世界各国

現代の世界各国

南アジア諸国の「政権交代」におけるUSAIDの役割が明らかに

南アジア諸国の「政権交代」におけるUSAIDの役割が明らかにドナルド・トランプ氏が最近言及したインドの選挙に割り当てられた2100万ドルは、実際にはバングラデシュ向けだったと新たな報告書が主張している。2024年8月5日、ダッカにあるシェイク・ハシナ元首相が辞任して国外に逃亡した後、反政府デモ参加者がハシナ元首相の宮殿を襲撃した。©  KM Asad/LightRocket via Getty Imagesインディアン・エクスプレス紙が金曜日に発表した調査報道によると、イーロン・マスク氏の政府効率化局(DOGE)によって最近取り消された「インドの投票率向上」のために割り当てられた2100万ドルのアメリカ納税者のお金は、実際にはバングラデシュに割り当てられたという。同メディアは、資金記録にアクセスし、この資金配分は2022年にUSAIDによって行われ、2024年1月のバングラデシュ選挙前に学生の「政治・市民参加」のためにすでに1,340万ドルが支出されていることを知ったと主張した。バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は、学生主導の大規模な抗議活動で数百人が死亡した後、8月に辞任を余儀なく...
現代の世界各国

SCOと世界金融システムの民主化

SCOと世界金融システムの民主化上海協力機構は、世界最大の地域組織に成長しました。SCO が直面する経済的課題を分析し、バルダイ クラブの専門家であるラディスラフ ゼマネク氏は、代替決済システム、デジタル通貨、およびユーラシアの回復力、セキュリティ、戦略的安定性を強化するための国家通貨の使用の重要性を強調しています。 著者は 、バルダイ - 新世代 プロジェクトの参加者です。 独立した支払いシステム地域における経済協力が成功し、持続可能になるための前提条件の 1 つは、決済システムの開発です。貿易および金融規制の乱用、経済関係の武器化、保護貿易、デカップリング、リスク回避などの経済ナショナリズムにより、地経学的分断のリスクに直面しています。米国は、地政学的ゲームで金融覇権を交渉材料として悪用しています。金融取引を外部の主体の介入から保護し、支配的な金融機関への依存を減らすために、代替的で相互補完的かつ統合された金融メッセージング システムの開発が必要です。これらのステップにより、接続性が向上し、効率性、生産性が向上し、経費が削減されます。SCOには、いくつかの国が堅牢な独立した決済シス...
現代のロシア

ロ=悪・ウ=善図式は完全な誤り

ロ=悪・ウ=善図式は完全な誤りトランプ大統領がウクライナ停戦実現に向けてロシアとの協議を加速させていることに対して一部メディアがトランプ批判を展開している。一部メディアとは欧米主要メディアのこと。実は、偏向しているのは、この欧米主要メディアである。欧米主要メディアはグローバル巨大資本の支配下にある。グローバル巨大資本が2022年2月24日のウクライナ戦乱拡大時点から一貫して偏向した情報を流布し続けてきた。端的に表現すれば〈ロシア=悪・ウクライナ=善〉という図式での主張流布である。私はウクライナ戦乱拡大の時点から、この主張が適正でないことを述べてきた。戦乱発生直後に上梓した『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)において、基本的見解を示した。この時点の基本判断は現在も変わらない。その後、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社)にも基本的な論点を記述した。紛争解決に武力行使を用いた点でロシアが批判される側面はある。しかし、ウクライナに一切の責任がないなかでロシアが領土的野心で軍事侵攻したとの見立ては間違っている。ロシアの行動を〈小悪〉と表現するなら、米国とウクライナの行動は〈大悪〉と表現できる問題...
現代の世界各国

