世界各国

現代のロシア

ウクライナが親露に転向して終戦する

ウクライナが親露に転向して終戦する2025年8月19日   田中 宇ウクライナ戦争は、長期化するほど、これまで米覇権の黒幕だった英国やその傀儡である西欧(総称して英国系)が政治経済の両面で自滅していく。そのため、既存の米覇権体制を壊して世界を多極型に転換させたいトランプとプーチンは、ウクライナ戦争を早く終わらせたいと言いつつ、実際は長期化するつもりだと私は分析してきた。8月15日のアラスカでの米露首脳会談についても、私はその線で見ていた。だが8月18日、ゼレンスキーと英仏独伊など欧州の首脳たちが大挙して訪米してトランプと話し合った後のトランプやゼレンスキーの言動を見ると、今回の米露首脳会談に関する私の分析が間違っていたと感じられる。(米露首脳会談を今やる意味)ゼレンスキーは、自分の政治的・生物的な延命を最重要に考えている。トランプとプーチンは、これまでウクライナ戦争の長期化を画策してきたが、今回方針を大転換し、ゼレンスキーを誘って延命させる代わりに、ゼレンスキーはドンバスとクリミアがロシア領になったことを認め、見返りにロシアなどから(自分と国家の)安全を保障してもらい、ウクライナ戦争を...
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アラスカでの米露首脳会談が終了、罵詈雑言を浴びせるしかないネオコンの苦境

アラスカでの米露首脳会談が終了、罵詈雑言を浴びせるしかないネオコンの苦境 ウラジミル・プーチン露大統領とドナルド・トランプ米大統領がアラスカのエルメンドルフ・リチャードソン基地で会談、ロシア側からユーリ・ウシャコフ大統領補佐官、セルゲイ・ラブロフ外相、アメリカ側からマルコ・ルビオ国務長官、そして大統領特使のスティーブ・ウィトコフが同席した。会談後、両国から正式な発表はなく、実際に何が話し合われたのかは不明だ。会談はレッドカーペット上での短い会話を含め、3時間にわたった。 プーチン大統領は会談の「建設的で敬意に満ちた」雰囲気を称賛し、トランプ大統領との合意が新たな国際バランスへの政治的移行への道を開くことを期待すると述べ、トランプ大統領は正式な合意に至っていないことを認めつつも、会談は「非常に生産的」だったと述べた。 今回の会談でもウクライナ問題に関してロシア側の要求は変化していない。ウクライナの非軍事化、非ナチ化、NATO非加盟の保証、ロシア国境付近への西側諸国軍の展開の制限、ウクライナに対する武器供与の制限、ウクライナにおけるロシア語の特別扱い、また西側諸国が凍結したロシア資産を返還...
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メディアが報じない米ロ会談の真実「プーチンはここまで譲歩した」

メディアが報じない米ロ会談の真実「プーチンはここまで譲歩した」偏向報道ではなく「実態」の解説をこのサイトに何度も書いてきたように、欧米や日本のオールドメディアはウクライナ戦争をめぐって偏向報道をつづけてきた。そして、8月15日に実施された米ロ首脳会談(下の写真)についても、まったく同じ偏った視点から眺めることで、恐ろしいほどに歪んだ見方を押しつけようとしている。そこで、今回はもう少し真っ当な視角からみる見方を示すことにしたい。(出所)まず、日本を含むいわゆる西側先進国に住む人々のほぼすべてが、米ロ首脳会談前にロシア側を行った譲歩について知らないのではないか。ウラジーミル・プーチン大統領が自らの譲歩を喧伝するはずもないが、本来であれば、ドナルド・トランプ大統領側がプーチンからいくつかの譲歩を会談前に勝ち得ていたことを明らかにしてもおかしくはない。ただ、これから会談する相手のことを配慮すれば、自らの手柄をひけらかすわけにもゆかなかったのだろうか。トランプにしては、珍しいことだが。そうであるならば、本当は、優れた記者や学者が適切に「実態」について解説すればよい。しかし、残念ながら、世界中にそ...
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戦争の最終幕:ロシアと米国の協議を破綻させるためのゼレンスキーの危険な策略

