プラズマ宇宙論への招待

プラズマ宇宙論

 

物理学と宇宙論・・・ニュートンの万有引力説からの迷走

ニュートンの万有引力理論

 物理学は、ニュートンの万有引力理論→アインシュタインの相対性理論→量子論→超弦理論へと進化していると言われています。
 宇宙論も16世紀の天文学者ティコ・ブラーエの正確な観察からケプラーの導いた法則まで観測結果を基にして理論が構築されてきました。

ティコ・ブラーエ(1546年12月14日―1601年10月24日)
方位角四分儀【ティコ・ブラーエの観測装置
ヨハネス・ケプラー(1571年12月27日―1630年11月15日
【ケプラーの第一法則】楕円軌道上の運動
【ケプラーの第二法則】面積速度一定の法則
【ケプラーの第三法則】惑星の公転周期をT、楕円の長半径をaとした時、T2/a3が常に一定


 その後、ケプラーが述べた「太陽と惑星の間に、磁力のような力が存在する」という「力」を、アイザック・ニュートンが「力学的」な「万有引力」であると定めたところから現代宇宙論の迷走が始まっています。

 この「力学的」という観点が実は大きな間違いの原点です。
 
 力学的とは計算(数式化)で証明するということですが、自然界では様々な要因があるため完全に整合しない(多くが近似値)となっているはずなのに、数式化してしまったが為にあたかも正しいモノとなってしまったからです。 その結果、数式を元に現象事実を解明すると言う、本末転倒した理論構築だけが進み、現象事実から出発して理論を構築するという本質的な追求がなされず、物理学も宇宙論も停滞、迷走してしまったのだと思います。

アイザック・ニュートン(1642年12月25日―1727年3月20日)

ティコ・ブラーエの観測値をそのまま理論化したケプラー。
そして、それを数式に頼って証明しようとしたニュートン。
その結果、数式ありきで現象事実から離れてしまっているのも関わらず、本質を追求してこなかった、現代物理学、現代宇宙論。
これに代わり、新たな視点で提唱されているのが「プラズマ宇宙論」です。
プラズマ宇宙論は、宇宙物理学に限らず、地球物理学から物質の成り立ち、そして人類の世界観、自然観までを対象とした理論です。

今後「プラズマ宇宙論シリーズ」として紹介したいと思います。

プラズマ宇宙論の創始者:ハンス・アルヴェーン

ハンス・アルヴェーン

「宇宙についての理論は、われわれが観測や実験で確かめた事実の延長上に打ち立てられなければならない。われわれは(ビッグバン理論のように、最初に宇宙誕生の姿を想像して、そこから現在の宇宙に進化するまでを推測して理論にするのではなく)、まず今の宇宙の姿を調べ、それを元にしてより遠い過去へ、より不明瞭な時代へと遡っていくべきである」

Wikiwand - プラズマ宇宙論
プラズマ宇宙論 とは、宇宙論の一種で、宇宙的スケールの現象は重力だけではなく、宇宙の全バリオン物質の99.9%を占める電気伝導性の気体プラズマの運動に起因する、巨大な電流と強力な磁場の影響を大きく受けているとする。そして電磁気力と重力の相互作用によって、壮大な現象を説明できると主張する。主としてプラズマ物理学の基本である電磁流体力学 の上に立脚した理論である。

プラズマは一般に揺らぎに対して不安定であり、最初の揺らぎは微小なフィラメントもしくは、渦の形成となる。。これらの渦は、同じ方向に動いているほかの渦を引き寄せながら、成長していく。膨大な時間をかけて、プラズマは、より大きなフィラメント的な渦を発達させていく。エネルギーの流れは次第に大きくなって行くが、フィラメントの成長は、ほぼ1000キロメートルの特性速度によって限界付けられている。渦が大きくなるにつれて、成長速度は低下していく。渦の成長と電流の大部分を運んでいた陽子のシンクロトン放射によりエネルギーの損失は均衡し渦は成長を止める。

そのとき最大のフィラメントは直径100億光年に成長している。大きなエネルギーの流れが平衡から遠ざかるにつれて、重力的不安定性が生じる。フィラメントの、わずかな重力的収縮がその重力を増大させ、さらなる収縮を促す。このような収縮は新たなフィラメントのシステムを誘導し、収縮する物体の中心に向かって電流を引き寄せる。収縮によって生じた重力的エネルギーは部分的に電気的エネルギーに転換される。磁気のエネルギーは収縮する他の天体のプラズマと相互作用する事により、新たなフィラメント・システムを生み出し、それが増大する角運動量を分布させ、プラズマを圧縮し、より大きな重力エネルギーの解放を可能にする。

