上がった軍事費を削ることができる。それに軍縮は必要だというので、軍の縮小も始まるが、ここにカラクリがあった。...
現代のロシア

米露政府がウクライナについて交渉を始める中、追い詰められた英国が必死に抵抗

米露政府がウクライナについて交渉を始める中、追い詰められた英国が必死に抵抗 アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターによると、​ウォロドミル・ゼレンスキーは2020年10月にイギリスを公式訪問した際、イギリスの対外情報機関MI6(SIS)のリチャード・ムーア長官を非公式に訪問、会談している​。その訪問はジャーナリストに察知され、撮影された。その事実からゼレンスキーはMI6のエージェントであり、そのハンドラー(エージェントを管理する担当オフィサー)はムーア長官だと推測されている。会談後、ゼレンスキーの警護担当者はウクライナ人からイギリス人へ交代になったという。ゼレンスキー政権はMI6政権だということもできる。MI6は歴史的にシティ(ロンドンを拠点とする金融資本)と関係が深い。 降伏か「総玉砕」かという状況に陥っているウクライナでの戦争継続に意味を見出せないドナルド・トランプ米大統領はウラジミル・プーチン露大統領と交渉を開始、今月下旬にはサウジアラビアで会うと言われている。ロシアとの交渉を進めたいなら、アメリカはロシア...
現代のロシア

ロシアとの関係を修復は、中露の関係を分断して中国を攻撃するためだとの疑惑

ロシアとの関係を修復は、中露の関係を分断して中国を攻撃するためだとの疑惑 アメリカとロシアの高官がサウジアラビアのリヤドで協議を始めた。アメリカからはマルコ・ルビオ国務長官、マイク・ウォルツ国家安全保障担当補佐官、スティーブ・ウィトコフ中東担当特使、またロシアからはセルゲイ・ラブロフ外相とクレムリンのユーリー・ウシャコフ大統領補佐官が出席した。またサウジアラビアの外相や国家安全保障問題担当補佐官も同席している。 ウクライナを舞台とした戦闘はバラク・オバマ政権がネオ・ナチをを利用して実行したクーデターから始まり、ジョー・バイデン政権が従属国を率いて行ってきた。兵士として戦っているのは基本的にウクライナ人だが、実際はアメリカとロシアの戦争だ。そうした事情から考え、交渉の場にウクライナの自称大統領やヨーロッパ諸国の首脳がいないことを不思議がることはない。 ドナルド・トランプ大統領はロシアの要求を相当部分呑むと見られ、両国の関係を修復する姿勢を見せているのだが、その一方、ガザでは進展が見られない。そうした中、注目されているのが台湾問題だ。​アメリカ国務省の台湾に関するサイト​から「台湾の独立を...
現代の欧州

ウクライナ戦争を「止めたいトランプ」「続けたいゼレンスキー」「無能な欧州」

ウクライナ戦争を「止めたいトランプ」「続けたいゼレンスキー」「無能な欧州」ウクライナ戦争の終結・和平をめぐって、ミュンヘン安全保障会議を契機にさまざまな動きがみられた。そこで、今回はそこでの舞台裏について論じてみたい。まず、2月14日の開幕前に起きた出来事について知らなければならない。2月12日、ドナルド・トランプ大統領は、ウラジーミル・プーチン大統領と1時間半にわたって電話会談した。その後、彼がTruth Socialにアップロードしたコメントには、こう書かれている。「私たちはそれぞれ、それぞれの国の強みと、いつか協力することで得られる大きな利益について話した。しかしその前に、私たち双方が同意したように、ロシア/ウクライナとの戦争で起きている何百万人もの死を止めたい。プーチン大統領は、私の強い選挙運動のモットーである 『COMMON SENSE 』(常識)を使ってくれた。私たちはともにそれを強く信じている。私たちは、お互いの国を訪問するなど、非常に緊密に協力することで合意した」要するに、トランプは、プーチンとの間で、ウクライナ戦争終結に向けた本格的な協議に入ることを宣言したことになる...
現代の米国

トランプ「怒りの閉鎖処分」のUSAIDへの「大いなる疑問」…本当に世界メディアの左派偏向の元凶なのか

トランプ「怒りの閉鎖処分」のUSAIDへの「大いなる疑問」…本当に世界メディアの左派偏向の元凶なのかUSAIDはこのあたりを「裏切った」トランプ政権がUSAID(United States Agency for International Development:アメリカ国際開発庁)について、全世界で1万人以上いる職員の97%を削減し、およそ290人にするとの方針を打ち出したことが話題になっている。大統領執務室のイーロン・マスク(左)とトランプ大統領(右) by Gettyimagesこの方針のもと、米東部時間で2月7日午後11時59分をもって、USAIDに直接雇用されている人員は全世界的に休職処分となった。トランプはUSAIDの行うプログラムのうち、人道支援を除いた全てのプログラムを停止させ、海外にいる職員全員の30日以内の帰国を命じ、対外開発援助の効率性と外交政策との一貫性に関する評価を行うとして、90日間の援助停止に踏み切った。USAIDは1961年に設立され、世界の紛争地域や貧困地域で食糧支援、教育支援、衛生支援などを行ってきたとされる組織だ。2023年度にはおよそ130か国で...