戦争の最終幕:ロシアと米国の協議を破綻させるためのゼレンスキーの危険な策略ウクライナの敗北が否定できない状況の中、ゼレンスキー大統領は必死の挑発に訴え、ロシアと米国の和平交渉を阻止するために紛争拡大のリスクを冒している。ウラジミール・ゼレンスキー。 ©ピエール・マルコ・タッカ/ゲッティイメージズウクライナ戦争は、クルスク侵攻の際に一部の人々が考えていたように、もはや瀬戸際で均衡を保っているわけではない。その結果は、見出しを気にしない人なら誰の目にも明らかだ。キエフ軍は疲弊し、士気は低下し、長らく約束されていた「転換点」は実現することなく過ぎ去った。かつては際限のない軍事援助に自信を持っていた西側諸国の当局者でさえ、今では「現実的な期待」について慎重な口調で語っている。戦場では、戦況は不可逆的に変化した。こうした背景から、ロシア国防省の最近の声明を単なるレトリックとして片付けるべきではない。モスクワは、ウクライナ軍が大規模な挑発行為、つまり来たる露米和平交渉を妨害するための攻撃を準備していると主張している。その危険性を理解する者にとって、その論理は不穏なほど明瞭である。キエフ、トランプ・...
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“カネの亡者”に信じ込まされた幻想。「核兵器の存在が世界平和を維持させる」という核抑止論の大ウソ

“カネの亡者”に信じ込まされた幻想。「核兵器の存在が世界平和を維持させる」という核抑止論の大ウソ人類史上もっとも残虐で非人道的な核爆弾が広島と長崎に投下されてから80年。しかし現在世界を見回せば、各国の市民から上がる核軍縮の声をよそに、日増しに核の脅威が高まりつつあるのが現実です。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、「核抑止論」はフィクションであると喝破。さらに「核なき世界」実現を妨害している勢力を暴くとともに、彼らの意図を解説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:Fragileな国際安全保障の裏にある核抑止というフィクションと幻想「意図的に作られた脅威とその強調」。核ミサイルの雨が降り注ぐ“第3次世界大戦勃発のシナリオ”を描いているのは誰か「核兵器による抑止システムは幻想的な安全保障である」8月6日に原爆投下から80年を迎えた広島に対して、ローマ教皇レオ14世が寄せた講和の内容です。教皇レオ14世はまた「約7万8,000人が一瞬にして命を失った広島の惨事...
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米露首脳会談を今やる意味

米露首脳会談を今やる意味2025年8月12日   田中 宇8月15日にアラスカでトランプとプーチンの米露首脳が会談する。ウクライナを停戦できそうなメドが立ったので会談することにしたという。しかし現状は、米露首脳が話し合ってもウクライナを停戦できない。(Russia Holds All Cards in Trump Talks)トランプの案では、ロシアが占領・併合した旧ウクライナ領のクリミアやドンバスを、ウクライナが放棄してロシア領と正式に認める代わりに、ロシアは他のウクライナから撤兵して停戦することになっている。ウクライナ領だったクリミアやドンバスがロシア領になり、露軍の占領地がウクライナに戻るという「(すごく不均衡な)領土交換」が、トランプ停戦案の骨子だ。(Trump mulls territory swap between Russia and Ukraine)ウクライナのゼレンスキーはクリミアやドンバスをロシア領と認めることを固く拒否している。今回ゼレンスキーは改めて領土交換案への拒否を表明した。トランプはゼレンスキーをアラスカに招待することを検討しているというが、それには領土交...
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データマイニングで南半球を屈服させる

データマイニングで南半球を屈服させるかつての帝国は香辛料、奴隷、銀で築かれた。今日の帝国はメタデータで動いている。©  ゲッティイメージズ/グレムリン新たな植民地のフロンティアは、鉱物資源に恵まれたコンゴや石油にまみれたベネズエラだけにとどまらない。デジタル化され、目に見えず、どこにでもある。ナイロビのスラム街からマニラのバリオまで、スマートフォンは21世紀の素材、つまりデータ、あらゆる種類のデータで賑わっている。かつてスパイスや奴隷が帝国のガレオン船で西へと運ばれたように、今やメタデータはパロアルトや深センのクラウドサーバーへと静かに流れている。これは開発ではなく、デジタル抽出だ。AI植民地主義の時代へようこそ。米国、そしてそれほどではないが中国の大手IT企業は、グローバルサウスを行動データの巨大な露天掘り鉱山に変えてしまった。「開発のためのAI」という名目でインフラを構築し、接続環境を無償提供し、パイロットプログラムを後援しているが、その見返りは一方通行にしか流れていない。ガーナで収集された音声サンプルは、欧米の音声アシスタントの訓練材料となっている。ナイジェリアの警察の試験運用で...
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米国の貿易赤字が増大すれば世界経済が崩壊、解消すれば大不況。戦後の資本主義経済が抱える「超巨大な矛盾」の正体

