2023年7月27日から2日間ロシアのサンクトペテルブルクで開催された「第2回ロシア・アフリカ首脳会議」

現代のロシア

「第2回ロシア・アフリカ首脳会議」

日本のマスコミは全く報道しませんが、2023年7月27日から2日間ロシアのサンクトペテルブルクで「第2回ロシア・アフリカ首脳会議」が開催されています。この会議では、これからの世界情勢を考える上で非常に重要な内容が議論され、公表されている戦略は画期的な内容だったと思います。

会議の概要

この会議には、アフリカ大陸の54カ国中49カ国が参加しました。
西側メディアは、この会議の参加国の首脳の人数が前回より減ったことを喧伝していますが、アフリカのほとんどの国が参加しています。
(内訳は参加国49中、元首17、副大統領5、政府主席4、国会議長1、副首相or大臣17、大使5)

この裏では、米国を中心に、アフリカの指導者たちにロシアに行くことやプーチン大統領と直接交渉することに対して忠告したり、なだめたり、脅したりしていたようです。
実際、米国のバイデン政権のビクトリア・ヌーランド氏が、アフリカ数カ国を訪問しています。
しかし、結果的には、この行為は逆効果だったようです。

注目すべき内容について、以下に紹介します。

ロシア・アフリカの経済面での関係強化

・ロシアが、ブルキナファソ、ジンバブエ、マリ、ソマリア、中央アフリカ共和国、エリトリアにそれぞれ25万から50万トンの穀物を供給する。
・ロシアとアフリカの間の商業海運を拡大し、海と空の物流を構築、アフリカにロシア貿易のハブを作り、アフリカの食料輸入におけるロシアのシェアを拡大する計画を発表。
・ロシアのアフリカ諸国に対する230億ドルの債務を帳消しにする。
・ロシアからアフリカ諸国へ開発目的のために約9,000万ドルを提供する。
・貿易を自国の通貨でやる。

西側諸国からの解放と挑戦

Dmitry Trenin: Russia is making its biggest geopolitical shift for 300 years. Here’s how it’s playing out.
The scale of the turning point is comparable to how the vector of Russia's development changed 300 years ago under Peter the Great

アフリカとロシアの関係、西側諸国との関係

ロシア人の中には、アフリカ大陸に友人がいると主張する人もいる。実際、ロシアは西側諸国とは対照的に、アフリカ大陸に対する植民地的、新植民地的な搾取の汚点はない。20世紀には、多くの民族解放運動に軍事援助を提供し、インフラ事業を通じてアフリカの多くの新独立国家を経済的に支援した。何千人もの医師、エンジニア、教師を養成した。

そして、ここが重要な点だと思いますが、ロシアとアフリカは「対等なパートナーシップ」を目指している。

米国やかつての植民地支配国であったフランス、イギリス、そしてドイツは、アフリカ大陸を本質的に自分たちの市場であり資源基地であるとみなしており、自分たちの経済的支配力と政治的影響力を守ろうとしている。

今後も彼らは、アフリカにおけるロシアの前進を可能な限り阻止する動きに出ると思われる。

ロシアとアフリカ、植民地主義による損害補償追求で合意 首脳宣言

ロシアとアフリカ、植民地主義による損害補償追求で合意 首脳宣言
ロシアとアフリカ諸国は、植民地主義で被った損害の補償を求め、文化財の返還を追求するために協力することに合意した。ロシア北西部サンクトペテルブルクで開催された「ロシア・アフリカ首脳会議」で宣言を採択した。

[28日 ロイター] – ロシアとアフリカ諸国は、植民地主義で被った損害の補償を求め、文化財の返還を追求するために協力することに合意した。ロシア北西部サンクトペテルブルクで開催された「ロシア・アフリカ首脳会議」で宣言を採択した。

ロシア大統領府のウェブサイトに掲載された宣言によると、ロシアとアフリカ諸国は「アフリカの脱植民地化プロセスを完成させ、植民地化の過程で持ち去られた文化財の返還を含め、植民地政策の結果としてアフリカ諸国が被った経済的、人道的な損害の補償を求める」ことで合意した。

また「攻撃的ナショナリズム、ネオ・ナチズム、ネオ・ファシズム、アフロフォビア(アフリカ嫌悪症)、ルソフォビア(ロシア嫌悪症)」を含むあらゆる差別と不寛容に対抗することでも合意した。

その後のアフリカの動き

アフリカ西部のニジェールでのクーデターは今も続く植民地支配からの解放につながる重要なもの ~リビア、アルジェリア、マリ、ブルキナファソ、ギニアはニジェールの新政権支持を表明 / ブルキナファソのイブラヒム・トラオレ大統領の強烈なスピーチ

ロシアは、アジアやラテンアメリカ、アフリカとともに、西側支配の世界秩序に代わって、民族自決、関係諸国との友好関係構築、多くの文明を中心としたより多様な構造を持つ多極的な世界秩序への構築へ向かうことを推進している。

西側諸国の一員として、対米従属を余儀なくされている日本の舵取りは重要であると思います。

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