【日本】が生んだ【日本人】の能力的特質
外国人から見て、幕末から明治初期の日本人の能力は、特筆すべきモノがあったようです。
それは、日本の生活様式や食文化が生んだ「体力」、生まれたときから育まれ、日本語そのものや地域の教育力、寺子屋で鍛えられた「知力」「工夫する力」「器用さ」です。
これらは、現代にも脈々と受け継がれています。
体格的には決して恵まれていない中、オリンピックや様々なスポーツの世界で活躍する日本人がいます。
また、日本は技術立国・職人国家 世界シェア1位の日本企業と製品 で紹介していますが、その「知力」「工夫する力」「器用さ」は現在も世界一だと思います。
体力
江戸時代の「飛脚」は驚異的な体力の持ち主でした。江戸から京都までの約492キロを3〜4日で走り、手紙を届けていました。徒歩だと約2週間もかかる距離です。
もちろんこの距離を一人で走り抜いていたわけではなく、数人でリレー形式で走っていました。中には通飛脚と呼ばれる一人で出発地から目的地まで走る飛脚もいたそうです。
現代のように舗装された道ではなく、ランニングシューズもない状態で東海道を走り抜いていた事実は驚異的です。
また、ごく普通の人が1日に10里(約40キロ)を平気で歩いていたという事実もあります。
彼らに特別な体力や才能があったわけではなく、日頃の生活様式や食文化が育んだモノだと思います。
(西洋人が実験的に飛脚に肉を食べさせたところ、普段よりも早くバテてしまったという話もあります。)
知力
高い識字率!・・・江戸時代の日本人の識字率は世界でトップレベル
江戸時代の日本人の識字率は70〜80パーセントだったと言われています。これは世界でもトップレベルの識字率です。江戸時代は鎖国状態でしたが、勤勉な日本人は「読み書きそろばん」をしっかり学習していました。特に都市部では武士から貧しい町家の子どもまで、身分に関係なく字を読むことができたそうです。
ちなみに産業革命時のイギリス都市部での識字率は20~25%であったと言われています。
幕末の頃になると、識字率はさらに高まっていたらしく、日本を訪れた外国人は日本人の識字率の高さにビックリしていました。
世界トップレベルの数学「和算」を使っていた
江戸時代の人は数学も得意でした。九九はすでに一般的なものとなっていたそうです。
また、7世紀以降に遣唐使や遣隋使によって大陸から輸入された数学を日本風にアレンジし、発展させ「和算」を生んでいます。日本の数学者としては関孝和が有名ですが、その内容は世界トップレベルです。
江戸時代初期にはすでに寺子屋でそろばんの使い方やねずみ算を教えていて、当時の日本人の数学力の高さは、この基礎教育の賜物だったのです。
オリジナルの数学を使い、ここまで発展させた国は、他にはありません。
庶民が楽しんだ算額(さんがく)
算額とは、江戸時代の日本で、額や絵馬に和算の問題や解法を記して、神社や仏閣に奉納したものです。
平面幾何に関する算額(特に円の中に多数の円や別図形の中に多数の球を入れるなど接点を持つもの)が多く、和算家のみならず、一般の愛好家も数多く奉納しています。
一般の庶民が高等数学を趣味として楽しみ、競い合っていたという事実には驚くばかりです。
器用さ
日本人の特質である器用さについては次のような記述が見られます。
イギリスの初代駐日大使、オールコック
「日本人は、どういう点で外国製品がすぐれているか、どうすれば自分たちもりっぱな品をつくり出すことができるか、ということを見いだすのに熱心であるし、また素早い」
ドイツの考古学者シュリーマン
「金で模様を施した素晴らしい、まるでガラスのように光り輝く漆器や蒔絵の盆や壷等を商っている店はずいぶんたくさん目にした。模様の美しさといい、精緻な作風といい、セーブル焼き〔フランスの代表的な陶器〕に勝るとも劣らぬ陶器を売る店もあった」
スウェーデンの植物学者ツンベリー
「この国民は必要にして有益な場合、その器用さと発明心を発揮する。そして勤勉さにおいて、日本人は大半の民族の群を抜いている。」
「彼らの鋼や金属製品は見事で、木製品はきれいで長持ちする。その十分に鍛えられた刀剣と優美な漆器は、これまでに生み出し得た他のあらゆる製品を凌駕するものである。」7
教育
ロシア軍人ゴロヴニン
「日本人は自分の子弟を立派に教育する能力を持つている。ごく幼い頃から読み書き、法制、国史、地理などを教へ、大きくなると武術を教へる。しかし一等大切な点は、日本人が幼年時代から子弟に忍耐、質素、礼儀を極めて巧みに教へこむことである」
イギリスの旅行家・探検家イザベラ・バード
「これほど自分の子供達をかわいがる人々を見た事はありません。だっこやおんぶをしたり、手をつないで歩いたり、ゲームをやっているのを眺めたり、いっしょにやったり、しょっちゅうおもちゃを与えたり、遠足やお祭りに連れていったり、子供がいなくては気がすまず、また他人の子供に対してもそれ相応にかわいがり世話を焼きます。」
ドイツの考古学者シュリーマン
「教育はヨーロッパの文明国以上にも行き渡っている。シナも含めてアジアの他の国では女たちが完全な無知の中に放置されているのに対して、日本では、男も女もみな仮名と漢字で読み書きができる。」
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