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またもや愚挙…ゼレンスキーがトランプを無視して「8月まで戦争継続」を決断

またもや愚挙…ゼレンスキーがトランプを無視して「8月まで戦争継続」を決断ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4月15日、議会に戒厳令と総動員を90日間延長する法案を提出した。その二つの法案は16日に可決された。法律は5月9日に発効するため、戒厳令の期間は8月6日まで延長されることになる。法律案第13172号「ウクライナにおける戒厳令の延長に関するウクライナ大統領令の承認について」は、357人の国会議員が賛成票を投じ、1人の国会議員が反対票を投じた。法律案第13173号「総動員期間の延長に関するウクライナ大統領令の承認について」は、346人の国会議員がこの決定に賛成し、1人が反対、1人が棄権した。具体的には、2025年4月15日付ウクライナ大統領令第235号「ウクライナにおける戒厳令の延長について」と、同大統領令第236号「ウクライナにおける総動員の延長について」が採択され、5月9日からさらに90日間、8月7日午前5時29分まで戒厳令と総動員を延長するものである。ウクライナ議会の様子(出所)戦争を継続したいゼレンスキーこの出来事は、戒厳令と総動員の期限がまだ残されているなかで...
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世界恐慌は始まっている?レイ・ダリオとクルーグマンが警告する米国衰退と新たな世界秩序=高島康司

世界恐慌は始まっている?レイ・ダリオとクルーグマンが警告する米国衰退と新たな世界秩序=高島康司これから世界恐慌のようなことは起こるのか?トランプ政権が世界に課した相互関税を巡る動きが激しい。日本を始め各国はトランプ政権との個別交渉に乗り出しており、経済に甚大な影響を与えることになる高関税の税率の引き下げを目指している。4月16日にはイギリスとの合意が成立する可能性が報じられ、一律10%の関税率にする方向で動いている。相互関税の適用はすでに90日間の猶予が決定されているが、各国の交渉によっては一層低い税率が適用され、ちょっとした安堵感がこれから広がるにかもしれない。しかし、状況はそんなに単純ではない。株価の不安定、市場の大きな変動、そしてさらに憂慮すべきことに、米国債の利回りが上昇しているにもかかわらずドル安が進行している。先週、投資家は米国債から急いで撤退し、10年債利回りは過去数十年で最も急上昇した。これは、トランプの貿易政策の転換により、一部の投資家が世界の主要市場としての米国の長年の役割に疑問を投げかけるきっかけとなった。2024年末時点で外国人が8兆5,000億ドルの米国債を保...
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ロシア勝利で変わる「ナラティブ」…ゼレンスキーとウクライナはなぜオワコン化したか?「自由と民主主義」の物語の終わり

ロシア勝利で変わる「ナラティブ」…ゼレンスキーとウクライナはなぜオワコン化したか?「自由と民主主義」の物語の終わりウクライナ戦争におけるロシアの実質的な勝利によって、私たちを取りまく「ナラティブ」が急速に変化している。なぜゼレンスキー大統領とウクライナは急速にオワコン化したのか?欧州を含む世界が「自由と民主主義」に疑いの眼差しを注ぎ、「ウクライナ戦争の責任はNATOと米国にある」と考え始めた理由とは?日本の主要マスコミがいまだ正面から報じないこの劇的変化の背景について、『未来を見る! 「ヤスの備忘録」連動メルマガ』著者の高島康司氏が詳しく解説する。ロシア勝利で覆された、自由と民主主義という「ナラティブ」トランプ政権の仲介で見えてきたウクライナ停戦。今後も難しい問題はあるだろうが、ウクライナ戦争の停戦、そして和平条約の締結に向けた動きが加速し、最終的にはウクライナにおける占領地のロシア併合容認、そしてウクライナのNATO加盟断念と中立化、ゼレンスキー政権の退陣などを骨子とするロシアの要求を容認した和平条約が実現される可能性が高くなっている。ロシアの勝利と言ってもよい状況に、次第になりつつ...
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イランと和解するトランプ

