日本

現代の日本

新時代情報戦争と兵庫知事選

新時代情報戦争と兵庫知事選10月27日の衆院総選挙、11月7日の米国大統領選、11月17日の兵庫県知事選が実施された。衆院総選挙では国民民主党が議席を4倍増させた。米大統領選ではトランプ前大統領が圧勝。兵家県知事選では斎藤前知事が勝利した。また、7月7日には東京都知事選があり、石丸伸二氏が第2位の票を得た。四つの選挙に三つの共通点を見出すことができる。第一は既存メディアの影響力低下。第二はSNS等の新規インターネットメディアの影響力拡大。第三は低年齢層の選挙への影響力拡大。日本の選挙の最大特徴は投票率の低さ。主権者の5割が参政権を放棄してきた。自治体首長選挙では投票率が3割台も珍しくない。眠れる主権者が大量に存在する。眠れる主権者の投票を取り込むことができれば選挙結果が激変する。この点に目を付けた陣営が得票を大幅に伸ばした。インターネットメディアの特徴は情報流布の幅の広さ。マスメディアが否定的に取り扱う情報も拡散できる。同時に、政治に関心を持たなかった有権者がインターネット上の情報に引き寄せられて選挙に新規参入する現象が広がり始めた。これを誘導する戦術を採用した陣営が得票を大幅に伸ばし...
日本の歴史

『従属の代償:日米軍事一体化の真実』 著・布施祐仁

『従属の代償:日米軍事一体化の真実』 著・布施祐仁 外交・安全保障を専門とするジャーナリストの著者は、この本のなかで「自衛隊と米軍との急速な一体化」に警鐘を鳴らす。一体化とは、自衛隊が米軍の下請軍隊として米軍指揮下により強力に組み込まれ、米軍の身代わりとしてより危険な任務を背負わされることである。自衛隊員にとってはたまったものではない。 南西諸島に陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊を配備する動きが進んでいる。奄美大島、宮古島、石垣島に続き、今年3月には沖縄本島の勝連半島にある陸上自衛隊勝連分屯地にも配備された。 この地対艦ミサイル部隊をめぐっては、2021年末に報道された「台湾有事を想定した日米共同作戦計画の原案」(米軍と自衛隊が策定)の中に次の内容があった。「米海兵隊が南西諸島の島々に臨時の軍事拠点を設け、米海軍の空母機動部隊が台湾周辺海域に展開できるよう、地対艦ミサイルで中国艦艇の排除に当たる」。計画は南西諸島が中国軍の攻撃を受けることを前提にしている。 そしてこの地対艦ミサイルの射程は200㌔だが、それを1000㌔に延ばした「能力向上型」ミサイルの配備を2025年から開始するとの発表...
健康

現行の健康保険証を残せ マイナカードの強制普及 医療機関で命にかかわるトラブル続出

現行の健康保険証を残せ マイナカードの強制普及 医療機関で命にかかわるトラブル続出 医療機関の窓口に置かれているマイナンバーカードのリーダー(山口県内) 現行の保険証が廃止(新規発行停止)される12月2日まで残り1カ月を切っている。国民のだれもが必要な健康保険証を廃止することでマイナンバーカードの利用率を高めることを狙ったはずだったが、実力が追いつかずトラブルが続出しており、9月のマイナ保険証の利用率はわずか13・87%にとどまっている。批判世論の高まりのなかで、マイナ保険証を持たない人に発行する「資格確認書」の有効期限も当初の1年から5年に延長されており、マイナ保険証をつくらず資格確認書を待つ判断も広がっている。国民の根強い抵抗によって「健康保険証のデザイン切り替え」のような結末になりそうな雰囲気でもある。医療機関側の準備もまったく整っていない。であれば、現行の保険証を残す方が経費も事務負担もなく済むわけで、「保険証を残せ」の声はますます強まっている。 もともとマイナンバー制度は、国民総背番号制が反発を受けて何度も頓挫するなかで、看板をかけかえてスタートしたものだ。しかし、国民の警戒...
健康

