米国

現代の米国

トランプは行き当たりばったりではない

トランプは行き当たりばったりではない 古村治彦です。※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。『トランプの電撃作戦』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに行きます。 第2次ドナルド・トランプ政権は様々な施策を行っているが、トランプ関税を発表した後に、それから後退する姿勢を見せるなどしたために、行き当たりばったりのように見えている。しかし、下記論稿の著者トーマス・キャロサーズによると、実際には相互に関連する4つの主要なプロジェクトを通じて、比較的まとまりのあるヴィジョンを追求しているということだ。第一のプロジェクトは、アメリカ社会の社会文化的変革だ。トランプ政権は「保守」を法と秩序や伝統的な社会価値観を重視する一方で、反エリート主義を強調している。さらに、移民政策や多様性を排除する試みを通じて、長年の進歩主義的な施策を覆そうとしている。具体的には、銃規制や中絶の制限、教育省の縮小などを通じて、これまで社会政策の変更を進めている。第二のプロジェクトとして、アメリカ経済の再構築だ。トラ...
現代のロシア

ウクライナ紛争はNATOの「代理戦争」とトランプ特使

ウクライナ紛争はNATOの「代理戦争」とトランプ特使キース・ケロッグはモスクワの敵対行為の特徴づけに同調した。2020年9月22日、ワシントンD.C.のホワイトハウスにて。 ©  Getty Images / Drew Angererロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ紛争をロシアに対する代理戦争とみなすのは正しい、とドナルド・トランプ米大統領のキース・ケロッグ特使は日曜のフォックスニュースのインタビューで語った。ケロッグ氏は、和平プロセスは最終的には成功すると信じているものの、「エスカレーションの問題」は依然として残っていると述べた。ケロッグ氏は、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が先月、キエフへのタウルス巡航ミサイル供給に前向きな姿勢を示した発言に言及した。ケロッグ氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の見解に触れ、「彼はこれをNATOによる代理戦争と見なしている。そして率直に言って、ある意味ではそうだ」と述べた。「エスカレーションの問題は依然として残っている」とケロッグ氏は述べた。「メルツ首相は『ウクライナにタウルス・ミサイルシステムを与える』と言っている」ケロッグ氏...
現代の米国

ハーバード大学の2面性、世界に正体がバレそうです。何故、トランプ大統領はハーバード大学の改革を行っているか!

ハーバード大学の2面性、世界に正体がバレそうです。何故、トランプ大統領はハーバード大学の改革を行っているか!何故、トランプ大統領はハーバード大学の改革を行わざるを得ないか!ハーバード大学の2面性、世界に正体がバレそうです。動画が参考になると思います。 ハーバード大学はCIAから多額の資金を受け取り、DS代理人養成所としての役割を果たしていました。世界経済フォーラムのシュワブ元会長もハーバードに行ってDS団の洗礼を受けているのです。そして、このハーバードがCIAから金を受け取り運営していたプログラムが国際セミナーです。 その事務局をやっていたのがヘンリー・キッシンジャーですね。キッシンジャーの親玉にあたるのが当時のハーバードの学部長でした。 シュワブは自らの意思と力で世界経済フォーラムを立ち上げたのではありません。キッシンジャーや、その親玉、さらに彼らが所属していたグローバルネットワークの強力な支援があってダボスは誕生したのです。詳細は動画で解説しています。プーチン大統領、トランプ大統領、イーロンマスク氏が戦う相手は、彼ら(ネフィリム・悪崇拝・国家を超えた存在)です。善と悪の戦いでもある...
現代の米国

国家安全保障チームや情報機関は偽情報でトランプ大統領を操っている

国家安全保障チームや情報機関は偽情報でトランプ大統領を操っている ドナルド・トランプ米大統領は5月25日、ウラジーミル・プーチン露大統領に「何かが起こった。完全に狂ってしまった」と非難した。ロシア軍がウクライナに対してドローンやミサイルを発射したことを受けての発言だが、プーチン大統領暗殺未遂事件についての情報は持っていなかった。ウクライナがロシアに対するドローン攻撃を強化したことを受けて、ロシアはウクライナへの爆撃を強化したにすぎない。トランプはこうしたことについて知らないのか、嘘をついているのか、どちらかだが、軍や情報機関からこうした情報を知らされていなかったと見られている。 ​元CIA分析官のラリー・ジョンソンはトランプの現状について、「ナルシシズム、傲慢さ、そして無知」を組み合わせた状態であり、「空想の世界に生きている」と分析、トランプ大統領の国家安全保障チームとCIAが重要な情報を隠蔽し、大統領にウクライナへの資金提供を継続させ、軍事的な対決をエスカレートさせるためにこのカードを切っている可能性は否定できないとしている​。 ウクライナでの戦闘でロシアは大きな被害を出し、ロシア経...
現代の米国

