「主戦派」ゼレンスキー大統領をクビにするのが停戦の早道!

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「主戦派」ゼレンスキー大統領をクビにするのが停戦の早道! @gendai_biz
ウクライナの停戦交渉において、ゼレンスキー大統領の解任が重要とされる。彼は、西側諸国と共に戦争継続を支持し、無条件停戦を試みる一方、ロシアとの和平合意を進める姿勢が欠如している。トランプ元大統領との電話会談を経て、米国は現実的な外交路線を模索し始めており、ウクライナ内部の過激派や戦争継続派の影響を排除することが、停戦を実現するための鍵とされている。

「主戦派」ゼレンスキー大統領をクビにするのが停戦の早道!

前回の拙稿「これがウクライナ和平の実態だ! ゼレンスキーと西側諸国首脳は「小芝居」を止めよ」では、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が受け入れそうもない、無条件停戦を提案し、拒否すれば、追加制裁するという「北風」戦術の裏側を紹介した。プーチンの停戦拒否を前提に、米国のドナルド・トランプ大統領にも制裁強化やウクライナ支援継続で協力してもらうという筋書きだったことになる。

だが、この小芝居は失敗した。トランプはプーチン大統領と電話会談した5月19日までは、この停戦を装いながら実際には戦争を継続しようとするグループ(以下、ゼレンスキーと西側諸国首脳を「小芝居グループ」と呼ぶ)に同調する可能性があった。

しかし、会談後、トランプがこのグループから離脱したことが明らかになった。その意味で、停戦・和平をめぐる交渉は、これまでとは別の段階に移行したことになる。

トランプ・プーチン電話会談

少しだけ、これまでの経緯について説明したい。まず、5月10日に「小芝居グループ」は「30日無条件停戦」を提案したが、プーチンによって直接協議の逆提案を受けて、トランプは早急な協議を求めた。つまり、プーチンの肩をもった。

16日に直接協議が行われると、今度は5月19日にトランプとプーチンによる2時間ほどの電話会談が実施された。プーチンの説明では、以下の通りだ(下の写真)

「ロシアは、適切な合意に達した場合、一定期間の停戦の可能性を含め、和解の原則、可能な和平合意の条件など、多くの立場を定義した将来の可能な和平条約に関する覚書をウクライナ側に提案し、協力する用意があることでトランプと合意した」

5月19日、トランプ大統領との電話会談の結果を記者団に話すプーチン大統領(出所)http://kremlin.ru/events/president/news/76953/photos/81530

ピンボケな欧州の指導者たち

以上からわかるのは、「無条件停戦から和平へ」という欧州側の目論見が失敗したことである。だが、それは「小芝居グループ」の望んでいたことでもある。停戦の見通しは立たないままだから、戦争継続という彼らの目的はかなったことになる。目論見通り、欧州委員会と英国は20日、似たような追加制裁をロシアに科すと発表した。

同日、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長はXにつぎのように投稿した。

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<我々は次のステップについて緊密に調整している。欧州は第17弾の厳しい制裁パッケージを採択したばかりだ。さらなる強硬制裁を盛り込んだ18番目のパッケージが準備されている。停戦を実現するために、ロシアへの圧力を強化する時だ>

彼らは、小出しにしてきた制裁の過ちを認めることなく、対ロ制裁を継続することで、結局、停戦・和平を遅らせてきた自分たちをまったく反省していない。むしろ、戦争を継続することで、自分たちの不明を隠そうとしているようにみえる。

こんな「小芝居グループ」にとって意外だったのは、トランプが同グループの筋書きをまったく無視したことである。トランプは20日、前述したように、ロシアとウクライナとの直接協議に基づく覚書の進展を見極める必要性に言及し、2週間後とか4週間後に結論を出したいとしたのである。

ルビオ国務長官の議会証言

この舞台裏については、「ニューヨーク・タイムズ」紙の分析が教えてくれている。「この議論に詳しい6人の政府関係者によれば、トランプはロシアへの新たな制裁を含む欧州の圧力キャンペーンに参加するという、自らの脅しから手を引いたという」。この報道こそ、現実を物語っている。さらに、同紙は、大統領の私的な電話について話すため匿名を求めた高官の話として、「ロシアに対する追加制裁はビジネスチャンスを妨げるものであり、大統領は米国人の経済的機会を最大化したいと考えているとのべた」という。