イランと和解するトランプ2025年4月12日   田中 宇トランプ米大統領が、イランと核問題で協定を結んで和解する方向に動いている。4月12日に、イランと親しい中東の国オマーンで、トランプの特使であるスティーブ・ウィトコフと、イランのアラグチ外相が交渉を開始した。ウィトコフはネタニヤフと親しいユダヤ人の不動産王(トランプの同業者)で、トランプとイスラエルのパイプ役だ。つまり、今回の米イラン交渉にはイスラエルも深く関与している。米イランの和解は、イスラエルとイランの和解、中東の安定につながる。(Russia Praises US-Iran Nuclear Talks Scheduled For Oman)ウィトコフは、イランとの交渉を担当する一方で、ロシアとの米露対話も担当している。オマーンでの米イラン交渉の前に、イスタンブールで米露対話が行われ、ウィトコフが米代表だった。トランプは、イランが核施設を止め、ミサイル開発も制限する代わりに、ロシアがイランに医療用アイソトープを供給し、露中がイランの石油ガスパイプラインの建設などイランの繁栄に必要なインフラも整備するという非米側がイランを支え...
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金融が破綻しそう

金融が破綻しそう2025年4月11日   田中 宇4月2日にトランプ米大統領が世界に対する高関税策を発表して以来、米日など世界の株価が激しく上下・乱高下している。中国は徹底抗戦する構えで、米中間は報復関税のかけ合いに入っているが、他の多くの諸国はトランプと交渉したがっている。4月10日にトランプが、交渉のために中国以外の世界に対して交換税策を延期すると、株価は問題解決を期待して大きく反騰した。(‘A Deal Is Going To Be Made With Everyone’: Trump Speaks After Dropping Most Tariffs For 90 Days)しかし、債券の動きは株と違う。高関税策の発表後、暴落した株式市場から逃避してきた資金で米国債が高騰(金利低下)し、基準である10年米国債の金利は4%を割る異様な低さになった。だがその後、株価が続落したのに金利は下がらず、逆に、じりじりと反騰(債券が下落)している。これは世界の投資家が、ドルや米国債の安定度に不安を持ち、米国債を敬遠し始めている兆候だ。米国債の約半分は米国以外の海外勢力が保有している。トラン...
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欧米支配層の前に中国、ロシア、イランのトライアングル

欧米支配層の前に中国、ロシア、イランのトライアングル ドナルド・トランプ政権はロシアを懐柔しようと試みる一方、イランに対しては経済的な圧力だけでなく軍事的に威嚇、またイエメンに対しては大規模な空爆を実施している。アメリカでは国防総省が近いうちに長距離精密誘導兵器をアジア太平洋から中東へ移動させるのではないかと懸念され始めた。 しかし、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は1月17日にモスクワを訪問、その際にロシアと包括的戦略的パートナーシップ協定に署名している。しかも両国は中国と同じように、BRICS+と上海協力機構(SCO)の主要メンバーだ。 アメリカやイギリスの情報機関は2014年にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを仕掛けて、香港では「佔領行動(雨傘運動)」なる反中国運動を展開した。ウクライナのクーデターは新たなバルバロッサの始まりであり、香港の運動は大英金融帝国の拠点を奪還すると同時に北京政府を揺さぶることが目的だったのだろう。この年、中国とロシアはアメリカとイギリスが共通の敵であることを認識、戦略的な同盟関係に入った。中国とロシアは天然ガスのパイプライン、鉄道、道路な...
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「今や世界が変わってしまった」-市場激変で戦々恐々のウォール街

「今や世界が変わってしまった」-市場激変で戦々恐々のウォール街The New York Stock Exchange (NYSE) in New York, US, on Monday, April 7, 2025. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg(ブルームバーグ): トランプ米大統領は近いうちに経済だけでなく金融市場の根幹すら壊しかねないとの懸念がウォール街で広がっている。アジアと欧州の株式市場が3営業日連続で下落した後、米S&P500種株価指数は7日、わずか0.2%安にとどまり、2020年の新型コロナウイルス禍以降で最大の下げ局面にひとまず歯止めがかかった。ただ、水面下では不安が続いている。市場全体で異常な値動きが観測され、株式や債券の指標は大きく変動。リセッション(景気後退)懸念と金融市場の混乱を背景にトランプ氏が方針を転換するとの期待が交錯している。ニューヨーク時間午前10時前には株価が切り返し、数分のうちに安値から8%余り上昇。トランプ氏が関税を延期するとのうわさがウォール街に駆け巡ったためだが、うわさが誤りだと判明するや否や、株価...
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トランプ「報復関税を表明した中国に50%の追加関税」 習近平はどう出るのか?

