2021年末のちょっと古いですが、日本の技術の本質を分析している記事の紹介です。
最先端の半導体分野においても以下のようなことは事実として認められ、日本の今後の方向性、可能性を示しているように思います。
実直なモノづくり、品質管理、我慢強い開発、顧客の要求に徹底的に答える姿勢など、前工程でも指摘した日本人的な特徴があり、それらが競争力の源泉になっているのだろう。つまり、日本人的な発想や行動様式が高いシェアに結びついていると言える。
半導体製造装置と材料、日本のシェアはなぜ高い? ~「日本人特有の気質」が生み出す競争力
半導体製造装置と材料の分野において、日本は非常に高いシェアを持っている。これはなぜなのか。欧米メーカーのシェアが高い分野と比較し、分析してみると、興味深い結果が得られた。
12月17日(金)に、「SEMICON JAPAN 2021 Hybrid」のSemi Technology Symposiumの先端材料・構造・分析セッションで、「日本の装置と材料の競争力とその源泉」という題目で講演することになった(参考:SEMICON JAPAN公式サイト)。ただし、筆者は前工程が専門で、後工程やパッケージに土地勘がない。そこで、後工程/パッケージについては、Intelで約30年間、その分野に従事された亀和田忠司氏に依頼し、共同発表することにした(図1)。
筆者と亀和田氏は、この講演に関するフレームワークを決め、8月から約4カ月間かけて、この講演の準備を行った。そのフレームワークは、以下の通りである。
- 前工程および後工程/パッケージ、それぞれの分野で、装置や材料の日本シェアを明らかにする。
- 前工程および後工程/パッケージ、それぞれの分野で、なぜある装置や材料の日本のシェアが高いのか(または低いのか)について分析し考察する。
- 日本のシェアが高い(または低い)装置や材料ついて、なぜそうなるかについて、前工程および後工程/パッケージの両方を包括する仮説を構築する。
本稿では、筆者(湯之上)と亀和田氏の共著により、上記の概要を紹介する。4カ月をかけた上記の調査と研究により、非常に面白い結論を導くことができた。その結論を一言でいうと、日本人と欧米人の発想や行動様式が異なることが、装置や材料のシェアの高低に大きく関係しているということである。
以下では、まず、筆者の分担である前工程について、論じたい。
前工程の装置と材料のシェア
前工程は500~1000工程以上にもなるが、そのプロセスはシンプルである(図2)。直径200~300mmのシリコンウエハを基板に使って、洗浄→成膜→リソグラフィでパターニング→エッチング→アッシングや洗浄→検査という、決まりきった工程を30~50回以上繰り返す(これ以外にも、イオン注入、熱処理、CMPなどの工程がある)。
この前工程により、シリコンウエハ上にトランジスタ、キャパシタ、配線などの3次元の構造物が形成される。そして、シリコンウエハ上に、約1000チップが同時につくり込まれる。
この前工程に使われる主な製造装置の企業別シェアを図3に示す。日本のシェアが高いのは、コータ・デベロッパ(92%)、縦型拡散炉ともいわれる熱処理装置(93%)、枚葉式洗浄装置(63%)とバッチ式洗浄装置(86%)、測長SEM(80%)などである。これに加えて、CMP装置はトップシェアではないが、荏原製作所がロジック半導体に大きなシェア(約30%)を持っているため、これもシェアが高い装置にカウントする。
一方、露光装置、ドライエッチング装置、CVDやスパッタなどの成膜装置、各種検査装置の日本のシェアは低い。しかし、これらの装置には、多くの日本製の部品や設備などが使われている。その中でも特に、石英部品やセラミックス部品は、日本製が圧倒的に多い。
次に、前工程に使われる主な材料の企業別シェアを図4に示す。シリコンウエハ、各種レジスト、各種CMPスラリ、各種の高純度薬液など、日本のシェアが高い材料が非常に多いことが分かる。日本の材料メーカー各社は、装置メーカー以上に、強力な存在感を示していると言える。