「あきたこまちR」全面切替が持つ問題点 秋田県立大学名誉教授・谷口吉光

「あきたこまちR」全面切替が持つ問題点 秋田県立大学名誉教授・谷口吉光稲刈りをする農家 秋田県は2025年から県産米の7割以上を占める「あきたこまち」の種子生産をやめ、「あきたこまちR」に全量転換することを決定・発表している。「あきたこまちR」とは、カドミウムを吸収しないよう重イオンビーム放射線を使用し遺伝子を破壊してつくられた「コシヒカリ環1号」との交配種で、カドミウムの低吸収性を持つ。国や県は「味はあきたこまちと同等」「突然変異が生じる仕組みは(自然界と)同じ」「カドミウム低減対策は必要」などとして推進する姿勢だが、遺伝子の改変とかかわった食品としての安全性の問題、流通のさいの表示問題、生産者・消費者の権利などさまざまな問題が指摘されており、これまでも多くの生産者団体や消費者団体が緊急要請に加え、集会や署名名活動をおこなっている【本紙既報】。なお、現在は秋田県だけであるが、低カドミウム米は今後全国で展開されていく計画で、どの地域も他人事ではない。今回、あきたこまちRの全面切替問題について、秋田県立大学名誉教授の谷口吉光氏に依頼し、この問題について寄稿してもらった。○        ...
現代の日本

自公利権政治ビジネスモデル

自公利権政治ビジネスモデル日本の政治刷新を国民民主に託すことは間違い。国民民主は衆院総選挙で議席を増やしたが28議席に過ぎない。自民191立民148に遠く及ばない。維新38よりも少ない。32議席から24議席に減らした公明と肩を並べただけ。自民は自民系無所属と裏金無所属の6名が自民会派に所属したため、会派規模は197である。自公は215だが会派入りした無所属議員を含めて221になった。だが、衆議院過半数233に届かない。野党は238で野党系無所属6を加えれば244。野党が結束すれば政権交代を実現できた。しかし、国民民主が政権交代を阻止した。国民民主が自公にすり寄り、政権交代が実現しなかった。衆議院の内閣総理大臣指名選挙の決選投票は石破茂氏と野田佳彦氏との間で行われた。結果は石破茂氏221票、野田佳彦氏160票、無効票84だった。野田氏に投票したのは立民148、共産8、社民1、野党系無所属の松原仁氏と中村勇太氏に加え、一回目投票で吉良州司氏に投票した「有志の会」福島伸享氏であると見られる。無効票が84票もあった。このことについて国民民主の玉木雄一郎氏が「84票の無効票が出たことは野党第1党...
日本人の世界観

非日常な雰囲気に価値を感じる欧米人、高い技術そのものに価値を見出す日本人。ラグジュアリーと匠の違いはココだ!

非日常な雰囲気に価値を感じる欧米人、高い技術そのものに価値を見出す日本人。ラグジュアリーと匠の違いはココだ!皆さん、こんにちは。私にはパリ在住の友人がいて、彼からブランドについて学んできました。一緒に日本企業のブランディングの手伝いをしたこともあります。その中で感じたのは、日本人と欧米人ではブランドの概念が異なることです。今日はそんなお話です。(坂口昌章氏のメルマガ『j-fashion journal』2024年9月14日号より)ラグジュアリーと匠の関係1.ラグジュアリーブランドは非日常西欧のラグジュアリーブランドは、単に高級ブランドというわけではない。西欧の上流階級のリゾートライフに根ざした非日常のブランドである。例えば、どんなに金持ちでもビジネスシーンでは時間がないので、昼食をサンドイッチで済ませることはある。ビジネスの時間はオンタイムであり、合理性を重視する。しかし、長期休暇のリゾート地となると話は別だ。お気に入りのワインがなければ、ホテルをキャンセルすることも辞さない。徹底的に我がままで贅沢になる。日本で高級ホテルというと、帝国ホテルのような利便性とサービスに優れた高級なビジネ...
現代の世界各国

日本はなぜトランプ圧勝の予測を誤ったのか? 日本を誤導する者の正体

日本はなぜトランプ圧勝の予測を誤ったのか? 日本を誤導する者の正体11月6日、勝利宣言をするドナルド・トランプ前大統領(写真:ロイター/アフロ) 日本のメディアや米国問題研究者の多くは、「ハリスに有利」という米メディアの支持率ばかりを見て、「トランプ圧勝」の予測をする人は、(個別的例外を除けば)ほぼいなかった。 なぜ日本メディアは「ハリス旋風」に目を奪われ、客観的な予測ができなかったのか。 米メディアのほとんどは民主党寄りであるという決定的な欠陥があることに、多くの日本人が気が付いていないからだ。トランプ前大統領が第一次トランプ政権「トランプ1.0」で盛んに「フェイクニュース」と言っていたのは正しく、民主党傘下にある米メディアは「民主党に有利なこと」しか報道しない。 中国のネットではオバマ政権が誕生する2012年辺りから、米メディアの偏向に関する考察が目立ち始めていた。主として民主党に根を張るネオコンの傘下で「第二のCIA」と呼ばれるNED(全米民主主義基金)が暗躍し、香港デモをけしかけたり、台湾独立を煽ったりしているからだろう。 11月10日のコラム<トランプ2.0 イーロン・マスク...
現代の日本

不倫暴露選挙後先送りの理由

不倫暴露選挙後先送りの理由国民民主党の倫理規則。第2条(倫理規範)1.本党に所属する党員は、次の各号に該当する行為・言動(以下「倫理規範に反する行為・言動」という)を行ってはならない。一、汚職、選挙違反及び政治資金規正法令違反並びに刑事事犯等、政治倫理に反し、または党の品位を汚す行為2022年6月、18歳の女子学生に飲酒させたとして「パパ活」疑惑が報じられ、自民党を離党した衆院議員(当時)の吉川赳氏について、玉木雄一郎氏は次のように述べた。「自身が説明責任を果たし、議員辞職するかを判断すべきだ」「国会議員の出処進退の話なので、ご自身が判断する問題だと思います。ただ、それまで属していた自民党や岸田派ということもあってね、国民のみなさんがどう判断されるのかだと思います。」YouTubeチャンネル・ReHacQ(リハック)の高橋弘樹プロデューサーが10月30日の生配信番組出演を玉木氏がドタキャンしたことを明らかにした。高橋氏はXで「10/30に玉木さんがワインバーに行っていた夜…この日はReHacQで玉木さん・石丸さんで生配信する予定の日でした」と説明。「少し前になって『多忙につき、リスケし...
現代の日本

壁提案の目的は消費税減税潰し

壁提案の目的は消費税減税潰し国民民主の欺瞞を指摘したきたが、その国民民主バブルが崩壊した。国民民主を異常に持ち上げる報道に最も熱心なのがフジサンケイグループ。自公が野党に転落する危機。玉木雄一郎代表のスキャンダルも、フジサンケイグループが懸命に抑え込もうとしている。典型的な記事がこちら「国民・玉木代表の「続投を了承」不倫スキャンダル発覚も「玉木さんを中心にもう一度頑張ろう」両院議員総会でのお詫び」芸能人のスキャンダルでは大騒ぎになるが、これと対照的。これが玉木雄一郎ではなく山本太郎なら、フジサンケイグループが総力を挙げて叩きまくるだろう。「103万円の壁」の本質は「消費税減税隠し」である。玉木氏は「103万円の壁」について憲法第25条=生存権=命の問題だと述べる。所得税制度では一定水準の収入までは課税義務が発生しないようにしている。これが基礎控除の考え方。これはこれでよい。しかし、現行税制で最大の歪みが生じているのは「103万円の壁」ではない。生存権との関係で言えば、給与収入が年間103万円以下の階層が深刻な問題に直面している。年収が10億円でも、年収が100万円でも、消費税率がまった...
現代の日本

このままでは国民皆保険が壊れていく…金子勝「マイナ保険証は政治献金企業が儲かる究極の寄生システム」

健康保険証廃止を止めて一からやり直すほうがいいこのままでは国民皆保険が壊れていく…金子勝「マイナ保険証は政治献金企業が儲かる究極の寄生システム」12月2日からマイナンバーカードと健康保険証が一体化され、「マイナ保険証」を基本とする仕組みに移行する。『裏金国家 日本を覆う「2015年体制」の呪縛』(朝日新書)を上梓した経済学者の金子勝さんは「政府は、技術的にとんでもなく遅れた4桁の暗証番号で顔認証も不安定なプラスチックカードを全国民に強制しようとしている。通常の健康保険証廃止を止め、一からやり直すべきだ」という――。写真=iStock.com/y-studio※写真はイメージです政府のDXは決定的に間違っている「裏金国家」に支配された政府の産業政策が日本の産業衰退をもたらしている。政府の産業政策の看板とされているのはGX(グリーントランスフォーメーション)とDX(デジタルトランスフォーメーション)であるが、政府のGXとDXはともに決定的に間違っている。本書でこれまで述べた政府のGXが、大手電力会社の地域独占を維持し、安全性もコスト面も著しく劣る原発推進を続けるかぎり、日本のエネルギー転換...
日本の歴史

