ビジネス知識源無料版:増刊:8月は政治の乱のはじまりの月

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□■□■
<1ヶ月にビジネス書5冊を超える知識価値をe-Mailで>
ビジネス知識源プレミアム(水曜刊:660円/月:税込)Vol.1545
<Vol.1545:増刊:8月は政治の乱のはじまりの月>
2025年7月21日-(2):軸を失った日本の政治
水曜日 定期刊の正刊は、有料版だけです。
土曜または日曜の増刊は、有料版・無料版共通です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
論考/業務の案内 https://www.cool-knowledge.com/
有料版の新規登録/解除 https://mypage.mag2.com/Welcome.do
https://www.mag2.com/m/P0000018?reg=mag2top
購読方法や届かないことについての問い合わせ
→ Reader_yuryo@mag2.com
著者:システムズリサーチ:吉田繁治
質問・感想等のメール:yoshida@cool-knowledge.com
正刊の有料版ではスマホ用の改行なしと、PC用の改行ありを送っています。増刊の共通版は、改行したものだけです。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
参議院選挙の結果が、確定しました。
(1)政権与党(自公)は改選数の66から19議席が減って、47議席獲得し122議席。
(2)野党系は、改選数の58から77議席へと19議席を増やして,126議席という結果でした(無所属の13名を含む)。
当方は、この結果から4議席は自公が少ない118に、野党系が4議席増えて130になると予想していましたが、1人区での、自民の深夜の開票分による追い上げで、予想に4議席の違いが出ました。
政権与党は19議席を減らしたので、「大敗」ではありますが、断崖の一歩前で踏みとどまったと言えます。
国政選挙の議席の結果から推察できる「日本国民の民意の集合知」は、いつも興味深い。
国民の基礎的な関心は、以下の3項でしょう。
(1)生活を苦しくしている、物価上昇(コストプッシュ型)
(2)名目賃金の、上昇率の低さ(実質賃金は2.9%マイナス)
(3)五公五民の、国民所得負担の重さ(税+社会保障保険の高さ)
この3点について連立与党は現状の維持であって、対策も持たなかった。
一方、野党は重点の違いはあっても、(1)、(2)、(3)のいずれかを突いていました。
これに対して、集合的な民意は、
・連立与党の議席を19議席減らして、
・野党系の議席を19議席増やす報酬を与えたのです。
誰でも予想ができた当然の結果ですが、自民党がこれに甘んじたのが不思議です。
それくらい強く、自公への財務省支配が行き届いていたということでしょう。
(1)から(3)の対策には、いずれも財務省、経団連、日経新聞が反対するからです。
官僚組織の首魁である財務省は政治ゲームのなかで、ラスボス(悪漢)になっています。第二次世界大戦のころの「陸軍」。
■1.比例区の結果から、分かること
比例区での投票を見ると「民意」としての、投票先の変化が分かります。参院選の比例区です。大勢を見るため数字は丸めています。
2019年 今回 変化の内容(当方の推計)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自民党 20% → 10% 岩盤保守層の離反
公明党 4% → 2% 党員の高齢化
立民 10% → 7% 野田首相とき、消費税10%法案成立
維新 5% → 3% 全国政党になることができていない
国民 3% → 7% 103万円の壁で、減税の具体化
参政 0% → 5% 日本人ファースト+国民負担軽減
れいわ 4% → 3% 1人タレントの限界
共産 5% → 2% 党員の高齢化
保守 0% → 2% LGBTQ反対と減税
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
もっとも大きな要因は、旧安倍派を支持していた保守岩盤層(自民支持のなかの10%)が自民から離反し、保守色のある国民民主党と日本人ファーストの参政党、そして保守に流れたことです。
公明党、立民、共産党は、いずれも支持層の高齢化が主因でしょう。
(注)石破自民党は社会主義的です。
この傾向は構造変化ですから、次回の衆院選も続くでしょう。
■2.年齢階級別の出口調査から分かること
年齢階級別の支持政党(出口調査)で見ると一層はっきりします(データは日経新聞:25.07.21朝刊)。
(1)40歳代以下(49歳~18歳)では、自民支持が15%、公明支持が3%、立民支持が3%、国民支持が20%で最大です。参政党の支持も20%と高い。
国民+参政党で40%です。
(2)50歳以上(50歳~70歳以上)では、自民支持が20%、公明支持が4%、立民支持が17%です。
国民支持が5%、参政党支持が5%です。国民+参政党は10%しかない。
40歳代以下の1/4であり、世代別支持は明確に分かれています。
まとめると、
・団塊ジュニア以下の40歳代以下は、国民+参政党支持、
・50歳以上の世代は、自民または立民支持です。
明確になった世代での乖離(かいり)は何が原因か?