このように、日本には特徴的にシェアが高い装置があり、シェアが低い装置でも部品や設備には日本製が多い。また、ほとんどの材料について、日本のシェアが高い。これらについて、日本のシェアが高いもの(低いもの)について、以下で分類を行う。
日本のシェアが高い装置、材料、部品の分類
日本のシェアが高いものを分類すると、図5のようになる。ポイントは2つある。
第1に、液体(または気体などの流体)に関係する装置や材料のシェアが高い。第2に、熱をかけて固めた材料や部品のシェアが高い。
第1の分類は、さらに2つのカテゴリーに分けられる。一つは、ウエハが回転する枚葉式の装置とそれに使われる液体材料である。具体的には、コータ・デベロッパとレジスト、CMP(ロジック用)とスラリ、枚葉式洗浄装置と各種薬液である。黄色い矢印は相関関係があることを示している。
もう一つは、ウエハは回転しないが、装置内部で液体や気体が循環(つまり回転)する装置である。それは、バッチ式洗浄装置と縦型拡散炉である。
この縦型拡散炉には、石英部品が多数使われる。この石英部品は、圧倒的に日本のシェアが高い。同じようなものとして、シリコンウエハと各種セラミックス部品がある。これらに共通するのは、熱をかけて固めた材料や部品であるということだ。
このように、日本のシェアが高い装置、材料、部品を分類してみると、どちらかと言えば、日本は「物理より化学」がモノを言う領域で強みを発揮していると言える。
日本のシェアが低い装置の分類
一方、日本のシェアが低い装置を分類すると、図6のようになる。一言でいうと、基本的にドライな装置の日本シェアは低い(ただしArF液浸は除く)。ここでもポイントは2つある。
第1に、光や電子ビームを使う装置の日本シェアは低い。それは、各種検査装置や各種露光装置である、ここで、CD-SEMは日本のシェアが高いので、この分類では例外となる。
第2に、プラズマを使う真空装置に関係する日本のシェアは低い。具体的に言うと、ドライエッチング装置、CVD装置、PVD装置(スパッタ装置)であり、加えて最先端露光装置であるEUV(極端紫外線)露光装置もこの分類に入ってくる。
これらの装置の特徴としては、ウエハはステージにチャックされて動かない。動いたとしてもXY軸方向のみであり、回転はしない。そして、どちらかというと、「化学より物理」的な要素が強い装置の日本シェアが低いと言える。
日本のシェアが高いものと低いものに関する比較および分析
ここまで、日本のシェアが高いものと低いものについて、具体的なシェアを示したうえで、分類を行った。以下では、なぜ、このようになるのかを分析してみたい。
なお、この分析を行うに当たって、各種製造装置や材料の専門家20人に、「なぜその装置や材料のシェアが高い(低い)のか?」という内容のインタビューを行った。その際に、非常に示唆に富む見解を多々聞かせて頂いた。筆者の主張とその見解をまとめると図7のようになる。
まず、日本のシェアが高いものは、液体、流体、粉体を扱う場合が多く、最初の形が決まっておらず、「ふわふわ」している。そのため、最適化するためのパラメータが多くて非常に複雑である。そのような中で、日本人は経験や直感によって最適解を見いだしている。そのプロセスは、マニュアル化できない暗黙知やノウハウが多く、結果として、巧の技や職人芸のようになることもある。
そしてこれらは、現場の継続的な改善・改良がモノを言う世界であり、真面目で忍耐強い日本人が細かなところまで部分最適化する。その結果、ボトムアップによって装置、材料、部品がつくられることになる。このような、日本人的な特徴が高いシェアの源泉になっていると考えられる。
欧米人はどのように装置を開発するか
一方、日本のシェアが低い分野において、高いシェアを誇るアプライドマテリアルズ(AMAT)、Lam Research(Lam)、KLA、ASMLの4社の欧米企業は、どのように装置を開発しているのだろうか?
