
「AIが職を奪う未来」は、もう始まっている。だが人間の価値は本当に消えるのか

「AIはどこまで進化するのか?」「人間は何を武器にこの時代を生き抜くのか?」——そんな問いに真正面から挑む、異色の対談が実現した。登場するのは、脳科学者・茂木健一郎さんと、・元マイクロソフトの伝説的なエンジニアであり、メルマガ『週刊 Life is Beautiful』を発行する中島聡さん。AIがもたらす「知的労働の終焉」や、「人間プレミアムの価値」、さらには投資の未来まで、話題は縦横無尽に展開。「もはや勉強なんて意味を失う時代が来る」——そんな衝撃的なキーワードを皮切りに、人間とAIのこれからを語り尽くす。
この記事では対談の見どころをご紹介。
対談全編はYouTubeにてご覧いただけます。
https://youtu.be/orhXWZUQrLs (2025/04/12(土)17:00公開)
AI時代に勉強は「コモディティ化」する
茂木: いわゆる勉強とか、ペーパーテストの点数とかって、本当にコモディティ化して、意味がなくなっていく時代になるんじゃないかと思っています。
中島: 同感ですね。AIって、ある年に10%の仕事を奪ったら、翌年にはさらに2%、さらに2%って、指数関数的に進んでいくと思うんですよ。終わりがない進化というか。
茂木: しかも、それがクリエイティブライティングのような「人間らしさの最後の砦」まで迫ってる。すでに囲碁や将棋、チェスはAIに完全に凌駕されていて、論理的思考や分析はAIが得意になってきている。
中島: 小説ですら「それっぽく」書けてしまう。人間が感情を込めているように見えるけど、AIは“エモーショナルインテリジェンスがあるふり”をしてるだけ。でも、その「ふり」が意外と通用してしまうのが怖いところなんですよね。
人間はAIと何が違うのか?
中島: そもそも僕ら人間も「それっぽいこと」を喋ってるだけかもしれない。つまり、AIとやってることは実は大差ないんじゃないかと思う時があるんです。
茂木: めちゃくちゃ共感します。熟練したスピーカーって、「次に何を言うべきか」を予測してるだけなんですよね。まさにネクスト・トークン・プレディクションを人間もやってる。
——※ネクスト・トークン・プレディクション:AIが「次に来る言葉」を文脈から予測して文章をつくる仕組み。まさに人間の会話と似ている。——
中島: そう考えると、AIと人間の違いって何なんだろう?って本当に思う。ふりをされて、それが本物より優れていたら、もはや「本物」って何? ってなる。
茂木: 僕がこの前、ある本で論じたのが「人間は人間にしか興味がない問題」。例えば、将棋のAIの手がいかに強くても、私たちは藤井聡太が「どんなおやつを食べたか」に心を奪われる。そこに「人間プレミアム」がある。
AIは職を奪うだけでは終わらない
中島: 技術革新って、今までだって人の仕事を奪ってきた。でも新しい仕事が生まれて、バランスが取れてた。ところがAIは違う。進化が止まらない。
茂木: ムーアの法則もまだしばらく続くって言われてますし、AIの指数関数的な進化に対して、人間はあまりにも直線的にしか考えられない。
中島: まずホワイトカラー職がやられて、次にサービス業や肉体労働。人手不足の現場に人が流れても、すぐロボットが追いかけてくる未来が見えてる。
茂木: そうそう、ロボットの進化もヤバい。中国のヒューマノイド、もう半端じゃないです。僕、学位論文で生体運動をやってたので、アクチュエーターの難しさは知ってるんですが、もうその壁を突破してきてる。
投資家としてどうAI時代に備えるか
中島: 実は今日、ロボット開発企業「Figure」の株が欲しいなって思ってたんですよ(笑)。でもまだ上場してない。
茂木: テスラとかも注目ですよね。AIの次はロボットが来るというメタトレンドに乗るなら、投資のチャンスはそこにある。
中島: AIが知的労働、ロボットが肉体労働を奪った後、「何をするか」が大事。その次の波をどう読むかが投資家の腕の見せ所です。
「AIが進化するなら、僕らも進化しよう。」
この対談は、そんな時代に必要なヒントを私たちに投げかけてくれる。
続きはぜひ、YouTubeの対談動画でご覧ください。
リアルな表情やトーンも含めて、より深く楽しめます。
https://youtu.be/orhXWZUQrLs (2025/04/12(土)17:00公開)
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