森羅万象

生命科学

「生命は自然に発生する!」ありえないとされた説が息を吹き返して提唱された「生命の一歩手前」の衝撃の姿

「生命は自然に発生する!」ありえないとされた説が息を吹き返して提唱された「生命の一歩手前」の衝撃の姿オパーリンの『生命の起原』1917年、ロシアでは十月革命が起こり、ソヴィエト連邦が誕生しました。この年にモスクワ大学を卒業したアレクサンドル・イヴァノヴィッチ・オパーリン(1894〜1980)は、大学に残って生化学の研究を続けていました。アレクサンドル・イヴァノヴィッチ・オパーリン photo by gettyimages1922年、オパーリンは、ロシア植物学会モスクワ支部で、生命の起源に関する発表を行います。そして1924年には、その内容をまとめた70ページほどの小冊子『生命の起原』を発表しました(やはり「起源」ではなく「起原」と訳されています)。その後、オパーリンは生命の起源についての本を何冊も書いていますので、それらと区別して、1924年版を「小冊子」とよびます。この小冊子でオパーリンはまず、アリストテレスからニーダムに至る自然発生の考えが、パストゥールによって否定されたことにより、「生命がいかに地球上で生じたか」という問題が生じたことを述べています。次にパンスペルミア説を紹介し、...
日本の文化

春分の日とは?春分は2025年はいつからいつまで?お彼岸のお墓参りと食べ物について – 二十四節気

春分の日とは?春分は2025年はいつからいつまで?お彼岸のお墓参りと食べ物について - 二十四節気春分の日は国民の祝日にもなっているので記憶にはあるけど、実際はどういう意味なのか、何をする日なのか知らないという方もいるかと思います。春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」として定められています。春分は二十四節気の一つ。参考:国民の祝日に関する法律(内閣府)今回は春分の日の意味や2025年の春分はいつからいつまでなのか?、その周辺にある行事・お彼岸について、お供え物である牡丹餅とお萩の違いについてもあわせて紹介します。春分の日とは?春分の日とは、太陽が真東から昇り真西に沈む日で、昼と夜の長さがほぼ同じになる日のことです。秋分の日も同じ。英語では「Spring Equinox Day」。Equinox(イクイノックス)とは、昼と夜の長さが同じと言う意味で使います。春分の最初の日のことを「春分の日」と呼びます。春分の日をはさんだ7日間が「春のお彼岸」の期間にあたります。春分の日は丁度お彼岸の中日にあたるので、お墓参りをしてご先祖様を供養する習慣があります。スポンサーリンク2025年の春...
現代の日本

日本、7人に1人が貧困に。米国型経営を真似て格差拡大、経済長期低迷へ

日本、7人に1人が貧困に。米国型経営を真似て格差拡大、経済長期低迷へ=斎藤満日本経済の長期停滞が続いています。少子高齢化に加え、西側経済の衰退やアジアの成長についていけないことも要因です。米国に追従する姿勢が、格差拡大や学力低下を招き、企業・市場優先の政策が円安を通じて経済の弱体化を加速させました。そろそろ損切、リセットの時です。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)【関連】「貯蓄から投資へ」の残酷さ。政府は国民を切り捨てる意図で投資を奨めている=鈴木傾城※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2025年3月17日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経...
現代のロシア

プーチン大統領とトランプ大統領の電話会談:重要なポイント

プーチン大統領とトランプ大統領の電話会談:重要なポイントロシアと米国の首脳は、ウクライナ紛争の解決と二国間関係の改善の見通しについて協議した。ファイル写真。©  ゲッティイメージズ/アナドル通信社/ロシア大統領報道情報局ロシアのウラジミール・プーチン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領は火曜日、ウクライナ紛争の解決の可能性について協議するため、待望の電話会談を行った。会談は2時間半続き、ホワイトハウスとクレムリンの双方が前向きな内容だったと述べた。会談の要点は以下の通り。停戦の可能性プーチン大統領とトランプ大統領は、トランプ大統領の30日間の停戦案について協議し、ロシア側は停戦実施前に解決すべき複数の問題を示したと、クレムリンの報道機関は電話会談後の声明で述べた。具体的には、プーチン大統領は、停戦の可能性を適切に監視するメカニズムを確立するとともに、ウクライナでの強制的な動員と再軍備を阻止する必要性を示した。「合意内容を繰り返し妨害し、違反してきたキエフ政権の交渉能力の欠如に伴う深刻なリスクも指摘された」とクレムリンの広報部は述べ、プーチン大統領は「クルスク地域の民間人に対してウクラ...
現代の世界各国