まず、マーケティングによりニーズをつかむ。そして、各種の装置開発の最初にはサイエンスがある。これらニーズとサイエンスのもと、強力なリーダーのトップダウンによって、装置全体をアーキテクトする。その際、モジュール化することが多い。
さらに、その装置開発の各過程でシミュレーションを駆使する。加えて、テクノロジーやノウハウをソフトウェア化して、装置に取り込む。そして、これらを一つに集約し、世界標準の装置に仕上げていく。この背景には、欧米のガチガチの契約社会が色濃く反映されているように思う。
まとめると、日本の装置メーカーはカスタマーの半導体メーカーごとでカスタマイズすることが多いが、欧米の装置メーカーは世界標準の装置を基本的に1種類だけ開発する。要するに、装置開発において、日本は発散し、欧米は集約するという対照的な傾向にある。これは、日本のシェアが高い装置は液体や流体など形がない材料を扱うのに対して、欧米メーカーは、光や電子ビームおよびプラズマを使う真空装置を扱うことが要因の一つであろう。
しかし、それだけではない。
日本人と欧米人の発想と行動様式の違い
日本人と欧米人の装置開発などの差を論じてきた。ここには、日本人と欧米人の発想や行動様式の違いが大きく関係していると考えられる。
まず、欧米人は、理論が先にある。そして、開発初期に徹底的に議論を尽くして方針を一本化する。その上で、規格、ルール、ストーリー、ロジックをつくる。逆の言い方をすると、欧米人の技術者は手先が不器用で実験が下手である(というより技術者は一切実験をせず、テクニシャンと呼ばれる職種に任せる文化がある)。
一方、日本人の技術者は、優れた感覚と経験を基に、直感的に手を動かして実験を行う。また、決められた枠組みの中で最適化することを非常に得意としている。しかし、規格やルールを作るのは苦手である。
このように、日本人と欧米人では、発想や行動様式がまったく異なる。それが、装置などのシェアの高低につながっていると推測できる。
ここまで、前工程について、日本のシェアが高い(低い)ものについて、そのシェア、分類、なぜそうなるかについて分析を行った。
次は、後工程/パッケージについて論じる。その前に、3次元パッケージ(以下、3D IC)の時代を迎えて、前工程と後工程/パッケージの間では、パラダイム・シフトが起きていることを以下で指摘する。
3D IC時代のパラダイム・シフト
筆者が微細加工の技術者だった1987~2002年に、後工程やパッケージを意識したことがなかった。また、2003~2008年に同志社大学の経営学の教員として、後工程を調査しようとしたときに、その関係者から、『「士農工商、後工程」ということを知っているか?』と言われたことを記憶している。
つまり、半導体のプロセスの世界には明確なヒエラルキーがあるのだ(図8)。2010年頃までは、前工程が威張っていた。その中でも、リソグラフィ技術者が最も上位に君臨しており、「リソができなければエッチは何もできないだろう」とか「リソでパターニングしてしまえば後は自動的にトランジスタができる」と言われたことすらある。
そして、後工程/パッケージは、その前工程の「士農工商」にすら入れてもらえず、江戸時代の「穢多・非人」のように、下の下に見られていたということである(筆者もそう見ていた1人である)。
ところが時代は変わった。現代の先端半導体においては、TSMCなどのファンドリー、IntelやSamsung ElectronicsなどのIntegrated Device Manufacturer(IDM)、そしてOutsourced Semiconductor Assembly and Test(OSAT)が競って3D ICを開発している。
その3D ICにおいて、最初に行われるのは、パッケージの設計である。3D ICに組み込まれるSoC(System on Chip)、GPU、DRAMなどのチップは、もはや「部品」である。その「部品」を製造するために、前工程の要素技術が存在する。このように、前工程と後工程/パッケージのヒエラルキーは逆転した。
その結果、俄然、後工程/パッケージが注目される時代に突入したわけだが、この分野の装置や材料の日本シェアはどうなっているだろうか?
