「不登校は病気」という暴論

日本の文化

現在の学校のシステムが、時代に合わなくなっています。
歴史的には、義務教育、学校は、兵士の育成に為に創設されました。
また、画一的な工場労働者の育成にも寄与してきました。

しかし、現在のように多様性、自主性が求められる時代に、このシステムは全く役に立たないどころか、子供たちに対して、大きなストレスを与えてしまっています。

新しい時代には新しい教育システムが求められています。
参考になるのは、実は、江戸時代の寺子屋制度ではないでしょうか。

江戸日本はボランティア教育大国-花のお江戸はボランティアで持つ
江戸時代の教育システム、寺子屋の紹介です。江戸時代は、識字率をはじめ、規範性、道徳性や思いやりの高さに象徴されるように教育水準は世界的にも高く、260年余の長い平和と繁栄の時代の基盤を作っていました。その秘密は、寺子屋という教育システムとこれを支えるボランティアボランティア精神、自分たちの生きる場は自分たちで作る、という志があったからだと思います。江戸日本はボランティア教育大国-花のお江戸はボランティアで持つ■1.戦う西洋、平和の日本■ 戦国時代には世界一の銃砲生産大国だった日本が、江戸時代に入ると、銃を捨て、平和な国造りに向かった様子を、前回の記事で紹介しました。 今回はその続編として、その後に建設された社会がどのようなものだったのかを見てみよう。同時代のヨーロッパでは、内では30年戦争を行い、ドイツでは人口が1/2とか、1/3になるような悲惨な状態であった。また外に対しては、植民地収奪に明け暮れて、 はやい話がスペイン人が現れる前には、中央アメリカの推定人口は7千万人から9千万人はいたとされているが、私がすでに書いたようにスペイン人の侵入のわずか一世紀後には、350万人に激減してい...
我々の先人が歩んでいた人作りの道 ~『世界が称賛する 日本の教育』
少なくとも乳幼児から青年に至るまでの日本の教育に関しては、現代の我々が謙虚に学ぶべきたくさんの事実が、先人たちの事績にはある。世界が左巻きの空想から解放されつつある現況というのは、大変、喜ばしいのですが、間違った空想がなくなったからと言って、正しい方向に歩んでいけるとは限りません。どのような教育を目指すべきか、という方向を、しっかりした事実認識をベースに考える必要があります。我々の先人は、人作りの本当の道を知っていた。その事実を辿って、空想的な左巻き思想に基づく戦後教育から脱し、真の人作りの道に立ち返ろう。我々の先人が歩んでいた人作りの道 ~『世界が称賛する 日本の教育』発売■1.『世界が称賛する 日本の教育』アマゾン「日本論」1位 本講座書籍化第4弾『世界が称賛する 日本の教育』が8月2日に発売開始となり、お陰様でいきなりアマゾン「日本論」1位、総合でも41位につけました。皆様のご声援に厚く御礼申し上げます。伊勢雅臣『世界が称賛する 日本の教育』、育鵬社、H29 本号では、その「まえがき」と目次、「あとがき」の一部を掲載して、どのような内容なのか、ご紹介します。■2.まえがき 「手塩...
【日本】を知らない日本人・・・幕末から明治初期の【日本人】の能力的特質
【日本】が生んだ【日本人】の能力的特質外国人から見て、幕末から明治初期の日本人の能力は、特筆すべきモノがあったようです。それは、日本の生活様式や食文化が生んだ「体力」、生まれたときから育まれ、日本語そのものや地域の教育力、寺子屋で鍛えられた「知力」「工夫する力」「器用さ」です。これらは、現代にも脈々と受け継がれています。体格的には決して恵まれていない中、オリンピックや様々なスポーツの世界で活躍する日本人がいます。また、日本は技術立国・職人国家 世界シェア1位の日本企業と製品 で紹介していますが、その「知力」「工夫する力」「器用さ」は現在も世界一だと思います。体力江戸時代の「飛脚」は驚異的な体力の持ち主でした。江戸から京都までの約492キロを3〜4日で走り、手紙を届けていました。徒歩だと約2週間もかかる距離です。もちろんこの距離を一人で走り抜いていたわけではなく、数人でリレー形式で走っていました。中には通飛脚と呼ばれる一人で出発地から目的地まで走る飛脚もいたそうです。現代のように舗装された道ではなく、ランニングシューズもない状態で東海道を走り抜いていた事実は驚異的です。また、ごく普通の人...
「不登校は病気」という暴論 - 植草一秀の『知られざる真実』
昨年10月4日に発表された『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』(文部科学省)によると、小中学生の不登校児童生徒数は前年度から54,108人(22.1%)増の299,048人で過去最多になった。過去5年間の傾向として、小学校・中学校ともに不登校児童生徒数およびその割合は増加、全体の不登校児童生徒数は10年連続で増加した。このなかで2016年に「教育機会確保法」という学校以外の場で教育機会を確保する法律が制定された。文科省の原案には、学校以外の場に普通教育を受ける場、ケースを設けることが盛り込まれたが、与野党がそろってこれに反対した。理由は、「そんなことを認めればみんな学校に行かなくなる」というものだったという。...