「アメリカ一極化の破綻と新たな道拓く独自外交」 ジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)の欧州議会での講演 《上》

「アメリカ一極化の破綻と新たな道拓く独自外交」 ジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)の欧州議会での講演 《上》欧州議会で講演するジェフリー・サックス氏(2月19日) ウクライナ戦争勃発当初から早期停戦を主張してきた米コロンビア大学教授のジェフリー・サックス氏(政治経済学)が2月19日、欧州議会に招かれて講演し、米ソ冷戦終結から30年余にわたり欧州諸国やソ連、ロシアの経済アドバイザーを務めた経験を踏まえ、ウクライナ戦争、ガザ戦争、そしてトランプ再登場によって混乱する欧州を含む世界情勢について解説と政策提言をおこなった。歴代国連事務総長の特別顧問も務めた同教授は、1990年代以降のアメリカ一極支配が完全に破綻したことを指摘し、「アメリカの敵であることは危険だが、友人であることは致命的」とのべ、欧州に対してアメリカ追従の戦争政策を転換し、ロシアや中国を含む国々と独自の平和的外交関係を再構築する必要性を訴えた。日本の進路とも重なるテーマであり、同講演の要約(和訳)を連載で紹介する。(見出しは編集部)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――混...
生命科学

もし本当なら…「地球で最初の生命は、進化では誕生できない」…進化論で生じた「すこぶる当然の疑問」

もし本当なら…「地球で最初の生命は、進化では誕生できない」…進化論で生じた「すこぶる当然の疑問」ダーウィンのオリジナル概念ではなかった「進化」1859年、チャールズ・ダーウィン(1809〜1882)は、ジョン・マレー出版社から『自然選択という手段、または生存闘争の中で好ましいとされる種が保存されることによる種の起原について』という長いタイトルの本を出版しました。これが、今日の生物進化学の基礎を築いた、『種の起源』という名で知られている著作の正式な書名です(「起“源”」ではなく「起“原”」と訳されました)。実は「進化」という概念自体は、ダーウィン以前にもありました。たとえば、彼の祖父のエラズマス・ダーウィン(1731〜1802)は、生物学に進化(evolution)という言葉を持ちこんでいました。また、フランスの博物学者ジャン=バティスト・ラマルク(1744〜1829)は、キリンの首は高いところの葉を食べようとして伸びた、といった「用不用説」と呼ばれる考え方で進化を説明しようとしていました。ダーウィンは初め、医者である父のあとを継ぐためエジンバラ大学に進学しましたが、医学学には向かずに退...
現代の日本

企業献金禁止に反対する党

企業献金禁止に反対する党昨年10月31日の総選挙で自民党が大敗した原因は〈政治とカネ〉問題にあった。日本政治の中心問題。1970年代にロッキード事件が表面化。田中角栄首相への贈賄が立件された。1980年代末にはリクルート事件が表面化。竹下登首相を中心に多数の国会議員にリクルート社の未公開株が不正に譲渡されたことが発覚し、その一部が事件化された。その後、1993年に政治改革をめぐり自民党が分裂。総選挙の結果として野党8会派による連立政権が樹立された。自民党は1955年の結党以来、初めて下野した。この過程で衆院総選挙に小選挙区制が導入され、企業団体献金を廃止することを前提に政党交付金制度が創設された。その後、連立政権から社会党が離脱。自民党は社会党、新党さきがけと連携して政権を樹立して与党に返り咲いた。その自民党が再び下野したのが2009年。鳩山民主党は企業団体献金全面禁止を公約に盛り込もうとした。しかし、結果として公約化は見送られた。岡田克也氏が強く反対して公約化は闇に葬られた。2010年の政変で鳩山内閣が総辞職し、守旧勢力傀儡の菅直人内閣、野田佳彦内閣が創設された。野田内閣は公約違反の...
ロシアの歴史