後工程プロセスの概要とパッケージが果たしている役割
図9に、後工程プロセスの概要を示す。前工程でシリコンウエハ上に1000個程度のチップがつくり込まれ、それが後工程のダイシングによって個片化され、基板材料にアタッチされ、各種テストが行われて、パッケージングされた最終製品が完成する。
ここで前工程と違って後工程が複雑なのは、チップが搭載される(主として有機)基板が、用途や企業によって異なっているということである。つまり、前工程のシリコンウエハのような世界標準の基板が後工程ではないため、それが後工程を理解することを、難しくしている。
また、後工程のデザインルールは、前工程のテクノロジー・ノードより3桁大きい(図10)。現在でいえば、前工程ではTSMCが5nmの量産を行っているが、後工程に使われる基板のデザインルールは5μmである。
これを見て、「微細化しているほどエライ」という思考にどっぷりつかっている前工程の技術者は、「後工程なんてMEMSレベルじゃないか」と見下す人もいるかもしれない。しかし、これは大間違いである。というのは、もし、後工程用基板のデザインルールが、前工程の微細化に追随してしまったら、パッケージされた最終製品がとんでもなく高価になってしまうからだ。
いうなれば、パッケージは、あえて前工程の微細化を追随しないことにより、最終製品の価格を抑えることに多大な貢献をしているのである。ここに、パッケージの最大の付加価値がある。微細化が進めばいいというものではないのである。
後工程/パッケージの意思決定とモノの流れ
後工程/パッケージに関わるプレーヤー、意思決定者および、モノの流れは、複雑だ。図11を用いて、Intelのサーバ用プロセッサを例にとり、順に説明しよう。
なお、後工程プロセスはOSATが行う場合もあれば、Intel社内で行う場合もある。以下では、話をシンプルにするために、OSATが後工程を行うと仮定する。
(1)まず、Intelが、どの基板にチップを乗せるか、その基板材料に何を使うかを決める。
(2)Intelに選定された、味の素ファインテクノや三菱ガス化学などの基板材料メーカーは、これまたIntelに選定されたイビデンや新光電気に、その基板材料を供給する。
(3)イビデンや新光電気は、Intelの要求仕様に従って有機基板を製造し、ASEやAmkorなどのOSATに、その基板を供給する。
(4)そのOSATでは、ディスコのダイサーなど各種後工程装置をそろえ、後工程用の材料を導入する。
(5)Intelが前工程を完了させたウエハをOSATに供給する。
(6)OSATは、後工程の各種装置や材料を使って、Intel向けの最終製品を製造する。
このようにして、最終製品となるIntelのサーバ用プロセッサが製造される。それでは、基板材料、基板、後工程材料、後工程装置における企業別シェアおよび日本シェアは、どうなっているだろうか?
基板材料、基板、後工程材料、後工程装置のシェア
図12に、各種の基板材料の企業別シェアを示す。ローエンド向けの汎用プリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)用銅箔積層板の日本シェアはほとんどなく、中国や台湾メーカーがシェアを占めている。
ところが、ハイエンド向けパッケージ用銅箔積層板の日本シェアは65%以上であり、パッケージ用ビルドアップ基板とパッケージ用ソルダーレジストにおいては何と日本が100%を独占している。
次に、図13に、世界の主な基板メーカーを示す。基板メーカーの多くがアジアに集中している。その中でも、日本のイビデンと新光電気は突出した技術を持っており、この2社がなければサーバ用プロセッサができない。要するに、イビデンと新光電気が唯一無二の存在になっている。
さらに、各種の後工程材料の企業別シェアを図14に示す。リードフレームでは、日本シェアは37%にとどまっている。しかし、封し材料のモールドで、日本は65%超のシェアを持つ。また、TSMCが米Appleの「iPhone」用に開発したInFO(Integrated Fan-Out WLP)など、FOWLP(Fan Out Wafer Level Packaging)用のモールド材では、日本が88%を独占している。加えて、アンダーフィル材の日本のシェアは92%と、これも独占状態にある。