「不登校は病気」という暴論

昨年10月4日に発表された

『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』(文部科学省)
https://x.gd/9MSGN

によると、小中学生の不登校児童生徒数は前年度から54,108人(22.1%)増の299,048人で過去最多になった。

過去5年間の傾向として、小学校・中学校ともに不登校児童生徒数およびその割合は増加、全体の不登校児童生徒数は10年連続で増加した。

このなかで2016年に「教育機会確保法」という学校以外の場で教育機会を確保する法律が制定された。

文科省の原案には、学校以外の場に普通教育を受ける場、ケースを設けることが盛り込まれたが、与野党がそろってこれに反対した。

理由は、「そんなことを認めればみんな学校に行かなくなる」というものだったという。

それほどまでに「学校というのは嫌なところ」という認識が共有されていたということ。

つまり、学校は嫌々行くところであって、その嫌な学校に行って修行するのが重要との大前提が置かれていて、その「強制」を取り除いてしまえば、皆が学校に行くのをやめてしまうとの認識が持たれていたということ。

しかし、世界では「ホーム・スクーリング」、「ホーム・エデュケーション」を認めているのが主流。

日本の学校は「強制収容所」であり、子供をここに閉じ込めて「修行」、「修練」させる発想で学校を位置付けている。

その学校が子どもにとって居心地の良い場所でないことが極めて多い。

かつて「不登校」は「登校拒否」と呼ばれていた。

「登校拒否」となると、これは「直さなければならない」という話になる。

そんななかで戸塚ヨットスクールのような事例が現れて、子どもが亡くなるような事態まで発生した。

前川喜平元文科省事務次官によると、このような状況下で当時の文部省のなかで反省が生まれて有識者会議で議論が行われ、1992年に通知が出されたとのこと。

このときに「登校拒否」の用語が「不登校」に転換された。

「不登校」もネガティブな響きを持つ言葉だが、「登校拒否」よりは表現が和らげられた。

「不登校」は誰にでも起こり得るものとされ、フリースクールなどに通っている場合も在籍している学校での出席として取り扱うという、指導要録上の出席扱いとする通知が出された。

かつては登校しなければ除籍処分にするという措置まで取られていたが、これが是正された。

そもそも、日本国憲法が定めている「教育の義務」とは次のもの。

第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

「義務教育」という言葉に含まれる「義務」の意味は、

「保護する子女に普通教育を受けさせる義務」

のことで、「子どもが学校に行く義務」ではない。

保護者は子女に「普通教育」を受けさせる義務を負う。

ところが、日本では「普通教育」を受ける場が「学校」に限定されてきた。

学校教育法第一条が

「幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校」

のみを学校と定め、同法第十七条が、保護者に対して子を学校教育法が定める学校に就学させる義務を課した。

このために、「学校に行くのが義務」との誤解が生みだされてきた。

世界の潮流は普通教育の場を学校に限定しないものになっている。

2016年の「教育機会確保法」制定に際して、文科省が普通教育を受ける場を学校以外に広げることを提案したが、与野党がこぞって、この提案を葬った。

しかし、教育機会確保法ができたことによって文科省の不登校対策の大前提が変わった。

不登校の子どもに対する対応の基本を社会的な自立に導くことに置き、その結果、学校に戻すことを目標としないこととされた。

教育機会確保法が制定されて3年後に「不登校の子どもが学校に戻らなくてもよい」との通知が出されたのである。

子どもは「学校に行かない自由」を有する。

このことを銘記しなければならない。

この状況下で看過できないニュースが報道された。

「不登校は病気である」とする島根県出雲市のクリニック院長の飯島慶郎氏を紹介する記事が報じられた。

「不登校は病気と診断」全国初の不登校専門クリニック、前に進むための医学的アプローチ #令和の子 #令和に働く(ほ・とせなNEWS) - Yahoo!ニュース
全国で初めて開設された子どもの不登校専門クリニックが、島根県出雲市にあります。院長の飯島慶郎さんは、不登校児に対し、医療的なアプローチの必要性を強く感じ平成30年1月に開業しました。自身の子どもも不
「不登校は病気と診断」全国初の不登校専門クリニック、前に進むための医学的アプローチ #令和の子 #令和に働く(ほ・とせなNEWS) - Yahoo!ニュース
全国で初めて開設された子どもの不登校専門クリニックが、島根県出雲市にあります。院長の飯島慶郎さんは、不登校児に対し、医療的なアプローチの必要性を強く感じ平成30年1月に開業しました。自身の子どもも不

極めて不適切な表現であり、直ちに撤回が求められる。

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