この明確な方針転換は、20日に開催された上院外交委員会の公聴会でのマルコ・ルビオ国務長官の発言によって裏づけられている。国家安全保障担当補佐官を兼務している彼は、「脅しの制裁をはじめると、ロシアは口をきかなくなる」とのべたのだ(「ブルームバーグ」を参照)。それだけではない。ロシアのプーチン大統領が「戦争犯罪人」かどうかという質問に対して、ルビオは、「そこで起きた事件をみて、戦争犯罪とみなすことはできると思うが、われわれの意図は戦争を終わらせることだ」と答えた(下の写真)。

このように、「小芝居グループ」とは一線を画して、米国政府は現実路線を歩みだしたと言えるだろう。

5月20日、上院外交委員会で証言するルビオ国務長官兼国家安全保障担当大統領補佐官 Jose Luis Magana/AP   (出所)https://www.n

ウクライナ兵士の脱走が続出

ここで、常識的な議論をしたい。戦争に負けそうな側が無条件の停戦を提案すること自体、まったくおかしな話ではないか。無条件降伏か、せめて数多くの譲歩をするのが定石だろう。ましてや、応じなければ制裁を強化するというのは言語道断だろう。逆に、停戦してくれれば、制裁を即時全面解除するというのが筋だ。

そうでなければ、勝利目前の側を納得させることはできないはずだろう。それができずに、「北風」戦術をつづければ、二発の核兵器使用の惨禍を被った日本のように、多数の民間人を含む死傷者が膨大な数にのぼることだろう。

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ロシアは本サイトで何度も書いたように、2024年末から2025年にかけて着実に有利な戦況にある。逆に、ウクライナは敗色濃厚であり、戦争をつづけるほど死傷者が増える状況にある。

最近では、ウクライナ東部でロシアが領有権を主張しているルハンスク(ルハーンシク)州の西、ハリコフ(ハリキウ)州の州都ハリキウにまでロシア製ドローンが到達するようになっている。これは、15~30キロメートルを飛行でき、電子戦システムで妨害できない光ファイバードローンの脅威が高まっていることを意味している。

さらに、5月20日付のNYTは、「ここ数週間、ロシア軍はドンバス地方東部のウクライナの重要拠点であるポクロフスク市の東側の防衛線を突破している」と報じた。はっきり言えば、ウクライナは戦争をつづければつづけるほど、領土を確実に失っていくことになる。

こんな調子だから、脱走も多い。4月4日付のウクライナ情報によると、2024年1月から12月にかけて、検察庁は刑法第407条(軍隊または勤務地からの無許可離脱)に基づき、6万7840件の刑事訴訟を登録した。

この無許可離脱は、軍人が許可なく部隊や勤務地を離れることを意味する。徴兵については、無断離脱が3日以上続いた場合に責任が生じる。契約軍人の場合には、無断欠勤の日数が10日を超えると刑事責任が生じる。契約軍人の無断欠勤が2回目であれば、3日後に刑事責任も発生する。

脱走は、軍人は戻る予定がなく、法的許可なく軍務を離れる意味している。前述と同じ期間に、脱走に対する刑事事件が2万3000件以上も登録された。

これらの数字をどうみるかは難しい判断を迫られる。常識的に考えれば、無理やり動員されて兵士になった者が停戦間近と思えば、軍隊を抜け出して身を隠し、停戦を待とうとするのが当たり前ということになる。ゆえに、ウクライナ軍は脱走だけでなく、兵員集めにも苦労しているはずだ。しかし、その実情をオールドメディア(伝統的な新聞・テレビなど)は報道しない。

朝日も毎日もノー天気過ぎないか?

日本のオールドメディアは、「小芝居グループ」をいまでも支持している。つまり、口では停戦を求めていても、その実、戦争継続を願っているウクライナや欧州の政治指導者の肩をもっているのだ。

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5月21日付の「朝日新聞」の社説は、「米国の関与と支援をつなぎとめ、多国間の連携でロシアに圧力を加える以外、ウクライナが許容できる停戦や和平の実現は望めない」と書いている。しかし、これは、「小芝居グループ」の参加者を増やし、いつ終わるとも知れない戦争を継続しろという主張しているのと同じではないか。