国家論なき憲法学者たちの迷走

No.1395 国家論なき憲法学者たちの迷走日本がどうあるべき、という国家論がなければ、それを描く憲法を変えようという志も生まれない。■1.改憲を望む国民の主権を踏みにじる「反」立憲「反」民主党 先の選挙での自民党の大敗を受けて、衆院の委員長、審査会長のポストをいくつか立憲民主党に渡すというニュースが流れました。そのうちの一つ、憲法審査会長には枝野幸男元代表が就くということで、一時活性化してきた憲法改正論議も、これでしばらく停滞を余儀なくさせられるでしょう。 なにしろ、憲法改正に必要な国民投票法の改正案が安倍政権によって2018年6月に両院の憲法審査会に提出されましたが、国会で可決されたのは2021年6月、8国会にわたり継続審議となりました。この遅れを西修・駒澤大学名誉教授は次のように評しています。__________ 採択が延期されてきた最大の理由は、立憲民主党が強固に反対してきたからです。安倍晋三・元首相時代は「安倍内閣のもとでは改正論議に応じられない」と主張し、菅義偉・前首相になってコロナ禍にともなう緊急事態条項の憲法への導入が議論されると「コロナ対策が先決であって、憲法審査に応...
現代の日本

兵庫県知事選17日投開票 ~斎藤元彦再選でカオス~

兵庫県知事選17日投開票 ~斎藤元彦再選でカオス~兵庫県知事選「頑張れ、斎藤元彦!」続出の異常事態…まさかの再選なら県政はカオス確実異様な雰囲気になってきた。17日投開票の兵庫県知事選。パワハラ、おねだりなどの疑惑を受け失職した斎藤元彦前知事に加え、稲村和美前尼崎市長、日本維新の会を離党した清水貴之前参院議員ら計7人による争いになっている。前職の斎藤氏、再選へ猛追 兵庫県知事選情勢 共同通信社は8、9両日、斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選の電話調査を実施し、取材結果を加味して情勢を探った。無所属新人の元尼崎市長稲村和美氏(52)がわずかにリードし、再選を目指す斎藤氏が激しく追う展開となっている。日本維新の会を離党した無所属新人の前参院議員清水貴之氏(50)は広がりを欠く。投開票は17日。www.kobe-np.co.jp驚くのは、疑惑を巡って、兵庫県議会の百条委員会で追及されている斎藤氏に対し、SNSで「頑張れ」の声が続出していることだ。【いつもの統一教会のサクラ動員ですか?】「一部で斎藤さんの実績を評価する報道が出たことで、先月31日の告示日前から『頑張れ』の声は上がっ...
現代の世界各国

ガザ危機の深刻化とイスラエルによる戦争拡大を憂慮し、日本政府および国際社会に行動を求める 中東研究者有志が声明

ガザ危機の深刻化とイスラエルによる戦争拡大を憂慮し、日本政府および国際社会に行動を求める 中東研究者有志が声明爆撃で壊滅させたガザ地区中部ヌセイラト・キャンプにブルドーザーを入れるイスラエル軍(11月2日)中東研究者有志(呼びかけ人17人、賛同者4929人)は7日、アピール第3弾として「ガザ危機の深刻化とイスラエルによる戦争拡大を憂慮し、日本政府および国際社会に行動を求める声明」を発表した。中東研究者有志は昨年10月以降、イスラエルのガザ地区におけるジェノサイドに抗議し、即時停戦と人道支援を訴える二度のアピールを発表し、世論を喚起してきた。以下、アピールの全文を紹介する。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ガザ危機の深刻化とイスラエルによる戦争拡大を憂慮し、日本政府および国際社会に行動を求める声明(第三報) 〇 パレスチナ・ガザの状況は破局的様相を呈している。イスラエルによる全面攻撃、市民に対する無差別殺戮の結果、昨年10月以来現在までに少なくとも4万3千人以上が死亡した。(英医学誌『ランセット』掲載論文が今年6月までのデータに基い...
現代の日本