「習近平に助けを求める」ゼレンスキー ウクライナを外した米露会談を受け

「習近平に助けを求める」ゼレンスキー ウクライナを外した米露会談を受け会見するウクライナのゼレンスキー大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ) 2月18日、サウジアラビアでウクライナ停戦をめぐる米露政府高官による会談が行われた。戦争当事者であるウクライナ抜きだ。これに対してウクライナのゼレンスキー大統領(以下、ゼレンスキー)は激怒し、「中国が停戦交渉に参加することを排除しない」旨の発言をした。 すると中国では早速その発言に対する論考などが数多く出されたが、中でも興味深いのは台湾のテレビ番組「新聞大白話」が「ゼレンスキーは習近平に助けを求めた」と報道したことだ。 トランプ大統領(以下、トランプ)は「ウクライナ戦争はバイデンが起こした」と明言している。その上で米露政府高官だけによる停戦交渉を進めているということは、いかにバイデンが「ウクライナを道具として扱い、ロシアに戦争を仕向けたか」を如実に表していると言えよう。 ようやくアメリカに、真実を見抜く目と、それを堂々と公言するリーダーが現れたということだ。◆トランプ「ウクライナ戦争はバイデンが起こした」の言葉の重さ 2月12日にロシアのプー...
現代の世界各国

重大なゼレンスキーの戦争責任

重大なゼレンスキーの戦争責任ウクライナ和平が動き出す。米国のトランプ大統領は大統領に復帰すれば、速やかにウクライナ戦争を終結させるとしてきた。その公約を直ちに実行に移すべく、行動を始動させている。2022年2月24日にウクライナ戦乱が拡大した。この日に戦争が始まったわけではない。2014年からウクライナ内戦は始動していた。そのウクライナ内戦を終結させるために「ミンスク合意」が制定された。2015年制定のミンスク2は国連安保理で決議された。国際法の地位を獲得したのである。ミンスク2の核心はウクライナ政府が東部2地域に高度の自治権を付与すること。このことをもって内戦を終結させることが取り決められた。東部2地域が高度の自治権を得る場合、NATOの規定により、ウクライナのNATO加盟は消滅する。合意が制定された最大の背景がこの部分にある。しかし、ウクライナ政府はミンスク合意を履行しなかった。履行しないどころか、ロシアとの軍事対決路線を鮮明に示した。ウクライナがロシアを挑発したのである。2022年2月、ウクライナ東部の2共和国は独立を宣言。同時に、2共和国内のロシア系住民の安全を確保するための集...
現代の世界各国

韓国世論に「劇的な変化」が!逮捕された尹錫悦大統領の支持率が急上昇…多くの国民が気付いた、司法とメディアの「ひどすぎる偏向」

韓国世論に「劇的な変化」が!逮捕された尹錫悦大統領の支持率が急上昇…多くの国民が気付いた、司法とメディアの「ひどすぎる偏向」憲法裁判所の政治的偏向韓国で尹大統領に対する支持が急上昇している。12月半ばには支持率が11%にまで落ちた支持率は、最近では51%と過半数を超えるものまで出てきた。by Gettyimagesここまでの劇的な変化をもたらしたのは、教育にせよ、マスメディアにせよ、これまでの自分たちを取り巻く情報空間が歪んでいたことに、多くの韓国民たちが気付いてしまったということがある。例えば、韓国でもっとも権威の高い司法部門は憲法裁判所だが、この憲法裁判所の裁判官たちの政治的偏向が具体的に明らかになったことも、韓国民たちには大きなショックを与えた。尹大統領の弁護団は1月31日に、文炯培(ムン・ヒョンべ)、鄭桂先(チョン・ゲソン)、李美善(イ・ミソン)の3人の裁判官が、今回の弾劾裁判で公正な裁判を行える立場にないとして、自発的に審判から外れるよう求める意見書を出した。この3人はいずれもウリ法研究会出身者である。ウリ法研究会とは1989年左翼系の判事7人と弁護士3人が作った勉強会が発端...
現代の世界各国

米国やイスラエルが約束を守らないことを知った世界を彼らは「交渉」で騙せない

米国やイスラエルが約束を守らないことを知った世界を彼らは「交渉」で騙せない イスラエル軍による住民虐殺が続いていたガザでの停戦がイスラエルとハマスとの間で合意されたのは1月15日、1月19日には発効したが、その後もイスラエル軍による住民虐殺は続いていたと伝えられている。3週間足らずで110人が殺害されたという。 6週間の停戦、ガザで拘束されている全イスラエル人の解放とイスラエルが拘束しているパレスチナ人の一部の解放、そこから恒久的な停戦へと進み、イスラエル軍のガザからの撤退、そして再建へということになっていた。 しかしイスラエル軍による停戦違反が続き、ドナルド・トランプ米大統領は200万人と言われるガザの住民をヨルダンやエジプトへ移住させると宣言している。虐殺と追放で民族浄化を達成するということだ。イスラエルもアメリカもガザの人びとを騙そうとしたと言えるだろう。 ​1997年7月25日付けのロサンゼルス・タイムズ紙に「イスラエルではカモになることは罪だ」というタイトルの記事が掲載された​。イスラエル人は騙されることを恐れるとしている。合意した内容をイスラエルが守ると考えるのは罪だという...
現代の世界各国