(1)五公五民に重くなった社会福祉費負担(年金、医療費、介護費)で損をして、30年賃金が上がらなかった階層が、わが国の40歳代以下(49歳~18歳)だからです。
就職氷河期であり、勤務ができても時間賃金が1200と低い非正規雇用(年収200万人)が増えてきた49歳以下には、30年「いい時代」がなかった。
しかも、この世代で年金がもらえると考えている人は少ない。
(2)他方で、特に60歳以上、払った保険料以上に社会福祉費(年金、医療費、介護費)を受け取ることのできる国民負担の受益者世代です。
水準は低くても、五公五民の負担の受益者になります。このため、消費税(24兆円)の減税や撤廃には反対する人も多い。
50歳が分水嶺である世代の政治的分断は、社会保険料負担と福祉受益の制度による構造的なものですから、今後も、続きます。
■3根底の矛盾
現在の社会保険料負担と福祉受益は、
・GDPと賃金の上昇が5%以上でないと、維持ができず、
・世代間の負担と受益に矛盾が起こって、矛盾が年々大きくなって行く構造のものです。
ここを直さないと、日本の将来はない。財務省の官僚は気づいているでしょうか。政治家と政党は、気づいているのか?
この制度的な問題が、世代間の政党支持の分断で「明らかになった」のが、今回の参院選の成果です。
これが民意ですが、世代間での対立であることが問題です。
方法は、10%の消費税を撤廃し、国民全員の実質賃金(商品購買力)を8%は上げて、需要増から乗数効果を起こして、生産性を上げて、賃金上昇を構造に組み込むことしかありません。
これを多面的な角度から書いたのが、『失われた1100兆円を奪還せよ!(24年12月刊)』です。
本の売上促進のために言っているのではない。2025年から2070年まで8000万人台への人口減が加速化する日本を救うためです。今回、部分的であっても消費税が政治的なテーマになったのは、いいことです。
↓
https://x.gd/YK1f7
■4.8月からの政局はどうなるか?
石破首相は、続投を表明するようです。
・24年10月の衆院選で、自公が過半数を失っても辞めなかった。
・都議選で負けても、辞めない。
・参院選で過半数を失っても辞めない。
かつて1人もいなかった「ぼろぼろになっても辞めない首相」
首相を続けて何をやりたいのか。私には分からない。
党内での石破降ろしが出て、議員選挙で過半数を失っても、総裁を降りるだけであり、議会が決める首相は続けることはできます。
参院選のあとは、1か月以内に臨時国会を開く必要があります。
野党は、「内閣不信任案を出す」可能性が極めて高い。
衆参両院で少数与党ですから、不信任案は可決されるでしょう。
「何があっても辞めない石破首相」は、衆議院の解散をするでしょう。
その後は衆院選の結果次第ですが、25年9月選挙で自公が多数派を回復するとは思えません。
衆院選挙後の議会投票では、たぶん首相は交替します。
そのあとは、連立をもとめた政党の離合集散でしょう。
そこまでが、想定できます。



コメント