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スエズからホルムズへ:主要海上ルートの経済的・戦略的重要性

スエズからホルムズへ:主要海上ルートの経済的・戦略的重要性© APフォト海上の要衝は世界貿易にとって極めて重要であり、地政学的影響力の手段として機能します。では、どの要衝が最も重要でしょうか?スエズ運河経済的重要性: 世界貿易の約 12%、年間 1 兆ドル以上、および 1 日あたり約 800 万バレルの石油がこの運河を通過します。戦略的重要性:スエズ運河はアジアとヨーロッパを結ぶ最短ルートであり、世界貿易に圧力をかける潜在的な手段となります。地政学的影響力:イスラエルのガザ戦争によって引き起こされた紅海危機は、スエズ運河を通る貿易の流れを妨げた。親パレスチナ抵抗軸はこの状況を利用して、テルアビブにガザでの停戦を強制した。ガザでの戦争とイスラエルのスエズに対抗する巨大運河計画との関連は何か?ホルムズ海峡経済的重要性:ホルムズ海峡は世界で最も重要なエネルギー輸送の難所の一つであり、毎日約21mb/dの石油、つまり世界の石油消費量の約21%が通過しています。戦略的重要性:この海峡には8つの主要な島があり、そのほとんどはイランが支配している。特にイスラエルと米国から圧力強化の要請がある中、テヘ...
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米国の戦争政策の破綻と拡大するグローバルサウスの役割 青山学院大学名誉教授・羽場久美子

米国の戦争政策の破綻と拡大するグローバルサウスの役割 青山学院大学名誉教授・羽場久美子(2024年12月16日、第7回「今こそ停戦を」シンポジウムでの発言より)羽場久美子氏 この間の情勢の変化となぜ戦争が過激化しているのかを考えるうえで重要なことが4点ある。 一つ目は、アメリカ大統領選でアメリカ国民自身がトランプを選択したということ。ただし、現在から来年1月20日の大統領就任式までバイデン政権による戦争継続のためのさまざまな動きが続くとみられる。すでにバイデンがウクライナ戦争継続のための追加支援を訴え、あるいはアメリカの武器によってロシア国内が攻撃されているという状況がある。アメリカ自体が二つに分かれているということだ。 二つ目は、日本の石破政権誕生の背景に国民民主党と維新の裏切りがあったということだ。自民・公明の与党が過半数割れしたにもかかわらず、政権交代が実現できなかったことは非常に大きな問題だ。とくに国民民主党の玉木代表が不倫問題で役職停止期間でありながら“103万円の壁”引き上げをめぐってテレビに出演し続けていることには非常に問題を感じる。これで自民党の政策活動費やパーティー券...
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「ウクライナ和平交渉は“可能”でない上に、“必要”でもない」と歴史人口学者・トッドが断言するワケ

「ウクライナ和平交渉は“可能”でない上に、“必要”でもない」と歴史人口学者・トッドが断言するワケ〈〈トランプの保護主義は正しい。しかし…〉トッドが語る米国産業が復活できない理由「優秀で勤勉な労働者の不足はすでに手遅れ」〉 から続く 【画像】英語圏では“禁断の書”に…トッド氏の新刊『西洋の敗北』 ウクライナ戦争が長期化する中、トランプ氏が再びアメリカの大統領に就任する意味とは――。『西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか』(文藝春秋刊)を上梓したフランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッドが、2025年の世界を分析する。今後、難しくなる米国との付き合い方 ――敗北しつつある西洋、特に米国と日本はどう付き合っていくべきだと思われますか。  トッド 非常に難しい質問です。日本は非常に困難な状況に置かれているからです。中国は非常に重要な隣国ですが、大きな問題を抱え、朝鮮半島との関係でも問題を抱えています。日本にとって米国は「パートナー」や「同盟国」というより「主人」や「支配国」です。しかも、約束を守らないという意味で、もはや信頼できない相手です。  これらの点を踏まえて、直観的に日本への提言を...
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研究により、50年間のデータで「地球温暖化」の増加はゼロであることが判明

