日本の文化生きる力を引き出す授業(上) ~ 伝説の国語教師・橋本武
すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなります。そういうことを私は教えようとは思っていません。なんでもいい、少しでも興味をもったことから気持ちを起こしていって、どんどん自分で掘り下げて欲しい。私の授業では、君たちがそのヒントをみつけてくれればいい。そうやって自分で見つけたことは、君たちの一生の財産になります。そのことは、いつかわかりますから、、、「一緒に『銀の匙』を読んだ生徒がねえ、還暦過ぎても、みんな前を向いて歩いている。それが何よりも嬉しい。」生きる力を引き出す授業(上) ~ 伝説の国語教師・橋本武■1.「平常の力さえ出せれば、東大なんてへっちゃらだ」「伝説の国語教師」と呼ばれている人がいる。神戸の灘校で50年間も国語を教え、各界で活躍する多くの教え子たちが「橋本先生の国語授業があったからこそ、ここまで出来た」と感謝する。橋本先生がどのような授業をしたのかを見ていく前に、授業の成果を見てみよう。 灘中・灘高では一つの学年を各教科一人の先生が、卒業まで6年間担当する。昭和43(1968)年、橋本先生が独自の国語教育を始めて3回り目に担当した約200人の卒業生のうち、112人が現役で東大...