ロシアとの戦争に執着する大英金融帝国

ロシアとの戦争に執着する大英金融帝国 ウクライナを舞台にした戦闘でロシアが勝利したことは明白である。ロシアにはNATO/ウクライナと話し合う意味がないものの、ウクライナや西側諸国は停戦を実現して態勢を立て直す時間が欲しいはずだ。自分たちの好戦的な政策が破綻したことを人びとに気付かれたくないということもあるだろう。 アメリカをはじめとするNATO諸国は2014年から8年かけて反クーデター派の人びとが生活するドンバスの周辺に要塞線を築き、本格的な攻撃の準備が整った2022年にロシア軍が一歩早く攻撃を開始、そこから戦況はロシアが優勢なまま現在に至っている。要塞線はマリウポリ、ソレダル、マリインカ、アウディーウカの地下要塞が軸になっていたが、2024年2月までに全て陥落。この時点でNATO/ウクライナの敗北は決定的だった。 ネオ・ナチを使ったクーデターでNATO諸国は2014年2月22日、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すことに成功するが、軍や治安機関の中にはネオ・ナチ体制に反発する人も少なくなかったようで、約7割が離脱し、一部は半クーデター軍に合流したと言われている。そのためクーデター軍は反ク...
現代の中国

もう海軍力で中国にはかなわない…!危機感を募らせるトランプが、プーチンにおもねってでもウクライナ和平を急ぐ「深刻な理由」

もう海軍力で中国にはかなわない…!危機感を募らせるトランプが、プーチンにおもねってでもウクライナ和平を急ぐ「深刻な理由」ますます優勢になる中国の海軍力トランプの軍事戦略をどう見ればいいのだろうか。狂人を装うマッドマン戦略で動いているトランプが本音で何を考えているのかを理解するのは非常に難しいが、今回はここを考えてみよう。トランプは中国との軍事的なバランスが崩れてきていることに危機感を持っている。そしてその危機感は、米中の製造業の力の差に立脚している部分も大きい。トランプのMAGA戦略においては、アメリカでの製造業の復活を重視しているが、ここには国防に対する意識も強く働いている。by Gettyimages例えば、今や中国の造船業の世界的なシェアは7割に達している一方、アメリカの造船業は中国の232分の1にすぎない。中国は圧倒的な造船能力を背景に、中国海軍の艦船を2030年までに460隻に増やすと予想される一方、米国海軍はこのままでは260隻にまで減る見通しだ。しかも米軍の艦船が世界に分散して展開している一方で、中国の艦船は東シナ海、南シナ海にほぼ集中している。この限られた領域においては...
現代の中国

「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅡ 中国の造船力はなぜ成長したのか?海軍力に影響

「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅡ 中国の造船力はなぜ成長したのか?海軍力に影響(写真:ロイター/アフロ)  3月13日のコラム<「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅠ 米国はなぜ負けたのか、関税で中国を倒せるのか>で、「それなら中国の造船業はなぜ成長したのか」に関してはPartⅡあるいはそれ以降に書くつもりだとお約束したので、早速このPartⅡで考察したいと思う。 カギは「造船業と鉄鋼業の戦略的連携」だ。 中国の国家戦略は世界のどの国も実行していない中国国内での連携政策を着々と実行している。トランプ2.0が鉄鋼・アルミニウムに関して世界各国に25%の関税をかけても、世界シェアのトップを占めている中国の製造業の背骨は揺るぎそうにない。 中国の造船力の優位性は、アメリカの海軍力の相対的劣化をもたらし、日本の防衛予算に対するアメリカからの要求にもつながっていくので、本稿に書いた事実を日本人は真正面から受け止めていただきたい。◆「造船業と鉄鋼業の連携」が決定打! アメリカの造船業が衰退した最大の原因は、レーガン政権時代に「政府補助金制度を撤廃したこと」だと...
現代のロシア