研究により、50年間のデータで「地球温暖化」の増加はゼロであることが判明環境研究者の有力なグループは、地球は過去50年間に「地球温暖化」の増加を記録していないことを証明し、グリーンアジェンダの主要な物語の誤りを暴露した。この研究は、グローバリストたちが人間の活動によって引き起こされたとされる「気候危機」の警告を強化し続けている中で発表された。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、地球は「地球温暖化」に関してもはや後戻りできない地点を過ぎたと主張し、さらに要求水準を高めた。グテーレス事務総長によれば、地球は今や「地球沸騰の時代」に突入したという。国連はこの主張を非常に積極的に推し進めており、グテーレス氏は「気候変動」と戦うために一般大衆が「泥の家」に住むことを望んでいる。しかし、実際の科学と証明可能なデータはそのようなことを何も示していません。ネイチャー・コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロンメント誌に掲載された新たな研究では、1970年代以降に顕著な温暖化の急増を示す証拠は全く見つからなかった。研究者たちは変化点モデルを採用した。このモデルは、1850年から2023年まで...
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ウクライナは「テロ国家」となりロシアを怒らせ、戦争継続を選んだ

ウクライナは「テロ国家」となりロシアを怒らせ、戦争継続を選んだウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、必死になってウクライナ戦争を継続しようとしていることは、拙稿「いつまでも戦争止めないゼレンスキー…それは止めたら自分が追放されるから」に書いた。ウクライナ国民を無視して、戦争継続による戒厳令続行によって、もう半年以上前に任期切れとなった大統領職にしがみつこうとしていることを紹介したのである。今回は、ロシア国内での「テロ」行為を活発化して、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を怒らせて、ロシアが戦争の停戦・和平協議に向かわないようにしているという話をしたい。最近になっても、「ロシアの野望はウクライナで止まることはないだろう」として、「トランプ政権はまず、ウクライナでの戦争を管理しなければならない。ウクライナが有利な条件で戦争を終結できるよう支援することが、ロシアからの侵略の脅威とそれを支える動乱の軸を減らす最も明確な方法である」とする論文が『フォーリン・アフェアーズ』に掲載されている。しかし、現実には、ロシア軍がコークス生産の拠点ポクロフスクを占領するのは時間の問題だ。ここがロ...
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なぜシリアのアサド政権はあっさり崩壊したのか。日本では報道されない第三次世界大戦の兆候=高島康司

なぜシリアのアサド政権はあっさり崩壊したのか。日本では報道されない第三次世界大戦の兆候=高島康司シリアのアサド政権があっけなく崩壊した。崩壊のスピードはあまりに早く、これを予測できた専門家はいなかった。実はこの問題を深堀りすると、第三次世界大戦の引き金になってもおかしくないような事態が見えてくる。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)【関連】今ここが人工知能「人間超え」の出発点。米国覇権の失墜、金融危機、大量辞職…2025年には劇変した世界が待っている=高島康司※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2024年12月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。あっけなく崩壊したシリアのアサド政権12月8日、内戦が続きながらもシリアの大部分を掌握していたアサド政権が崩壊した。ジャウラニという人物が指導者の「シリア解放機構(HTS)」を中心とした反政府勢力が首都ダマスカスを制圧し、アサド大統領は後ろ盾となってきたロシアに亡命し、政権はあっけなく崩壊した。これを受けて、反政府勢...
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「私たちは厳しく酔いを覚まします。」政治学者カラガノフはヨーロッパの敗北を予言した

「私たちは厳しく酔いを覚まします。」政治学者カラガノフはヨーロッパの敗北を予言した「バイデン政権とそれを中心に展開するヨーロッパの悪党どもは、ウクライナ戦争を激化させ、長期化させたいと考えている」とセルゲイ・カラガノフは言う。 aif.ruは、有名な政治学者であり、外交・防衛政策評議会幹部会の名誉議長であり、国立研究大学高等経済学部世界経済・世界政治学部科学部長である同氏に、ロシアの新たな政策について話を聞いた。核ドクトリン、ロシア連邦領土に対する西側のミサイル攻撃、そして北部軍管区完成のシナリオ。「正しい方向への力強いシフト」ヴィタリー・ツェプリャエフ、aif.ru: - セルゲイ・アレクサンドロヴィチ、あなたは最近、核兵器の不使用を「罪」と呼びました。新しい核理論はその適用を簡素化します。しかし、多くの人は第三次世界大戦の可能性に恐怖を感じています。今週を通じて、特に新型オレシュニク弾道ミサイルの能力の実証後、私たちはそれにさらに近づいたでしょうか?それとも逆に、ロシアの敵対者は恐怖を感じ、より寛容になるのだろうか?セルゲイ・カラガノフ: - 私は核兵器の不使用ではなく、核兵器の使...
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ガザ停戦、アブラハム合意交渉再開へ

