森羅万象

現代の中国

中国に勝てず破産した欧州のEV用電池企業ノースボルト トランプ2.0で世界に与える影響

中国に勝てず破産した欧州のEV用電池企業ノースボルト トランプ2.0で世界に与える影響ノースボルト(写真:ロイター/アフロ) 現地時間11月21日、EUの希望の星であったEV(電気自動車)の車載電池製造会社ノースボルト(northvolt)が破産保護申請をアメリカに申し出た。ノースボルトは中国からの「EVの津波」を回避するために、欧州でEV用電池を製造しようという目的で2016年にスウェーデンに設立された企業だ。EUやアメリカの支援協力も得たが、中国には勝てなかった。 これによりEUのEVに関する対中追加関税の継続的実行は難しくなり、特にトランプ2.0の誕生によりEUは中国に譲歩せざるを得なくなるのではないだろうか。 それにしても、あれだけ「大山鳴動」して創立されたノースボルトがなぜ破綻したのか?そこから見えてくる日本のあり方も含めて考察する。◆なぜノースボルトは破綻したのか? EUの希望の星だったノースボルトが破綻して、アメリカで連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。何といっても中国EVの車載電池製造の勢いに対抗しようとして誕生した企業だっただけに、中国における...
現代の世界各国

イスラエルの安全確保

イスラエルの安全確保2024年11月29日   田中 宇11月27日、イスラエルがヒズボラとの停戦に同意した。イスラエルは9月からの戦闘で、ヒズボラの軍幹部のほとんどを攻撃で殺し、兵器庫など軍事拠点の多くも潰したと考えられるので、米国やロシアに仲裁させて停戦した。(Report: Lebanon Ceasefire To Be Announced, To Begin Wednesday at 3:00 AM EST)ヒズボラは、イスラエル国境からリタニ川北岸まで撤兵し、その地域に代わりにレバノン政府軍が入って治安維持する。この交代の過程を監視するためにイスラエル軍がレバノンに入る。交代過程は2か月で終わり、トランプ就任の前後には停戦態勢が確立し、イスラエル軍がレバノンから撤退する。これはネタニヤフからトランプへの「贈り物」の一つ(トランプが戦争を終わらせたという功績の付与)であり、そのため今の時期に駆け込みで停戦過程に入った。(Significant efforts to end fighting in Lebanon underway with both Trump and Bide...
生命科学

じつは、多くの人が「生命のシステムは1種類」だけと思っている…「地球外生命」の存在をも左右しかねない「驚愕の生命観」

じつは、多くの人が「生命のシステムは1種類」だけと思っている…「地球外生命」の存在をも左右しかねない「驚愕の生命観」地球外生命体はいるのか地球外生命体は、いわゆる「観測可能な宇宙」にいるのでしょうか。小林憲正氏(以下、小林):私も含め、アストロバイオロジーの研究をしている研究者は、長らく「観測可能な宇宙」の中に地球外生命体がいるか否か、実験や議論を重ねてきました。観測可能な宇宙には、10²³個ほどの星があります。宇宙空間に膨大に存在する星の中で、太陽もその周りを公転している地球も、ありふれた星に過ぎません。特別ではない太陽系の珍しくもない衛星である地球に生命が存在しているということは、広く見渡せば、宇宙のどこかに複数の地球外生命が存在していても不思議ではないと思います。東京大学大学院教授の戸谷友則氏は「観測可能な宇宙に地球外生命が存在している可能性は極めて低い」「ただし観測可能な宇宙の外まで考慮すると地球外生命が存在する可能性は高い」という説を発表しています。小林:「観測可能な宇宙に生命が存在しているか」という問題に対する考え方は、研究者によってまちまちです。生命の起源をどう定義するか...
日本の文化

師走

師走師走(しわす)は和風月名の一つです。師走は何月?、その由来について5つの説を紹介します。何月?師走は旧暦(太陰太陽暦)の12月のことを言います。現在の新暦に置き換えると、12月下旬〜2月上旬ごろ。旧暦と新暦では1ヶ月ほどのずれがありますが、現在では「12月の別名」としても使われています。由来霜月の由来は諸説あります。師馳す(しはす)師匠の僧がお経をあげるのに忙しく、東西を馳せる月「師馳す(しはす)」が転じたという説があります。平安時代末期の文献「色葉字類抄(いろはじるいしょう)」「奥義抄」「名語記」にも「しはす」の欄に注として説明されているから、最も有力となっています。年果つ(としはつ)年末であることから「年が果てる」という意味の「年果つ(としはつ)」が変化し、「師走(しわす)」となったという説もあります。年が果てる(としはつる)月「年果月」と同じ意味で「歳極月」「歳終月」もあります。四極(しはつ)「四季が果てる月」を意味する「四極(しはつ)」が転じて、「師走(しわす)」となったという説もあります。為果つ(しはつ)「一年の最後になし終える」という意味の「為果つ(しはつ)」が転じて「...
現代のロシア

西側諸国がウクライナを「占領」しようと企んでいる – ロシア情報機関

西側諸国がウクライナを「占領」しようと企んでいる - ロシア情報機関SVRによると、10万人の外国軍を同国に派遣して紛争を凍結させる計画が立てられている。ファイル写真 ©  AP / エフゲニー・マロレトカロシア対外情報局(SVR)は、西側諸国は秘密裏にウクライナを占領し、同国に数万人の平和維持軍を派遣してロシアとの紛争を凍結する計画を立てていると述べた。諜報機関は金曜日の声明で、NATOは米国主導の軍事同盟とウクライナがロシアに「戦略的敗北」を与えることができていないことに気づき、現在の前線での敵対行為の停止にますます賛成している、と諜報筋の話として述べた。紛争を凍結すれば、西側諸国は壊滅したウクライナ軍を立て直し、「復讐に備える」ことができるとSVRは述べた。さらに、NATOはすでに少なくとも100万人のウクライナ人徴兵を処理するための訓練センターを設置していると主張した。SVRは、もし一時休戦が実現すれば、ロシアのミサイルやドローンによる攻撃でたびたび打撃を受けているキエフの軍事産業を西側が復興させる助けにもなるだろうと付け加えた。「これらの課題を解決するには、西側諸国は実質的に...
現代の世界各国

日本だけ危機感ゼロ。第三次世界大戦に備える欧米とロシア…2025年1月20日までに最悪の事態を想定すべき理由=高島康司

日本だけ危機感ゼロ。第三次世界大戦に備える欧米とロシア…2025年1月20日までに最悪の事態を想定すべき理由=高島康司ウクライナの状況が緊張しており、第三次世界大戦の危険性さえもささやかれている。しかし、日本ではその深刻さがほとんど報じられていない。欧米で高まる危機感、ロシア・NATOの緊張、そしてバイデン政権の動向についてお伝えする。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)【関連】今ここが人工知能「人間超え」の出発点。米国覇権の失墜、金融危機、大量辞職…2025年には劇変した世界が待っている=高島康司※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2024年11月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。日本では危機感が薄い第三次世界大戦の予感ウクライナ戦争の状況が悪化し、第三次世界大戦の危機がささやかれるようになった。この状況を詳しく紹介したい。なぜか日本ではほとんど報道されていないので危機感は非常に薄いが、欧米の専門家の間ではトランプが大統領に就任する来年の1月20日までに...
生命科学

スーパーフレアが地球生命を生んだのか…? じつは、宇宙線が「生命の材料」を生成していた「衝撃の事実」

スーパーフレアが地球生命を生んだのか…? じつは、宇宙線が「生命の材料」を生成していた「衝撃の事実」太陽がスパーフレアを起こす可能性こうしたフレアは「スーパーフレア」とよばれています。それまでは太陽はスーパーフレアを起こさないと信じられてきたのですが、この観測によって、1000年に一度くらいはスーパーフレアを起こすことは想定しておく必要があると考えられるようになりました。なんの準備もせずにスーパーフレアに遭遇してしまった場合、生物学的にすぐに人類が滅ぶところまではいかないでしょうが、電気を基盤とする人類の文明が崩壊してしまう可能性があります。一般に恒星ができたての頃は、見た目は暗いのですが、フレアを頻繁に起こすなど、活動は活発です。ということは、若い頃の太陽は現在よりもスーパーフレアを数多く起こしていた可能性が考えられます。若い頃の太陽は現在よりもスーパーフレアを数多く起こしていた可能性が考えられる illustration by gettyimagesスーパーフレアが地球生命を生んだのかNASAゴダード宇宙飛行センターのウラディーミル・アイラペティアン博士は、理論的にその可能性を計算...
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サミュエル・ウルマン【青春の詩】

青 春原作 サミエル・ウルマン邦訳 岡田 義夫青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の様相をいうのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦(きょうだ)を却(しりぞ)ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こういう様相を青春と言うのだ。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や、孤疑(こぎ)や、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰(あたか)も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥(あくた)に帰せしめてしまう。年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。いわく「驚異への愛慕心」、「空にきらめく星辰(せいしん)」、「その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰(きんぎょう)」、「事に処する剛毅な挑戦」、「小児の如く求めてやまぬ探求心、人生への歓喜と興味」。人は信念と共に若く、疑惑と共に老ゆる。人は自信と共に若く、恐怖と共に老ゆる。希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる。大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、 そして偉大の霊感を受ける限り、人の若さは失われない。これらの霊感が絶え...
生命科学

じつに、恐るべき「太陽フレア」による宇宙線…なんと、地球誕生時には「もっと頻繁に起こっていた」かもしれない

じつに、恐るべき「太陽フレア」による宇宙線…なんと、地球誕生時には「もっと頻繁に起こっていた」かもしれない加速器実験でアミノ酸ができた!筆者が生命の起源についての研究を始めたのは、東京大学で博士号を取得したあと、1982年から1986年まで米国メリーランド大学化学進化研究所に博士研究員として研究をしていた頃のことです。筆者は、進化研究所の4つの研究室(地球化学、惑星化学、有機化学、生化学)のうち、惑星化学研究室を担当し、主としてさまざまに組成を変えた惑星大気から有機物を合成していました。まさに、ミラーの実験の発展版といえます。帰国後、東京工業大学教授(当時)の大島泰郎(たいろう)先生から、「東工大にある加速器を使って何か実験ができないか」とのお誘いをいただきました。加速器とは、陽子などの粒子にエネルギーを与えて非常に速い速度まで加速する装置で、通常は原子核物理の研究などに使われています。私はそれまで、ガンマ線を照射する実験は経験がありましたが、加速器を使ったことはありませんでした。まずは、加速器を使うことが何のシミュレーションになるかを考える必要がありました。文献で知っていたのは、メル...
現代の世界各国

241128 ビジネス知識源無料版:無料版特別号:既得権益層への無党派層の反乱

241128 ビジネス知識源無料版:無料版特別号:既得権益層への無党派層の反乱本号は、有料版正刊として11月20日に送ったものです。約10日遅れですが無料版の読者の方々にも、内容を少し修正して送ろうと思い立ちました。              ***G7では、あいついで政治体制の転換が起こっています。世界では2010年ころからの新しいメディアであるSNS(Social NetworkingSystem:いわば社会情報システム)が隅々までWiFiで張られ、情報は世界同時化しています。旧メディアにはある、・新聞の編集(記者が書いた記事の重み付けと、情報の方向の編集)、・テレビの編成(番組の重み付け、時間配分、内容の筋書き)がSNSにはありません。個人がプロデューサーと出演者を兼ねます。情報の根拠のなさ、根拠の部分性、個人の感情的な好悪が含まれます。フェイクと真正なものが渾然一体としています。しかし、めぼしいSNSの情報をひろって読んでいると作成者の作った内容から自然に価値判断ができるようになります。個人の作文や、メールの判定とおなじです。個人が書く小説はフィクションですが、架空性のリアリテ...
現代の米国

ディープステーツよ、さようなら

ディープステーツよ、さようなら~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~☆◇◆◇◆☆◇◆☆◇◆◇☆◆◇◆☆◇◆◇☆◇◆◇◆◇☆◇◆◇◆◇☆~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「宮崎正弘の国際情勢解題」      令和六年(2024年)11月28日(木曜日)弐         通巻第8526号  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ディープステーツよ、さようなら  民主党選対内部はトランプの大勝をはじめから予測していた*********************************** カマラ・ハリスが勝つという主流メディアの筋書きはいかにして作られたのか。トランプと接戦という脚本を書いていたのは誰だったのか? カマラ・ハリス陣営のデビッド・プラウフ上級顧問は、「多くの世論調査でハリス氏がドナルド・トランプ氏をリードしていると報告があったが、民主党内部調査ではハリス氏がトランプ氏を上回ったことは一度もなかった」と明らかにした。 そう、一度もなかったのだ。 保守系の『ワシントン・エグ...
現代の中国

本当に台湾有事で沖縄は“戦地と化す”のか?早大教授が煽る「あり得ない危険シナリオ」に浮かぶ“5つの大きな疑問符”

本当に台湾有事で沖縄は“戦地と化す”のか?早大教授が煽る「あり得ない危険シナリオ」に浮かぶ“5つの大きな疑問符”「いつ発生しても不思議ではない」と言われ始めてから久しい台湾有事。そんな中にあって、早稲田大学の教授が沖縄県の宮古島住民らに行った、台湾有事をめぐる意識調査の内容を問題視する声が上がっています。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、調査票の内容について5つの疑問点を上げつつ、住民に対して過度な不安を与えるかのような「前提」を強く批判。その上で早大教授に対して、自身が記したすべての疑問に対して回答すべきよう求めています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:多湖淳=早大教授が無責任に煽る「台湾有事で沖縄が戦地と化す」というデマ/国際政治学者と聞いて呆れる知的低劣プロフィール:高野孟(たかの・はじめ)1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株...
生命科学

なんと、深海の熱水孔より「高温の熱水を噴き出すスポット」が陸上にあった…「生命誕生は陸上」説で生じる謎と「うまい具合のシナリオ」

なんと、深海の熱水孔より「高温の熱水を噴き出すスポット」が陸上にあった…「生命誕生は陸上」説で生じる謎と「うまい具合のシナリオ」新しい「系統樹」前回の記事でご紹介した熱水噴水孔が、深海底で相次いで発見された、その頃、生物学では進化の研究について、新たな方法が用いられるようになっていました。黒い煙のように噴き出す「ブラックスモーカー」(前回記事より再掲) photo by gettyimagesダーウィンは、すべての生物を形態で比較して樹の枝のようにつないだ「生命の樹」を考えましたが(図「生命の樹から分子系統樹へ」の左[ダーウィンの「生命の樹」])、20世紀後半になって核酸の塩基配列が調べられるようになると、形態のかわりにこれを使って「分子系統樹」をつくることが可能になったのです。米国イリノイ大学の生物学者カール・ウーズ(1928〜2012)は、すべての生物が持っているリボソームRNAの塩基配列を用いた、分子系統樹をつくりました。この系統樹では、すべての地球生命は共通の祖先から進化したものとなります。共通の祖先はまず、原核生物の2つのタイプ、バクテリア(真正細菌)とアーキア (古細菌)に...
現代のロシア

米政府がウクライナへ核兵器を持ち込む可能性という報道で更なる軍事的緊張

政府がウクライナへ核兵器を持ち込む可能性という報道で更なる軍事的緊張 マッハ10で飛行する中距離弾道ミサイル「オレーシニク」でロシア軍がドニプロにあるユジュマシュの工場を攻撃した11月21日、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事の中で、​欧米当局者の一部はジョー・バイデン米大統領が核兵器をウクライナへ返還する可能性を示唆したと伝えた​。 ロシアの安全保障会議で副議長を務めるドミトリー・メドベージェフは11月26日、西側諸国がウクライナに核兵器を供給した場合、モスクワはそのような移転をロシアへの攻撃に等しいとみなし、核兵器による対応の根拠を与える可能性があると述べている。ウクライナへ核兵器を持ち込むようなことは狂気だとマージョリー・テイラー・グリーン米下院議員は主張、バイデン政権が核戦争を始め流ことでドナルド・トランプ政権の樹立を阻止しようとしているのではないかとも語っている。 アメリカ政府は停戦を実現するため、核兵器を脅しに使ったことがある。例えば、1953年1月に新大統領となったドワイト・アイゼンハワーのケース。ハリー・トルーマン政権が始めた朝鮮戦争は泥沼化、早期停戦を目指した新...
現代の世界各国

ウクライナで敗北しつつある米国は東アジアで日本を巻き込み、対中国戦の準備

クライナで敗北しつつある米国は東アジアで日本を巻き込み、対中国戦の準備 ​アメリカ軍は南西諸島とフィリピンに臨時基地を設置し、ミサイル部隊を配備すると伝えられている​。すでに​アメリカ軍の戦略に基づいて自衛隊は2016年に与那国島でミサイル発射施設を建設、19年には奄美大島と宮古島、そして23年には石垣島でも施設を完成させている。その間、韓国へも2017年4月にTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムの機器が強引に持ち込まれた。​ 当時は日本の立場をアメリカ側は配慮している。専守防衛の建前と憲法第9条の制約があるため、ASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにし、ASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたのだ。が、その後、そうした日本の憲法に対する配慮はなくなった。 与那国島にミサイル発射施設を建設する前年、​2015年の6月、総理大臣だった故安倍晋三は赤坂の「赤坂飯店」で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で、「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたと報道されている​。安倍首相は南シナ海における中...
現代の中国

帰化中国人投資家が日本を乗っ取る?

帰化中国人投資家が日本を乗っ取る?東証 株価ボード(写真:イメージマート) 米中の新産業力を比較考察する過程で、日本を参考比較対象としてみた。すると、「なぜ日本の製造業はこんなにまで没落してしまったのか」、「なぜNatureの研究者ランキングなどで、日本はここまで低いのか」といった疑問にぶつかった。 そこに共通しているのは「短期的成績が求められるようになったから」という事実で、日本企業の場合、その原因は「物言う株主」(アクティビスト)の存在であることが浮かび上がってきた。事実、製造業関係の社長を取材したところ、「最近は物言う株主の存在が大きくなりましてね、大型の設備投資など、とてもできません。短期的に目に見える利益を出さないと、物言う株主が許してくれないんですよ。日本の製造業が成長などするはずがありません」と嘆いておられた。 そんな折、飛び出してきたのが、東京証券取引所スタンダード市場に上場し、暗号資産取引所ザイフを所有する株式会社クシムに対する実質的な株の乗っ取り事件である。 そうでなくとも11月19日には、「ハゲタカ・ファンド」とも言われるほど激しい投資をすることで有名な米ヘッジフ...
生命科学

まさに、かつての常識をひっくり返した…深海底からの「驚きの報告」

まさに、かつての常識をひっくり返した…深海底からの「驚きの報告」「後期隕石重爆撃期」の洗礼地球には38億年よりも前にできた岩石が少ないことがわかっています。それはなぜでしょうか。地球などの太陽系惑星は、微惑星の衝突により成長しました。微惑星の数は、45億7千万年前に太陽系が生成してからは減少してきたはずですから、地球への隕石衝突の頻度も、時間とともに減少するはずです。ところが1970年代に、アポロ計画を受けて行われた月のクレーターの研究から、41億〜38億年前に月が激しい隕石衝突に見舞われた可能性があることが指摘されました。ならば当然、月の隣の地球も、隕石衝突の激しい洗礼を受けたはずだという考えから、地球史におけるこの時期は「後期隕石重爆撃期」とよばれるようになりました。その間、地球の表面は衝突のエネルギーによって融けてしまっていて、地球に38億年前よりも古い岩石が少ないのはこのためであろうと考えられているのです。月の隣にある地球も、隕石衝突の激しい洗礼を受けたはず photo by gettyimages太陽系が生成していったん隕石衝突が収まったにもかかわらず、なぜこの時期にまた活発...
現代の米国