すでにこっそり非米側なトランプ

すでにこっそり非米側なトランプ25年5月28日   田中 宇トランプ米大統領は最近、仲良くしていたはずのロシアのプーチン大統領やイスラエルのネタニヤフ首相を非難する傾向を見せている。中国とも関税問題などで紛糾している。私から見ると、これらはトランプの目くらまし策の「成果」だ。トランプは、表向き喧嘩しているように見せつつ、露中やイスラエルの首脳たちと親密な関係を維持している。(Trump’s Latest Angry Post About Putin Is His Most Significant One Yet)トランプは、再就任から4か月かけてプーチンのロシアと多角的に話し合い、米露の利害をすり合わせた。トランプ再任後、大統領どうしは結局まだ直接会っていないが、電話会談は秘密裏も含めて何度も行っていると考えられる。(米露首脳会談の中身は?)2人は先日、進展のないウクライナ問題だけで2時間も電話会談したが、プーチンはその後「あれは通訳に時間がかかっただけだ(会談の中身は薄かった)」と、取ってつけたように釈明した。本当は、ガザ戦争やイランなどの話をいろいろいしたはず。(Kremlin s...
現代の米国

ハーバード大学から留学生追放 アメリカの研究力が一気に下がる

ハーバード大学から留学生追放 アメリカの研究力が一気に下がるハーバード大学にある創設初期の献金者John Harvard の肖像(写真:ロイター/アフロ)5月22日、トランプ政権はハーバード大学に対して「留学生受け入れ認定資格を取り消す」と発表した。同大学の外国人留学生の国別割合では中国人が最も多く、21%を占めている。一方、アメリカ国立科学財団は<国際的なSTEM人材は米国経済の活性化に不可欠>という2022年のレポートの中で、「外国人留学のうち約4分の3の科学・工学博士が卒業後アメリカに残り、外国生まれの博士レベルの人材がアメリカの科学・工学人材力の45%を占めている」と書いている(STEM=Science + Technology + Engineering + Mathematics)。これはハーバード大学に限ったことではない。そうでなくともイギリスのネイチャーの調査による研究力ランキングで、アメリカは2位に下がり、中国が1位になり、科学技術研究力においてアメリカが「あの中国」に追い抜かれている(詳細は拙著『米中新産業WAR』の【第六章 研究人材でも世界トップをいく中国】)。ま...
現代の米国

トランプ大統領、国家安全保障会議内の「ディープステート」を「骨抜き」に―メディア

トランプ大統領、国家安全保障会議内の「ディープステート」を「骨抜き」に―メディア組織再編に関係する関係者は金曜日、100人以上の職員が突然解雇されたと述べた。ファイル写真©  Anna Moneymaker / Getty Imagesトランプ政権は国家安全保障会議(NSC)の抜本的な改革に着手し、報道によると100人以上の職員を休職させ、この強力な諮問・調整機関の職員を大幅に削減した。ホワイトハウス筋の1人はこれを「ディープステート(国家権力の根絶)」に向けた取り組みと表現した。金曜日の複数の報道によると、ウクライナ、イラン、インド太平洋といった世界の主要な紛争地域を担当する職員を含む、ほぼ全ての国家安全保障会議(NSC)の部局の職員が、ほとんど事前の通知なく解雇されたことが確認された。CNNとロイターによると、職員は金曜日の午後遅くにメールを受け取り、30分以内に机を片付けるよう指示されたという。政権当局者はアクシオスに対し、この組織再編は官僚の干渉を減らし、外交政策の意思決定を政府の最高レベルに集中させることを目的とした戦略的転換であり、国家安全保障担当大統領補佐官代行も兼任する...
現代の世界各国