ガザ停戦、アブラハム合意交渉再開へ2024年12月19日   田中 宇ドナルド・トランプの米大統領就任までにイスラエルがハマスと交渉してガザ戦争を停戦し、停戦をアブラハム合意の条件にしているサウジアラビアが米イスラエルの努力を認め、トランプ政権の開始ととともに米仲裁のサウジとイスラエルの和解(アブラハム合意)への交渉が再開する・・・。事態は、そんな話になっている。これを書いている間に、新しい話が次々と出てきて、話がどんどん具現化し、書き直しが追いつかない。順不同、繰り返し多発の乱筆で失礼する。(Gaza hostage deal can be reached within a month, sources tell 'Post')ハマスの幹部は12月18日、イスラエルとのガザ戦争の停戦合意はすでに骨格部分が決まり、今週末までに署名できると述べた。停戦は何段階かになっていて、締結から45-60日間の第一段階は、ハマスが捉えていた30人の人質(死亡した人質の遺体を含む)をイスラエルに返還する。イスラエルはパレスチナ政治犯を釈放する。イスラエル軍(IDF)は、ガザ市街から2つの回廊(ガザの北...
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Surveillance Capitalism(監視資本主義)

Surveillance Capitalism(監視資本主義)無断で手に入れた個人情報を元に人々を操り巨利を得る違法なデジタルビジネスショシャナ・ズボフ(Shoshana Zuboff)ハーバード・ビジネススクール教授陣のなかでテニュア(終身在職権)を取得した最初の女性の一人であり、寄付講座を持った最も若い女性「Surveillance Capitalism(監視資本主義)」という言葉の生みの親最も受動的なのに・・・逆に能動的と錯覚させるネットメディアの害悪東京知事選に立候補したパワハラ疑惑の元広島県安芸高田市長の石丸伸二や、同じく数々の不祥事の結果兵庫県県議会100条委員会の結論を待たずに満場一致で不信任決議で失職したのに兵庫県知事に再選された斎藤元彦など不可解で不気味、困惑の騒動でテレビや新聞などは「オールドメディア対ネットメディア」云々で語られている。しかし100%まったく逆の解釈を提供するのがショシャナ・ズボフの「監視資本主義」だった。産業資本主義→金融資本主義→監視資本主義イギリスで誕生した産業革命当時の「産業資本主義」は最も古い文明圏インドなど世界中を植民地化した挙句に、第...
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シリア「アサド政権崩壊」は世界戦争へのトリガーになるか?トランプが手にした“対プーチン”の有力な交渉カード

シリア「アサド政権崩壊」は世界戦争へのトリガーになるか?トランプが手にした“対プーチン”の有力な交渉カード反政府勢力の蜂起からわずか10日あまり、12月8日に崩壊したシリアのアサド政権。「今世紀最大の人道危機」とも呼ばれるシリア危機を引き起こしたアサド氏の失脚は全世界で大きく報じられましたが、この事態は国際社会にどのような影響を与えるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、周辺各国や欧米、ロシア等の思惑を読み解きつつ、予想される今後の動きを考察しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:世界の火薬庫・中東地域の緊張激化と大きくなる世界戦争の足音アサド政権崩壊という衝撃。「シリアの政変」は世界戦争の扉を開けるのか「アサド政権崩壊」ジュネーブから帰国していきなり飛び込んできたのが、このニュースでした。11月末から北西部イドリブから大規模攻勢をはじめ、アレッポやハマといった要衝を次々に陥落させ、一気に12月8日首都ダマスカスを制圧し、アサド大統領が職を辞して...
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アジア太平洋地域におけるアメリカの軍事力の規模