最後に、各種の後工程装置の企業別シェアを図15に示す。ダイサーでは、日本が90%のシェアを独占している。ダイ・ボンディングの日本シェアは10%しかないが、モールディングで65%、テストで55%と、いずれも過半を超えている。
このように、基板材料、基板、後工程材料後および工程装置において、総じて日本シェアが高く、世界的に大きな競争力を持っていると言えよう。
後工程/パッケージ用の装置や材料の競争力の源泉
高いシェアを誇っている日本企業を分析すると、3つのポイントが浮かび上がる。
第1は、ある一つの材料や装置に特化して、知財を押さえ、圧倒的なシェアを取って他社を寄せ付けない企業がある。例えば、ディスコのダイサー(80%)、味の素ファインテクノのパッケージ用ビルドアップ材(96%)、太陽インキのパッケージ用ソルダーレジスト(85%)などである。
第2は、ハイエンドに特化したり、ワールドクラスの技術によって他を寄せ付けない企業がある。例えば、三菱ガス化学(30%)や昭和電工マテリアルズ(30%)のパッケージ用銅箔積層板、イビデンや新光電気の有機基板などである。
第3は、装置、プロセス、材料による包括したアプローチを取ったり、複数材料の提供によるトータル・ソリューションを提案したりする企業がある。この典型例が、JOINTコンソーシアムを持つことで、多数の材料を供給することに成功している昭和電工マテリアルズである。また、銅箔積層板とモールド材を提供する住友ベークライトも、その1社である。
このように、高いシェアを持つ企業の多くは3種類に分類されそうであるが、その根底には、実直なモノづくり、品質管理、我慢強い開発、顧客の要求に徹底的に答える姿勢など、前工程でも指摘した日本人的な特徴があり、それらが競争力の源泉になっているのだろう。つまり、日本人的な発想や行動様式が高いシェアに結びついていると言える。
総括
前工程と後工程/パッケージ、それぞれについて、その装置や材料について、日本シェアを明らかにするとともに、なぜその分野の日本シェアが高いのか(低いのか)を分析し考察した。
前工程では、液体、流体、粉体など、形がないものを取り扱う装置や材料の日本シェアが高い。一方、光や電子ビームおよびプラズマ装置などの日本シェアが低い。これらのシェアの高低は、日本人と欧米人の発想と行動様式の違いによって生じると推測した。
後工程/パッケージでは、基板材料、基板、後工程装置と材料のほぼ全てにおいて、日本のシェアが高いことが分かった。それらを分類すると、ある一つの分野に特化して独占的なシェアを築いて他社を寄せ付けない企業、ワールドクラスの技術で他社を圧倒している企業、包括的な取り組みで複数の分野のシェアを獲得している企業などがあることを論じた。
そして、前工程と同様に、後工程/パッケージにおいても、現場の技術者の真面目で実直なモノづくりなど、極めて日本人的な特徴がその競争力の源泉にあり日本人的な発想や行動様式が高いシェアに結びついていると推測した。
では、現在高いシェアを有している前工程および後工程/パッケージの各分野で、今後もそのシェアを維持していくことができるだろうか?
「われわれが1番である」とその座にあぐらをかいたがために、転落していった企業や産業の事例は、枚挙にいとまがない。半導体産業でいえば、1980年代に栄華を誇った日本のDRAM産業や、2010年以降にほぼ壊滅した日本のSoC事業などが挙げられよう。
装置や材料の分野においても、韓国や中国が国を挙げて自国生産を加速しようとしている。また、欧米では人工知能(AI)を使って装置やプロセス開発を行う動きが活発化しており、日本の職人芸を凌駕してしまう可能性がある。
日本が現在の高いシェアを維持・向上させるためには、開発の手を一瞬たりとも緩めてはならない。場合によっては、欧米の開発方法の良いところを取り入れることも必要である。
筆者は6月1日の衆議院の意見陳述で、「強いものをより強くするべきである」と主張した。装置や材料の各企業は、自社のストロングポイントを徹底的に強化することにまい進して欲しいと思う。その上で、3D ICの時代でも、世界的な競争力を発揮して頂きたい。
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