「米国の圧倒的な優位の時代は終わった」―ヴァンス

「米国の圧倒的な優位の時代は終わった」―ヴァンス米国副大統領は、中国やロシアのようなライバルが今や主要分野でアメリカの力に挑戦していると述べた。2025年5月23日、メリーランド州アナポリスで行われた2025年海軍兵学校の卒業式・委任式で演説するJ・D・ヴァンス米副大統領。 ©  Getty Images / Kayla Bartkowski米国のJ・D・バンス副大統領は金曜日、ロシア、中国、その他の国々との競争が激化し、ワシントンが圧倒的な世界支配を誇った時代は終わったと述べた。メリーランド州アナポリスの海軍兵学校で卒業生たちに演説したヴァンス氏は、冷戦後、米国の指導者たちは「アメリカの優位性」は確実だと考えていたと述べた。「また、いかなる外国もアメリカ合衆国と競争できるとは考えていなかった」と彼は述べた。ヴァンス氏は、冷戦終結後、米国は空、海、宇宙、サイバー空間においてほぼ誰にも脅かされることのない支配権を享受してきたと述べた。副大統領は、世界の情勢が変化していると警告した。「米国が圧倒的な優位に立っていた時代は終わった。今日、中国、ロシア、そしてその他の国々は、周波数帯から低軌道...
現代の世界各国

ケネディ米厚生長官、諸国に「WHO脱退」呼び掛け

ケネディ米厚生長官、諸国に「WHO脱退」呼び掛けスイス・ジュネーブで開催された世界保健機関(WHO)の総会で、ビデオメッセージを寄せる米国のロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官(2025年5月20日撮影)。(c)World Health Organization (WHO)/AFP【5月21日 AFP】ロバート・F・ケネディ・ジュニア米厚生長官は20日、世界保健機関(WHO)が肥大化し機能不全に陥ったと非難し、代わりに新たな機関を設立するために他国に「われわれに加わることを検討」するよう求めた。ケネディ氏はWHO総会にビデオメッセージを寄せ、WHOが中国、ジェンダーイデオロギー、製薬業界から過度の影響を受けていると述べた。ドナルド・トランプ米大統領は1月の就任後、1年にわたるWHO脱退に向けた手続きを開始した。米国は伝統的にWHOの最大の資金拠出国であった。米国の脱退と2024年および25年の分担金の支払い拒否により、WHOは財政的に苦境に陥っている。ケネディ氏はビデオメッセージの中で、「WHOは官僚主義の肥大や凝り固まった考え方、利益相反、国際的な権力政治に陥っている」と非難。「...
現代の中国

中国による米国債売却:静かなドル離れ戦略の実行

中国による米国債売却:静かなドル離れ戦略の実行英国が中国に代わり米国債保有量第2位の外国となったというニュースは、世界金融の安定を「揺るがす」ことなく自国通貨の影響力を拡大するというアジアの国の長期政策目標の表れだと経済学者のアラスデア・マクラウド氏は言う。中国の米国債保有量は時間とともに変動しているが、「その背景には、中国は長期的にはドルを廃止したいと考えていることがある」と、独立系有力な金融・信用専門家のマクラウド氏はスプートニクに説明した。「中国は、ASEAN諸国において、貿易においてドルではなく人民元の使用を広めるべく、かなり積極的な動きを見せています。そして、上海協力機構(SOC)加盟国やBRICS諸国にも同様の取り組みが広がるでしょう。」そのため、最近、香港とサウジアラビアに上海黄金取引所の金庫が開設されたことは、貿易における人民元の国際化に向けた重要な一歩です。四半世紀ぶりに中国は米国債保有第2位国ではなくなった「特にトランプ大統領の就任以来、アジアの覇権国である中国とロシアが、資金、資本、政治的影響力、そして商業貿易において西側諸国への依存から距離を置こうとしていること...
現代の世界各国