19世紀からロシアの破壊を目論んできた英国の支配層がウクライナの戦争で浮上

19世紀からロシアの破壊を目論んできた英国の支配層がウクライナの戦争で浮上 ​ロイターによると、地上発射型小直径爆弾(GLSDB)のウクライナ向け輸送をアメリカ政府は再開する準備を進めている​という。この爆弾はGPS補助慣性航法システムで誘導されるGBU-39(SDB)にM26 227 mmロケットモーターを組み合わせたものだ。ウクライナ軍はアメリカから供給されたATACMS(陸軍戦術ミサイル・システム)をほぼ使い果たしているので、その代用兵器なのだろう。すでに提供されたGLSDBはロシア軍のECM(電子対抗手段)で無力化されている。今回のタイプは対抗できるよう改良されたというが、性能は不明だ。 ドナルド・トランプ大統領がスティーブ・ウィトコフ特使をモスクワへ派遣したタイミングでこの記事は出た。ウィトコフはウラジミル・プーチン大統領に「即時暫定30日間停戦」に合意させることはできなかった。もしこの停戦案をロシア政府が認めた場合、その間にアメリカ政府はGLSDBをウクライナへ輸送する予定だったのかもしれないが、そうした時間的な余裕はなくなった。こうした兵器を供給するということは、軍事情報...
現代の世界各国

外国勢力に支援されたジハード集団に制圧されたシリアで少数派住民の虐殺が続く

外国勢力に支援されたジハード集団に制圧されたシリアで少数派住民の虐殺が続く HTS(ハヤト・タハリール・アル・シャム)やRCA(革命コマンド軍)が昨年12月8日にダマスカスを制圧、アーメド・フセイン・アル-シャラー(アブ・モハメド・アル-ジュラニ)が暫定大統領を務める新政権が誕生したが、それ以来、アラウィー派やキリスト教徒を中心にして住民が虐殺された。アラフィー派だけでも3月に入ってから4000名以上が殺害されたと言われている。そのHTSをクウェートとバーレーンは支持すると表明した。HTSが実権を握って以来、身の危険を感じたアラウィー派やシーア派の人びとはレバノンへ逃げ、数千人の住民がロシア軍の基地へ避難したという。 アラウィー派はシリア人口の約1割を占め、北西部に集中。ダマスカス以外ではトルコ軍やイスラエル軍による攻撃にさらされ、ジハード戦闘員とアラフィ派民兵の軍事衝突も報告されている。地域によってはHTSの部隊が男性を一斉に拘束、路上で射殺し、家や商店で略奪、また放火しているとする報告もある。殺害された民間人の大半は成人男性とされているが、女性や子どもが処刑されたことも確認されてい...
現代の米国

「代理戦争」――アメリカの自白

「代理戦争」――アメリカの自白 米国のマルコ・ルビオ国務長官がFOXニュースのインタビューで、ウクライナ紛争について「トランプ大統領はこれを長期にわたる膠着状態の紛争とみている。率直に言ってこれは核保有大国、つまりウクライナを支援する米国とロシアの代理戦争であり、終結させる必要がある」と発言し、それに対してロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官も「代理戦争」と呼称したことについて、「(ルビオ氏の発言に)同意する。それが現状だ。わが国の大統領と外相が繰り返し表明してきた見解と完全に一致する」と述べたことがAFP(時事)などによって報じられた。 かねてより、この戦争はNATO(アメリカを中心にした西側諸国)の東方拡大とロシアとの矛盾を根底にした「代理戦争」にほかならないという指摘が識者によってなされてきたが、両大国が今回あけすけに認めているように「代理戦争」だったということで当事者の認識も一致しており、アメリカ側もロシア側も停戦に向けて歩みを進めるということのようである。これに対してNATOのなかでもフランスやドイツ、イギリスといった国々が反発し、欧州各国と米国との溝について取り沙汰さ...
現代の日本

