NATOの危険な政策;平和維持でなく戦争扇動を優先 中国が自国を非難したNATOへメッセージ

現代の欧州

アメリカの次期大統領選挙に無所属での立候補を表明しているロバート・ケネディ・ジュニア氏は、NATO北大西洋条約機構の主な優先事項が平和維持ではなく、戦争を扇動することにあると指摘しています。

中国外務省の林建報道官は、NATO・北大西洋条約機構がアジア太平洋地域に恐怖をばらまこうとしていると非難しました。

Just a moment...

NATOの危険な政策;平和維持でなく戦争扇動を優先

NATOの危険な政策;平和維持でなく戦争扇動を優先

アメリカの次期大統領選挙に無所属での立候補を表明しているロバート・ケネディ・ジュニア氏は、NATO北大西洋条約機構の主な優先事項が平和維持ではなく、戦争を扇動することにあると指摘しています。

創設75年目となるNATOは、これまでにも旧ユーゴスラビア、セルビア、リビア、アフガニスタンな介入主義的な犯罪とも言える措置を行ってきましたが、それは現在でも、ウクライナでの行動やそれに伴う東方への勢力圏拡大の動きとして続けられています。

パールストゥデイによりますと、今月11日まで米ワシントンで3日間の日程で開催されたNATO首脳会議は、ウクライナ戦争の継続、米国大統領選挙、欧州における極右勢力台頭といった政治的・軍事的危機の中で行われましたが、同機構のストルテンベルグ事務総長はそこで、NATOの拡大および他国への門戸開放が「自明の選択でも簡単な決断でもない」という考えを示し、その理由として、ロシアとの対立をめぐる懸念と恐怖を挙げました。

ストルテンベルグNATO事務局長

同事務局長は、ウクライナ戦争について触れながら、「ロシアのウクライナに対する戦争はこの数世代で最大の安全保障上の危機だ。ロシアが勝てば多大な犠牲とリスクが生じる。それを許すわけにはいかない」と述ながら、NATOのウクライナ支援にも犠牲とリスクを伴うことが予測されるが、戦争中には通常、安全やノーリスクという選択肢が存在しないと説明しました。

この一方、オーストリア・ウィーンで開かれた軍事安全保障・軍備管理に関する協議でロシア代表団の長を務めた同国外交官のガブリロフ氏は、「NATO加盟国の現在の行動は核を保有する国の間で紛争が起きるリスクを増大させるものだ」と強調しています。

ロシアの外交官ガブリロフ氏

サリバン米安全保障担当大統領補佐官は先日、NATOがウクライナとの関係を深めるために同国首都キエフ(ウクライナ語読み;キーウ)に上級代表を置くことになったと述べましたが、これは、ロシアが両者の関係拡大について繰り返し警告してきた中で取られた措置です。

米シカゴ大学教授のジョン・ミアシャイマー氏はこれに関連し、「NATOをロシア国境まで拡大させるという考えは、自由主義者の幻想に端を発しているが、今回の戦争の主な原因となったのはこの考えである」という見解を述べています。

ミアシャイマー米シカゴ大学教授

また、米ワシントンに駐在するアントノフ・ロシア大使は、今回のNATO首脳会議に言及し、「米国とその同盟諸国は、今回の会議でやみくもにウクライナを支援し、軍国主義の拡大と地域での緊張増大継続という政策を進めようとしている」と述べています。

アントノフ駐米ロシア大使

アントノフ大使は続けて、「同会議は、アメリカとその同盟国の侵略的本質と、全世界に対して自身の要求と目標を押し付ける様を強調して見せた」としました。

そして、「NATOは、あらゆる犠牲を払ってでも存続しようと、他者への中傷を続けている。NATO事務総長はそのために、中国を含めた一部の国に矛先を向け、ウクライナ戦争でロシアを支援しているという非難を行ったのだ」と説明しました。

中国外務省の林剣報道官は、NATO事務局長の自国に向けた非難に対し、「NATOのいう安全保障は他国の安全の犠牲を代償としており、NATOが売り込む『安全保障上の不安』の多くは自らが作り出したものである。NATOが吹聴するいわゆる『成功』『強さ』は、世界にとって極めて大きな危険を意味している」と述べました。

林剣・中国外務省報道官

林剣報道官はさらに、「仮想敵を作って存在を維持し、境界を越えて権力を拡大させるのは、NATOの常套手段である。中国に対する『システムへの挑戦』という誤った位置付けに固執し、中国の国内・外交政策を中傷するのも、まさにこの手段だ」と指摘しました。確実に言えるのは、NATOによるウクライナへ武器供与で戦況が複雑化していることであり、ロシアはその結果について、これまで幾度となく警告しています。

Just a moment...

中国が自国を非難したNATOへメッセージ、「NATOはアジア太平洋を情勢不安にする」 

中国が自国を非難したNATOへメッセージ、「NATOはアジア太平洋を情勢不安にする」 

中国外務省の林建報道官は、NATO・北大西洋条約機構がアジア太平洋地域に恐怖をばらまこうとしていると非難しました。

【ParsToday国際】林建報道官は11日木曜、NATOがアジア太平洋地域に恐怖をばらまき情勢不安にしようとしていることを警告しながら、同日閉幕したNATO首脳会議での宣言のアジア太平洋地域に関する部分を非難し、「冷戦的思考と好戦的な言論に満ちたものだ」と述べました。

続けて、「冷戦j的思考や陣営対抗、ゼロサムゲームという時代遅れの理念を捨て、誤った対中認識を是正し、中国への内政干渉、中国のイメージの中傷、中欧関係の妨害をやめ、欧州の次にアジア太平洋を混乱させないよう、NATOに対して促す」としました。

そして、「中国は、自国の主権、安全、発展の利益を断固として守り、自らの発展と対外協力で世界の平和と安定により多くの安定性と前向きのエネルギーを注入していく」と強調し、次のように指摘しました。

「アフガニスタンとリビアの悲惨な境遇も、NATOの黒い手が伸びたところに不安定と混乱が起きることを物語っている」

一方、中国の王毅外相も11日、自国に対するNATO首脳の非難を「根拠がない」とし、「NATOは中国の内政に干渉すべきではない」と述べました。

NATO首脳らは同日に終了した会議で、中国をウクライナ戦争の「決定的な支援者」と呼び、「欧州・大西洋地域の安全保障に対するシステミックな脅威」とする宣言を発表し、中国政府の強い反発を招いています。

中国では、中央軍事委員会統合参謀部の景建峰副参謀長が先月、「米国は地域の安全と平穏にとって最大の問題である。同国は、地域における自身の覇権を維持すべく、アジア太平洋版NATOを設立しようとしている」と指摘していました。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました