形骸化した「G20よ、さようなら」

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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和七年(2025年)2月27日(木曜日)
通巻第8672号
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形骸化した「G20よ、さようなら」
アメリカが欠席、G20の意義は稀釈された
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G7からオブザーバー格だったロシアがはずされ、ついで中国も遠ざかり、G7はエンジン全開どころか、フェスティバル風な恒例行事になった。
そこで仲間を増やし、国連にかわる中核的機構に押し上げようとしてきたG20も、形骸化が激しく、とくにインド、トルコ、豪の間で意見がまとまることはない。
2月26日、南アフリカのケープタウンで開幕されたG20財務相・中央銀行総裁会議二は、アメリカなど主要国閣僚が欠席した。
G20はアメリカ、日本の加えて、フランス、英国、ドイツ、イタリア、カナダのG7.これにEU代表がはいる。
そのうえに「新興国11か国(BRICSの残り4国とアルゼンチン・オーストラリア・インドネシア・メキシコ・韓国・サウジアラビア・トルコ)が加わり、1999年より20か国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されてきた。
国際通貨基金、世界銀行、国際エネルギー機関、欧州中央銀行など、関係する国際機関も参加している。
南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は開幕演説で、「世界的に不確実性が高まり、緊張が激化している今、G20の協力はこれまで以上に重要だ。多国間主義の衰退は世界的な成長と安定への脅威だ」と述べた。
トランプ政権はDEI撲滅路線だから、南アが黒人を優遇し、白人を差別したなどと批判を強めていた。G20外相会合に続き、今回の財務相会合でも米国の閣僚は出席しなかった。
日本は副大臣を派遣したもののカナダも閣僚の出席を見合わせ、欧州連合(EU)も閣僚級は現地訪問をとりやめた。
そればかりかインドや中国、ブラジル、メキシコなども閣僚を派遣しなかった。こうなると『さようなら、G20』になるかもしれない。
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