
オールドメディア対SNSの構図で進む『資本家vs日本人』の負けられない闘いの年/トランプ&プーチンの時代へ《851》
1.各紙年初社説に見える言論統制と反トランプ

24年は人類史上、最大の選挙の当たり年だった。新型コロナウイルス禍から尾を引く物価高への不満で、大半の民主主義国家で政権与党が退潮した。新年は民主主義の真価が一段と問われる。SNSの浸透で不確かな情報が容易に拡散し、過激な政治勢力が支持を伸ばした。
日本ではSNSも手助けし、若者の投票率が伸びた選挙もあった。むろん断片的で不正確な情報や主張の氾濫が社会や政治を乱すことへの注意は必要だ。新聞などのメディアが正確で信頼される情報をいかに発信するか。わたしたちも変革を肝に銘じる必要がある。(記事抜粋引用)
社説:平和と民主主義を立て直す時 協調の理念掲げ日本が先頭に : 読売新聞
戦後80年。日本の平和と繁栄は安定した国際秩序の 賜物 でもあった。その秩序が崩れようとしている。日本はもはや、国際秩序の受益者のままではいられない。
それには、世界が結束していることが大事だ。侵略は許さない、人道無視の 殺戮 は許されない、という世界の声が一つでないと、トランプ氏への圧力にならない。自国第一をめざすにしても、他国との協調が必要なのだ。
民主主義は、健全な判断力を持った公衆が選挙によって代表を選び、政治の意思決定を行うシステムである。その公衆の判断が、個人の気ままな情報発信で狂わされたら、民主主義は危機に陥る。
誤った情報によって自由な意思形成が妨げられるということは、「自由の危機」といわなければならない。現在進行している危機の第三とはそのことである。
(社説)不確実さ増す時代に 政治を凝視し 強い社会築く:朝日新聞デジタル
胸騒ぎがする。波乱が起きる予感が。それが何かはわからない。いつにも増して先が見えない年が、明けた。不確実さの原因の最たるものは、米大統領に返り咲くトランプ氏だろう。
<年のはじめに>論説委員長 榊原智 未来と過去を守る日本に – 産経ニュース
今年は、日本の未来と過去を守らなくてはならない年になるだろう。抑止力の構築を急がないと、日本は数年内に、戦後初めて戦争を仕掛けられる恐れがある。平和を守っていく年にしたい。
権力への誹謗・中傷議論の先にあるもの、カスタマーハラスメント議論の先にあるもの、それが言論統制です。

反トランプの先にあるもの、それが民主主義の喪失です。

2.自民党を選ばない理由が増えていく

<独自>違法選挙動画で金もうけダメ 収益支払い停止、自民がSNS対策で法改正検討 – 産経ニュース
真実を伝えられないオールドメディアは、SNSやネットを規制することで生き延びようとします。真実を伝えないオールドメディアが生き延びられる理由は、オールドメディアと同じ利権構造の中に、心も体も取り込まれた各所のリーダーたちが、国民が存在するからです。

昨年の兵庫県知事選挙で見逃してはならないのは、ネット世代の若者だけでなく、年配者の少なくない人々が、オールドメディアが真実を伝えていないことを知ったという事実です。このうねりは減税を阻止する財務省解体、国民の健康を守らない厚生労働省解体運動とシンクロしながら全国的に進展していくことは間違いありません。だからこそ日本では言論統制が一層強まることにもなります。2025年は、日本人が生き残る正念場になると私は考えます。

3.日米関係の転機になり得る予感


日本製鉄のUSスチール買収中止命令 バイデン大統領発表 – 日本経済新聞
バイデン米大統領は3日、日本製鉄によるUSスチールの買収計画に対する中止命令を出した。日鉄が国内鉄鋼大手の買収により「米国の国家安全保障を損なう恐れのある行動を取る可能性がある」と判断した。
日鉄は日本市場が縮小するなかで海外事業の拡大を進めてきた。米国は先進国で例外的に人口が増え、鋼材需要が見込める。今後の成長に欠かせない市場をどう開拓していくか、戦略の練り直しを迫られる。(記事抜粋引用)
見誤った政治的合理性、日鉄が刺激した「米国の郷愁」 – 日本経済新聞
「米国の一部」になり損ねた日鉄。日米摩擦から30年以上たって再び、盛田氏の教訓(「米国の地域社会に英国人などが投資をして入ってきても異邦人の侵入と受け取られない。だが、日本人が行くと何か分からない異邦人が入ってきたと思う。それは恐怖心と不安感を与えるからだ」)が重く響く。(記事抜粋引用)