トランプ「報復関税を表明した中国に50%の追加関税」 習近平はどう出るのか?トランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)4月6日の論考<トランプ関税は「中国を再び偉大に(Make China Great Again)」 英紙エコノミスト>で、トランプ大統領が4月2日に発表した対中相互関税34%に対して、中国が報復関税34%表明したと書いた。さらにホワイトハウスの大統領令には、別途、「報復関税をした国・地域には、さらに相互関税を増額させる」という趣旨の文言がある。中国はそれを承知で報復関税を宣言したのだろうが、トランプは4月7日、自身のSNSで「中国が8日までに34%の報復関税を撤回しなければ、9日から50%の追加関税を課す」と書いている。4月2日の「相互関税」発表までは、対米貿易をしている全ての国・地域が対象だったが、中国の報復関税により事態は一気に米中貿易戦に引き上げられた感を呈している。◆50%の追加関税は、すなわち対中関税合計104%を意味するのか?トランプが7日に自分のソーシャル・メディアTruth Socialにある英文を読むと「もし中国が2025年4月8日までに34%の報復関税...
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「荒唐無稽」「乱暴すぎる」トランプ関税が世界中から総スカン!それでも強行する「トランプのある危機感と狙い」

「荒唐無稽」「乱暴すぎる」トランプ関税が世界中から総スカン!それでも強行する「トランプのある危機感と狙い」トランプの「寛大」な相互関税、ついに発動4月2日に発表されると以前から公表されていたアメリカの「相互関税」が、ついに発表された。トランプの言い分は以下のようなものだ。――貿易相手国がアメリカに対して不公正な貿易を行っているから、アメリカは貿易赤字で苦しんでいるのだ。アメリカに対する不公正な貿易とは、アメリカ製品に対する関税に加えて、アメリカ製品の輸入を不当に排除する国内の様々な規制などの非関税障壁(関税以外の手段で輸入を阻害するもの)があることで生じている。非関税障壁が関税で換算した場合に、どのくらいの関税率に相当するのかを計算し、それに今の関税率を加えたものが、実質的な関税率だ。外国がアメリカにこうした「関税」を課している以上、この実質的な関税率にアメリカは対抗する必要がある。外国が課している「関税」に対抗するものだから、これを「相互関税」と呼ぶことにする――。ここで言う「非関税障壁」とは、輸出をしやすくするための為替操作、輸出を促進するための政府の補助金、過剰に生産して不当に安...
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ウクライナをめぐる米露の交渉を妨害し、両国を軍事衝突へと導く欧米の好戦派

ウクライナをめぐる米露の交渉を妨害し、両国を軍事衝突へと導く欧米の好戦派 ウクライナを舞台としたNATO諸国とロシアとの戦闘はロシアの勝利が確定的である。この事実を西側の支配勢力も否定できず、メディアによる宣伝で隠せなくなっている。そこで敗北の責任をウクライナ軍に押し付けようとしはじめたが、実際はNATOの将軍たちがウクライナ軍に押し付けた無理な作戦でウクライナは壊滅的な状態になっているのだ。 そうした状況の中、アメリカのドナルド・トランプ大統領はロシアのウラジミル・プーチン大統領とウクライナを舞台とした戦闘を終わらせようと話し合いを続けているが、戦況が自分たちにとって有利なロシアは急いでいない。それだけでなくロシアは西側から何度も煮湯を飲まされてきた。ロシア側が西側に求めているのは停戦でなく降伏だろう。 1991年12月にソ連が消滅する直前、同年8月にウクライナ議会は民意に問うことなくソ連からの独立を宣言したのだが、この年の3月にソ連全土で実施された国民投票で、ウクライナは71%がソ連残留に賛成している。ソ連時代に政治的な思惑からウクライナへロシアから割譲された東部や南部の住民はウク...
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イスラエルの拡大(2)

