日本メディアの特殊性として「クロスオーナーシップ」(=同一資本が 新聞・TV・ラジオなど 多種多数のメディアを資本傘下に統合できる制度)があります。
欧米諸国でさえも、一つの情報に対して様々な見方、分析を提示する多数のメディアが存在していますが、日本では「大本営発表」のような一色に塗られた情報だけになる一つの要因がこれです。
但し、現在は日本の新聞・雑誌発行部数の激減、TV視聴率の低下、など「MSM」(=既存主要報道機関)の影響力は大きく低下し、これら大手メディアがプロパガンダ機関であることに多くの日本国民が気付いているように思います。
実際、「social media」(=インターネットを通じて情報を共有し、コミュニケーションを行うためのプラットフォーム)が情報発信と共有の主流になり、MSMを利用する必要がなくなっています。
但し、ネット情報も玉石混淆の状況にあり、事実を掴むにもしっかりした論理整合性を検証する必要があります。
また、SNSの特徴として「エコーチェンバー現象」(=似た者同士を結び付けるアルゴリズムによって異なる意見が入ってこなくなり閉鎖的で同質のコンテンツばかりになる現象)があります。
これは大変危険な洗脳装置であり、自分に似た認識を持つ人以外の人の意見が入ってこなくなり、バランス感覚を失うので分断が加速し、多様性や是々非々を考える機会を失い、結果として過激な発想しかできなくなるので、注意が必要だと思います。
いずれにしても、固定観念や常識を一旦捨てて「自らの頭で考える」という姿勢は不可欠であると思います。
この記事のまとめ
クロスオーナーシップの問題点と、マスメディア集中排除原則 【日本メディア界の闇】
- クロスオーナーシップとは、新聞社がTV局を買収するなど「同一資本が 新聞・TV・ラジオなど 多種多数のメディアを資本傘下に統合できる制度」
- マスメディア集中排除原則とは「特定の放送事業者が、複数局を支配することを制限する規則」。
- メディア寡占状態は、報道の自由(国民の知る権利)の危機。
- Googleによるメディア一極支配の可能性も出て来た。
クロスオーナーシップの問題点と、マスメディア集中排除原則 【日本メディア界の闇】
日本メディア界の闇である「クロスオーナーシップ」と「マスメディア集中排除原則」について解説していく。
前回記事では、ディープステート(国際金融資本)による「メディアコングロマリットの金融支配」が、米国メディアの構造的問題であることに言及した。
今回は、我が日本国におけるメディア界の構造的問題にフォーカスする。
※ 2020年は コロナパンデミック、米大統領選挙の不正に関する報道姿勢により、全世界的にマスメディアへの不信感が広まった年だった…。
クロスオーナーシップとは?
クロスオーナーシップとは、新聞社がTV局を買収するなど「同一資本が 新聞・TV・ラジオなど 多種多数のメディアを資本傘下に統合できる制度」。
日本でもメディアコングロマリットを誕生させる手段になっている。
クロスオーナーシップの禁止理由
ナチスによるプロパガンダが戦争へとつながった反省から、欧米でクロスオーナーシップは禁止行為。
新聞社がTV局・ラジオ局も所有する日本のような構造は、メディア界の寡占を招き、特定思想に基づいた偏向報道を促しかねないからだ。
日本メディア界は寡占状態
読売グループ、フジサンケイグループ、朝日グループ、毎日グループ、日経グループなどは、新聞社・TV局・ラジオ局の他に 雑誌・出版社なども所有。
メディア寡占 – 偏向報道の温床
例えば、朝日新聞社の慰安婦捏造問題は 日本国に甚大な被害を負わせた。
では、朝日新聞による慰安婦捏造問題が、TV朝日で どれだけ報道されたことがあるのか?
仮に報道があったとしても、それは日本国民へ謝罪の意志が伝わるものだったのか?
マスメディア集中排除原則とは?