日鉄、米提訴で打開狙う USスチール買収阻止「政治的」 – 日本経済新聞

USスチールCEO「バイデン氏の行動は恥ずべきで、腐敗」 – 日本経済新聞
USスチールのデビッド・ブリット最高経営責任者(CEO)は3日、バイデン米大統領が日本製鉄による買収を阻止したことに対し「バイデン氏の行動は恥ずべきもので、腐敗している」との声明を出した。USスチールは日鉄による買収は米鉄鋼業の競争力を高め、中国の脅威に対抗するものだと正当性を主張してきた。ブリット氏は「(買収阻止で)北京の中国共産党幹部は街頭で踊っている」とコメントし、買収阻止は中国が得をするだけだと非難した。(記事抜粋引用)

この問題、全容が見えません。ラストベルト出身のJDヴァンス副大統領候補などに象徴される、トランプ陣営のアメリカ労働者ファーストの保護主義的な動きは見えていたわけですが、具体的な労働者を守るシナリオが見えていませんでした。USスチールの経営陣は日本製鉄による買収を元にした直接投資による再建を望んでいるのです。要するに自分たちだけでは生き残れないと。
この状況で、バイデンがトランプ就任を直前に控えたタイミングで買収阻止命令を出した意味は何でしょうか。予防的恩赦との関連ディール?中国投資を利する国際金融資本の陰謀?そして、トランプ陣営からの積極的な声明がないのも(現時点)、より不可解にしている要因でもあります。
いずれにせよ、注目したいのは、バイデン民主党の極東広報組織に過ぎなかった日本のメディアが、この問題ではバイデンを批判していることです。その一点においてもこの問題は日米関係の転機になり得る予感があります。注視していきたいと思います。

ここからは、日本製鉄やUSスチールという個別産業要因を除いて、日米間の産業資本、金融資本の移動の視点から意見を述べておきます。
トランプ大統領は、トルドーに対して「51番目の州に」と言いましたが、日本は51番目の州にさえノミネートしてもらえません。国家を守り主権を貫く意思のない日本は、自治権のある州でさえないと知るべきです。日経記事のソニー盛田氏の本来の趣旨はともかく、同紙が解釈する「米国の一部」が主権国家でない思考を表しています。主権国家ならアメリカを「日本の一部」にし損ねたというべきです。日本経済新聞を含めた日本の財界が、日本国内でさえ「米国の一部」となっていることが敗因です。
武藤容治経済産業相は、「国家安全保障上の懸念を理由とする判断は理解しがたく残念だ」とのコメントを出したとされますが、産業資本や金融資本に対する安全保障上の視点がないことの方が異常です。これを機会に、一方的に海外産業資本と海外金融資本に買収された状態の日本企業社会に対する理解が少しでも進むことを期待します。
4.国家の自信『独立した自由で強い国』

プーチン大統領、「我々は前進」 新年演説で強調 – 日本経済新聞
毎年恒例のプーチン大統領の国民に向けた新年のあいさつで何が語られたのか。実際の内容と、日本のメディアが伝える内容がまったく異なっています。【オピニオン】で取り上げます。ちなみに、以下のスライド👇は昨年のあいさつの内容です。「家族」が強調されたロシアの国体がよく表れているあいさつだったと思います。日本では選択的夫婦別姓やLGBTQ理解増進、女性強制活躍などで壊されていく一方の「家族」をロシアプーチンは大切にしているのです。

5.与野党ともに緊縮財政の愚かな国

社会保障で大連立あるか 石破首相と野田氏の「天命」 風見鶏 – 日本経済新聞
以下は、新世紀のビッグブラザー(三橋貴明ブログ)出典の「G7諸国の政府債務残高(2018年=1)」グラフです。一目瞭然です。コロナプランデミック下で国民経済を救わなかったワースト1位が我が国日本です。話題となった石破の本音はともかく、与党及び野党第一党が「緊縮脳」であるという事実ほど不幸なことはありません。

形式議論などせずとも、事実上ステルス大連立状態と言っていいでしょう。

6.日銀が買う、で解決する問題


先進国の国債発行額、リーマン危機後最大級 政権弱く財政膨張 – 日本経済新聞
野党の要求はポピュリズム(大衆迎合)的になりやすく、財政拡張の圧力が増す。先進国による国債純発行額の拡大は財政支出の膨張と、中銀の買い入れ縮小によるものだ。(記事抜粋引用)
先のニュースのとおり、日本では大衆迎合とやらに野党がなってくれていません。つまり野党も人民主義の立場とならない敵であるということです。