「この国はもうダメだと思った」 ~ 川口マーン恵美『移民 難民 ドイツからの警鐘』

No.1412 「この国はもうダメだと思った」 ~ 川口マーン恵美『移民 難民 ドイツからの警鐘』EU全体が移民受入厳格化に舵を切っているのに、もっとも問題の大きいドイツは言論弾圧をしてまで政策転換を渋っている。■1.「この国はもうダメだと思った」伊勢: 花子ちゃん、この間はフランスを中心に移民難民問題を論じたけど、つい最近、ドイツの状況を克明にレポートした本が出た。川口マーン恵美さんの『移民 難民 ドイツからの警鐘』という本だけどね。40年ほどもドイツに在住している方だから、ドイツの変化をよく見抜かれていると思う。__________JOG(1408) 移民難民問題が社会を壊す ~ 西尾幹二『「労働鎖国」のすすめ』再読 欧州社会の底辺で新たな奴隷階級にされた移民難民の2世、3世が、各地で暴動を起こしている。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄花子: 「警鐘」というからには、移民難民問題がずいぶんひどいことになっているという事ですか?伊勢: 「ひどい」という程度ではなく、昨年末に起きた事件で「この国はもうダメだと思った」とまで書いている。花子: いったいどんな事件だったんですか?伊勢: 2024年12...
日本の歴史

東京大空襲から80年:「火だるまの子ども」 次世代に伝える東京大空襲の体験 東京都江東区・築山実(当時16歳)

東京大空襲から80年:「火だるまの子ども」 次世代に伝える東京大空襲の体験 東京都江東区・築山実(当時16歳)(2025年3月7日付掲載)米軍による空襲で焼き尽くされた東京下町。両国から深川方面をのぞむ(1945年3月) 第二次世界大戦末期の1945年3月10日、米軍による無差別爆撃で一夜にして10万人が焼き殺された東京大空襲から80年を迎える。もはや日本の敗戦が決定的だった当時、マリアナ諸島を出撃して東京上空に侵入した米軍B29、352機は、人々が寝静まった午前零時すぎから東京下町を中心に油脂焼夷弾約38万発(約2000㌧)を投下した。住宅密集地を囲むように爆撃され逃げ場を塞がれた人々は、強風に煽られて広がる大火災に呑まれ、約3時間のあいだに家屋焼失27万戸、死者10万人に及ぶ大惨事となった。その後も8月まで続いた東京全域への空襲では、判明しているだけで死傷者・行方不明者は25万670人、罹災者は304万4197人(東京都調査資料)にのぼる。世界史においてもっとも無惨な大量殺戮であるにもかかわらず、戦後日本では犠牲者への補償も、国家事業として慰霊碑の建立すらされていない。この記憶の抹...
現代の中国

「中国から撤退しろ」という声が叫ばれる今、その振り子が“いつか逆に向く”と思うワケ

「中国から撤退しろ」という声が叫ばれる今、その振り子が“いつか逆に向く”と思うワケ反中国の風が吹く今、メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、あえて中国ビジネスについて考える好機だと述べています。トランプ大統領の対中ディールはどのような未来をもたらすのか、中国との新たなビジネスモデルについて準備を今から進めることが重要だとし、今やっておくべきことを紹介しています。今だからこそ、中国ビジネスについて考える今日のテーマは、中国ビジネスです。現在は反中国の風が吹いています。しかし、振り子はいつかは逆方向に動くのです。反中国に振り切った今だからこそ、次の中国ビジネスを考える好機だと思います。1.反中国のトレンドが示す現実近年、中国を取り巻く国際的な環境は急速に変化しています。中国不動産バブルの崩壊や日本企業の撤退、さらには米国による中国孤立化政策などが相まって、リアルでもネット上でも反中国の動きが加速しています。このような状況は、単なる一時的な現象ではなく、世界的な潮流として定着しつつあります。こうした動きの背景には、単なる政治...
現代の中国

「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅠ 米国はなぜ負けたのか、関税で中国を倒せるのか

「米国の500倍の生産力を持つ中国の造船業」PartⅠ 米国はなぜ負けたのか、関税で中国を倒せるのか中国 香港コンテナターミナル(写真:ロイター/アフロ) 3月5日、トランプ大統領は施政方針演説でアメリカの造船業を復活させると強調したが、中国は現在、アメリカの500倍の造船生産力を持っている。アメリカの造船業はなぜそこまで衰退したのだろうか?また関税措置や制裁などによって、そのギャップを埋めることができるのだろうか?◆施政方針演説での造船に関するトランプ大統領の抱負 ホワイトハウスの発表によれば、<3月5日のトランプ大統領の施政方針演説>には、造船業強化に対するトランプの抱負が載っている。そこには概ね以下のようなことが書いてある。 ●防衛産業基盤を強化するため、商業用造船や軍用造船を含む米国の造船業も復活させる。 ●その目的のため、私は今夜、ホワイトハウスに造船局を新設し、この産業を本来あるべき場所である米国に呼び戻すための特別税制優遇措置を設けることを発表する。 ●かつてはわれわれ(アメリカ)は、多くの船を造っていた。今ではそれほど多くは造っていないが、すぐに非常に速いスピードで造る...
現代の日本