トランプ関税のせいで世界の79%の国がアメリカより中国に好感 デンマークのシンクタンクが調査

トランプ関税のせいで世界の79%の国がアメリカより中国に好感 デンマークのシンクタンクが調査2025年 中国・中南米カリブ海諸国共同体フォーラムで基調演説をする習近平国家主席(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)トランプ関税が発表されたあとの今年4月9日から23日にかけて、デンマークに根拠地を置くシンクタンク「アライアンス・オブ・デモクラシーズ(Alliance of Democracies=AoD)」(創設者はNATO元理事長)が世界100ヵ国11万1,273人を対象に意識調査を行なった(調査の実施自体はNira Dataに依頼)。そのデータDPI2025が5月12日に発表された。ただし、このリンク先からデータを得るには各自が自分の名前やメールアドレスなどの個人情報を入力しないとならない。そのプロセスを経てデータを入手したところ、世界の79%の国が「アメリカよりも中国に好感を持っている」と回答していることが分かった。DPIとはDemocracy Perception Index(民主認識指標)のことだが、「認識」というのは直訳で、「評価」という言葉を使った方が日本人にはピンとくるかもし...
現代の世界各国

115%の関税引き下げ トランプ最大の誤算は「中国の報復関税」か 日本は?

115%の関税引き下げ トランプ最大の誤算は「中国の報復関税」か 日本は?スイスで米中貿易協議 追加関税の一時引き下げで合意 米側記者会見(写真:ロイター/アフロ)5月12日、米中関税交渉の結果、互いに90日間115%もの関税引き下げを行うという劇的な発表があった。5月7日にトランプ大統領は対中関税145%を引き下げるかと聞かれ「ノー!」と断言し、その2日後の5月9日には「80%まで引き下げるのが適当かもしれない。ベッセント次第だが」と投稿したばかりだ。喧嘩を吹っ掛けた方から引き下げるとは言えないので、ベッセント財務長官のせいにして、その実、トランプは切羽詰まった状況に追い込まれていたものと考えられる。なぜなら5月9日には145%関税を受けた中国貨物船が米国の港に着いており、まさに米国の店に並ぶ商品が全面的に値上げする直前だったからでもある。また、4月23日に米メディアのCBSはウォルマートなどのCEOがトランプ大統領に関税のせいで間もなくスーパーの棚が空になると警告していたと報じている。そうなれば反トランプ運動が爆発するのは目前だった。米国から中国製品を追い出すことなど、できるはずも...
現代の世界各国

サウジ皇太子とトランプ大統領、経済連携協定に署名

サウジ皇太子とトランプ大統領、経済連携協定に署名皇太子はサウジアラビア国民を代表する偉大な人物であると述べた。ムハンマド皇太子、王国は6,000億ドルの投資機会を検討しており、これが10兆ドルに増加することを望んでいると述べた。アラブニュースリヤド:サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とドナルド・トランプ米大統領は火曜日、トランプ大統領の地域訪問中のリヤドで戦略的経済パートナーシップ協定に署名した。このパートナーシップには、エネルギー、鉱業、防衛に関する協定が含まれている。トランプ大統領は火曜日にサウジアラビアに到着し、ガザに関する緊急外交と巨大なビジネス取引を織り交ぜた 「歴史的 」中東ツアーと称した。サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、サウジの首都にあるキング・ハーリド国際空港でエアフォース・ワンから降りたトランプを温かく出迎え、中東歴訪のスタートを切った。その後、両首脳はリヤド空港の大広間に退き、そこでトランプと側近たちは、儀礼的なガンベルトを着用した待機中の係員から伝統的なアラビックコーヒーを振る舞われた。サウジアラビア空軍のF-15が、王国の首都に近づくエ...
現代の日本

対米隷属を続ければ日本の繁栄と安全はない

対米隷属を続ければ日本の繁栄と安全はない 日刊ゲンダイ“kissing my ass.”と嘲弄(4月8日の夕食会)/(C)ロイター第2次大戦以降、日本政府の米国に対する姿勢は、田中角栄内閣時代を除いてほぼ一貫している。それは、米国に隷属していれば、「経済は繁栄する」「軍事上の安全は保たれる」と信じてきた、ということである。もっとも、日米両国間の歴史的な事象を検証すれば、そんなことは決してないのだが、ともかく日本政府、国民はそれを信じて米国隷属の道を選択してきた。石破首相が2月上旬に訪米した際も、この姿勢は変わらず、石破首相はトランプ大統領と密接な関係を築くことができたとアピールした。しかし、トランプ大統領は4月8日の「共和党全国議会委員会の夕食会」という準公式的な場で、こう発言したのだ。「(日本を含む)これらの国々は我々を訪れ、私の尻にキスをしている。彼らは死んでもディール(取引)をしようとして、『何でもします。閣下』と言っている」トランプ関税を巡る日米関税交渉が本格化し、米国は自動車関税に関して交渉に応ずる意思がないことが分かった。すると、石破首相は5月2日、「我々の国益を譲ってまで...
現代の世界各国

トランプの「ウクライナ植民地計画」をなぜゼレンスキーは容認したのか?