日本に覚悟はあるか?中国と北朝鮮を睨む米トランプ新政権に石破首相が呑まされる「要求」

日本に覚悟はあるか?中国と北朝鮮を睨む米トランプ新政権に石破首相が呑まされる「要求」全世界が注目する米大統領選で、圧倒的勝利を飾ったトランプ氏。今後の外交を巡っては各方面から早くもさまざまな懸念が噴出していますが、識者はどう見ているのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、トランプ新政権が国際社会にもたらすのは安定なのか、もしくはこれまで以上の混乱なのかを分析。さらに日本が迫られることになる「大きな決断」について解説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:トランプ大統領のアメリカが世界にもたらすのは、安定か混乱か?安定か混乱か。返り咲きトランプが世界にもたらすもの「みんな忘れがちだが、これまで戦争をしてきたのは常に民主党政権であり、共和党政権下では、ジョージ・W・ブッシュ大統領を除いては、戦争を引き起こしていない。ブッシュ政権については、同時多発テロ事件があり、それに対する報復なしには国を一つにまとめることが出来なかったのでまだ理解できる。皆が恐れる...
現代の日本

『基礎研究者:真理を探究する生き方』 著・大隅良典、永田和宏

『基礎研究者:真理を探究する生き方』 著・大隅良典、永田和宏 著者の一人である大隈良典氏は、「オートファジーの仕組みの解明」によって2016年、ノーベル生理学・医学賞を受賞した。大隈氏は「私がオートファジー(タンパク質の分解現象)を研究してきたのは、何かの役に立てようという明確な目標があって進めてきたのではない。純粋に目の前に見える細胞内の、ものの分解の仕組みやその意味を解明したいと思ってやってきた」とのべている。その基礎研究は新しい研究分野を拓くためにおおいに貢献し、がんや生活習慣病、アルツハイマーやパーキンソン病などの創薬研究も進められるようになった。 大隈氏は、「役に立つ」という発想から離れ、知的好奇心に導かれて追求するのが基礎科学だと強調する。「宇宙の果てはどうなっているか」「物資の根源はなにか」「原子の構造はどこまで分けられるのか」「生命はどうやって連続性を保っているのか」といった問いに対する答えは、直ちに企業のもうけにつながるものではない。しかしそれに対する答えが、知の体系として人類に貢献するし、何十年か後には応用科学に結実する。 同じく著者の永田和宏氏は、コラーゲンが皮膚...
現代の日本

「手取りを増やす」は無理?政治家のために使われる税金…「取りやすい人から取る」政策を改める必要=斎藤満

「手取りを増やす」は無理?政治家のために使われる税金…「取りやすい人から取る」政策を改める必要=斎藤満先の衆議院選挙で自公が過半数割れとなったことから、28議席を獲得した国民民主党がにわかに政策運営のキャスティングボードを握るようになりました。実際、石破政権は国民民主党幹部と会談を行い、首班指名や政策面での協力を求めたといいます。その見返りに国民民主党が主張した「手取りを増やす」政策を一部取り入れる「ニンジン」をぶら下げています。報道によれば、所得課税「103万円の壁」の引き上げや、ガソリン価格でのトリガー条項の凍結解除などを検討している模様で、財務省がそれに伴う税収の減少を試算、どこまで譲れるかの検討をしているといいます。国民や労働者には聞こえが良い対策も、要は税負担を減らせ、といっているだけで、減税論と変わりません。消費税引き下げより「実感」の伴う「手取り」増を訴えたにすぎません。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)【関連】「貯蓄から投資へ」の残酷さ。政府は国民を切り捨てる意図で投資を奨めている=鈴木傾城※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2024年11月8日号の一部抜粋で...
現代の日本

トランプとハリスの違いの本質

トランプとハリスの違いの本質米国大統領選でトランプが圧勝して大統領に返り咲くことが決まった。トランプは全米の得票数でもハリスを上回った。共和党候補が民主党候補の得票を上回るのは2004年の子ブッシュ以来。カリフォルニア州での民主党候補者の得票が多く、大統領選の勝敗に関係なく、全米得票数では民主党候補が共和党候補を上回ることが多い。今回は、トランプ得票が全米でハリス得票を上回った。勝敗を分けた激戦7州のすべてでトランプが勝利した模様。獲得選挙人数はトランプ312対ハリス226になったと見られる。大差での圧勝。テレビ朝日「報道ステーション」の大越健介氏はわざわざ米国に足を運んで取材をし、口汚くトランプを罵った。トランプ支持者に取材し、その場では支持者の発言に反論もせずに聞き入れておきながら、日本に帰って報道する場面でトランプに罵詈雑言を浴びせた。日本のメディアもハリス全面支援の報道を展開し続けたが、結果はトランプの圧勝。私は日本時間の11月6日午後3時50分にブログ記事「第47代米大統領にトランプ選出」メルマガ記事「想定通りのトランプ勝利」を公開した。トランプが「勝利宣言」を始めたのが日本...
現代の日本