地球温暖化CO2起源説のウソ

地球温暖化CO2起源説のウソ2月4日から12日にかけて今季最強・最長クラスの寒波が襲来。日本海側を中心に記録的な大雪になった。雪による事故で多くの死傷者も発生した。寒気は一時的に緩む見通しだが、17日から23日にかけて、再び最強・最長クラスの寒波襲来が予想されている。十分な警戒が求められる。温暖化の弊害だけが強調されるが、寒冷化する場合の方が全体としては弊害が大きい。「気候変動」が合言葉のように用いられているが、その背景を捕捉しておく必要がある。最重要のポイントは「温暖化」=「CO2起源説」を根拠に「気候変動対策」=「CO2削減」を推進するために巨大な財政資金が投下されていること。財政で一番重要な問題は、貴重な財源を何に使うのかということ。赤字が大きいとか小さいとかは些末の問題。何よりも重要なことは財政資金の使い方。無駄な使い方をしない。本当に必要なところに使う。これが最重要の財政運営根幹だ。ところが、現実の財政運営は地に堕ちている。そもそも地球の表面温度は変動するもの。10万年単位で非常に大きな上下変動が繰り返されてきた。上下の変動幅は10度程度に及ぶ。この10度の幅の変動が10万年...
現代の世界各国

諜報界の世界支配を終わらせる

諜報界の世界支配を終わらせる2025年2月9日   田中 宇この記事は「CIAやUSAIDを潰すトランプ」(田中宇プラス)の続きです。トランプ米大統領が、米英諜報界(DS)による世界支配を終わらせようとしている。トランプは、CIAの全員に退職を勧奨し、発展途上諸国に「支援」のふりをして政権転覆など内政干渉してきたUSAIDをいったん潰した。次は、トランプ傘下のイーロン・マスク(DOGE)が国防総省に対して不正捜査を開始する。国防総省の最重要機能は、兵器を使う戦闘よりも、敵(や味方)に対する情報分析と人的な策動、つまり諜報だ。米国の兵器開発がやたらに高額なのは、資金の一部(大半?)が諜報活動に横流しされているからだ。国防総省を調査すると、いろんな不正が出てくる。(DOGE to audit Pentagon)米諜報界の本質は大英帝国(世界覇権)だ。第二次大戦中に英国が米国に諜報機関の創設を勧め、英諜報界が米国にCIAなど諜報界を作って以来、英国(在米傀儡=英国系)が米諜報界を牛耳ってきた。米国は、対独参戦と引き換えに英国から世界覇権(大英帝国)を継承したが、戦後の米覇権を運営したのは英傀...
現代の世界各国

もはや敗色濃厚!それでも兵力増員を図るゼレンスキーの愚

もはや敗色濃厚!それでも兵力増員を図るゼレンスキーの愚一旅団でウクライナ兵1700人が欠勤1月16日になって、親バイデン派として知られた英誌『The Economist』でさえ、フランスで訓練を受けたウクライナの第155旅団について、「旅団の約3分の1に当たる1700人が無断欠勤し(一部は元の部隊に戻った)、50人がフランスで脱走した」と報じた。「第155旅団の費用は約9億ユーロ(約1400億円)にのぼると言われる」とも記述されている。ウクライナの『キーウ・インディペンデント』は、ウクライナ地上軍司令官のミハイル・ドラパツィイが1月6日の記者会見で、フランス軍の訓練を受けた第155旅団が「高い離職率や組織力の低さなど、重大な課題を抱えていることを認めた」と報じた。1月23日には、「第155旅団の元司令官も拘束され、その翌日から裁判がはじまった」という情報も報じられた。Photo by gettyimages1月27日、『The Economist』はついに「停戦話のなかで、ウクライナの前線は崩れつつある」という記事を公表した。1月2日の拙稿で、ネツク州のポクロフスク近郊にあるコークス用...
現代の世界各国