トランプの「ウクライナ植民地計画」をなぜゼレンスキーは容認したのか?秘密裏に結ばれた2つの協定多くの西側メディアは4月30日に、米国とウクライナが、ウクライナの鉱物資源、石油、ガス、その他の天然資源への共同投資を確立するための協定に署名したと報道した。しかし、この裏で、秘密裏に本協定とは別に二つの協定が結ばれていたことに注意を払った西側メディアは少ない。Photo by gettyimages唯一、4月30日付の米政治メディアPoliticoは気になる情報を紹介している。それは、ウクライナ側が主要な経済協定と二つの技術的なサイド・アグリーメントへの署名を渋っていたという話だ。「米国政府関係者は、ウクライナが土壇場でいくつかの変更を要求し、米国財務省が強硬手段をとった後、双方が三つの協定すべてに署名したことを確認した」と記されている。このなかの本協定だけが部分的に明らかにされたというのである。情報操作にだまされるなここまで知っていれば、協定に署名した当事者のユリヤ・スヴィリデンコ第一副首相兼経済相が4月30日に情報発信した内容に「大嘘」が含まれているであろうことが容易に想像できる。彼女は...
現代の世界各国

膨大な海外米軍基地が示す戦後体制 習近平は貿易で世界制覇を狙っている

膨大な海外米軍基地が示す戦後体制 習近平は貿易で世界制覇を狙っている米国防総省(写真:ロイター/アフロ)米国の海外軍事基地の数え方にはさまざまあり分類の仕方によって違うが、「128ヵ所」という数え方と「562ヵ所」という数え方がある。いずれにしても地球上で米軍だけが突出して多く、中国はジブチ「1ヵ所」しか持っていない。 したがって中国による「軍事的世界制覇」はあり得ないと考えるのが妥当だろう。その代わりに中国は貿易で世界を制覇しようとしている。トランプ大統領がまるで「世界の王様」気取りで全世界を相手取って関税喧嘩を吹っ掛けられるのは、この米軍基地が世界を制覇しているからだ。本稿の図表1(米中の海外軍事基地マップ)をご覧になると、海外米軍基地による世界制覇は、第二次世界大戦への処罰であり、「日本、ドイツ、イタリア」という三国同盟、特に「日本とドイツ」をアメリカは今も監視し続けていることが見えてくる。戦後80年経った今もなお、世界は第二次世界大戦の「米国による戦後支配体制」で動いているというのは驚くべき事実だ。地球上で戦争が絶えないのも、基本的にそのせいだと言っていいだろう。一方、東南アジ...
現代の世界各国

トランプ関税とイーロン・マスクが、アフリカを中国にいっそう近づけた

トランプ関税とイーロン・マスクが、アフリカを中国にいっそう近づけた米総合格闘技を観戦するトランプ大統領とイーロン・マスク氏(写真:Imagn/ロイター/アフロ)中国は建国以来、アフリカとの関係を重んじ、緊密度を深めてきた。そこにトランプ1.0の時の2018年にトランプ大統領がアフリカを「肥だめ」呼ばわりして完全に中国の方にアフリカを押しやっている。トランプ2.0ではトランプ関税と、意外なことに、イーロン・マスクの存在がアフリカを徹底して中国に近づける役割を果たしてしまった。その現状分析と謎解きをしたい。◆イーロン・マスクとトランプがアフリカでGDP最大の南アフリカを怒らせたトランプ大統領はトランプ1.0の2018年にアフリカ諸国を「肥だめ」呼ばわりしたことは周知のことだと思う。念のためBBC日本語ニュースの<トランプ大統領、禁句使い中米やアフリカの移民罵倒>をご紹介しておきたい。すると、毎年北京で開かれている「中非(中国・アフリカ)協力フォーラム」で、アフリカ諸国の首脳が人民大会堂で一堂に会し、習近平国家主席のスピーチが終わると割れんばかりの拍手とスタンディングオベーションがくり広げら...
現代の中国

トランプ関税はEUを中国に近づけた アメリカなしの世界貿易新秩序形成か?