アジア太平洋地域におけるアメリカの軍事力の規模© AP Photo / リー・ジンマン太平洋を支配し、中国の影響力を「封じ込める」ことを目指して、ワシントンは地域の伝統的な同盟国に頼り、その過程で島嶼ネットワークを味方につけながら、この地域での軍備増強を進めている。米国は、グアム島における米軍駐留の負担を軽減するための2012年の協定に基づき、沖縄からグアムへの米海兵隊の部分移転を開始した。中国の影響力拡大に対抗する取り組みの一環として、アジア太平洋地域におけるアメリカの軍事的足跡の拡大について見てみましょう(公開情報に基づく)。・日本:本州、九州、沖縄の約85か所の航空・海軍施設に約53,700人の米軍人が駐留している。基地の約70%(32か所)が沖縄県にある。・韓国: 約 25,400 人の米軍兵士が 70 を超える陸軍、海軍、空軍、海兵隊の基地に駐留しており、最大の基地はキャンプ ハンフリーズです。ロサンゼルス級攻撃型潜水艦「オクラホマ・シティ」(SSN 723)が2021年8月19日、グアムの米海軍基地に帰還した。© AP Photo / MC3 ナオミ・ジョンソン・グアム: ...
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トランプ陣営、オルバーンの停戦案を検討

トランプ陣営、オルバーンの停戦案を検討キエフはすでにこの提案を拒否しており、その方法は「前例のない」ものだとブダペストは述べた。ヴィクトル・オルバン(左)がフロリダ州パームビーチのマール・ア・ラゴでドナルド・トランプと会談、2024年12月9日©  X / @PM_ViktorOrbanドナルド・トランプ次期米大統領は、ハンガリーのビクトル・オルバーン首相が提案したロシアとウクライナ間のクリスマス休戦と捕虜交換の提案を「真剣に検討している」と、トランプ大統領が国家安全保障問題担当大統領補佐官に指名したマイク・ウォルツ氏が述べた。オルバーン氏は、ロシアのプーチン大統領と電話で話す2日前の月曜日、次期大統領のマール・アー・ラーゴにある邸宅でトランプ氏とワルツ氏と会談した。会談後、クレムリンは、オルバーン氏がクリスマスの休戦とモスクワとキエフ間の大規模な捕虜交換を提案し、ロシア政府はこれに応じて捕虜交換の案をモスクワのハンガリー大使館に送ったと発表した。ウォルツ氏は日曜、CBSニュースに対し、オルバーン氏がトランプ氏からのメッセージをプーチン氏に伝えたかどうかについては明言を拒んだ。しかし、...
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CIAが作った仕組みから生まれたHTSはシリアを攻撃してもイスラエルには友好的

CIAが作った仕組みから生まれたHTSはシリアを攻撃してもイスラエルには友好的 シリアのバシャール・アル・アサド政権は11月27日、ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)の奇襲攻撃を切っ掛けにして崩壊した。 HTSはアル・カイダ系の武装集団であり、傭兵の集まりだ。​ロビン・クック元英外相が説明したように、アル・カイダとはCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストにほかならない​。つまり、アル・カイダという組織は存在しない。現在、HTSと呼ばれる傭兵を雇っているのはトルコ政府だと言われている。いわばHTSはトルコ政府の操り人形だが、一般的にはアブ・ムハンマド・アル・ジュラニが率いているとされている。しかもCIAの影響を受けているはずだ。 事実上、CIAはウォール街、MI6はシティの情報機関であり、ウォール街とシティが緊密な関係にあることを考えれば、CIAとMI6が緊密な関係にあることも必然だ。 これまでもイスラエルはシリアを執拗に空爆してきたが、HTSがダマスカスを制圧して以来、イスラエルはシリアを300回以上にわたって空爆、さらに地上部隊を侵攻させているのだが、こうしたこと...
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5年間で7カ国