マスク氏、OpenAIの買収を提案

マスク氏、OpenAIの買収を提案©  AP / マイケル・ドワイヤーイーロン・マスク氏と投資家連合は、人工知能企業であるオープンAIを974億ドルで買収する入札を行い、この企業を人類の利益のために技術を開発するという本来の使命に戻したいと主張している。この提案は月曜日にOpenAIの取締役会に提示されたとウォール・ストリート・ジャーナルが最初に報じた。マスク氏の提案は、OpenAIの営利モデルへの移行に対抗することを目的としている。マスク氏の弁護士マーク・トベロフ氏の声明によると、マスク氏は「オープンAIがかつてのようなオープンソースで安全重視の善意の力に戻る時が来た」と述べた。OpenAIのCEOサム・アルトマン氏はこの提案を却下し、代わりにマスク氏のソーシャルメディアプラットフォームXを97億4000万ドルで買収することを嘲笑的に提案した。これに対し、マスク氏はアルトマン氏を「詐欺師」と呼び、「詐欺師アルトマン」と呼んだ。マスク氏は2015年にOpenAIの共同設立に携わり、約4,500万ドルを投資したが、2018年にアルトマン氏との戦略的な意見の相違により取締役を退いた。それ以...
現代の世界各国

イタリアの冬季大会まで1年、深刻な五輪離れ…初の日本人候補がいるIOC次期会長選も無関心、もう五輪はいらない?

イタリアの冬季大会まで1年、深刻な五輪離れ…初の日本人候補がいるIOC次期会長選も無関心、もう五輪はいらない?「ぼったくり男爵」と揶揄されたIOCのトーマス・バッハ会長(写真:ロイター/アフロ) イタリア北部のミラノ・コルティナダンペッツォで開催される2026年冬季五輪の開幕(来年2月6日)まで残り1年を切った。五輪関係を巡っては、国際オリンピック委員会(IOC)の次の会長を決める選挙も3月下旬に行われる。 現会長は、新型コロナウイルス禍の東京五輪・パラリンピックで経費負担を東京側へ押しつけ、強行開催のイメージを強めたIOCの象徴として、海外メディアから「ぼったくり男爵」と揶揄されたトーマス・バッハ会長(独)。日本でも悪評を買ったバッハ氏の任期満了に伴う後任選びとなる今回は7人が立候補している。 この中には、国際体操連盟(FIG)会長を務め、日本人として初めて立候補した65歳の渡辺守成氏も含まれるが、日本国内での関心はどうにも高まらない。 コロナ渦に開催ありきで東京大会を推し進めたIOCの傲慢な姿勢やその後の「カネと利権」をめぐる不祥事で「五輪離れ」が加速。札幌市は2030年冬季五輪の...
現代の世界各国

パレスチナ人を民族浄化すると主張するトランプ大統領

パレスチナ人を民族浄化すると主張するトランプ大統領 ​ドナルド・トランプ米大統領は2月4日にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と記者会見に臨み、150万人のパレスチナ人をヨルダンやエジプトへ移住させた後、ガザをアメリカが所有するという案を2月4日、記者会見の席で提案、ネタニヤフはそれを賞賛した。​ しかし、​エジプト、ヨルダン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、パレスチナ自治政府、アラブ連盟はガザとヨルダン川西岸からパレスチナ人を移住させるいかなる計画も拒否するとする共同声明を発表し​ている。 トランプの移住計画はイスラエルが「建国」の当初から主張していた「民族浄化」にほかならず、ナチスがヨーロッパで行ったこと、あるいはヨーロッパ人がアメリカで行ったことを思い起こさせる。イスラエルは計画を実現するために破壊と殺戮を繰り返し、ネタニヤフは2023年4月にイスラエルの警官隊をイスラムの聖地であるアル・アクサ・モスクへ突入させ、同年10月3日にはイスラエル軍に保護された832人のイスラエル人が同じモスクへ侵入してイスラム教徒を挑発した。ハマスなどの武装集団がイスラエルを陸海空か...
現代の世界各国