日米安保に不満のトランプが知らない、日本側の“見えないコスト”。私たちは本当に「守られるだけ」なのか?=斎藤満

日米安保に不満のトランプが知らない、日本側の“見えないコスト”。私たちは本当に「守られるだけ」なのか?=斎藤満米国のトランプ大統領は6日、日米安保条約について「片務性」を指摘。その前の4日には、国防総省ナンバー3のコルビー氏が、日本に防衛費をGDPの3%に引き上げるよう求める発言をしています。関税問題に続いて今度は日米安保への不満を述べ、日本に相応の負担を求める意向を示しました。トランプ大統領はさらに「日本は米軍に守ってもらう間に、経済的発展を実現し、ついには米国に巨大な貿易黒字を出すようになっている」として、貿易不均衡の背景に、この日米安保の片務性を結び付けようとしている節も見られます。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)【関連】「貯蓄から投資へ」の残酷さ。政府は国民を切り捨てる意図で投資を奨めている=鈴木傾城※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2025年3月11日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行...
現代の日本

トランプの「日米安保は不公平だ」に日本が慌てる「情けない理由」わが国の保守もリベラルも、本当そういうとこだぞ

トランプの「日米安保は不公平だ」に日本が慌てる「情けない理由」わが国の保守もリベラルも、本当そういうとこだぞトランプ米大統領が日米安保の「不公平」を叫びはじめた。防衛面で在日米軍に強く依存するわが国はどう対応すべきか?短期的には「静観」が最善手とみるのは米国在住作家の冷泉彰彦氏。ただし中長期的に、トランプの気まぐれに狼狽する情けない状況から日本が脱するためには、国内の「保守」「リベラル」「ノンポリ」勢力それぞれが抱える矛盾の解消が欠かせないとしている。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より)※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:日米安保と国是の本質を考えるトランプの「日本は米国を防衛する義務がない」にどう対応すべきか?ある程度は予想されていたこととはいえ、トランプ大統領が「日米安保は不公平」ということを言い出した、その衝撃は小さくはありません。「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守らない」「いかなる状況下でも日本は米国を守る必要がない」と指摘した上で日米安保は「興味深いディール(取引)」だ、つまりアメリカ不利、日本有利の不公...
生命科学

ミトコンドリア・イブは全人類の母ではなかった!?ゲノム解析から明らかになっている、ヒトの遺伝子の共通祖先・イブやアダムは数万人以上いるという事実

ミトコンドリア・イブは全人類の母ではなかった!?ゲノム解析から明らかになっている、ヒトの遺伝子の共通祖先・イブやアダムは数万人以上いるという事実ミトコンドリア・イブは誰だったのか?約16万年前のアフリカに、一人の女性が住んでいた。彼女の細胞の中にあったミトコンドリアは、子供からさらにその子供へと伝えられていった。そして、彼女のミトコンドリアは、ついにすべての人類に広がった。つまり、現在の地球上に住んでいるすべてのヒトのミトコンドリアは、彼女一人のミトコンドリアに由来するのである。この話は魅力的なだけでなく、事実である。ミトコンドリア・イブという洒落たニックネームがつけられたこともあって、この16万年前にアフリカにいた女性は、世界的な有名人になった。そして、このミトコンドリア・イブの存在が、私たちヒト(学名はホモ・サピエンス)がアフリカ起源である証拠だと、いろいろなところで述べられるようになった。gettyimagesでも、本当に、そうだろうか。ミトコンドリア・イブと呼ばれる女性が約16万年前にアフリカにいたことはよいとして、それってヒトがアフリカ起源であることの証拠になるのだろうか。本...