立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。辛味が重要です。

健康
立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。辛味が重要です。 - 薬屋のおやじのボヤキ
立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。辛味が重要です。毎年8月7日頃(2024年は8月7日)に立秋となり、秋に入ります。まだまだ夏真っ盛りの感がしますが、季節は秋なのです。お盆になれば、ひところの暑さが過ぎ去り、朝晩涼しくなると言いますが、その1週間前から、そのように感じられると考えていただけばよいです。(もっとも、今年はまだまだひどい熱帯夜と猛暑日が続きそうですが。)夏至からずいぶん経ち、日が昇るのが若干遅れることも相まって、体の臓器は、これに敏感に反応するのです。よって、夜明けと同時に屋外で活動される方であれば、きっと体感できることでしょう。ところが、現代は、どうしても夜型の生活になり、朝起きるのが遅くなり、とても体感できませんし、臓器もどれだけか鈍感になっていることでしょう。中医学(漢...立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。辛味が重要です。

立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。辛味が重要です。

 毎年8月7日頃(2024年は8月7日)に立秋となり、秋に入ります。
 まだまだ夏真っ盛りの感がしますが、季節は秋なのです。
 お盆になれば、ひところの暑さが過ぎ去り、朝晩涼しくなると言いますが、その1週間前から、そのように感じられると考えていただけばよいです。(もっとも、今年はまだまだひどい熱帯夜と猛暑日が続きそうですが。)
 夏至からずいぶん経ち、日が昇るのが若干遅れることも相まって、体の臓器は、これに敏感に反応するのです。よって、夜明けと同時に屋外で活動される方であれば、きっと体感できることでしょう。
 ところが、現代は、どうしても夜型の生活になり、朝起きるのが遅くなり、とても体感できませんし、臓器もどれだけか鈍感になっていることでしょう。

 中医学(漢方)では、秋は、8月7日頃の立秋から始まり、10月20日頃(霜降の4日ほど前)で終わります。一般的に考えられている秋よりも約1か月も早く始まり、ど真ん中で終わりを告げます。そして、10月21日頃から11月7日頃(立冬の前日)までが、「秋の土用」です。

 日が昇るのが少々遅れ、朝晩の涼しさがどれだけか感じられるようになると、体の臓器は秋モードに変わり、その後の冬モードに円滑にチェンジするための態勢作りが行われると考えてよいでしょう。
 その秋モードですが、五臓(肝、心、脾、肺、腎)の中の「肺」が活発に活動します。
 各臓器がそれぞれの季節に対応しており、肺は秋に対応しているのです。
 肺の最も重要な仕事は呼吸でして、体中に十分な酸素を取り入れて、代謝してできた炭酸ガスを吐き出すことです。
 肺が大きく膨らみ、ゆっくり十分に縮むことによって、適正なガス交換ができるのですが、これは、簡単なようで、実はなかなか難しいものです。
 秋には、今述べましたように、肺がそうした活動を活発にしますので、正しい呼吸法を身に付ける良い機会でしょうね。例えば腹式呼吸がそうです。
 なお、腹式呼吸が良いのは、息を吸い込んだときに内臓が加圧されて、内臓内の血液が静脈を通って心臓へスムーズに運ばれるからです。そして、息を吐いたときに内臓が減圧されて、血液が動脈を通って内臓内にスムーズに流れ込みます。こうして、腹式呼吸は血液循環のメインポンプの役割を担ってくれるのです。心臓がメインポンプの役割を担っているのでは決してないのです。お間違えのないように。
 参考までに、血流のサブポンプは筋肉で、運動したときに筋肉の収縮、弛緩で血流を作り出しています。ウォーキングが健康にいいと言われるのは、これによります。
 秋も本番となると、空が綺麗に澄みわたって、空気をいっぱい吸い込みたくなりますが、これは、肺の活動が活発になるから、そうした気分にさせられると考えてよいでしょう。この時期、深呼吸することも大切になります。
 しかし、肺の活動が活発になるということは、肺が高ぶることでもあり、朝の冷気を吸い込み過ぎると肺のトラブルの元になります。胃に冷たい物を急に入れたのと同じです。
 肺がまだ冬モードになっていませんから、冷気は少しずつ肺を慣らしながら取り込む必要があります。特に、ゼンソクや気管支が弱い方はご注意ください。

 さて、本題の秋食ですが、漢方の世界では、五味に注目します。
 酸味、苦味、甘味、辛味、塩味の5つです。これは、季節(春、夏、土用、秋、冬)と五臓(肝、心、脾、肺、腎)にそれぞれ対応しています。秋は、肺で、辛味です。
 秋には、肺が辛味を求めていると、考えてくださってよいです。
 辛い物をたくさん食べると汗が出るというふうに辛味は発散作用があって、体熱を放散しますが、それと同時に体を熱する働きもあります。
 辛味は朝の冷気で冷える肺を内から温めると考えてよいでしょう。
 よって、秋には、辛味を第1に持ってくるとよいのです。
 ただし、辛味が強すぎると、肝臓を傷めますから、肝臓を守る酸味を足し込む必要があります。そして、腎臓を守る塩味を添えるとベストです。
 この三味(主・辛味、従・酸味、添・塩味)の組み合わせを知っておいてください。
 これの代表選手がカレーライスです。メインの辛味は誰でもお分かりで、添えられる塩味はルーに十分入っています。足し込みたいのが酸味でして、昔は必ずソースを掛けたものですし、酢が利いた福神漬が皿の脇に乗せてありました。近年は、このどちらも省略される傾向が強いですが、食べて美味しい、この三味の組み合わせですから、健康のためにも実行なさっていただきたいです。なお、ソース・福神漬を省略されるご家庭では、酢漬ラッキョウを添えていただくと良いです。カレー屋さんには、ご自由にお取りくださいとなっているところが多いんじゃないですかね。カレーに良く合いますから。
 4つ目の味である甘味は、この時期は、ほどほどであれば何ら問題ありません。
 秋に気を付けねばならないのが、最後に残った苦味です。
 苦味は肺にダメージを与えます。ビールは控えたいですね。夏は心が苦味を欲しがりましたからよかったのですが、秋となれば駄目です。焼酎に切り替えましょう。

 この秋は、<主・辛味、従・酸味、添・塩味>の三味の組み合わせを意識しながら、甘味で変化を付け、苦味を控えるという調理をしていただければ、季節料理として、ことのほか美味しく食べれますし、健康な食生活ができることにもなります。

(追記)
 ところで、秋は長いです。そこで、「24節気」ごとの健康と食養について、うちで採れる野菜などもおりまぜながら紹介しています。併せてお読みいただければ幸いです。
 24節気の健康と食養:立秋から処暑まで
 24節気の健康と食養:処暑から白露まで
 24節気の健康と食養:白露から秋分まで
 24節気の健康と食養:秋分から寒露まで
 24節気の健康と食養:寒露から霜降まで
 24節気の健康と食養:霜降から立冬まで(秋の土用)

五行配当表
(下図) 各ブロックの端に味が表記されています。
      「水」・「冬」のブロックの左端が味の「鹹」ですが、塩のことです。

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