トランプ関税はEUを中国に近づけた アメリカなしの世界貿易新秩序形成か?訪中した仏大統領と欧州委員長が習近平国家主席と会談(2023年)(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)習近平国家主席にとってEUとの投資協定である「中欧投資協定」は長いこと悲願だった。しかしバイデン政権の介入や中国の安価なEVの「津波」によって挫折し、EUは2024年10月にEVに関する対中関税を決定。両者の関係は冷え込んでいた。ところが「トランプ関税」がEUにも圧し掛かってきたことによってEUの対中姿勢は一転。EVに対する対中関税を撤廃し、価格協定で折り合う方向に動き始めた。実は2021年にEUがウイグル問題で中国の官員を制裁し、中国がEU官員を報復制裁することで中欧投資協定が凍結されていたのだが、中国はその報復制裁を解除すると言い出したこともあり、習近平宿願の「中欧投資協定」が復活しつつある。トランプ関税は中国と東南アジアの緊密度を強化する役割をしただけでなく、EUに近づけたことになる。その結果、「アメリカなしでの世界貿易新秩序」が形成しつつあるのを見逃してはならない。◆トランプ相互関税直後、欧州委員会委員長が中...
米国の歴史

国際関係論の諸理論からトランプ政権の外交政策を予想する論稿を紹介する:トランプ政権の動きによってアメリカは世界の警察官を辞め、各国は協調し出す

国際関係論の諸理論からトランプ政権の外交政策を予想する論稿を紹介する:トランプ政権の動きによってアメリカは世界の警察官を辞め、各国は協調し出す 今回は、国際関係論の泰斗、ハーヴァード大学教授のスティーヴン・M・ウォルトによる、国際関係論の理論を使っての第2次ドナルド・トランプ政権の分析を行っている論稿をご紹介する。ウォルトによると、2つの理論で説明できるということで、1つの理論は「力の均衡・脅威理論(balance-of-power/threat theory)」、もう1つは「(the theory of collective goods)」だ。脅威の均衡理論の論理は単純明快で、中央権力のない世界では、ある国家が強くなりすぎると、その国家が利用可能な権力をどのように使うか不透明なため、全ての国家が懸念を持つ傾向がある。弱小国は強国を牽制し、攻撃される場合には団結して抵抗しようとする。特に、近隣に悪意を持つ強国が存在する場合、バランスをとる必要性は強まる。この理論は、アメリカが第二次世界大戦以来、世界最強の経済・軍事大国であったにもかかわらず、ほとんどの国がアメリカとバランスを取るよりも...
現代の米国

トランプ大統領の外交政策が無秩序ではなく計算されたものである理由

ドミトリー・トレーニン:トランプ大統領の外交政策が無秩序ではなく計算されたものである理由アメリカの新たな現実主義はロシアとの平和と中国への注力を意味するドミトリー・トレーニン氏 (高等経済学院研究教授、世界経済・国際関係研究所主任研究員)。ロシア国際問題評議会(RIAC)メンバーでもある。ドナルド・トランプ米大統領は2025年4月25日、ワシントンD.C.でホワイトハウスを出発する際に記者会見を行った。 ©  Getty Images / Getty Imagesドナルド・トランプ氏の第二期大統領就任から100日間、彼を革命家と評する論評が相次いだ。確かに、彼の行動のスピード、圧力、そして決意は目を見張るものがある。しかし、この見方は表面的なものだ。トランプ氏はアメリカ国家や社会の基盤を解体しようとしているわけではない。むしろ、リベラルエリートが遥か昔にユートピア的な国際主義へと転向させた、グローバリズム以前の共和国の復活を目指しているのだ。この意味で、トランプ氏は革命家ではなく、反革命家、つまりリベラル時代の行き過ぎを覆そうと決意したイデオロギー修正主義者なのだ。国内では、トランプ大...