「DeepSeekショック」は氷山の一角。中国の技術力を舐めすぎた欧米と日本は、ここから何度もショックを経験する

「DeepSeekショック」は氷山の一角。中国の技術力を舐めすぎた欧米と日本は、ここから何度もショックを経験する=高島康司DeepSeekは、本当に「スプートニク的瞬間」か?生成AIのチャットプログラム「DeepSeek」が公開された。ユーザー登録すると誰でも無料で使える。これがいま「スプートニク的瞬間」と呼ばれる大きなショックをアメリカのIT業界に引き起こしている。1月27日、ニューヨーク株式市場でAI関連銘柄が大きく売られ大暴落した。AIの開発を主導しているハイエンド半導体の製造企業「エヌビディア」の株価は17%も下落し、その時価総額は1日でおよそ6,000億ドル、日本円でおよそ92兆円減少した。これは、アメリカ史上最大の下落である。NVIDIA CORP<NVDA> 日足(SBI証券提供)このショッキングな下落の背景は、中国のAI開発企業「DeepSeek」が低コストで開発した生成AIが、アメリカのAI産業の優位性を揺るがしかねないとの見方が広がり、AI関連銘柄が大きく売られたからだ。「DeepSeek」は、中国のヘッジファンドマネージャーである梁文峰が設立したスタートアップが開...
現代の世界各国

AIの急発展が惹起した新しい難題

AIの進化、発展によって、新たな課題が見えてきたようです。AIを活用し、仕事や生産活動、創造活動に生かすことが今後増えてくると思います。しかし、AIから得られた情報が全て正しい、と判断することは非常に危険です。AIのプログラムは人が作るので、当然、その人の主観、価値観、そして恣意的な内容が盛り込まれます。つまり、現在のマスコミ報道と同じような洗脳装置になってしまう危険性があると言うことです。又、合成されたら画像や動画もあたかも事実であるかのように公表される可能性もあります。今後、ますます、私達には、自らの頭で考えることが求められる時代になりそうです。AIの急発展が惹起した新しい難題~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「宮崎正弘の国際情勢解題」      令和七年(2025年)2月1日(土曜日)       通巻第8632号   <前日発行>~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ AIの急発展が惹起した新しい難題  模倣は創造よりたやすいが、だからこそ問題だらけになる*************************...
現代の世界各国

パレスチナ抹消に協力するトランプ

パレスチナ抹消に協力するトランプ2025年1月30日   田中 宇ドナルド・トランプ米大統領が、ガザの瓦礫の山の間に住んでいるパレスチナ人の住環境を懸念(する演技を)して、人道救済策としてガザ住民をエジプトやヨルダンに移住させるべきだと繰り返し発言し、エジプトとヨルダンに協力を要請した。トランプの提案は、停戦したガザを再建していく計画(建前論)と連動して発せられ、ガザが再建されるまでの間、市民を瓦礫の中でなくまともな住環境のエジプトなどに住まわせたいという趣旨(建前)になっている。トランプは、同じ趣旨の発言を1月25日と27日に発し、繰り返すことで本気さを強調した。(US President Trump reiterates wish to move Gazans to Egypt, Jordan)エジプトやヨルダンなどアラブ諸国は、イスラエルの台頭を防ぐ策として英国系(英米覇権)が考案したパレスチナ国家の創設案(2国式、パレスチナ分割案)を、イスラエルとの中東戦争で惨敗した後で支持し、この目標のために、イスラエルがガザを破壊して住環境を悪化させてもガザ市民がエジプトに越境することをか...
現代のロシア

ネオ・ナチ支援国がアウシュビッツで記念式典を開催、露国が排除される倒錯劇

ネオ・ナチ支援国がアウシュビッツで記念式典を開催、露国が排除される倒錯劇 第二次世界大戦中、ポーランドにはドイツの強制収容所が存在していた。その象徴的な存在がアウシュビッツ(オシフィエンチム)の施設にほかならない。ユダヤ人、ロマ(かつてはジプシーと呼ばれた)、ソ連兵、心身障害者、同性愛者などが収容されていたが、9割程度がユダヤ人だったという。 その強制収容所は1945年1月27日、ソ連軍によって解放された。解放から80年目にあたる今年、ポーランドのアウシュビッツ・ビルケナウ国立博物館で記念式典が開催されたのだが、ポーランド政府はロシアの代表を排除している。 ドイツ軍は1941年6月にソ連侵略作戦、いわゆるバルバロッサ作戦を開始した。この作戦で東へ向かったドイツ兵は約300万人、西部戦線に残った兵士は90万人と言われている。ドイツ軍の首脳は西部方面を防衛するために東へ向かう部隊に匹敵する数の将兵を配備するべきだと主張したが、アドルフ・ヒトラーがそれを退けたという。この非常識なヒトラーの「判断」は背後からイギリスなどが攻撃してこないことを「予知」していたからではないかと思える。 ドイツ軍は...
現代のロシア