財政法5条を改正すれば日銀が直接買入できますが、その改正をせずとも銀行から日銀が買取ればいいだけのこと。54%も買い入れているのに、いつになったらハイパーインフレーションが起きるというのでしょう。

ハイパーインフレーションが起きなくても日銀が破綻する?いやいや、どうやったら日銀が破綻できるのですか。

7.トランプ政権正式発足が一歩ずつ近づく

アメリカ下院議長にジョンソン氏再選 トランプ氏が造反者説得 – 日本経済新聞
RINO的にも見える中道的なマイク・ジョンソンを力で押し込んだトランプ大統領。明日1月6日の上下両院合同会議で選挙結果が確定して、トランプ大統領が正式に決定します。4年前のどん底から世界は明らかに揺り戻すのです。トランプとプーチン時代、グローバリズムでないインターナショナルな競争関係となることを強く望みます。

【オピニオン】
いよいよトランプとプーチンの時代になります。心配もありますがわくわくします。心配はもちろん日本の問題です。その心配が左派オールドメディアによるプーチンやトランプ報道の偏向度合いで可視化されています。その一方で、保守言論側の石破や岩屋に対する偏向もまた目立つようになっています。比較の問題では圧倒的に前者に問題がありますが、後者の問題も捨て置くことはできません。日本人の国益の障害になるからです。
1.歪められるプーチン像
プーチン大統領の自信が感じられる新年のあいさつでした。自国を自分で守る独立した国の圧倒的な強さが示されています。

ところが、ANNは、これに余計な情報を組み合わせて、今にも日本に侵略しようとするプーチン像を作り上げました。報道しない自由の行使ではなく明らかなフェイクニュースです。プーチン大統領は日本外交の正常化に門戸を開き続けているというのが真実です。【今日の一言】参照。

2.歪められるトランプ像
馬渕睦夫大使がよく引用されるトランプの2019年の国連演説がこれです。

Trump’s 2019 U.N address in 3 minutes
しかし、これもANNにかかると、アメリカ第一主義のわがままリーダーとのフェイクニュースとして伝えられます。

(113) トランプ大統領 国連で演説“アメリカ第一主義”(19/09/25) – YouTube
3.歪められる石破像
ネットには「緊縮論者」の石破に対する批判と侮蔑の言葉が並んでいます。一方で、同じ人が「日本には負債だけでなく資産があり、だから財政状態に問題はない」という論者・意見を好意的に拡散している人が目立ちます。石破の発言を聞いていれば、彼は単に「緊縮脳」、つまり貨幣論が理解できていないだけであることがわかりますが、先の石破批判+資産論からの積極財政論拡散者たちも、同様に「貨幣論」を理解していません。自国通貨建て国債発行が可能な国の国家財政問題に、資産のあるなしは関係ありません。

【年の瀬に聞く】自民党総裁選への出馬表明から怒涛の4か月…石破首相はいま何を思う?来年の国会運営は?次なる目玉政策は?【ウェークアップ】
チャンネル桜の水島社長によれば、石破は「のみの心臓」なのだそうです。なるほど納得するところがあります。彼が、総理の器にないことは👇の回答でもよくわかります。但し一方で、一国の総理が一般人のような泣き言を晒してしまうほど、いわゆる悪意はない人間なのだと私は感じます。だから擁護するという意味ではなく批判の仕方が大事だと思うのです。
また、岩屋が「『台湾有事は日本有事』を否定した」とする保守言論人の批判も巻き起っています。私も親中利権の岩屋には早く辞めてほしいと思いますが、「台湾有事」の件については、「台湾有事という言葉は好きじゃないというか、台湾は無事でなければならない」と述べたに過ぎません。もちろん、背景として中国敵視の文脈で「台湾有事」と騒ぐなという親中ならではの発言ではありますが、言葉の切り取りのような批判は避けるべきです。それでは暴力的左派のやり口と変わりありません。彼らはこれを材料に「言論統制」の正当性を主張し仕掛けてくるからです。

【おまけ】
箱根駅伝を見ていていつも不快に思うのは読売新聞のコマーシャルです。駅伝は大好きですが、「スポーツを愚民化のツール」と考えているであろう読売新聞のことは大嫌いです。

【今日の一言】
プーチンは日本に門戸を開いています。日本製鉄によるUSスチール買収問題で、日米関係を見つめ直すとともに、ロシアとの関係を見直しましょう。

日本国民が豊かになる国際間距離の選択が迫られています。

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