コロンブスじゃなかった!…アメリカ大陸の「真の発見者」と日本人の「意外な関係」

世界各国の歴史
コロンブスじゃなかった!…アメリカ大陸の「真の発見者」と日本人の「意外な関係」(青山 和夫)
「アメリカ大陸を発見したのはコロンブス」と一般的に考えられていますが、じつは違います。ヨーロッパ中心の歴史観がそう解釈してきたにすぎません。アメリカ大陸の「真の発見者」は、今から1万5000年ほど前の氷河期にアジア大陸からやってきた新人ホモ・サピエンスでした。

「アメリカ大陸を発見したのはコロンブス」と一般的に考えられていますが、じつは違います。ヨーロッパ中心の歴史観がそう解釈してきたにすぎません。

アメリカ大陸の「真の発見者」は、今から1万5000年ほど前の氷河期にアジア大陸からやってきた新人ホモ・サピエンスでした。

【※本記事は、青山和夫編『古代アメリカ文明  マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像』(12月14日発売)から抜粋・編集したものです。】

アジア系狩猟採集民の末裔が築いた「二大文明」

コロンブスは、1492年にアメリカ大陸を発見しなかった。アメリカ大陸を発見したのは、それよりも500年ほど前にカナダ北東部に到着したバイキングのレイフ・エリクソン一行でもない。どちらもヨーロッパ中心的な偏った歴史観である。

アメリカ大陸の真の発見者は、人類進化のうえでは最も新しいタイプである新人ホモ・サピエンスのうちアジア系の狩猟採集民であった。彼らは、今から1万5000年ほど前の氷河期に、アジア大陸から無人のアメリカ大陸にやってきた。それは、700万年の長い人類史において「ごく最近の出来事」であった。

「新人」が「最後」に発見した大陸

アフリカ大陸に起源を持つ猿人、原人、旧人がアメリカ大陸に到達することはなかった。アメリカ大陸は、世界五大陸のうち新人が最後に発見した大陸である。つまり、ヨーロッパ人が「発見」したから「新大陸」なのではない。「新大陸」という呼称は、先住民となる新人が最後に発見した大陸という人類史的な意味において適切といえよう。

コロンブス以前のアメリカ大陸には、多様な先住民が暮らし、1800以上の言語が話されていた。しかしながら芸術や科学において高度な水準を達成した社会、すなわち文明が出現したのは、マヤやアステカが栄えたメキシコと中央アメリカ北部のメソアメリカとナスカやインカで知られる南米のアンデスという二地域だけであった。

私たち日本人と同じアジア系の狩猟採集民の末裔である先住民が、メソアメリカとアンデスという、古代アメリカの二大文明を築いた。

なおメソアメリカの「メソ」は「中間、中央」を意味し、メソアメリカはアメリカ大陸の中央部を指す。現在のメキシコと中央アメリカのグアテマラ、ホンジュラス、ベリーズやエルサルバドルが含まれる。

人類史における古代アメリカ二大文明の特異性

世界の大部分の文明社会は、一次文明との交流のなかでその刺激を受けて成立した二次文明やその周辺で興った文明である。例えば、メソポタミア文明との交流によって二次文明のエジプト文明、インダス文明、ギリシア文明やローマ帝国が成立した。一方で、中国文明との交流のなかで二次文明である古代日本の社会が発展した。

旧大陸の諸文明では地域間で物品や情報の交流があり、相互に影響しながら展開した。人類史における古代アメリカの二大一次文明の特異性は明らかといえよう。

メソアメリカ文明とアンデス文明は、長い年月をかけて個別に発展を遂げたという点において人類の文明の起源と形成を知るうえでたいへん重要な位置を占めるのである。

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ヨーロッパ人「発見」以前の新大陸の歴史を私たちは軽んじていないか?

人類史の常識に再考を迫る最新知見がおもしろい!

「多くの人が生贄になった!? 」「大河の流域でないと文明は生まれない!? 」「 無文字社会にリテラシーは関係ない!?」「 王は絶対的な支配者だった!?」

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