5月18日付の「毎日新聞」の社説も、能天気なことを書いている。「まず求められるのはロシアが直ちに停戦を受け入れ、平和への道を開くことだ。米国を含む国際社会はプーチン政権への圧力を強化する必要がある」というのである。朝日も毎日も、勝利を収めつつあるロシアに強気に出ろと主張しているのだが、彼らの思考回路は正常なのだろうか。現実を直視できない彼らは、日本国民をだましつづけているのだ。

ゼレンスキーの首に鈴をつけよ

必要なのは、ウクライナに停戦を迫ることだ。負け戦なのだから、一刻も早く止めろと命じるのが当然だろう。そのためには、対ロ制裁の緩和は必須条件かもしれない。あるいは、領土面の譲歩も必要だし、中立化の宣言もあったほうがいい。さらに、国内状況の安定化のための大胆な改革も不可欠だ。

単刀直入に記せば、もう3年間も国民を塗炭の苦しみのもとに置きながら、まだ戦争を継続しようとするゼレンスキーという小芝居の主人公をどうするかを、もっと真剣に考えなければならない。大統領選の実施も必要だろう。

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ここで、思い出すべきは幕末の第十五代将軍徳川慶喜ではないか。ウクライナ戦争の停戦・和平をめぐる問題と直結するわけではないが、新政府軍への恭順を決め、そのために行った決断や人事は慶喜の英明さをいまに伝えている。

慶喜は、謹慎中の勝海舟の呼び出しと陸軍総裁への任命を行ったうえで、主戦論者の小栗上野介忠順を免職にする。さらに、薩長との戦いを勧めるフランスとの関係を断った。

ゼレンスキーが本当に停戦したのであれば、これまで彼を裏で操ってきたアンドリー・イェルマーク大統領府長官を解職すべきだろう(拙稿「ゼレンスキー大統領を操る「ウクライナのラスプーチン」の正体」を参照)。同時に、過激なナショナリストの代表格で、いつまでも戦争をつづけたいと考えている人物を骨抜きにすることが必要にある。

暗躍するアゾフ大隊

いま、ウクライナにおいて、停戦に反対し、戦争継続を心から望んでいる人物、すなわち、停戦・和平に反対している輩として、アゾフのデニス・プロコペンコ司令官(レディス)と旧第3突撃旅団のアンドリー・ビレツキー司令官がいる。ウクライナの「ストラナ―・ニュース」は、「ビレツキーやプロコペンコといった人物やその他の幹部が、クーデター準備の基盤になるかもしれない。彼らはすでに軍団司令官の地位を得ており、2万~2万5000の銃剣を指揮下に置いているのだからなおさらだ」と指摘している。

アゾフ大隊(連隊)は、白人至上主義やネオナチの信条に動機づけられた外国人戦闘員をリクルートし、その多くが西側諸国出身者であるウクライナの武装集団である(White Supremacy Extremism: The Transnational Rise of the Violent White Supremacist Movement, 2019, p. 31)。2014年以降、米国を含む50カ国からおよそ1万7000人の外国人がウクライナに渡り、同国での戦争に参加していた。

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アゾフは、アゾフ海に面したマリウポリを拠点としていた。2018年3月には、ネオナチとのつながりを理由に、米国議会は歳出法案に条項を追加し、アゾフへの武器、訓練、その他の援助の提供に使用してはならないことになった。

しかし、アゾフ自体はウクライナの国家親衛隊に編入された。4月15日付の情報によると、ウクライナ国家警備隊をベースに二つの軍団が創設され、そのうちの一つを第12アゾフ特殊部隊旅団司令官プロコペンコ(レディス)が率いることになった。つまり、彼は現在、多くの部下を使ってクーデターさえ起こせるだけの力をもっている。

もちろん、こんな人物を解職したり、投獄したりすれば、大きな反発が起きる可能性がある。それでも、本当にウクライナを停戦・和平にもち込みたいのであれば、停戦・和平に反対しそうな人物の影響力を削いでしまうのは当然だろう。そこまでできれば、ゼレンスキーの停戦・和平の本気度を高く評価できる。

しかし、実際には、ゼレンスキーはこんな連中のクーデターを恐れて、停戦・和平に舵を切れずにいる。山岡鉄舟のような人物をアゾフに送り込み、彼らを説得して武装解除できるくらいの忠臣がいればいいのだが、操り人形にすぎないゼレンスキーにそんな忠臣はいない。

そうなると、ゼレンスキーをどう交代させるかが停戦・和平の根本問題と言えるのではないか。そう、停戦・和平を阻んでいる元凶はゼレンスキーなのだ。

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