「歴史的に稀に見る大激戦」はどこへ行った…トランプ「圧勝」が明らかにした、主要メディアの「印象操作」

「歴史的に稀に見る大激戦」はどこへ行った…トランプ「圧勝」が明らかにした、主要メディアの「印象操作」なんと言ってもカマラ・ハリスの資質が事前の主流派メディアによる「歴史的に稀に見る大激戦」になるとの予測とは裏腹に、アメリカ大統領選挙で共和党のトランプが地滑り的に圧勝した。これまでハリスがトランプに対して互角か、互角以上に健闘しているかのように報じられてきたが、それは主流派メディアによるかなり恣意的な印象操作によるものであって、実像としてのハリスは、決してアメリカ国民から評価されていないと見るべきではないかということを、何度か現代ビジネスにおける記事でも明らかにしてきた。今回の結果は、主流派メディアの報じることが信用の置けるものではなくなったことを、如実に示しているとも言えるのだが、今回はもう少し細かくトランプ勝利の要因を考えてみたい。by Gettyimagesまずはカマラ・ハリスの資質だ。米大統領選挙においての通常のプロセスでは、民主党・共和党のどちらでも、多くの候補者が名乗りを上げ、党内選考の過程で次々と脱落者が生まれ、最終的に一人の大統領選挙候補者が選ばれることになる。だが今回ハ...
現代の日本

大企業じゃ真似できない!中小零細だからこそピリリと辛い「小粒の山椒」を目指すべき理由

大企業じゃ真似できない!中小零細だからこそピリリと辛い「小粒の山椒」を目指すべき理由私たちには「大企業は進んでいる」「大企業のやることは正しい」という思い込みがあるようです。中小零細企業は遅れているから大企業のようにできない、と考えてしまう。しかし、大企業にもできないことは山ほどあります。大企業は損益分岐点が高く、大量生産、大量販売が基本です。ですから、面白い商品は作れないし、売れない。つまらないのです。それに比べると、中小零細企業の方が柔軟だし、少量でも作れます。これは、進んでいるとか、遅れているという問題ではありません。そのあたりを考えてみました。(坂口昌章氏メルマガ『j-fashion journal』2024年11月4日号より)大企業にはできない発想と商品を1.大企業ビジネスの特徴大企業には高学歴の優秀な人材が揃っている。従って、大企業の企業戦略に間違いはない。大企業をお手本にすれば、中小零細企業も間違いはないはずだ、そう思っている人は多いだろう。しかし、大企業と同じ発想では大企業に負ける。中小零細企業には独自の戦略が欠かせないのだ。まず、大企業と中小零細企業の違いについて考え...
現代の日本

【連載コラム】未来への贈与、今に希望を灯す――脱資本主義の教育論 岡住建郎

【連載コラム】未来への贈与、今に希望を灯す――脱資本主義の教育論 岡住建郎連載開始によせて (9月20日付) 100年後に残すべきものを考えてみよう。私も、あなたも、仕事の成果も世界から消えて、その痕跡すらなくなるだろう。しかし、私たちの子孫や文化は、たとえ形を変えたとしても、いつまでも残るだろう。自分の亡き後にある社会のために、人生の時間を使いたい。そんなことを思うようになった。 教育を通じて伝えていくべきものは、そうした時間の試練に耐えうる価値のなかにある。そう考えると、子どもを育てるという行為は、大人たちが「本当に価値のあるものは何か」という哲学的な問いに向き合うための入り口であるといえる。それを私たち大人が吟味することなく、資本が要求する標準的技能の習得を子どもたちに押し付けている限り、この問題に満ちた現代社会からも、同じ過ちをくり返してきた人類の歴史からも抜け出すことはできない。逆にいえば、もし私たちが脱資本主義的な視点で人生や教育について見直すことができたなら、未来の社会は想像できないほどに豊かなものになっている可能性がある。 その希望を一人でも多くの人と共有したい。それが...