「DEIもSDGもESGもディープステーツの利権ビジネス」

「DEIもSDGもESGもディープステーツの利権ビジネス」~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「宮崎正弘の国際情勢解題」      令和六年(2024年)11月26日(火曜日)         通巻第8522号  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「DEIなんて死に損ない、左翼の利権ビジネスではないか」   SDGもESG軽視。石油とガスの増産をいそぐとトランプ次期政権***********************************米国の政治的雰囲気は、すべての主要産業に存在する「多様性、公平性、包摂性」(DEI)ポリシーを撤回する準備を進めていることだ。つまりDEIは「かれらの利権、彼らのビジネス」だから。「かれら」とは広義に解釈すればディープステーツのことである。 トランプ次期政権は、「DEIイニシアチブ」を標的にする。2020年、当時のトランプ大統領は、連邦政府の請負業者にDEI研修を禁止する大統領令をだした。下院監視委員会は11月半ばにDEI政策の解体に関する公聴会を開催した。「これは、基本的に...
生命科学

不安やうつ病に関連する脳の領域「扁桃体」がヒトとサルなどの非ヒトで一部異なることが明らかに

不安やうつ病に関連する脳の領域「扁桃体」がヒトとサルなどの非ヒトで一部異なることが明らかに脳内の感情処理をつかさどる「扁桃体」は、その活動が恐怖や不安につながるだけでなく、うつ病を引き起こす可能性が指摘されています。しかし、扁桃体に関しては依然として理解が進んでおらず、科学者たちは時にアカゲザルなどの非ヒト霊長類の扁桃体を対象に研究を行うことがあります。カリフォルニア大学デービス校の研究チームは、ヒトと非ヒト霊長類の扁桃体における遺伝子発現のパターンで異なる細胞が活性化していることを確認しました。Translational Insights From Cell Type Variation Across Amygdala Subnuclei in Rhesus Monkeys and Humans | American Journal of PsychiatryThe Roots of Fear: Understanding the Amygdala | UC Davisカリフォルニア大学デービス校心理学部のドリュー・フォックス准教授によると、扁桃体は脳内の感情処理の中心で、恐怖や不安...
米国の歴史

JFK暗殺:ソ連に対する先制核攻撃を目論む勢力のクーデター

JFK暗殺:ソ連に対する先制核攻撃を目論む勢力のクーデター キューバ危機を話し合いで解決、ソ連との核戦争を回避することに成功したジョン・F・ケネディ大統領は1963年6月10日、アメリカン大学の学位授与式でソ連と平和共存する道を歩き始めると宣言した。いわゆる「平和の戦略」を打ち出したのだ。それから5カ月後の11月22日、テキサス州ダラスでケネディ大統領は暗殺された。この出来事をクーデターと考える人は少なくない。 アメリカが軍事力で世界に押しつける「パックス・アメリカーナ(アメリカ支配による平和)」を否定することから演説は始まり、アメリカ市民は「まず内へ目を向けて、平和の可能性に対する、ソ連に対する、冷戦の経過に対する、また米国内の自由と平和に対する、自分自身の態度を検討しはじめるべき」(長谷川潔訳『英和対訳ケネディ大統領演説集』南雲堂、2007年)だと語りかけた。 ケネディ大統領はソ連とアメリカとの間で全面戦争が起これば、いずれの国も破壊されると指摘、冷戦の段階でも「両国はともに無知と貧困と病気を克服するためにあてることができるはずの巨額のカネを、大量の兵器に投じている」と警鐘を鳴らし...