米国の貿易赤字が増大すれば世界経済が崩壊、解消すれば大不況。戦後の資本主義経済が抱える「超巨大な矛盾」の正体4月2日にトランプ大統領より発表され、世界を震撼させた相互関税。「アメリカ・ファーストの極み」とする論調も見受けられますが、その背景には複雑怪奇とも言うべき資本主義の矛盾が存在しているようです。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村大次郎さんが、現在の世界経済が回っている「仕組み」を解説。その上で、「トランプ関税」が資本主義を崩壊に導きかねない理由を詳説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:トランプ関税と資本主義崩壊の危機アメリカの赤字解消が世界経済を破壊する。トランプ関税と資本主義崩壊の危機前回まで、戦後の世界経済は「アメリカ・ドル」を中心に回ってきたということをご説明しました。【関連】元国税調査官が暴露。世界経済を激震させる「トランプ関税」の正体は、“資本主義システムの欠陥”そのものだった「アメリカ・ドル」は、世界の金の7割を持っていたアメリカの莫大な金保有量を背景にして、世界で唯一、「金...
現代の世界各国

英国系潰し策としてのガザ虐殺

英国系潰し策としてのガザ虐殺2025年8月2日   田中 宇イスラエルによるガザ虐殺は、世界の中心だった英国系の諸国(英国と、傀儡である独仏加や米リベラル派など)の諜報力(国際政治力の強さ)の源泉となってきたユダヤ人ネットワークを、英国系から離反させ、英国系を弱体化するための(隠れ多極主義的な)策略でないかと、最近思うようになった。ガザ戦争の目的の中心は、イスラエルが、英国から背負わされたパレスチナ問題を力づくで抹消することだ。しかしそれだけでなく、イスラエルがガザ市民を餓死に追い込むなど意図的にひどい人道犯罪を続けるのは、英国系の諸国がイスラエル敵視を強めざるを得ないようにして、英国系の覇権(諜報力)の源泉であるユダヤ人との結束を破壊し、英国系を弱体化・自滅させる策だと考えられる。英国系は人道主義(敵性諸国に人権無視のレッテルを貼って潰す策)を覇権戦略の一つにしてきた。それだけに英国系は、ガザ虐殺が長引くほど、イスラエルを非難・制裁して縁切りせねばならない。英欧米のユダヤ人はもともとリベラル(人道主義)だ。しかし近年はリベラルが全体主義化し、二者択一になると、ユダヤ人はイスラエルを選...
世界各国の歴史

欧米支配層の戦略に従ってパレスチナ人を大量殺戮しつづけるイスラエル

欧米支配層の戦略に従ってパレスチナ人を大量殺戮しつづけるイスラエルガザの虐殺は続く イスラエルは軍事攻撃でガザの建造物を徹底的に破壊、住民を虐殺しつづけている。また兵糧攻めで飢餓状態。多くの住民が虐殺されつつある。そうした残虐行為を支援してきた欧米の「民主主義国」にも厳しい目が向けられている。 ​「ハーバード大学学長およびフェロー」のウェブサイト「データバース」に掲載されたヤコブ・ガルブの報告書によると、2023年10月7日にイスラエル軍とハマスの戦闘が始まる前、約222万7000人だったガザの人口が現在の推定人口は185万人。つまり37万7000人が行方不明だ​。 ​SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)によると、軍事物資の69%はアメリカから、30%はドイツから供給されている​。そうした物資の空輸やパレスチナの武装勢力を偵察する飛行で中心的な役割を果たしてきたのはイギリスだ。イスラエルは「国」というより「空母」に近い。イスラエルへの物資の輸送や偵察の拠点としてキプロスの軍事基地は重要な役割を果たしてきた。 現在、国連加盟193カ国のうち147カ国がパレスチナを正式に承認している...
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オールドメディアに代わってゼレンスキーの「化けの皮」を明かそう