ウクライナとシリアで失敗した戦闘の凍結をロシア政府は今後、行わないだろう

ウクライナとシリアで失敗した戦闘の凍結をロシア政府は今後、行わないだろう COVID-19騒動で世界が疲弊する中、ウクライナ、シリア、パレスチナで戦闘が続いてきた。ウクライナではロシアとアメリカ/NATOが衝突してロシアの勝利が決定的であり、シリアではアメリカ/NATOが操る傭兵集団がバシャール・アル・アサド政権を倒し、パレスチナでは米英が支援するイスラエルがパレスチナを破壊し、住民を虐殺している。 こうした中、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領とロシアのウラジミール・プーチン大統領は包括的戦略パートナーシップ協定にモスクワで署名した。INSTC(南北輸送回廊)の構築、貿易、エネルギー、技術、インフラなどを含む様々な分野での協力を強化することを目指す一方、相互防衛を誓約した。一方の国が攻撃を受けた場合、もう一方の国はいかなる形でも攻撃者を支援しないとされている。ウクライナ ウクライナの戦乱が始まったのは2014年2月のクーデターからだ。ロシアを制圧するプロジェクトの一環として、中立政策を掲げる体制をネオ・ナチによって倒したところから始まるのだが、計画通りに進んだとは言い難い。軍や治...
現代のロシア

ゼレンスキーが「トランプ前」に起こした「最後の危険なあがき」

ゼレンスキーが「トランプ前」に起こした「最後の危険なあがき」昨年12月31日、ウクライナ南部の都市、オデーサの映画撮影所に隣接してあったソ連の俳優、詩人、歌手であるウラジーミル・ヴィソツキーの記念碑(下の写真)が解体された。ソ連の全体主義に立ち向かった彼のしわがれた歌声は、ロシア人だけでなく、ソ連の圧政に虐げられていたウクライナの人々にとっても魂の叫びと感じられたに違いない。だからこそ、この記念碑はオデーサ市の実業家で政治家のイーゴリ・マルコフなどに主導され、2012年秋に完成式典が執り行われたのだった。しかし、その像は政治的に抹殺されてしまったのである。ただし、ブロンズ像は同撮影所の強い要請により、保存のために同スタジオに引き渡された。このため、ヴィソツキー像が粉々になってしまったわけではない。いまはもう存在しない記念碑(Фото: Фотопланета)(出所)本格的なロシアによる侵攻が始まった2022年から、ウクライナの地名の改称や記念碑の取り壊しが相次いで起きた。ゼレンスキー大統領は2022年9月20日、ロシア風の地名を変更するために、ウクライナ「地理的名称に関する」法の改正...
現代の世界各国

西洋のメディアは衰退しつつある。何がその代わりとなるのだろうか?

西洋のメディアは衰退しつつある。何がその代わりとなるのだろうか?体制メディアは、世界的な出来事を浅薄なサウンドバイトやクリックベイトに矮小化して、都合の良いステレオタイプを強化することで社会を愚弄することが多い。© ゲッティイメージズ / metamorworks傷ついたものの依然として手ごわい巨大企業、つまり西側諸国の企業メディアと戦い続けることの賢明さを問う時が来た。中国は数十年にわたり、富、政治的後援、そして中国だけが現実を定義する権限を持っているという確固たる信念に支えられ、世界の言説をほぼ揺るぎなく掌握してきた。しかし、長年にわたる反射的なセンセーショナリズム、明白な二重基準、トップダウンの編集方針の決定により、西側メディアがかつて当然としていた正当性そのものが損なわれてきた。彼らの表向きのひび割れは今や無視できないものとなり、幻滅した視聴者、読者、そしてかつての関係者でさえも、いわゆる「主流」ニュースの核心に何か深刻な機能不全が潜んでいることを認めている。続きを読む:汚い戦術: アフリカにおける中国のソフトパワーを打ち破ろうとする米国の試みでは、いわゆるグローバル・サウス、...