イスラエルの拡大(2)2025年3月28日   田中 宇この記事は「イスラエルの拡大」の続きです。英国は第一次大戦でオスマントルコを倒す戦いにユダヤ人の協力を得るため、戦争後半の1917年、オスマン帝国の一部だったパレスチナにユダヤ人が国家(イスラエル)を作ることを支持したバルフォア宣言を発表した。この宣言でイスラエルの建国が正当化されたが、パレスチナがどこからどこまでを指すのか、その後の紛糾の種になった。シオニスト(ユダヤ建国運動家)の中の右派・過激派(今のリクードや西岸入植者)は、パレスチナを、旧約聖書に出てくる「約束の地」と同等の「ユーフラテス川からナイル川まで(2つの川にはさまれた土地)」と拡大解釈した。(西岸を併合するイスラエル)この解釈だと、今のイスラエルや西岸ガザだけでなく、シリア、レバノン、ヨルダン、エジプトまでが「パレスチナ」に含まれる。英国はバルフォア宣言の1前半年(1916年)にフランスを誘い、オスマン帝国の地中海岸を英領パレスチナと仏領シリアに分割する「サイクス・ピコ協定」を結び、ユダヤ人に渡すはずの土地の北半分をフランスに与え、建国されるイスラエルの国土を半減...
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プーチン:平和的な手段で解決することに賛成だが、根本的な原因は排除する

プーチン:平和的な手段で解決することに賛成だが、根本的な原因は排除する ウラジミル・プーチン露大統領は3月27日、潜水艦アルハンゲリスクのデッキで演説、その中で彼は問題を平和的な手段で解決することに賛成だが、根本的な原因は排除されなければならないと語った。ウクライナにNATOが存在することを許さないだけでなく、同国を非軍事化、非ナチ化した上で中立の立場の維持、そして領土の「現実」を認めることを要求している。 西側では大統領扱いされているウォロディミル・ゼレンスキーの任期は昨年5月に切れ、新大統領を決める選挙が行われていない。そこでロシア大統領はウォロディミル・ゼレンスキーをウクライナ大統領だとすることはできないとしている。そして「大統領自身が正当でなければほかの全員も正当ではない。」というわけだ。 プーチン大統領は国連主導の暫定政権方式の採用を提案、さらに民主的な選挙を実施し、国民に信頼され、世界的に認められる機能的で正当な政府を設立することを求めた。自由な選挙が実施され、有能で国民に信頼される政府が成立すれば、平和条約について国民と交渉を開始し、世界中で認められ、信頼でき安定した合法...
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イスラエルの拡大

イスラエルの拡大2025年3月26日   田中 宇イスラエルが、ガザからパレスチナ人を追い出す民族浄化の戦争を再開している。イスラエルは、トランプが米大統領に返り咲いて諜報界の英国系を潰して多極化を進める動きに協力する見返りに、建国時からの念願だったパレスチナ抹消を進めることをトランプから支持され、トランプが再選への動きを開始した後の2023年秋にハマスを引っ掛け、ガザ市民を追い出す民族浄化の戦争を開始した。(White House: Trump ‘Fully Supports’ Israel’s Gaza Slaughter)パレスチナ問題(1947年の国連の分割決議など)は、諜報力が強いイスラエルを脅威とみなした英国系が、イスラエルの建国戦争の完遂を阻止する策として用意した。トランプが英国系を潰すと、イスラエルは英国系のくびきから解放され、パレスチナを抹消しやすくなる。(イスラエルの虐殺戦略)ガザ開戦以来、イスラエルはガザ市街を徹底的に破壊して居住不能にして、市民がガザでの居住をあきらめ、米国やUAE(アラブの親イスラエル派)などが提案する移住先に集団で出ていく流れを作ろうとしてき...
現代の世界各国