オールドメディアに代わってゼレンスキーの「化けの皮」を明かそう前回の拙稿「ウクライナ各地でついに始まった「反ゼレンスキー」大規模デモ」で紹介した反ゼレンスキーデモは、いまでも小規模ながらつづいている(下の写真)。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領による二つの反腐敗機関、すなわち国家反腐敗局(NABU)と特別反腐敗検察(SAPOまたはSAP)を事実上、骨抜きとする法律の制定に激怒する人々の怒りは、そう簡単には収まらない。7月27日付の「ウクライナ・プラウダ」が報じた写真。「腐敗防止機関の独立性に関する法律をめぐるキーウの抗議デモが6日目に突入」と書いている。 Photo: Ukrinform(出所)ゼレンスキー大統領のねらいは、自分およびその周辺人物への捜査を避けるために、NABUやSAPOを自分の息のかかった検察庁の支配下に置いて捜査を妨害することであった。贈収賄事件を握り潰そうとする行為は民主主義の蹂躙(じゅうりん)そのものだ。だからこそ、7月26日付の「フィナンシャル・タイムズ」は、今回の暴挙によって、大統領は「民主主義の台座から転げ落ちた」と的確に指摘している。もちろん、欧州連合...
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台湾の野党議員リコール投票はなぜ大敗したのか?

台湾の野党議員リコール投票はなぜ大敗したのか?台湾で最大野党議員のリコール投票へ 反対派が集会(写真:ロイター/アフロ)7月26日、台湾で最大野党・国民党立法委員(国会議員に相当)(以後、議員)に対するリコール(解職請求)投票が行われたが、頼清徳政権(民進党)側は大敗を喫した。その原因を中共のプロパガンダ(浸透工作)のせいにする傾向が強い。そういった要因は否定できないものの、頼清徳政権自身の「言論弾圧」と言ってもいいほどの過度な取り締まりが横行していたという経験をしたばかりだ。実は今年初夏、台湾の「隠された歴史を研究する民間団体」に取材形式のオンライン講演を頼まれたのだが、「長春食糧封鎖という包囲戦から何を学ぶべきか」と聞かれたので、「大陸が台湾統一に際して、長春包囲戦と同様の包囲作戦を実行する可能性がある」と、書面によるQ&Aに回答したところ、真夜中なのに電話が入ってきた。「遠藤先生、それだけは言わないようにしてください!」と切羽詰まった声で訴える。「えっ!なぜですか?」と聞き返すと「そんな事を言ったら親中だと指摘されて生きていけなくなります!」と言うではないか。何ごとかと説明を求め...
現代のロシア

習近平「デジタル監視力」とプーチン「秘密工作」の絶妙なコンビネーション。中露が混乱極まる国際社会で推し進める“裏工作”の標的は?

習近平「デジタル監視力」とプーチン「秘密工作」の絶妙なコンビネーション。中露が混乱極まる国際社会で推し進める“裏工作”の標的は?混迷を極める国際社会にあって、その関係をますます深めつつある中国とロシア。そんな両国が「一致する思惑」実現のため、互いの強みを融合させた裏工作を推し進めていることは疑いようのない事実のようです。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、中ロによる「見事な連携」の全貌を紹介。さらに現在同時に進行する2つの戦争の早期解決を困難にしている背景を解説しています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:戦争・紛争の連鎖の危険性と国際情勢のメインプレイヤーたちの思惑紛争の背後に透ける中ロの思惑。習近平とプーチンが進める「裏工作」に翻弄される世界「ウクライナ戦争においてロシアの敗北を見たくない」これは中国の王毅外相が訪欧時にEUのカラス外交安全保障上級代表との会談で語ったと言われている内容です(CNNやBBCのみならず、新華社でも同様の内容が報じられました)。「こ...
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アジアの歴史的神社をめぐる古い争いがなぜ再燃したのかータイ・カンボジアの過去の国境紛争ー

