ザッカーバーグ、トランプの軍門に降った

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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和七年(2025年)1月8日(水曜日)参
通巻第8588号
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ザッカーバーグ、トランプの軍門に降った
悪評のネット検閲を止め、もっと表現の自由の場に
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大きな動きが出た。メタがトランプの軍門に降ったのだ。
メタのCEOマーク・ザッカーバーグがフロリダ州のトランプ別荘を訪ね直談判してから1か月。
ダナ・ホワイト(トランプの友人)がフェイスブックの取締役に就任した翌日、ザッカーバーグはソーシャルメディアのプラットフォームを抜本的に見直すと発表した。
検閲プログラムの廃止や、イーロン・マスクのXが採用している「コミュニティノート」に似たシステムに切り替える。コミュニティノートは偏向情報、政治プロパガンダなど対立を煽る情報も、第三者が訂正や注釈をつける対応で自由度が高いとされる。
知ってますよね? ペゾスの買収した「ワシントンポスト」の政治色彩がかわり、左翼の風刺漫画家を降ろし、極左だった「ロスアンジェルスタイムズ」がつづいて保守のコラムニストを迎えた。反トランプ急先鋒だったMBNBCテレビはトランプに歩み寄って政治路線を変えたことを。
日本に当てはめると朝日新聞が左翼論調を止め、毎日新聞がつづき、テレビ朝日もついでに保守的に変身するということである。左翼学者やジャーナリストたちの活躍の場が狭くなり、これまで無視されてきた保守論客が主流メディアに登場するという大変化が、アメリカでこれから起きるのだ。
1月7日、ザッカーバーグはフェイスブックに投稿し、次の発言をしている。
「我々は原点に立ち返り、過ちを減らし、ポリシーを簡素化し、プラットフォーム上での『表現の自由』を取り戻すことに注力する」
この意味はトランプら保守の意見を勝手に削除してきた『検閲』が誤りであったので、これをやめると言っているのである。左翼のプロパガンダとして活用されてきたフェイスブックとインスタグラムが変わる。
ザッカーバーグは続けた。
「2016年以降、旧来のメディアは、誤情報が民主主義に対する脅威であると絶え間なく報道してきた。私たちは真実の裁定者とならずに、誠意を持ってこうした懸念に対処しようと努めたが、ファクトチェッカーは政治的に偏りすぎた。私たちは『真実の裁定者』にはなりたくないとしてきた。私たちは、その責任を独立した『ファクトチェック組織』に委ねるという、当時最善かつ最も合理的な選択をしたと考えました。このプログラムの目的は、これらの独立した専門家が、ネット上で目にするもの、特に拡散しているデマについて人々により多くの情報を提供し、
人々が見たものや読んだものを自分で判断できるようにすることでした。しかし事態はそうやすやすとは進みませんでした。専門家も、他の人たちと同様、あまりにも独自で偏った意見も持ち主だったからです」
ザッカーバーグの反省の弁はまだ続きがある。
「何をどのようにファクトチェックするかという選択に偏向が顕著に現れました。時間が経つにつれ、正当な政治的発言や討論であると理解する内容がファクトチェックの対象になりすぎてしまいました」。
メタの決断は「第三者によるファクトチェック」を終了させ、代わりにコミュニティノート 形式に移行する。イーロン・マスクのXモデルに従うというのだ。
さらに重大な決断をザッカーバーグが言った。
左翼の蔓延るカルフォルニアから、「明るい健全なアメリカ人のいるテキサス」などへ本社を移転させると宣言した。カリフォルニア州知事もサンフランシスコ市長も真っ青だろう。
メタの変身は何をもたらすか?
左派が攻撃してきたトランプや保守論客、つまり彼らの「政敵」に対して検閲の武器だった「ファクトチェッカー」に資金を提供または支援する極左の億万長者、旧来の主流メディア、連邦政府機関からの転換を示唆するのではないか。
ザッカーバーグの転向、換言すればメタがトランプ新政権と協力し、言論の自由などの西洋の価値観を世界規模で推進するという方針の大転換である。
知ってますか。このニュース、ニューヨークタイムズのトップ記事です。
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