米露の合意に関係なくエネルギー施設を攻撃するウクライナ

米露の合意に関係なくエネルギー施設を攻撃するウクライナ 現在、ウクライナには大統領が存在しない。昨年5月にウォロディミル・ゼレンスキーの任期は切れ、新大統領を決める選挙が行われていないからだ。そのゼレンスキーは3月25日、エネルギー施設への攻撃を相互に停止し、黒海での戦闘を停止するというアメリカ政府とロシア政府の合意案を順守する用意があると表明した。 しかし、その日にウクライナのドローンがクルスク地域の電力施設を攻撃、26日にはクリミア半島沿岸のタルハンクート岬付近でウクライナの攻撃用ドローン2機が防空システムによって撃墜されたと伝えられている。その標的はグレボフスコエの地下ガス貯蔵施設だったようだ。ゼレンスキーは信頼に足る人物ではない。 攻撃の一時停止はドナルド・トランプ米大統領が電話会談でウラジミル・プーチン露大統領に提案したもので、ロシア側が同意して同国軍はウクライナのエネルギー施設への攻撃を中止している。これはプーチン大統領のトランプ大統領に対するプレゼントだった。その合意をゼレンスキー、あるいはその後ろ盾は壊そうとしている。 アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量...
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EU、米国仲介の黒海停戦協定を拒否 プーチン大統領、ウクライナを暫定的に統治するために国連を提案

EU、米国仲介の黒海停戦協定を拒否欧州委員会の報道官はフィナンシャル・タイムズに対し、欧州連合は依然としてモスクワに対する「最大限の圧力」を望んでいると語った。モスクワにあるロシア農業銀行の事務所。 © スプートニク/ ナタリア・セリヴェルストワ欧州委員会のアニッタ・ヒッパー外務報道官は、モスクワとワシントンの間で協議された黒海停戦構想の一環としてロシアの主要農業銀行に対する制裁を解除するというロシアの要求をEUは受け入れないと述べた。月曜日にリヤドで行われたロシアと米国の専門家による協議で、両者は黒海穀物イニシアチブの復活に向けて動くことで合意した。クレムリンによれば、これにはロシア農業銀行や食料と肥料の国際販売に関与する他の金融機関に対する西側諸国の制限の撤廃も含まれるはずだ。モスクワとワシントンは、海上停戦をウクライナ紛争解決に向けた一歩とみている。ヒッパー氏は水曜日のフィナンシャル・タイムズ紙とのインタビューで、「ロシアのウクライナに対する挑発も正当化もない侵略の終結と、ウクライナ全土からのロシア軍の無条件撤退が、制裁の修正または解除の主な前提条件の一つとなるだろう」と主張した...
現代のロシア

「米露中vs.欧州」基軸への移行か? 反NEDと反NATOおよびウ停戦交渉から見えるトランプの世界

「米露中vs.欧州」基軸への移行か? 反NEDと反NATOおよびウ停戦交渉から見えるトランプの世界2025年 独ローズマンデーのカーニバル(プーチン・トランプ・習近平)(写真:ロイター/アフロ) トランプ大統領はNED(全米民主主義基金)を財政支援するUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)を解体すべく動き、3月19日には第二次世界大戦後米軍が担当してきたNATO軍最高司令官ポストの放棄を検討しているニュースが流れた。これはNATO解体を示唆する。3月10日にはトランプ政権のシンクタンクがEU解体に向けて動いていると報道されてもいる。 NED解体、NATO解体は中露両国にとっても実に歓迎すべきことだ。 加えて、トランプはプーチンとの会談の後に「プーチンとも習近平とも良い関係であり続けたい」という趣旨の発言をしている。中露は、トランプ政権が終われば元のアメリカが戻ってくることを知っているので、中露共同戦線は絶対にやめない。 ウクライナ戦争停戦交渉においてもトランプは明らかにプーチン寄りだ。 ゼレンスキー抜きでやってはどうかとトランプに水面下で提案したのも習近平だとウォールストリート・ジャー...
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米露ウクライナ停戦の策略

米露ウクライナ停戦の策略2025年3月19日   田中 宇3月18日にトランプとプーチンの米露大統領が電話で首脳会談し、ロシアとウクライナが相互のエネルギー関連(などのインフラ)施設を攻撃しない30日間の停戦や捕虜交換などを決めた(エネルギー以外のインフラ施設も停戦対象とも読み取れる)。ウクライナ開戦以来初めての停戦が始まったと騒がれているが、停戦は部分的で、軍事状況を大きく変えるものでない(政治状況は変える)。(Trump, Putin agree on ‘energy and infrastructure ceasefire’)相互の軍事拠点などインフラ施設以外への攻撃は今後も続く。露軍はすでにウクライナの送電網のかなりの部分(大半?)を破壊しており、停戦はこの点であまり効果がない。今回の停戦は、ウクライナ側に露本土の施設を無人機やミサイルで攻撃させないことが中心のように見える。ロシアに有利だから、プーチンはこの停戦案を飲んだとか。(The Putin-Trump call was a resounding success - whatever was said)ウクライナ軍は疲弊...
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ウクライナ停戦とその後

ウクライナ停戦とその後2025年3月13日   田中 宇トランプの米国が、ゼレンスキーのウクライナと交渉して30日間の停戦案をまとめた。トランプは、2月末に訪米したゼレンスキーとの会談が喧嘩になるように仕掛け、米国からウクライナへの軍事諜報(GPSなど)や兵器の供給を止めてウクライナ(や背後にいる英欧)軍を戦闘不能に陥れ、ウクライナが米国の言いなりで停戦を受け入れるように仕向けた。(ゼレンスキーを騙し討ち)(What a 30-day ceasefire means for the war)ゼレンスキーは当初、停戦の見返りに米国から守ってもらう約束をとりつけようとしていたが、2月末にトランプと喧嘩させられて以降、弱い立場に落とされ、米国からの軍事支援を回復してもらうだけで精一杯だった。トランプはウクライナへの軍事支援の再開を約束したが、これから30日間の停戦に入るので、その間、軍事支援は行われない。その後どうなるかは不透明だ。(米欧同盟を機能停止したトランプ)プーチンのロシアが停戦案を拒否して話を潰すのでないかと報じられている。私の予測だと、プーチンは停戦案に賛成する。なぜなら、プーチ...
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「アメリカ一極化の破綻と新たな道拓く独自外交」 ジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)の欧州議会での講演《下》

「アメリカ一極化の破綻と新たな道拓く独自外交」 ジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)の欧州議会での講演《下》ヤヌコーヴィチ政権を転覆させたクーデター「マイダン革命」がくり広げられたキエフのマイダン広場(2014年2月)「マイダン革命」からウクライナ戦争へジェフリー・サックス氏 2014年、アメリカはウクライナのヤヌコーヴィチ政権を打倒するために積極的に動いた。コロンビア大学の同僚ビクトリア・ヌーランド(米国務次官補)と、アメリカの駐ウクライナ大使ジェフリー・パイアットの電話が傍受されたことはすでに誰もが知っている。これ以上の証拠はない。ロシアは通話内容を傍受してインターネット上に公開した。ぜひ聞いてほしい。 興味深いことに、この件に関与した彼らは全員、バイデン政権下で昇進した。これが「仕事」なのだ。「マイダン革命」(ヤヌコーヴィチ政権打倒のクーデター)が発生した直後、私は連絡を受けた。「サックス教授、新しいウクライナ首相が経済危機についてあなたと話したがっている」と。私はすぐにキエフへ飛び、マイダン広場を案内された。そして、いかにアメリカがマイダン周辺にいたすべての人々のために資...
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「アメリカ一極化の破綻と新たな道拓く独自外交」 ジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)の欧州議会での講演 《上》

「アメリカ一極化の破綻と新たな道拓く独自外交」 ジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)の欧州議会での講演 《上》欧州議会で講演するジェフリー・サックス氏(2月19日) ウクライナ戦争勃発当初から早期停戦を主張してきた米コロンビア大学教授のジェフリー・サックス氏(政治経済学)が2月19日、欧州議会に招かれて講演し、米ソ冷戦終結から30年余にわたり欧州諸国やソ連、ロシアの経済アドバイザーを務めた経験を踏まえ、ウクライナ戦争、ガザ戦争、そしてトランプ再登場によって混乱する欧州を含む世界情勢について解説と政策提言をおこなった。歴代国連事務総長の特別顧問も務めた同教授は、1990年代以降のアメリカ一極支配が完全に破綻したことを指摘し、「アメリカの敵であることは危険だが、友人であることは致命的」とのべ、欧州に対してアメリカ追従の戦争政策を転換し、ロシアや中国を含む国々と独自の平和的外交関係を再構築する必要性を訴えた。日本の進路とも重なるテーマであり、同講演の要約(和訳)を連載で紹介する。(見出しは編集部)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――混...