アジアの歴史的神社をめぐる古い争いがなぜ再燃したのかータイ・カンボジアの過去の国境紛争ー東南アジアで突如勃発した小規模な国境紛争は、本格的な戦争へとエスカレートする恐れがある。少なくとも金曜日、タイは隣国カンボジアに対し「土地をめぐる戦争」と呼ばれる軍事作戦の開始を発表した。その原因は、両国にとって神聖な建造物やシンボルをめぐる争いだった。一体何なのだろうか?戦闘は木曜日、タイ、ラオス、カンボジアの国境が交わるいわゆる黄金の三角地帯で始まり、そこから西へ300キロ離れた別の係争地域へと広がっています。どちらの地域も、アクセスが困難なジャングル地帯で、多国籍ながらも人口はまばらです。両陣営は砲兵、グラッド多連装ロケットシステム、そして航空機による砲撃を行っています。民間人に死傷者が出ており、国境の村々では家屋が破壊されました。カンボジアはタイのF-16戦闘機1機を撃墜したと主張していますが、バンコクはこれを否定しています。金曜日の朝、タイは投下型アグロドローン(ウクライナの「バーバ・ヤーガ」に類似)を用いてカンボジア軍の後方倉庫を攻撃した。バンコクは近代的な経験を積もうと、カンボジアの空...
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イスラエルの覇権拡大

イスラエルの覇権拡大2025年7月25日   田中 宇イスラエルが、中東から北アフリカ、コーカサスまでの広範囲で、独自の覇権拡大を続けている。今後の多極型世界において、イスラエルが属する中東は、イランやアラブ、トルコとの4大国間の平衡体制が予定されてきた。だが最近のイスラエルは、アラブやトルコを手なづける半面、仇敵のイランとその傘下の勢力を軍事攻撃してへこませ、荒っぽいやり方で予定調和を破壊し、多極化を推進する米中露を困惑させている。イスラエルが今後、イランを再攻撃して政権転覆したり、トルコやアゼルバイジャンを押し立てて中央アジアで中露を押しのけて覇権拡大を試みた場合、米露は黙認するだろうが、これまで傍観してきた中国がどうするかも注目点だ。(イスラエル中東覇権の隠然性)(コーカサスをトルコに与える)中東では、イスラエルに反撃してきた最後の諸国であるイランとイエメン(イラン傘下)が、イスラエルからの攻撃の結果、反撃力を失いつつある。かつてイスラエルと戦っていたシリア(アサド政権)とレバノン(ヒズボラ)は、昨年末に相次いでイスラエルに潰され、イスラエルの傀儡もしくは中立的な政権に転換してい...
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オーストラリアと日本は米国主導のアジアNATOへの参加に消極的

オーストラリアと日本は米国主導のアジアNATOへの参加に消極的主要同盟国が中国との紛争の際に台湾防衛に尽力することに躊躇しているため、米国のアジアへの軸足は揺らいでいる2020年7月21日、フィリピン海で行われたアメリカ海軍、オーストラリア海軍、日本の海上自衛隊による三国間演習。写真:アメリカ海軍フィナンシャル・タイムズ紙は、エルブリッジ・コルビー米国防政策担当次官が最近、オーストラリアと日本の防衛当局に対し、台湾をめぐる戦争に両国がどのように対応するかを質問したと報じた。コルビー氏はまた、NATOが直近の首脳会議で国防費の増額に合意したことを受けて、NATOに対し国防費の増額を要請した。コルビー氏は「大統領の『アメリカ第一主義』という常識的な政策の実行、つまり抑止力の回復と力による平和の実現に注力している」とツイートし、この報道に信憑性を与えた。この一連の動きは、トランプ2.0が中国をより強力に封じ込めるために「(東アジアへの)回帰」を真剣に考えていることを示している。そのためには、ウクライナ戦争の凍結と事実上のアジア版NATOの結成が必要となるが、どちらも実現するかどうかは不透明だ...
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キエフで抗議者が「ゼレンスキーは悪魔だ」と叫ぶ(動画)

キエフで抗議者が「ゼレンスキーは悪魔だ」と叫ぶ(動画)デモ参加者は汚職対策機関の独立性を制限する法律に憤慨した。抗議者たちは、国家汚職対策局と汚職対策専門検察庁の独立性を剥奪する法律を非難している。©  Patryk Jaracz / SOPA Images / LightRocket / Getty Images。キエフの抗議者たちは火曜日、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領が汚職対策機関の独立性を制限する法案を支持する決定をしたことを非難し、同大統領を罵倒した。ゼレンスキー大統領は、検察総長庁に国家汚職対策局(NABU)と汚職対策専門検察庁(SAPO)の活動に介入する権限を与える法案に署名したばかりだった。この動きは、NABU事務所への治安部隊による家宅捜索と、ロシアのスパイ容疑で高官が逮捕されたことを受けて行われた。この法案はEU内で懸念を引き起こし、野党政治家からの厳しい批判を招いた。デモ参加者はキエフ中心部に集結し、ゼレンスキー氏の姓を揶揄する愛称を使って「ゼリヤは悪魔だ」と連呼した。また、「恥辱だ」「反逆だ」と叫び、反汚職体制の独立性維持を求めるプラカードを掲げる...
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豪州内で上がる「中国接近に強い警戒」の声。それでも豪首相が習近平の存在感を重視せざるを得ない理由