もしイランが打倒されれば、CIAはロシア連邦のイスラム地域に聖戦主義者を送り込み始め、中東諸国に対して使われたのと同じ混乱の勢力がロシア連邦を分裂させるのに使われるだろう。プーチンがシリア破壊に同意したとき、何を考えていたのかは謎だ。アラブ人は常に自らの最大の敵であり、今やアラブ世界を破壊し、サウジアラビアだけが残った。最近、イスラエルのシオニスト政府はサウジアラビアの大部分を大イスラエルの地図に加えた。シオニスト・ネオコンの5年間で7カ国を制圧するという計画は、より長い時間がかかったものの、基本的には達成された。5年間で7カ国メディアの売春宿は、HTS テロリスト/民主的反対派​​を平和と友情を約束するシリア救世主として描いている。しかし、現れたビデオは、暴力、絞首刑、機関銃による銃撃戦を明らかにしている。イスラム教徒がイスラム教徒を殺し、アラブ人がアラブ人を殺しているのだ。アラブ人が無力なのは、共通の敵と戦うよりも、お互いを殺し合うことを好むからだ。アラブ諸国の国境は、アフリカ諸国のように敵対する部族を統合して 1 つの国にしたヨーロッパの植民地主義者によって作られた。そのため、中...
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攻撃の報復で露軍はウクライナのエネルギー施設を破壊

攻撃の報復で露軍はウクライナのエネルギー施設を破壊 ロシア軍は12月13日にウクライナ全土のエネルギー関連施設を攻撃した。ロシア海軍が黒海から発射した20機以上のカリブ巡航ミサイル、少なくとも35機のKh-101空中発射巡航ミサイル、極超音速空対地ミサイルのキンジャールを約10機、そのほか100から200機のドローンが使われたと伝えられている。​12月11日にウクライナ軍はロシア南部ロストフ州の港湾都市タガンログをミサイルで攻撃している​が、これに対する報復だ。今回、オレーシニクは使わなかった。 ウクライナのエネルギー大臣、ゲルマン・ガルシェンコによると、ウクライナ全土のエネルギー関連のインフラが大規模な攻撃を受けた。キエフ、リビウ、オデッサ、テルノーピリなどで停電が報告されている。 12月11日の攻撃ではATACMSが使用されたようだが、このミサイルをウクライナ軍だけで使うことができない。ターゲットの選定や情報の収集、ミサイルを誘導するための衛星からの情報、オペレーターなどアメリカ/NATO軍の協力が必要であり、ウクライナから発射されても、攻撃の主体はアメリカ/NATO軍だということ...
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尹錫悦弾劾訴追案を可決

尹錫悦弾劾訴追案を可決12月14日午後、韓国の尹錫悦(ユン・ソニョル)大統領に対する弾劾を求める決議案が採択され、可決された。投票結果は賛成 204反対  85棄権   3無効   8だった。尹大統領の職務は停止され、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が大統領の職務を代行する。今後180日以内に、憲法裁判所が弾劾の妥当性を判断する。裁判所が弾劾を認めれば尹大統領は罷免され、新たに選挙で大統領が選出されることになる。尹大統領による突然の非常戒厳発令から混乱に陥っている韓国政治はとりあえず、最初のヤマ場を越えた。憲法裁判所は国会の法制司法委員長や当局者から口頭弁論を通じて意見を聴取する。同裁判所は大統領を罷免するかどうかを6カ月以内に決定しなければならない。罷免には裁判官(定数9人)のうち6人以上の賛成が必要だが、現在、憲法裁判所の裁判官は現在6人で、3人が空席になっている。弾劾訴追案を可決した議会議長は議会が選出する3人の憲法裁判所裁判官を選出し、憲法裁判所が9人の裁判官で審理する見通しを示した。憲法裁判所が大統領罷免を決定する場合、新たな大統領を決める選挙を60日以内に実施しなければならないこ...
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戦争を引き起こす可能性があった尹大統領の戒厳令宣言と米国の役割

戦争を引き起こす可能性があった尹大統領の戒厳令宣言と米国の役割 韓国の尹錫悦大統領に対する弾劾決議案が12月14日に議会で可決、大統領の職務は停止、憲法裁判所がこの問題を審議することになるようだ。 弾劾決議の理由は尹錫悦大統領の戒厳令宣言だが、これに絡み、呂寅兄中将が注目されている。この宣言で重要な役割を果たした金龍顯は当時大統領警護室長を務めていたが、この金は大統領や呂寅兄中将と今年の初夏頃に食事を共にし、そこで戒厳令を話題にしたとされている。その後、金龍顯は9月に国防部長官(国防大臣)となる。3名とも冲岩高校の出身だ。 戒厳令によって国会、地方議会、政党の活動、そして政治的結社、集会、デモなど一切の政治活動を禁じ、すべてのメディアと出版は戒厳司令部によって統制されると尹錫悦は宣言しているが、こうしたことを個人的な問題のために行うという説明は説得力がない。韓国とアメリカの関係を考えれば、アメリカ政府が関与していないとも思えない。 戒厳令が宣言された直後から抗議活動が始まり、宣言から数時間後に議員300人のうち190名が議会へ入り、戒厳令を撤回させる動議を全会一致で可決した。その際、体...
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日本はパレスチナ国家承認にどう向き合うべきか(下) 現代イスラム研究センター理事長・宮田律

