日本人が知っている「世界四大文明」は欧米では通じない!…「日本特有の教科書用語」が生まれた「驚きの理由」

世界各国の歴史

【人類は「世界四大文明」を起点として進歩、進化してきた】と日本の教科書に記述されています。
しかし、これは事実ではありません。

最近は、「グローバルサウス諸国」の台頭が注目を浴びており、欧米諸国中心の世界観や価値観が見直されつつあります。
このような中で、「古代アメリカ文明」に焦点を当て「文明」を追求している記事を紹介します。

日本人が知っている「世界四大文明」は欧米では通じない!…「日本特有の教科書用語」が生まれた「驚きの理由」(青山 和夫)
日本の教科書に書かれた「世界四大文明」という言葉。じつは「学説」ではないことはあまり知られていない。「四大文明」という言葉が長年一人歩きし、「世界に最初に生まれた4つの文明」というイメージが広く定着している。だが、じつはほかにも文明は生まれていた。日本に流布している「世界四大文明」史観を脱構築していこう。

日本の教科書に書かれた「世界四大文明」という言葉。じつは「学説」ではないことはあまり知られていない。

「四大文明」という言葉が長年一人歩きし、「世界に最初に生まれた4つの文明」というイメージが広く定着している。だが、じつはほかにも文明は生まれていた。

日本に流布している「世界四大文明」史観を脱構築していこう。

【※本記事は、青山和夫編『古代アメリカ文明  マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像』(12月14日発売)から抜粋・編集したものです。】

「四大文明」と言ったのは、口調がいいから

日本の読者にとっては、「世界四大文明」(メソポタミア、エジプト、インダス、黄河)は耳慣れている言葉であろうが、じつは学説ではない。考古学者の江上波夫が普及させた教科書用語である。

それは、江上が関わった山川出版社の高校教科書『再訂世界史』に1952年に登場した特異な文明観であり、欧米には存在しない。なお「四大文明」という呼称は、20世紀初頭には日本と中国に存在していた。

ユーラシア史家の杉山正明によれば、江上はマヤやアンデスなど世界には他に文明が栄えたことを認めていた。一方で「四大文明」と言ったのは、「口調がいいからで、本当はいろいろあるさ」と杉山に大笑いしたという。

「四大文明」という言葉が一人歩き

ところが「四大文明」は一人歩きして長年にわたってマスメディアや教科書に取り上げられ、旧大陸(ユーラシア大陸とアフリカ大陸)中心的な世界史観を形成してきた。

図「古代アメリカ文明」に焦点を当て「文明」を追求している記事を紹介します。

本書で取り扱う古代アメリカ文明は、メソアメリカ文明とアンデス文明からなり、先スペイン期(16世紀以前)に盛衰したさまざまな社会の総称である(図)。

古代アメリカ文明はAncient American Civilizationsの訳であり、ここでいう「古代」は日本列島の縄文時代から室町時代に相当する。日本史の古代とは異なるので、気をつけていただきたい。

メソアメリカとアンデスは、旧大陸社会と交流することなく、アメリカ大陸でそれぞれ独自に興隆した一次文明であった。一次文明とは、メソポタミア文明や中国文明と同様に、もともといかなる文明もないところから独自に生まれたオリジナルな文明を指す。

一次文明は世界に4つしか誕生しなかった

じつは一次文明は世界に4つしか誕生しなかった。つまり、メソアメリカ文明とアンデス文明は世界で4つだけの「世界四大一次文明」の二つを構成した。

メソアメリカとアンデスという一次文明の研究は、旧大陸や西洋文明と接触後の社会の研究だけからは得られない新たな文明史観や視点を提供して、西洋中心史観や旧大陸のいわゆる「四大文明」中心的な世界史の脱構築につながる。

アメリカ大陸の二大一次文明に関する研究は、日本でもかなりの蓄積がある。しかし残念ながら、今なお学術研究と一般社会のもつ知識の隔たりは大きい。

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ヨーロッパ人「発見」以前の新大陸の歴史を私たちは軽んじていないか?

人類史の常識に再考を迫る最新知見がおもしろい!

「多くの人が生贄になった!? 」「大河の流域でないと文明は生まれない!? 」「 無文字社会にリテラシーは関係ない!?」「 王は絶対的な支配者だった!?」

――「常識」の嘘を明らかにし、文明が生まれる条件を考える。青山和夫編『古代アメリカ文明  マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像』は12月14日発売です!

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