豪州内で上がる「中国接近に強い警戒」の声。それでも豪首相が習近平の存在感を重視せざるを得ない理由2018年から約4年続いたモリソン政権下を含め、中国に対して強行姿勢を貫いてきたオーストラリア。そんな豪中関係に変化の兆しが見えてきたようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では著者の富坂聰さんが、7月12日から6日間に渡り中国を訪問したアルバニージー豪首相の現地での発言内容を紹介。前政権時には考えられなかった豪政権の対中政策の転換を、「国民の生活を考えれば自然な選択」としています。※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:オーストリア首相訪中で強調された中国経済への強い依存「中国と前向きで建設的な関係を築くことが重要」。豪州首相の訪中で強調された中国経済への強い依存台湾有事で米中が軍事衝突した場合、どのような役割を担うか、明確化せよ──。これはアメリカ国防総省ナンバー3のエルブリッジ・コルビー国防次官が日本とオーストリアに対し突き付けた問いだ。英『フィナンシャルタイム』(FT)が7月12日に報じた。アメリカの台湾防衛に関する態度はあいまい...
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これがウクライナの「現実」…ゼレンスキー大統領追放のカウントダウンが始まった!

これがウクライナの「現実」…ゼレンスキー大統領追放のカウントダウンが始まった!最近、欧米や日本のマスメディアは、米国のドナルド・トランプ大統領がウラジーミル・プーチンを見限ったかのような報道が頻繁にみられる。それは、7月14日、トランプが北大西洋条約機構(NATO)のマーク・ルッテ事務総長との会談(下の写真)の際、ウクライナ紛争が50日以内に解決しなければ、ロシアとその貿易パートナーに100%の「非常に厳しい」関税を課すと脅したからである。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領の肩をもつ西側メディアは「現実」をまったく伝えていない。(出所)シーモア・ハーシュの爆弾記事7月19日になって、アメリカの著名なジャーナリスト、シーモア・ハーシュは自分の運営するサイトで、「ゼレンスキーの終わり? ワシントンはウクライナ大統領の退陣を望んでいるが、それは実現するのか?」という記事を公開した。ハーシュについては、拙著『帝国主義アメリカの野望』において、つぎのように書いておいた(106頁)。「ピューリッツァー賞の受賞歴のあるジャーナリスト、シーモア・ハーシュは2023年2月8日、「アメリカはいかにして...
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フランス、西アフリカにおける恒久的な軍事駐留を終了

フランス、西アフリカにおける恒久的な軍事駐留を終了フランス軍は、その駐留が国家主権に反すると判断された後、セネガルからの撤退を完了した。©  @EtatMajorFr Xフランスはセネガル国内の最後の2つの軍事基地から部隊を撤退させ、同国における60年以上にわたる駐留に終止符を打った。これは、旧植民地諸国がフランスとの軍事関係を断絶し、完全な安全保障上の主権を主張するよう求める広範な動きの中で行われた。木曜日、フランス軍はセネガル最大の基地であるキャンプ・ゲイルとダカール空港の飛行場をセネガル当局に引き渡した。式典には両国の高官が出席した。この式典は、約350名のフランス軍兵士の3ヶ月にわたる撤退が完了したことを記念するものである。フランス軍参謀本部は、施設の引き渡しとセネガル・フランス部隊(EFS)の解散は、フランスとその旧植民地が「新たな形で防衛パートナーシップを継続する」という希望を再確認するものだったと述べた。AP通信によると、フランス軍アフリカ司令官パスカル・イアンニ将軍も「これは、西アフリカと中央アフリカにおける恒久的な軍事基地の廃止というフランスの決定の一環であり、自国領...