日本はパレスチナ国家承認にどう向き合うべきか(下) 現代イスラム研究センター理事長・宮田律ニューヨーク・ブルックリンのウィリアムズバーグで、シオニズムに反対してイスラエル国旗を燃やす正統派ユダヤ教徒たち(11月11日)宮田律氏イギリスとパレスチナの国家承認 既述【前号】したように、イギリスは現在にいたるパレスチナ問題の原因をつくった国だ。 イギリスのサッチャー首相(在任1979~1990年)は、イギリスのユダヤ人に対する共感やソ連のユダヤ人に対する支持を表明したものの、中東の不安定化がソ連をはじめとする共産主義の影響がこの地域に及ぶ原因になることを懸念した。そのため彼女は、パレスチナ問題の進展を目指し、イスラエルによる戦争の終結とパレスチナ自治政府の樹立、また和平交渉でPLO(パレスチナ解放機構)が代表することを求めた1980年の「ヴェニス宣言」(中東に関する欧州理事会宣言)を他の欧州8カ国とともに発表した。 ヴェニス宣言は、パレスチナ問題の公正な解決とパレスチナの民族自決権が全面的に行使されるべきだと説き、エルサレムに関する一方的な変更を認めず、聖地のアクセスを妨害してはならないこと...
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日本はパレスチナ国家承認にどう向き合うべきか(上) 現代イスラム研究センター理事長・宮田律

日本はパレスチナ国家承認にどう向き合うべきか(上) 現代イスラム研究センター理事長・宮田律イスラエルの攻撃により破壊されたガザ地区北部のジャバリア難民キャンプ(11月) パレスチナ人民連帯国際デー(国連パレスチナ分割決議の採択日)の11月29日、京都大学吉田キャンパスで現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏を招き、「日本はパレスチナ国家承認にどう向き合うか」と題する講演会が開かれた。主催は、アムネスティ・インターナショナル京都四条グループ、パレスチナ人民と連帯する京大有志の会(学生団体)。昨年10月7日のハマスの襲撃に端を発したイスラエルのパレスチナ・ガザ地区への攻撃は現在も続き、ガザでは少なくとも4万4000人が死亡し、攻撃の矛先はレバノンやイランにも拡大している。この間、国際刑事裁判所(ICC)がジェノサイド(大量殺戮)の罪でイスラエルのネタニヤフ首相や閣僚の逮捕状を発行するなど国際世論の包囲網は強まり、長年主権を侵害されてきたパレスチナを国家として承認する動きが世界的に広がっている。一方、日本を含むG7各国はイスラエルを擁護・支援し、パレスチナ国家承認の動きを見せていない。宮田...
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今後のシリアとイスラエル

今後のシリアとイスラエル2024年12月12日   田中 宇アルカイダ系のHTS(レバント解放機構)がアサド政権を転覆した直後のシリアを、イスラエル軍が空爆・地上侵攻した。イスラエルは350発のミサイルを撃ち込み、シリア各地にあったアサド政権の軍事基地、兵器庫などを破壊した。シリア政府軍の軍備のほとんどが破壊された。ラタキアの海軍基地もミサイル攻撃し、シリア海軍の装備をすべて破壊した。(Israel’s frenzied reality: When destroying an enemy navy isn’t the top news story - analysis)(Israel conducts more than 300 air strikes across Syria)イスラエルは、1960年代にシリアから奪って占領しているゴラン高原から、シリア内部に10キロ侵攻し、クナイトラまで幅10キロの地域を緩衝地帯として半永久的に占領する。イスラエル軍は一時、緩衝地帯からさらに内部のダマスカス近郊まで侵攻し、シリア側の軍事拠点などを破壊した。イスラエルは、これまでいずれ返すと言ってい...