
プーチン大統領、イランにイスラエル攻撃延期を要請、仲介を申し出る
ロシアのショイグ国防相は、イスラエルとの紛争の仲裁を申し出るプーチン大統領の親書をイランの指導者らに手渡した。

事情を知る関係者によると、ロシアのプーチン大統領は、イランの指導者らに親書を送り、両国間の仲介に努める間はイスラエルに対する軍事行動を控えるよう求めた。
この手紙は、月曜日にテヘランに到着したロシアのセルゲイ・ショイグ国防相によって手渡された。
ショイグ氏は、イラン最高国家安全保障会議のアリー・アクバル・アフマディアン議長とイラン軍のモハメド・バゲリ参謀総長と会談する予定だ。
通信社インターファクスによると、彼はイランの新大統領 マソウド・ペゼシュキアンとも会談する予定だという。
イラン政府は、7月31日に起きたハマス指導者イスマイル・ハニヤ氏の暗殺についてイスラエルに報復すると宣言した。この暗殺はイスラエルの諜報機関によるものと広く考えられている。イスラエルはこの殺害について公式コメントを出していない。
ハニヤ氏とボディーガードの1人は、外国要人用の警備付きゲストハウスで起きた爆発で死亡したが、その状況は依然不明である。ハニヤ氏はペゼシュキアン大統領の就任式に出席していた。
その数時間前、イスラエルの空爆により、イランの親しい同盟者であるヒズボラの司令官フアド・シュクルが死亡した。イラン革命防衛隊は「適切な時期、場所、方法で」イスラエルに「厳しい懲罰」を加えると宣言した。
ニューヨーク・タイムズによると、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は、ハニヤ氏の暗殺に対する報復としてイラン軍にイスラエルへの攻撃を指示した。
イランの行動の可能性とイスラエルの潜在的な反応については、さまざまな憶測が飛び交っている。4月13日、イランはイスラエルに向けて300発以上の発射体を発射した。そのほぼすべてが、イスラエルとアメリカの防空軍の連携により撃墜された。
イスラエルとイランの紛争におけるロシアの役割は未だに未解決の問題である。ロイター通信は8月6日、プーチン大統領がイランに対し、イスラエルに対するいかなる軍事行動においても民間人の犠牲を避けるよう要請したと報じた。
同通信社によると、ショイグ外相はテヘランでこのメッセージを伝えた。また、イランはロシアに対し、ロシアの最新鋭機の一つであるSu-35戦闘機の販売を要請したとも報じた。ロシア側がこの要請に応じたとの報道はない。
ニューヨーク・タイムズは8月5日、ロシアがイランに防空システムを送ったと報じたが、具体的なシステム名は明かさなかった。ロシアの情報筋によると、ロシアはウクライナで進行中の作戦で余剰となった兵器を持っておらず、イランに最高級の防空兵器を提供する可能性は低いという。
ショイグ大統領のテヘランでの協議に詳しい情報筋によると、イランはプーチン大統領の提案を検討したが、取引の一環としてロシアのハイテク兵器、具体的には射程距離400キロで複数の標的を追跡できる能力を持つロシアのS-400防空システムを要求したという。
イランは2016年からロシア製の旧式システムであるS-300を保有しているが、最新版を保有しているかどうかは不明だ。
一部のアナリストは、S-400はF-22やF-35のようなアメリカのステルス機を追跡できると考えている。しかし、ロシアがウクライナ紛争の要求により、最大の武器顧客であるインドへの以前契約したS-400システムの出荷を遅らせていることを考えると、これはありそうにない。
イスラエルはロシアと緊密な連絡を維持し、シリアのロシア軍にイランと同盟関係にある民兵に対する数千回の攻撃について助言している。ロシアは防空軍を撤退させ、イスラエルが妨害を受けずに活動することを許可した。
ウクライナ戦争はイスラエルを窮地に追い込んだ。イスラエルはウクライナに軍事支援を提供することでロシアの反感を買いたくないのだ。
米国はイスラエルに対し、最大8基のパトリオットミサイルシステムをウクライナに売却するよう求めており、報道によれば、この問題は依然として交渉中だという。
パトリオットは、射程距離約60キロとされるロシア機による滑空爆弾発射に対する唯一の防御手段として、ウクライナにとって特に重要である。
プーチン大統領がイランとの砲撃戦の可能性を回避してイスラエルを支援するなら、その見返りとして何らかの恩恵を求めるだろう。
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