マスメディア集中排除原則とは、「特定の放送事業者が、複数局を支配することを制限する規則」。
出来るだけ多くの事業者に、放送による表現の自由が 享有されることを意図したものである。一部メディアが極端な偏向報道をしようが、他紙・他局が異なる視点からの報道をすることで、国民の知る権利が守られると言うわけだ。
このマスメディア集中排除原則が、クロスオーナーシップを制限する根拠になっていた。
マスメディア集中排除原則を 違反
具体的には、下記の通りTV放送局への出資比率を制限。
- 同一放送対象エリア – 10%以下
- 別の放送対象エリア – 20%以下
しかしこの原則は 有名無実化。総務省が調査したところ、71社で出資比率違反が発覚。もちろんほとんどの国民は知らないか、記憶にも残っていないだろう。
まさにメディア同士が癒着。不都合な事実には報道しない自由を行使。
マスメディア集中排除原則を 緩和
2007年、2014年には、マスメディア集中排除原則そのものが 事実上の緩和。それを受けて、クロスオーナーシップが段階的に合法化へ。
マスメディア集中排除原則緩和 vs 言論の自由
「マスメディア集中排除原則の緩和」と「言論の自由」は反比例の関係。マスメディアが寡占・独占されるにつれて、報道の多様性が喪失されるのは明白ではないか。
メディア各社も企業であるため、利潤を追求したいのはわかる。しかし少なくとも TV放送については、公共の電波を扱う責任は重い。
政官と報道機関の癒着はないのか?
より深刻な問題は、政府や官僚は 言論の自由弱体化がわかっていながら、なぜマスメディア集中排除原則を緩和したのか?
そこにメディアとの癒着はなかったのか? それとも、もっと大きな存在が動いているのか?
日本でも進む メディアのマネー支配
護送船団方式 – 新規参入は事実上困難
マスメディア集中排除原則が緩和され、クロスオーナーシップが進む。すると新規事業参入は困難に。
つまり、潤沢な資金を準備できる金融資本にしか チャンスは訪れないことになる。
メディアのマネー支配 – 国家安全保障の危機
もちろん報道もビジネス性の一面を持つ以上、当然ある程度の資金は必要。しかし、マネーによるメディア支配など あってはならない。
一部の超富裕層によるプロパガンダを許すことになる。米国におけるメディアコングロマリットと同じく、国際金融資本による支配が生じかねないのだ。
メディアコングロマリット
日本メディアの闇 – 法律の網を潜り抜けるマネー
マネーの力は強大。民主主義国家の政治家は選挙があるため、常に資金を求めている。建前上は、外国資本が日本の報道機関に資本参加するには ハードルがある。
しかし、国際金融資本が法の網を潜り抜け、日本の報道機関に資本参入しないとは 誰も言いきれない。
外国資本が日本メディアに影響を及ぼすとなると、これは国家安全保障の大問題だ。
同一資本のメディア支配 ≒ 共産党一党独裁?
同一資本がメディアを支配することで、メディア論調が単一化。すると、国民をあらぬ方向へ誘導することが容易になる。
これでは、やがて共産主義国家と同じになってしまう。共産主義政権がメディア支配、暴力を用いるのは、共産主義が国民を幸福にしないシステムだから。共産主義政権はメディアと暴力を使うしか体制を維持できないのだ。
要するに、メディア一極支配は 国民の不幸に繋がりかねないのである。
こうした危険性が 一般的に広く知られていないこと自体が、クロスオーナーシップの問題を証明している。
世界のメディアは Google一極支配へ?
2020年10月 Google社は新サービス「グーグルニュースショーケース」を開始。「高品質な一部メディア」が配信する記事への対価として、今後3年間で10億ドル(約1000億円)を 7カ国400社のメディアに支払う。
同年12月には、日本のメディアとも交渉を開始。日本の報道機関各社は、どこの社がその恩恵に預かれるか 色めき立っている。
2020年には、発行部数激減により創業以来の大赤字で社長が引責辞任した朝日新聞社などには 朗報だろう。
Googleの狙いは?
高品質な記事を配信しておきながら、これまでGoogleにタダ乗りされて来たことが是正されるのならば、それはポジティブなことかもしれない。
しかし、そんなシンプルな問題だけなのだろうか? 身も蓋もない言い方になるが、Googleによる世界メディア金融支配の始まりではないのか?
Goolgeに有利な条件
Googleに提訴すれば、Google側が一方的に支払契約を破棄できるとの条文もあるらしい。いちCMスポンサーにすら 頭の上がらない日本メディアは、Googleに闇があったとして それを報道できるのか?
新世界秩序 – GAFAによる2030年世界政府構想
欧州 国際金融資本(ディープステート)の重鎮とみなされているジャック・アタリは、2030年 各国政府に代わり、GAFAが世界人類を統治していると「予測」。
無数にあるメディアが合併を繰り返し、最終的にはGAFA傘下の一極体制へ。・・・では誰がその一極を支配するのだ?
ジャーナリズムは死ぬのか?
ウォール街トップは 共産主義者であると言われる。共産主義者による情報のマネーコントロールは絵空事ではない。中国の報道を見るといい。中国の影響を受けアメリカですら、各メディア論調が同質化している。
真実は今後見守るしかない。民主主義を標榜する方々は注視しておく必要があるだろう。
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