ここで、不安定性の新たなサイクルが生まれた事になる。宇宙は巨大な送電網になり重力エネルギーを電気に転換する。それが、動力を供給し、より多くの物質を圧縮して、より多くのエネルギーを解放する。 この新しい揺らぎのサイクルは、宇宙大規模構造、超銀河団、銀河団、銀河、星、などの階層を作り出す。収縮の各段階には固有の自然な限界がある。軌道速度がある幅の中に収まるような集中した天体を生みだす。それぞれの天体は順に部分に分裂する。その1つ1つは固有のフィラメント電流を持ち、それ自身の子孫を生む。重力エネルギー解放の1つのサイクルの「廃棄物」が、次のサイクルの「原料」になっているのである。

プラズマ宇宙論イメージ

暗黒物質を仮定せずに問題を解決したアンソニーペラット

アンソニー、ペラット氏

プラズマ宇宙論の創始者ハンネス・アルベーンの下で研究していたアンソニー・ペラットはプラズマの動態をシミュレーションし、多くの特徴的な銀河の渦巻が、完全に磁場の中を漂うプラズマ・フィラメントで再現できる事を発見し、シミュレーションを繰り返すことによって、銀河における大きな謎であった「銀河の回転曲線問題」を解決した(=暗黒物質を仮定せずに解明した)。

(注)銀河の回転曲線問題とは1980年代に明らかになった天文学の問題の一つ。

分光観測によって銀河の回転曲線(銀河中心からの半径に対して各位置での回転速度の大きさをプロットした曲線)を求めてみると、その銀河の「目に見える」(電磁波を放射・吸収している)物質分布から想定される回転速度とは大きく異なり、銀河のかなり周縁部でも回転速度が低下せず、平坦な速度分布をしていることが分かる。これは、現在知られている通常の物質とは異なり、光を出さずに質量エネルギーのみを持つ未知の物質が銀河の質量の大半を占めていると仮定する事で説明される。この未知の物質を暗黒物質(ダークマター)と呼び、その正体について研究が続けられている。

Wikiwand - プラズマ宇宙論
プラズマ宇宙論 とは、宇宙論の一種で、宇宙的スケールの現象は重力だけではなく、宇宙の全バリオン物質の99.9%を占める電気伝導性の気体プラズマの運動に起因する、巨大な電流と強力な磁場の影響を大きく受けているとする。そして電磁気力と重力の相互作用によって、壮大な現象を説明できると主張する。主としてプラズマ物理学の基本である電磁流体力学 の上に立脚した理論である。

プラズマによって支配されている銀河の渦巻きの腕は、例えると中心から伸びたバネのようなものである。このようなバネは全長にわたって同じ回転速度をもつことになる。それによってプラズマの圧縮が一定の曲線を作り出すことを示し回転曲線問題を磁場によって解決したのである。そのとき、曲線にうねりが見られたが、実際にそれは渦巻きの腕が回る際に行なうローリング運動として観測と一致したのである。これらの実験室で作られたミニチュア銀河はプラズマの特性の一つであるスケーラビリティーによって実験室レベルから太陽、銀河そして宇宙論レベルまで時間軸などの変数をかえるだけで広げる事が出来る。

フィラメント構造とビルケランド電流

明確に撮影された宇宙のフィラメント

宇宙には宇宙には多くのフィラメント構造が存在している。このフィラメントと、その内部を流れるビルケランド電流は、プラズマ宇宙論にとって、太陽フレア、オーロラ、太陽系、星雲、銀河の形成等を理解する上で重要なファクターとなる。

 上の写真はまるで巨大な送電線(二重螺旋の構造)となっている。これは白鳥座ループの超新星残余をクローズアップしたもので、秒速約170kmで画像上方向に動いている巨大な衝撃前線の一部分だという。宇宙にはこのようなフィラメント構造が多く存在し、その内部にはビルケランド電流と呼ばれる電流が走っている。そして、それは、大規模構造、銀河系、太陽系、太陽フレア、オーロラなど宇宙のあらゆるスケールで確認されている。

以上、プラズマ宇宙論のさわりに過ぎませんが、自然の摂理の解明へのい入り口になるかと思います。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました